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■夏の日の想い出・郷愁(18)

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『セーラー服の日々』のPVは『靴箱のラブレター』と同じ学校で続けて撮影したが、こちらでセーラー服姿でメインに映っているのは、現役女子中生の春野キエ・田原花菜・鴨川ルリナの3人である。
 
こちらで先生役として出演したのは30代の男性俳優2人である。『靴箱のラブレター』が女教師だったので、こちらは男教師ということにした。また、他の生徒役で出ているのはこちらはζζプロの練習生たちである。
 
このPVの後半は、東京ディズニーランド、ソニー・エクスプローラサイエンス、スカイツリーで撮影した映像を使用しており、ちょっと修学旅行っぽい雰囲気に仕上げている。
 
音楽としては、『靴箱のラブレター』が木管楽器中心にやったのに対して、こちらは弦楽器を多く使用している。アスカに頼んで、ヴァイオリン4人・ヴィオラ2人・チェロ2人を揃えてもらい、それで演奏してもらっている。その8人の他に鈴木真知子にヴァイオリンソロを弾いてもらった。
 
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この2つの作品は世界観が似ているので、違いを出すのに、けっこう気を遣った。
 

『携帯の無かった頃』はマリ&ケイ名義で、実は七星さんの作品を千里が編曲したものであるが、10月に「アレンジを変更したい」という連絡が千里からあり、お願いしたらやや都会ティックな変更がなされていて、電気楽器を前面に押し出したアレンジになっていた。また、制作の負荷をできるだけ軽くしてあげようという意図が見える変更であった。
 
スターキッズの基本構成でほぼ演奏できるようになっている。多重録音も不要である。キーボードが3個指定されていた(以前のアレンジでは生楽器の指定だった)が、これは月丘さん、風花、倫代の3人で演奏してもらった。
 
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PVは携帯の無い時代に行われていた習慣の映像を多く取り込んでいる。公園の別々の入口の所でじっと相手を待っているカップル、駅の伝言板(さりげなくXYZという書き込みがある)、電話の伝言メモ、ポケベルで呼び出されて公衆電話で連絡を取る人、ISDNの公衆電話でパソコンをネット接続してメールを送るビジネスマン。
 
このPVに出演しているのは、実は美春佑季(みはるゆうき)さんと言って、○○プロ所属の俳優(女優?)さんである。本人は「法的には男性です」と言っているらしいが、女装(?)が物凄く可愛い。1人でカップルの双方を演じ、電話を受けながら伝言メモを書くOLを演じ、パソコンを使うビジネスマンを演じ、駅の伝言板に書き込む女の子、それを見て「あちゃぁ」という顔をしている男の子、と男女両方をきれいに演じている。
 
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「この人、本当に男の子なの?女装すると女の子にしか見えないんだけど?」
とマリが言っていたが、本当にごく自然な女装である。声も男女両声を自由にあやつる。本人のセクシャリティについては
 
「僕はノーマルですよぉ」
と言っていたが、実際にMTXか何かなのではと思いたくなる美事さであった。
 

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『お嫁さんにしてね』も軽快なナンバーである。
 
(本当の)作曲者である千里は、『1960年代のグループサウンズのような乗りで』とコメントしていた。
 
それで実際、そんな感じのサウンドに仕上げた。スターキッズの基本構成に宮本さんも入ってもらって、Gt1/Gt2/B/Dr という構成にし、月丘さんのマリンバと七星さんのサックスが加わるアレンジにしている。
 
この曲はノリが良いので、9月に一時的に制作した時も、かなり(本当の意味での)完成に近い所まで仕上がっていた。それでこの曲は11/23-24の2日間で充分満足いくところまで仕上がった。
 
なお、この曲のPVは沖縄で撮影した。夏の花嫁というのをイメージして、高島田の花嫁衣装を着た私が船頭さん(本物)が漕ぐ小舟に乗って、お嫁に行くシーンになっている。両親の役をしてくれたのは、沖縄ローカルの俳優さんである。また新郎役は、ゆまの関わりでレッドブロッサムの鈴木和幸さんにお願いした。ちなみに鈴木さんは既婚である。
 
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この撮影をしたのは1月4日で、実はKARIONのツアーの隙間を狙っての撮影だった。1月3日の大阪公演を終えたら、夕方の便で沖縄に飛び、翌日4日の午前中に撮影をして、その日の午後の便で福岡に移動して、5日の福岡公演に備えている。ハードスケジュールではあったが、気合いが入っていたので、割と平気だった。
 
政子は今回のPV撮影には連れて行かなかった。恋愛破局したばかりの政子にこういう撮影は辛いだろうという配慮である。歌は明るく歌っていたが、内心はこの歌を歌うのも辛かったのではないかと私は思った。
 

