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■夏の日の想い出・郷愁(8)

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青葉の友人3人は学校があるので参加は難しい。それでフルート奏者とクラリネット奏者を探すこととなった。
 
あちこち問い合わせている内に、丸山アイから電話がある。
 
「フルート奏者を2〜3人、探してるんだって?」
「うん。誰かいい人知ってる?」
「期間はいつまで?」
「だいたい2月いっぱいまでと思っているんだけど。平日の夕方新宿または金曜の夕方から月曜朝まで、埼玉県K市に泊まり込み。どちらかの日程でいい。18歳未満は夜10時まで」
 
「女の子がいいよね?」
「できれば。でも最悪男でもいいよ」
 
「だったらレインボウ・フルート・バンズのジュンとモニカとアリスを参加させようか?」
 
「ほんと!?彼女たちなら技術的に全然問題無い」
 
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「演奏技術の揃っている人が3人欲しいんでしょ?」
「そうなんだよ!技術差があると使いにくいんだ」
「あの子たちはフェイ以外、だいたい技量が揃ってるから」
「助かる。お願い」
 
それで、その3人が参加してくれることになった。
 
でも何でレインボウ・フルート・バンズのことで丸山アイが連絡してくるんだ??
 
なおフルート奏者が3人確保できたので、クラリネットは詩津紅に頼むことにした。
 

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私、和泉、七星さん、氷川さん、森元課長は話し合い、私を中心とした音源制作作業と並行して、和泉を中心としてベストアルバムの制作をすることにした。
 
仮題は『Rose+Lily the best vol.3』である。ローズ+リリーのベストアルバムは2009年に出した『長い道』、2013年に出した『RPL投票計画』がある。それで2013年以降に発売したシングル・アルバムの中から和泉・小風・美空の3人が選ぶベスト12曲程度をまとめてアルバムにしようという魂胆なのである。
 
これを10月20日くらいまでに曲目を選択し終えたら、実は元々『郷愁』をプレスするためにプレス工場に入れていた予約で、それをプレスできる。そうすればプレス工場に違約金を払わなくて済むし、何よりもプレス工場の信頼を失わなくて済む。
 
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和泉たちは10月10日の夕方、和泉のマンションに急遽集まって、その日一晩で曲目を選んでしまった。これが和泉たちが選んでくれた Rose + Lily the best between 2013-2016 である。
 
『振袖』『寒椿』『愛のデュエット』『ダブル』『ずっとふたり』『幻の少女』、『花園の君』『雪虫』『夜ノ始まり』『灯海』『雪を割る鈴』『苗場行進曲』、『Heart of Orpheus』『コーンフレークの花』『門出』
 
12曲ではなく15曲あるが演奏時間の合計が68分47秒で曲間と前後の無音時間合計90秒を入れても70:17になり、ちゃんと1枚のCDに入るのである(74:42を越える収録時間のCDは古いCDプレイヤーで再生できない場合がある)。リミックスは行わないことにして、マスタリングだけ有咲の手で行ってもらう。
 
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セットするPVであるが、一般発売していなかった《ライブ併映バージョン》を使用することにする。その編集(主として長さの調整)は氷川さんと小風とでやってもらうことにした。
 
また各曲について、和泉が自らライナーノートを書いてくれることになった。
 

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こちらがアルバムの制作スケジュール変更でバタバタしていたのが少し落ち着いたかなと思った、10月16日(月)、コスモスが電話して来た。
 
「アルバムの制作日程が延びたということで良かったですね」
 
「いや、そちらの山村さんのおかげです。本当に生き返った気分です。鱒渕さんもこちらに貸して頂いて」
 
「鱒渕ですが、こちらからの出向ということにして、籍はこちらに置いたまま給与をそちらで払ってもらうとかではどうでしょうか?」
 
「ええ。それでいいです。そちらでもらっていたのと同程度出したいと思うのですが、そちらではいくら出していました?」
 
「額面で**万円、それから税金・厚生年金・健康保険を引いてだいたい手取り**万円くらいなのですが、そちらは年金とか保険とかは?」
 
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「ありますよー。ではそれと同額ということで」
 

「ところで物凄く忙しい時に申し訳ないのですが、もし可能ならアクアに1曲、楽曲を頂けないかと思って」
とコスモスが言うと、それをスピーカーで聞いていた政子が割り込んだ。
 
