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■夏の日の想い出・郷愁(32)

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飛行機は18:10に羽田に到着する。
 
「千里はフランスに戻るの?」
と私は千里に訊いた。
 
「今日は練習お休みなんだよ。明日は練習があるから、フランス時間の朝9時、日本時間の夕方5時から練習に参加する。だから夕方4時くらいまでは日本にいるから、何かあったら対応できるよ。練習はフランス時間で夕方6時に終わるから、日本時間で深夜2時くらいからはまた対応できる。休日はフランス時間で夕方8時からの試合が多い。日本時間だと翌日の朝4時から。どっちみち6時にはフリーになる」
 
どうも話を聞いていると、千里はフランスと日本を瞬間的に移動できるようだ。その問題については、突っ込まないことにしておく。
 
「なるほどー。午前中が都合がいいというのは、そういうことだったのか」
 
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「じゃ、あと残りの曲頑張ってね」
「うん」
 
私は千里と握手をして別れた。
 

風花と妃美貴はマンションと★★レコードに寄るということだったが、私は新宿の∴∴ミュージックに向かった。
 
「明けましておめでとうございます」
と言って中に入る。
 
「明けましておめでとう!」
と和泉・小風・美空が言う。畠山社長と花恋も出てきていて、
 
「今お雑煮も持って来ますが、とりあえずおとそを」
と言って朱塗りの杯を渡す。
 
「じゃお正月だし」
と言って飲み干すが薬草の味が何ともいえない。
 
「これ博多のお土産ね」
と言って、毎度おなじみの《通りもん》を出す。実際には妃美貴に買っておいてもらったものである。
 
「ああ、これ好き〜」
と言って、みんなつまんでいた。
 
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早速明日からのツアーについて打合せをした。その日は夜9時頃まで打合せをして、解散した。
 

私は夜9時半頃にマンションに帰ると、千里から渡されたUSBメモリーの中のwominaのフォルダを開いた。mp3があるので再生するが、このパターンが私の好みだと思った。それでそこからスコアを印刷した。
 
それでこの日は寝たが、翌1月2日は、朝から尾藤教授のご自宅を訪問した。
 
「明けましておめでとうございます」
「明けましておめでとう。お屠蘇飲んでいきなさい」
「すみません。この後、ライブに出ないといけないのでアルコールは禁止で」
「じゃ、お雑煮とおせち食べて行きなさい」
「では頂きます」
 
そういう訳で私はお雑煮とおせちを頂いて、譜面とCubaseのデータを渡した上で、趣旨の説明もした。
 
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「なるほど、最初はロックバンドで演奏して、その後展開部をオーケストラに演奏させて、最後は一緒という訳か」
 
「できますでしょうか?」
「できるできる。面白いと思うよ」
 
それで尾藤教授は譜面を見ていたが、やがて言う。
 
「面白いことしてるね。これ提示部と展開部は19世紀までの調性音楽の世界で、最後の再現部の所は、調性音楽とも、20世紀の無調音楽とも違う、不思議な和音の世界になっている」
 
「ジャズのブルーノートや、そこから揺り戻しをしたロックのペンタトニック音階とも違う、もっと耳に馴染む音階というので、グリーンノートと醍醐春海が命名していました」
 
「ああ、それは面白い命名かも知れない」
 
教授は1週間くらいで書き上げられると思うと言っていた。
 
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KARIONのツアーはまず1月2日に東京国際パティオで、翌3日には大阪のビッグキューブで行われた。次は1日休んで5日に福岡なので、他のメンバーやトラベリングベルズはそのまま福岡に移動するということであったが、私は『お嫁さんにしてね』のPV撮影のため、沖縄まで往復して来た。
 
(我ながらハードスケジュールだと思う)
 
