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■夏の日の想い出・郷愁(24)

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演奏が終わって拍手が来る。私たちはお辞儀をした。
 
「こんばんは!ローズ+リリーです」
とマリと2人で挨拶する。
 
今日の私とマリの前半用の衣裳は、ふたりともボーン入りで裾が広がった膝丈のスカートである。例によってマリが白で私が赤である。
 
「年末の慌ただしい中、ローズ+リリーのカウントダウン・ライブに起こし頂き、ありがとうございます。これから0時のカウントダウンまで走り抜きましょう」
 
「今歌った曲は現在制作中のアルバム『郷愁』に収録予定の『硝子の階段』という曲です。曲のアレンジ自体が、ちょっと昔風ですよね。私も郷愁というタイトルに刺激されて少し古い感じのアレンジを試してみました」
 
「だけど福岡は食べ物が美味しくていいね」
とマリは言う。
 
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「マリは私より早く福岡に入ったもんね」
 
「うん。朝一番に入って、朝御飯におきゅうとと辛子明太子を食べたし、お昼は長浜ラーメンを食べたし、おやつに、ひよこ・筑紫餅・花千鳥・博多の女を食べて、晩御飯は美味しいお刺身に、水炊きを食べたし」
 
「いつもながらよく入るね」
と私が言うと、客席でも忍び笑いの声がかなりある。
 
「明日はウナギのセイロ蒸しを食べなければ」
などと言っている。
 
「おせちは?」
「もちろん食べるよ。お雑煮もね。九州に来たら、カツオ菜のお雑煮が楽しみ」
 
政子は長崎県の諫早市出身なので、お雑煮にカツオ菜を入れる流儀を知っている。もっとも小さい頃はそれが嫌いで、よけてお餅だけ食べていたらしい。
 
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「ほんとによく入るね。それでは演奏者の紹介をします」
 
「ヴァイオリンソロ:鈴木真知子」
「ヴァイオリニスト:伊藤ソナタ・桂城由佳菜・前田恵里奈・佐藤典絵・富永英美・長崎詠子・荒井路代・生方芳雄」
 
私が最後に男性っぽい名前を呼んだので少し客席がざわめいている。普段は女性ヴァイオリニストで揃えることが多いので、今回は男性が入っているのに少し驚いたのかも知れない。ステージ近くの席からは彼がズボンを穿いているのが分かるのだが、遠くからは他のヴァイオリニストのドレス姿とあまり区別がつかず、男性名っぽく聞こえたけど女性なのだろうと思われた可能性もある。
 
「フルート:醍醐春海・田中世梨奈・秋乃風花」
「ピアノ:古城美野里」
「クラリネット:近藤詩津紅、上野美津穂」
「篠笛:大宮万葉」
 
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醍醐春海や大宮万葉という名前に反応したかのように拍手が来るので、千里たちも手を振っていた。
 
「テナーサックス:鮎川ゆま」
 
大きな拍手が来る。ラッキーブロッサムのフロントマンとしての活動で、ゆまの名前は周知度が高い。
 
「琵琶:若山鶴風、箏:若山鶴朋、胡弓:若山鶴宮、和太鼓:若山鶴鹿、三味線:若山鶴朝・若山鶴鳴、以上は若山流鶴派の皆さんです」
 
拍手がある。
 
「アコスティック・ギター:近藤嶺児、ヴィオラ:鷹野繁樹、チェロ:宮本越雄、コントラバス:酒向芳知、マリンバ:月丘晃靖、トランペット:香月康宏、アルトサックス:近藤七星、以上スターキッズ&フレンズ」
 
ここで大きな拍手がある。
 
「そしてボーカルは私ケイと」
「私マリ}
と私たちは各々言い、一緒に
「ローズ+リリーです」
 
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と言うと、更に大きな拍手があった。
 
なお、この曲は最初の曲なので、演奏者を全員紹介できるように、全員を参加させたスペシャル・アレンジにしていた。
 

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「では次の曲は、今年のRC大賞の金賞受賞曲『雪虫』」
 
かなりの演奏者が下がり、青葉は鈴、明奈はヴィブラスラップを持つ。そして演奏が始まった。静かな曲で、不思議な物悲しさがあるので、客席では何か悲しいことでも思い出したのか、涙を浮かべながら聴いている客もあった。
 