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ところが。。。。。
 
その政子であるが、1月上旬に唐突に恋愛報道が出て私はびっくりすることになる。お相手として報じられたのは20代の俳優Nさんである。
 
結局双方記者会見を開くことになる。両者は同じ日に別のホテルで記者会見をした。
 
「交際の事実はありません」
と双方とも恋愛関係を否定した。
 
「おふたりが一緒にラーメンを食べている所の写真が出ているんですが」
「たまたま一緒になっただけです。顔見知りだからお話はしましたけど、デートとかではないですよ」
 
マリがこういうことを話すと、だいたい信じてもらえる。過去にも似たような話があったので、それで記者たちの多くは「またか」と思って笑っていた。
 
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「タクシーに一緒に乗り込もうとしている所の写真は?」
「たまたま2人とも放送局に行く所だったので、知らない人でもないし相乗りしただけです」
 
それで色々質問はされたものの、ふたりとも明るく返事をしていたし、双方の言っていることがほぼ一致していたので(違ったのはラーメンを何杯!食べたかくらい)であった。
 
マリの方の記者会見はそれで平穏無事に終わったのだが、Nさんの方の記者会見では、最後の質疑応答が後で少し問題になった。
 
「でしたらNさんは別にマリさんのことが好きとかではないんですね?」
という質問に対して、Nさんは
 
「素敵な女性だなあとは思っています」
と答えてしまった。
 
しかしすぐにこの答えはやばいと思ったのか
「でもそれは憧れのようなもので、恋愛感情には遙かに及びませんね。高嶺の花のようなものです」
と付け加えた。
 
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恋愛関係は否定したものの、憧れていると発言したことで、ふたりの間に恋愛関係が今後成立する可能性があるのでは、と飛躍的解釈をした雑誌社があり、私たちは若干困った。
 
この問題についてNさんは後でツイッターで「本当にマリさんとは何もないですから」と再度ツイートしたものの、余計な憶測は完全には消えず、これがこの年の夏の騒動にもつながっていくのだが、私たちはこの時点ではそこまでは考えきれなかった。
 

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私は政子に、実際問題としてNさんとは何かあったの?と訊いてみた。
 
「実は1回だけデートみたいなことした」
「そうなの!?」
 
「偶然会ってさ。お茶でも飲まない?と言われたけど、私お腹空いてたから、ラーメンなら付き合うといって、それで一緒にラーメン屋さんに入った」
 
「たぶん、それラーメン屋さんに入る前から、誰かに付けられていたんだろうね」
「そうかも知れないという気はする。結構楽しくお話ししたよ。彼からはまたデートしてくれないかと言われたけど、私、実は別の人と別れたばかりで、今は恋をする気にはなれないと正直に言った」
 
「そう」
 
「だからNさんとはそれだけで終わったつもりだったんだけどね」
 
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「マーサのその言い方は、相手に少し期待を残したかも知れない」
「今思えばそんな気もする。でもわざわざもう一度会って、完全に否定するのも変だし」
「うん。変だと思う」
 
「だからこの件は放置して、自然に余韻が消えるのを待つしか無いかなと」
「まあ仕方ないね」
 

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ところで『靴箱のラブレター』のPVに青葉と丸山アイに出てもらうことになった経緯はこんな感じであった。
 
このPVの素材は、11月上旬の連休中日、11月4日に撮影している。
 
青葉はこの時はアクアのプロジェクトの打合せのために2日夜東京に出てきて、3日の午前中に§§プロで会議をしたのだが、その時に千里と丸山アイが同席していたらしい。アイは先日の厄払い旅行にも参加していたが、どうもアクアの制作にしばしば関わっているようである。
 
その後、そちらの会議に出席していた和泉から
「青葉ちゃんたちも一緒に来て」
 
と言われて郷愁村に来ることになり、和泉・青葉・アイが、千里が乗ってきていたオーリスに同乗して郷愁村まで来たのだが、来てみたらムーランの移動店舗が来ているのでびっくりしたという。
 
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(千里は春頃オーリスを買ったようだが、今までのアテンザも使っているようなのでどう使い分けているのかは不明)
 
中に入ってみるとマリと美空がいたので、和泉は
 
「今から制作会議だよ」
 
と牛丼を食べている最中のマリに言った。するとマリが
「じゃ、みそりんも参加しよう」
と言って、美空も参加することになった。
 
「でも、美空はなんでここに来てたの?」
と和泉が訊くと
「食べ物がある所には私は出てくるよ」
などと美空は言っていたとか。
 
それで美空まで参加した会議(この会議で『郷愁』には3曲追加して12曲構成にすることを決めた)の後、そのまま青葉は将棋の対局、千里は囲碁の対局をすることになり、結局その日はアイと青葉はそのまま郷愁村に泊まり込むことになる。美空と千里はゴールデンシックスの打合せが夕方から焼肉屋さん!であるとかでオーリスに乗って帰って行った(焼き肉屋さんと聞いてマリも行きたそうにしていた)。
 