「アクアちゃんのためなら書くよ〜。今度はどんな曲が欲しいの?」
「アクアが1〜3月に主演するティーンズ向けドラマの主題曲なのですが」
 
「何のドラマ?」
「実は少年探偵団なんですよ」
「おぉ!」
 
「1月放送開始ですので、CDの発売は年末。ですから実は制作まであまり時間的余裕がないのですが」
 
「大丈夫大丈夫。ケイが書けなかったら私が曲まで書いちゃうから」
などと政子は言っている。
 
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「でもそれだったらアクアは小林少年で、女装するよね?」
と政子は訊く。
 
「はいそうです。アクアに女装させないと、ファンがうるさいですから」
とコスモスも言っている。
 
「ちなみに明智探偵は本騨真樹さん、文代さんが特別出演の山村星歌ちゃんで」
「本当の夫婦が夫婦を演じるんだ!」
「怪人二十面相が大林亮平さんです」
「リョーか!そういえばこないだからあいつ何か隠している感じだったけどこの件だったのか」
 
大林亮平は狙われた学園で京極、キャッツアイでは課長を演じるなど、アクアのドラマには縁が深い。
 
「ちなみに第1話は乱歩の『少年探偵団』後半の物語なので、小林少年が女中に化けます」
「素晴らしい素晴らしい」
 
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それで結局政子は勝手にこの仕事を受けてしまった!
 

シングルの音源制作に入る前、私と政子は七星さんや風花の勧めで旅行に出ることにした。『郷愁』の制作で精神的に疲労困憊したので、一度リフレッシュしてから新たな制作に入った方が良い、と七星さんが言ったのである。
 
但し付き添い!で★★チャンネルの琴絵が付いてくる!
 
彼女はドライバー兼撮影係で旅行中の私たちの表情をたくさん撮影し、シングルのPVに一部使うという話であった。
 
私たちは羽田から長崎空港に飛んだ。
 
そのまま長崎市に入り、眼鏡橋などを見てから中華街の新和楼でちゃんぽんを食べる。政子はこのちゃんぽんを食べただけでご機嫌である。
 
その後、琴絵の運転するレンタカーでハウステンボスに行き、夕方少し前から閉園時間まで過ごして、佐世保市内のホテルに泊まった。
 
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翌日は午前中鹿子前桟橋から遊覧船に乗って九十九島(くじゅうくしま)を見た。その美しい景色に政子が歓声をあげていて、私はそれを見て心が弛む感じだった。その後、市の北部・大野地区にあるハンバーガーショップ《らりるれろ》でお昼を食べた。ここは《佐世保バーガー》の元祖のひとつである。
 
(2015年現在《らりるれろ》は大野と西海橋の2店舗がある模様)
 
「これは・・・・」
と一口食べてから政子が言葉を停める。
 
「ん?」
「ほどほどに美味しいハンバーガーだ」
 
私は微笑んだ。
 
「うん。里美おばちゃんの旦那さん・忠吉さんは《佐世保バーガー》なんて言われるより遙か前に、この店が佐世保中心部のスーパーの店内にあった頃から時々食べていたけど取り立てて味が記憶に残っていなかったらしい」
 
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「でもだったらかなり昔からあるんだよね?」
「少なくとも40年以上前にはあった計算になる。マクドナルドより古いかも」
「それも凄いなあ」
 
食事をした後、近くにある《眼鏡岩》を見る。
 
「これは面白い!」
「昔はよく子供が登って遊んでいたらしいけど、崩落の危険もあるというので今は登るの禁止になっているみたいね」
 
「ああ、禁止って書いてある」
「忠吉さんは小さい頃ここに登っていて、蛇とお見合いして泣いて逃げ降りてきた思い出があると言っていた」
 
「ああ、それは怖い」
 

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眼鏡岩の後は、佐世保富士の異名もある烏帽子岳に登った。そろそろ夕暮れである。
 
「九十九島がきれーい!」
と政子は言うと、詩を書いていた。タイトルを見ると
 
『夕暮れ少女』
と書かれている。
 
歌詞を見ると《少し自信が無くても夕暮れ時なら大丈夫》などというのが入っている。一体何を唆しているんだ!?
 