なお明奈が持っているヴィブラスラップであるが、キハーダの代用である。音源制作の時は「ギシャーン!」という感じの音を入れるのに★★レコード所有のキハーダを使ったのだが、今回借り出すことができなかったので、代用品として一般的なヴィブラスラップを使用した。
 
(水戸黄門や与作に入っている音である)
 
キハーダは馬の下顎の骨をそのまま使用した楽器なので、工業的に生産できるものでは無い。良い音の出るものは貴重である。それで鉄と木で作られたヴィブラスラップで代用することが多い。
 
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その後は、YS大賞の優秀賞を受賞した『夜ノ始まり』、その曲と同じく昨年のアルバム『やまと』の中から『寒椿』、一昨年のアルバム『The City』から『灯海(とかい)』、『振袖』より表題曲『振袖』、と演奏していった。
 
『寒椿』『灯海』『振袖』は私の声域を上から下まで使う曲である。
 
今回青葉は主として龍笛をお願いしているのだが、灯海だけは青葉にはサックスを吹いてもらい(七星・ゆま・青葉の三重奏)、千里に龍笛を吹いてもらっている。サックス奏者としてもう1人連れていくつもりだったのが、急にその人が行けなくなってしまったので、割り当てを変更し、その楽譜を風花に千里のアパートまで持って行ってもらったのだが、ちゃんと間に合ったようである。
 
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なお、千里が龍笛を吹くと、例によって雷が発生していた!(海に落ちたようであった)
 
この後、明日発売予定の『Four Seasons』から『春の詩』『縁台と打ち水』、先日発売した『青い豚の伝説』から『青い恋』『銀色の地平』と演奏して、前半の演奏を終えた。
 
『縁台と打ち水』では、川崎ゆりこと桜木ワルツが将棋盤を持って出てきて将棋を指し始め、バケツとひしゃくを持った鮎川ゆまが打ち水をするような仕草をして、歓声があがっていた。
 
なお『Four Seasons』は明日発売であるが、実際にはもう今日の午後くらいから一部のショップには並んでいるし、この会場でも生写真付きのスペシャル・パッケージを販売している。
 

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前半の演奏を終えて、私たちが下がった後、登場したのは桜木ワルツである。
 
「みなさん、こんばんは」
と言うと、観客から大きな声で
「こんばんは」
と返ってくる。
 
「前座で2時間歌って、さっきゆりこさんと将棋指していたのに、またしゃしゃり出てすみません」
などとワルツは言うが
 
「何度でも出てきていいよー」
と声がする。ワルツはお辞儀をする。
 
「将棋はどっちが勝ったの?」
という声が飛んでくるが
「すみませーん。私、将棋は駒の動かし方もよく分かってなくて、桂馬を横に動かして叱られました」
とワルツが言うと、笑い声がある。
 

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「でも前座に出ていた女の子の中で、実はこの時間帯に出てこられるの私だけだったんですよね」
などとワルツは言っている。
 
「信濃町ガールズは小学生から中学生、ポルカちゃんが中学2年、葉月ちゃんが中学3年、スピカちゃんが高校2年、ネオン君、ひろかちゃん、ロンドちゃんが高校3年。それで私だけ去年高校卒業しているので、夜10時以降も出演できるんですよ」
 
客席からは「へー」と言った声が聞こえる。女の子の年齢というのは結構分かりにくい。特にスピカやひろかはしっかりしているので、年上に見られがちである。
 
「あ、女の子と言っちゃったけど、男の子も2人混じってましたね」
とワルツが言うと、笑い声がある。
 
この『男の子が2人』というワルツの発言は後でけっこう議論を呼んだ。ネオンはいいとして、あと1人が分からないというものである。かなり議論されたあげくひょっとしたら信濃町ガールズの中に、実は男の子という子がいたのかも、などという結論になった。上田君はショートパンツを穿いていたのだが、遠目にはスカートとあまり区別がつかなかった。ワルツ本人は実は上田君のことを忘れていて、ネオンと葉月で2人と思ってしまったのだが!
 