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それで4日の午前中も青葉とアイはちょうどやっていた『トースターとラジカセ』の制作を見学していたのだが、その時、東京で『靴箱のラブレター』で先生役をしてもらう予定だった女優さんが来られなくなったので、先生役抜きで撮影するか、それとも『セーラー服の日々』の先生役の人にこちらにも出てもらうか、あるいは誰か適当な人を呼び出すかという打診があった。
 
するとそれを聞いたアイが
「じゃ私と万葉さんで先生役しようよ」
と言い、郷愁村に駐めていたマリのリーフを借りて、そちらに移動し、撮影に参加したのであった。
 

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撮影は3時間ほどで終了し、青葉はひとりでリーフを運転して夕方、郷愁村に戻って来た。アイとは現地で別れたらしい。
 
青葉は戻って来ると、私と少し内密に話がしたいと言った。それで郷愁村の青葉に割り当てられた部屋で私と青葉は2人だけで話した。
 
「今回のアルバムの構成曲なんですが、現時点でマリ&ケイ名義の曲が7曲、それ以外の人から提供された曲が5曲になる予定ですよね」
と青葉は言う。
 
「うん」
 
「でも実際にはマリ&ケイ名義の曲7つの内、本当にケイさんが書いたものは2曲で、今のままで行くと、千里姉の作品1つ(お嫁さんにしてね)、七星さんとアイさんの作品が1つずつ、私の作品が2つ(硝子の階段+あと1つ)になる予定です」
 
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「その問題については、私も罪悪感があるんだけど、やむを得ないと思っている。郷愁などという構想が無かったから。Four Seasonsというのは2年くらい前から漠然とした構想があったから、ある程度曲を考えていたんだけどね。ひとつのテーマを決めてから、曲を揃えるのに実際問題として2〜3年掛かるんだよ」
と私は苦渋の表情で言う。
 
「鷹野さんが、ケイさん今あまりいい曲書けないでしょうと言っていましたが、ここ数ヶ月、実際には『いい曲』どころか、普通の曲もあまり書いておられないですよね?」
 
「うん。作曲依頼はあるんだけど、今とても手が回らないということでかなりお断りさせてもらっている。アクアの『夕暮れ少女』はもう断れないから頑張っているけど。だから今年は5月以降で書いたのは『同窓会』『青い豚の伝説』に『夕暮れ少女』だけなんだよ。他の歌手に提供した曲もストックを調整して渡したものばかり」
 
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と私は内情を言う。『刻まれた音』はいつか使おうと思ってストックしていた曲だし『春の詩』は元々『Four Seasons』用に用意していた曲だが、歌詞の内容が『郷愁』にも使えると思ったので転用しようとしていたのである(結局『Four Seasons』のタイトル曲になった)。
 
「それでですね。私、昨日の会議ではもう1曲書くと言ったんですが、それをケイさん書きませんか?」
 
「え?」
 
「ケイさん、先月のアクアの厄払い旅行で見た時からすると物凄く精神的に回復しています。今のケイさんなら、かなりしっかりした曲が書けると思います。その時ですね」
 
「うん」
 
「そのケイさんが書いた作品を私に送ってもらったら、それを私が《ケイ風の作品》に改造しますよ」
 
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私は考えた。
 
「それ面白いかも」
 
「それでその作品を私が千里姉に送って《まるでケイが書いたような作品》に調整してもらう」
 
「なるほどー」
 
「つまり、結果的には、ケイさん、私、千里姉の共同作品みたいなものですね」
と青葉は笑顔で言った。
 
「でも表向きには私が書いて千里姉が調整した作品ということにしておく。するとですね。七星さんや鷹野さんが、ケイさんの作品より、遠慮無く調整を掛けてくれると思うんですよ」
 
「あぁ・・・」
 
「やはりケイさんの作品については、どうしてもみんな遠慮が出るんですよね」
 
私は意外な問題を指摘された気がした。
 
「ですからケイさんの作品でないことにしておいた方が、きっと良い仕上がりになります」
と青葉は言う。
 
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「分かった。その遠慮される問題は別途解決策を考えないといけないけど、今回はその手法でやってみよう」
と私は言った。
 
それで私は制作作業の合間に『ふるさと』という曲を書き(歌詞も私が書いた)、それを手書き譜面の状態で青葉に送った。それを青葉がCubaseに入力しながら《ケイ風に書いた青葉の作品》であるかのように改造した上で、千里が更に《まるでケイが書いたような作品》にしてくれたのである。
 
私は千里から送られて来た譜面とデータを見て
「ああ、私、昔はこんな感じの作りにしていたよなあ」
「言葉の使い方なども高校生頃はこんな感じにしていた」
 
などと、改めて自分の作品について考え直す機会を得た。
 
そういう訳でこの「逆偽装」作品である『ふるさと』をこのアルバムの最後に制作しようと私は決めたのであった。
 
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■夏の日の想い出・郷愁(18)

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