その後、ライブは1月5日福岡、6日名古屋、7日札幌と続いて終了した。
 
7日の夕方の便で東京に戻ってきてマンションに帰ると、政子は私にキスして
「まだ姫始めしてないよ」
と言った。
 
「はいはい」
それで私たちはその日になってやっと姫始めをした。
 

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どちらもその後眠ってしまったのだが、夜中に目が覚めた。
 
「冬、紅茶でも入れて」
「OKOK」
 
それで私がケトルでお湯を沸かして、ニルギリの茶葉で紅茶を煎れ、ミルクティーにして政子に渡す。
 
「美味しい美味しい」
と言って政子は紅茶を飲んでいる。
 
「そうだ。この曲に歌詞をつけてくれない?」
 
と言って、私は耶馬溪から北九州空港に移動する途中で書いた曲を見せた。
 
「どんな曲?」
と言うので、私はドレミで歌ってみせる。
 
「ああ、これ何となく古代っぽい」
「さっすがー! ヤマトタケルとか『銀の海・金の大地』とかの世界だよ」
「『イーティハーサ』は?」
「そこまで古くはない」
 
ヤマトタケルはだいたいAD380年頃の人、『銀の海・金の大地』はだいたいAD340年頃の話である。『イーティハーサ』は恐らくBC3000年頃の話だろう。
 
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「男の娘は出てくる?」
と政子は訊いた。
 
なぜそういう話になる!?
 
「古代の男は“をぐな”、女は“をみな”と言ったらしい。千里の説では古代の男の娘は“をぎな”」
 
「おぉ!をぎな!」
と政子は喜んでいる。
 
「なんとなく分かった。じゃ、冬が伴奏の方の制作をしている間に書いておくね」
「よろしく〜」
 
そして政子の書いた詩には「をぐなも、をみなも、をぎなも、をむなも」などというフレーズが入っていた!をむなは多分“女の息子”を表す政子の造語だろう。
 

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私たちはその日から『郷愁』の制作に戻った。
 
制作もいよいよ大詰めである。残りの曲は下記だ。
 
『刻まれた音』(マリ&ケイの作品)
『ふるさと』(マリ&ケイ名義だが実は青葉作ということにしておいて、本当は私が書いた作品) 
『郷愁協奏曲』(マリ&ケイ名義だが実は丸山アイ作ということにしておいて、本当は私が書いた作品) 
 
つまり残っているのは全部私(とマリ)の作品なのである。今回のアルバム制作では最初の方で他の人の作品をひたすら作り、私とマリの作品は最後の方で作ることになった。
 
残りの3曲はこのようなスケジュールで制作した。
 
1/12-14,19-21,26(金土日x2金)『ふるさと』
1/8-11,15-18,22(平日)『刻まれた音』
1/22-25,27-28『郷愁協奏曲』
 
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KARIONのツアーから戻って最初に《平日組》で新宿のサブスタジオで制作したのが『刻まれた音』であった。私はこの曲はダリの『記憶の固執(La persistencia de la memoria)』を少しイメージしながら書いた。例の《柔らかい時計》が描かれた作品である。
 
基本的にはスターキッズのアコスティック版を使用し、それに懐かしさを感じさせる楽器の音を組み込んだアレンジにしている。出てくる楽器(?)はこのようなものである。
 
でんでん太鼓、水笛、オカリナ、銅鑼、灯台の霧笛、蒸気機関車の汽笛、木魚、明笛、口琴、折り畳み式の木琴、小学生用のピアニカ、小学生用のハーモニカ、昔風のトイピアノ。
 
銅鑼、灯台の霧笛、蒸気機関車の汽笛、木魚、は風花と有咲に、実際にその音を収録できる所まで年内に行って録音してきてもらっていたものを使用した。
 
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明笛は千里に吹いてもらい、口琴(ムックリ)は以前KARIONの作品で口琴を演奏してもらい、最近は自分の作品にも結構口琴を入れている福留彰さんにお願いして演奏してもらった。
 
小学生用のハーモニカは小風、折り畳み式の木琴は美空、小学生用のピアニカは風花、昔風のトイピアノは丸山小春、水笛は琴絵、オカリナは仁恵に演奏してもらった。
 
「音痴の私が演奏していいの?」
と琴絵は言ったが
「水笛は音程が無いから問題無い」
と私は答えた。
 
でんでん太鼓は、ちょうど見学に来た友人の礼美の子供(3歳)に打たせた。本人は凄く楽しそうに打っていて、とてもいい感じになった。ここは子供が遊んでいる感じが欲しかったのである(最後はお持ち帰りにした)。
 