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「そういう訳で、しばし私の歌にお付き合い下さい。持ち歌が無いので先輩たちの歌ばかりですが」
 
と言って、ワルツはマイナス1音源で、コスモスやゆりこが出している曲を歌い始めた。
 

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ワルツが歌っている間に私たちは服を着替えて、飲み物を取る。マリはもつ鍋を頼んでいたようで、その鍋を両手で持つと、まるでスープでも飲み干すかのように、飲んでしまった!
 
「もつ鍋って飲み物だったのか・・・」
という声があがる。
 
「知り合いでカレーも飲み物だと言っていた人がいる」
と千里が言うと
 
「うん、カレーも飲み物」
とマリは言っている。
 
「でも、もつ鍋飲んだから元気いっぱい!後半も頑張ろう」
「よし、頑張ろう」
 
「ケイも少しカロリー取った方がいい。カロリーメイトかチョコレートでも食べる?」
「じゃチョコレートで」
 
それで私はガーナミルクチョコを1枚食べてから、後半に備えた。
 

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ワルツが3曲歌って、お辞儀をして下がる。
 
それと入れ違いにケイとマリが出てくるので、拍手が沸き起こる。それでケイがピアノの所に座り、マリがその左隣に座ってケイがピアノを弾き始める。
 
『A Young Maiden』の前奏なので、凄い拍手が起きる。
 
以前は随分演奏した曲だが、さすがにこの曲を27歳の私とマリが歌うのは気恥ずかしいので、最近のライブではあまり演奏していない。それだけにファンとしては、嬉しい曲である。
 
ところが歌い出してみると、声が違うので騒然とする。
 
だいたい男の声だ!
 
客席がざわめく。ふたりの歌は充分上手いのだが、少なくともケイとマリの声ではない。アストロビジョンはわざと遠くからズームアウトした状態でステージ上のふたりを映しているので、その距離からは、歌っているのはケイとマリに見えるのに。
 
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この時、ふたりが性転換したのか!?と悩んだ人もあったという。
 
この曲を最後まで歌った所で、戸惑いながらも拍手が送られる。
 
いや、充分拍手をもらえるだけの上手な歌であった。
 
ケイがピアノの椅子から立ち上がってマリと一緒に前面に出てきて挨拶する。
 
「こんばんは!今のは高校時代に書いた曲『A Young Maiden』でした。私たちも年は取ってしまいましたが、若い頃の心を忘れないように音楽活動をしていきたいと思います。それでは次の曲ですが」
 
と“ケイ”が言ったところで、“本物の”私とマリが出て行く。
 

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「君たちは誰?」
と私が訊く。
 
「私たちはローズ+リリーです!」
とふたりは声を合わせて言う。
 
このあたりで『A Young Maiden』を歌った2人の正体が分かった人がかなり出たようである。
 
「私たちもローズ+リリーなんだけど」
 
「あら、だったら各々2人に分裂したのかしら?」
などと向こうの“マリ”が言っている。
 
「だったら、便利だから、このまま分裂したままお仕事しない?」
「そしたら、忙しさが少しは緩和するかもよ」
などと向こうは言っている。
 
「私たちの分身ならありがたくお仕事してもらうけど、君たちだいたい女の子なの?」
と私は訊く。
 
「あら、私は女よ」
と“ケイ”。
「私も女の子よ」
と“マリ”。
 
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このあたりで観客はもうみんな忍び笑いをしている。
 
「本当に女の子だったら、おっぱいがあるはずですね」
と司会の川崎ゆりこが出てきて言った。
 
「あら、おっぱいくらいあるわよ」
と“ケイ”。
「確かめていいですか?}
とゆりこ。
「どうぞ」
 
それでゆりこが2人に寄って胸に触る。
 
「ふたりとも、おっぱいが無い。あなたたち男でしょ?」
 
「あらぁ!バレちゃった」
と2人は言った。
 
「あなたたちは本当は誰?」
 
「ごめんなさーい。私たちは本当はケイナと」
「マリナーで〜す」
「ふたり合わせてローザ+リリンでーす」
 
「ケイナ、バレちゃったから退散しよう」
「そうしよう」
 
そう言うと、ふたりは小走りに走って、上手の袖に消えた。
 
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「お疲れ様でした!」
と言って、ゆりこが拍手をするので、観客も拍手で送ってあげた。
 
 
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■夏の日の想い出・郷愁(24)

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