「もしかしてアクアに渡す歌?」
「そうそう。冬、今夜これに曲をつけてよ」
「まあいいよ」
 
私たちは夕焼けの中少し散策した。
 
「何か碑があるね」
と政子が言う。
 
「『美しき天然』の碑だね」
「なんだっけ、それ?」
「メロディー聴いたら知っていると思う」
と言って私はドレミで歌う。
 
「ラーラ、シラシ、ミーファミー、ファーミラーファミー」
 
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「あ、ちんどん屋さんの歌だ」
と政子は言った。
 
「うん。昔はよく『サーカスの歌』と言っていたらしいけど、最近は日本のサーカスが衰退してしまったから、むしろ『ちんどん屋さんの歌』として認識する人の方が多いね」
 
「ちんどん屋さんも衰退してる」
「サーカスはもう絶滅危惧状態だから」
 
「佐世保の海軍の軍楽長と佐世保女学校の教師を兼任していた田中穂積(1855-1904)が女学校の生徒たちの愛唱歌として作ったものなんだよね。結構全国的に広まったんだけど、戦後ある程度経ってからは、サーカスやちんどん屋さんの歌として記憶されることが多くなった」
 
「一種の流行歌かな」
「だと思う。今ならアニメの歌なんかを演奏したら人が寄ってくるのと似たような感覚で演奏されてたんじゃないかな。田中はこの烏帽子岳から見える九十九島の風景を見ながらこの曲を書いたともいうんだよ」
 
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「まあきれいだよね〜。ここって本当に島が99個あるの?」
「最初は100個だったけど、1個流れてしまって99個になったという伝説がある」
「へー!」
「ちゃんと数えると200を越すらしいけどね」
「なるほどー」
 

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私たちは山を下りて、そのまま西九州自動車道に乗った。
 
そして琴絵の運転で福岡方面に向けて走っている車の中で政子は唐突に言った。
 
「私ね。実は亮平と別れた」
「いつの間に!?」
 
「自分たちこのまま結婚するのかなあ、とかふたりで話していたのよ。でも自分たちが結婚する未来というのが、私には描けなかった」
 
「なんで?」
 
「私、主婦とかできそうもないし」
 
「別に御飯とか作らなくてもいいし、お掃除とかしなくてもいいと思うよ。マーサ、お金はあるんだから家政婦とか雇えばいいじゃん」
と私は言う。
 
「そういうのもあまり好きじゃ無いなあと思って」
「彼が御飯くらい作ってくれるかもよ」
 
「亮平は私に、何もしなくてもいい。ただ家に居てくれるだけでもいいと言った。でも私はそういう家庭生活にも耐えられない気がした」
 
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「音楽聴いたり、旅行したりとかでもいいんじゃないの?」
 
「いろんなパターンを話し合ったんだけど、どうしても自分の納得のいく家庭の姿が描けなくて。それで別れようと言った」
 
「でも亮平さんのこと好きなんじゃないの?」
と私は言う。
 
「好き・・・だと思う。でも私、彼の恋人にはなれても奥さんになれない」
「恋人のままでもいいじゃん」
「それは彼を拘束するだけのような気がして。だから私は指輪を返そうと思った」
 
「彼は?」
「俺に返すつもりならば捨ててくれと言った」
 
「・・・」
 
「だから指輪は持っておくことにした。もうつけないけど」
 
「そう・・・」
 
「だからこないだの日曜日のデートが私たちの最後のデート」
 
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政子はそう言うと、私の身体に肩を寄せた。私は黙って政子の肩を抱いた。政子は泣いていた。
 
 
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