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この作品で月丘さんにはピアノの代りにサマーガールズ出版所有のバージナルを弾いてもらった。『花園の君』で使って以来、久々の使用である。念のため直前に調律してもらったが、ほとんど狂ってないと言われた。
 
この作品のPVにもこれらの楽器を演奏している様が取り込んである。銅鑼は実際に船で打たれている所、霧笛は灯台の映像、汽笛は蒸気機関車の映像が入っている。そしてこのPVの最後はそれらの写真が貼られたアルバムをマリが閉じるところで終わっている。
 

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『刻まれた音』と並行して、休日組で『ふるさと』を制作した。こちらは金曜の午後から月曜の朝まで、郷愁村に泊まり込んでの制作である。もちろんムーランの郷愁村店も健在である。
 
最初の週は若葉自身が来ていた。しかもエヴォン時代のメイド服を着ていたので、特に男性陣に好評であった!
 
「そうだ。ボーリングしてみたら温泉が出たんだよ。だから温泉宿を作るから。県の許可は取った」
 
「このマンションを旅館に改造するの?」
「いや、そちらは音源制作専用。旅館にするには、旅館の基準に合わない所も多いんだよ。だから温泉と旅館の建物は別に建てる」
「お金掛かるのに!」
「そんなこと無いよ。ほんの40億程度で済むし」
 
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やはり若葉は金銭感覚が違う!
 
若葉が★★レコード株で儲けたお金は、その後、お母さんが若葉本人には株取引禁止!を言い渡し、専門家に運用させているので、当時より既に2割くらい増えているらしい。
 
若葉は仕事柄豪華な友禅の和服を着たりすることはあっても、プライベートではブランド物の服を着て出歩くような子ではなく、ユニクロやしまむらが大好きな子なので(やはり何のこだわりもなく好きな服を着るのが本当のお金持ちなんだろうと私は彼女を見ていて思う)、確かにお金の使い道に困るのかも知れない。
 
なお、本人は全く儲ける気が無かったムーランも、その大胆な運用がしばしば雑誌の取材を受けたりして、わざわざ地方から出てきてムーランで御飯を食べたりする人も出てきたため、まさかの黒字状態が続いている。やはり若葉が高額の報酬を払って、一流の料理人を雇っているので、味の評価は物凄く高い。しかもお代は庶民的なので、凄い人気が出てしまったのである。
 
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現在、トレーラーも全部で10台に増えている。予約したいという電話も掛かってくるが、あくまでランチ用のレストランという経営方針なので、予約はいっさい受け付けていない。テイクアウトはイートインの5倍あるらしい。
 

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『ふるさと』は『郷愁協奏曲』を書くまでは、この曲を最後に制作しようと思っていた作品である。
 
最初はアコスティックにまとめるつもりだったのだが、『刻まれた音』も『郷愁協奏曲』もアコスティックなので、こちらはスターキッズの電気楽器バージョンを使うことにした。その他に多少の和楽器の音を入れることにして、今田一家に協力してもらった。
 
友見に箏、三千花(槇原愛)に三味線、小都花(篠崎マイ)に太鼓、七美花に尺八を入れてもらっている。これに音源制作の際は私が胡弓を弾いた。
 
この曲のPVに関してはアニメで作る方針を早い時期に決め、11月下旬にアニメ制作会社に発注しておいた。それは1月中旬にできあがってきたが、テレビの『日本昔話』を思わせるような、ノスタルジックなアニメに仕上がっていた。
 
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実際、『金太郎』『桃太郎』『たのきゅう』を思わせるようなシーンが挿入されている。
 

「『たのきゅう』って女装して大蛇(うわばみ)をやっつけてお金持ちになる話だよね」
などと政子が言う。
 
「マリちゃんは何でも女装とか性転換に結びつけたがる」
「でも女装した、たのきゅうに大男がメロメロになったのなら、たのきゅうさんの女装のテクはかなり凄いんじゃない?」
「そうかもね〜。あるいはたのきゅうさん自体が凄い美男子だったりして」
 
「あ、たのきゅうは可愛い男の娘だったのかもね」
「やはりそういう話になるのか」
 
 
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■夏の日の想い出・郷愁(32)

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