広告:まりあ†ほりっく 第4巻 [DVD]
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■夏の日の想い出・郷愁(29)

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お風呂から上がった後、千里はUSBメモリーと印刷されたスコアを私の部屋まで持って来てくれた。
 
「USBメモリーはこのままあげるよ。中に入っているnostalgyというフォルダの中にCubaseのプロジェクトとmp3に変換したものがあるから」
「ありがとう」
 
しかし印刷されたスコアを持って来ていたということは、最初からこれを私に渡すつもりだったのだろう。
 
私はパソコンを起動してUSBメモリーの中身を見てみた。nostalgyというフォルダがある。他にも幾つかフォルダがあるが何だろう?と思った。取り敢えずnostalgyというフォルダの中にあるmp3を再生してみた。
 
なるほど・・・・そういうことか。
 
と思って私は頷いた。
 

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mp3を聴いてみて、千里の意図が分かった。
 
・千里が『青い浴衣の日々』『硝子の階段』『冬の初めに』『携帯の無かった頃』などでも見せた通り、私の高校時代の頃の曲作りの雰囲気に合わせる。これは主として和音の単純化によって、調性の明確な曲にしている。
 
・上記の結果として第1主題は明確なAマイナー、第2主題は明確なCメジャーとなって、第2主題が第1主題の平行調というソナタ形式の原則が遵守される。
 
・感情表現のためのテンポ変化の多用。
 
・スターキッズの積極利用。アコスティックなオーケストラとエレキバンドを融合させる。私の書いた譜面では、全曲オーケストラをバックにした演奏を意図していた。しかし、千里のバージョンでは最初の提示部ではスターキッズのみの伴奏とし、展開部はオーケストラのみ。そして再現部はスターキッズとオーケストラを共演させるという仕組みにしている。
 
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私はスターキッズのメンバーをオーケストラに組み込んで使うことを考えていたのだが、考えてみるとオーケストラは最初から一体のものを使い、スターキッズにはむしろ普段の楽器を使ってもらった方がいいのかも知れない。
 
そうしないと、スターキッズはオーケストラに呑み込まれてしまって、音源制作に参加している気分にならない気がする。私はこの千里が提示した方法の方がよいと思った。
 
テンポ変化については、特に自分で意識して使わなくなってきたものではないので、こういうスピードが自在に変化するのもありだと思った。これは千里の修正をそのまま活かしてよいと思う。
 
和音の単純化については、必ずしも私の好みではないので!明日また考えてみることにした。
 
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私は取り敢えず寝ることにして、パソコンを閉じると、政子の傍の布団の中に潜り込んだ。政子は眠っているのに私の身体のあちこちに触って来た。
 

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午前11時から、あらためてライブの打ち上げ兼新年会をした。
 
この時間の開始になった最大の理由は、このくらいの時間までマリが起きないからである!(私は8時半頃起きた)
 
「そういえば今年はクリスマス会をしてない」
とやっと目を覚ました政子は言っていたが
 
「まあとてもできる状況ではなかったね」
と私は言った。
 
政子が起きたのは10時前で、その後、お風呂に行って来たようである。
 

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広間にこの旅館まで来た25人が集まっている。最初に加藤次長に乾杯の音頭を取ってもらい、
「明けましておめでとうございます!」
と言って、おとそ代わりのサイダーで乾杯する。
 
「この後は面倒な挨拶は抜きに食べて飲みましょう」
と私が言うので、すぐ全員にお雑煮が配られ、賑やかに新年会は始まった。
 
政子が鷹野さんの所に寄って行って訊く。
 
「鷹野さん、お風呂には入りました?」
 
「入った。入った。あの注意書きに気がつかなくてさ。そのまま男湯に入ろうとして、中に居た詩津紅ちゃんに悲鳴あげられて、ついでにシャンプーのボトルを投げつけられた」
 
「あはは」
「それで入れ替わっていることを知って『ごめん!』と謝って、あらためて女湯の方に入ったけど、初めての女湯は興奮しちゃったよ」
 
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「大きくなっちゃったんですか?」
「そのあたりは生理現象ということで理解してもらいたい」
「大きくなっても入浴には差し支えないの?」
「特に問題はないと思う。ただ湯船に入っている間にサイズが変わった場合、お湯が中に入り込んだりして後で軽い炎症を起こす場合もある」
「男の人も大変そうですね」
 
政子も何を訊いているんだ!?
 

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「UTPから今回は窓香さんとマルちゃんが来たのね。(桜川)悠子ちゃんはどこか他のイベントに付いているの?」
と窓香に訊く人がいる。
 
「悠子は今実は妊娠中なので、イベントの付き添いはせずに内勤だけにしているんですよ
と窓香が言う。
 
「え?赤ちゃんできたの?じゃ結婚した?」
「はい。昨年の7月・・・」
と窓香は日付を思い出そうとしていたが、風花が
「7月21日だったね」
と言った。
 
「よく覚えてますね〜」
「まあ、マリとケイの代理で出席したし。しちさん・にじゅういち(7x3=21)と誰かが言っていたのを覚えていた」
と風花。
 
「あれごめんね〜。悠子ちゃんには随分お世話になったから、私とマリ自身で出席したかったけど、どうにも無理だった」
と私は言う。
 
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「あの時期は無理ですよ」
と窓香は言っている。
 

「相手はどんな人なの?」
「普通の会社員の人です」
「へー。何で知り合ったの?」
 
「その人がTJGのライブに来ていて、忘れ物をしちゃって。その件で対応したのが悠子だったらしいです。その後、ファミレスで偶然相席になって『あら、先日はどうも』とか言って、それで親しくなっちゃったらしいんですよ」
 
「なんか運命的な出会いって感じだね」
「でも結婚しても仕事はやめなかったんだ?」
 
「本人もあまり専業主婦とかはできないと言っていたし、彼氏もあまり給料が多くないみたいだし。まあ実際悠子に辞められるとけっこう大変ではあるんですけどね。TJGとアウトバーンズは悠子が専任みたいになっているし、一応、敏紀をサブに付けているけど、敏紀ではまだ交渉事とかがひとりでは任せられなくて」
と窓香は言っている。
 
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現在、TJGはローズクォーツと並ぶUTPの柱である。UTPの収入は(ローズ+リリーの事務委託料を除けば)ローズクォーツとTJGの分が9割を占めているはずである。アウトバーンズも悠子が担当するようになってから売れ始めている。
 
「まあ今時、専業主婦とかになれる人は少ないよね」
 
「敏紀ちゃんって、少しおっとりした感じがあるしね」
「人はいいんですけどね〜。その分、やや頼りない面があって」
「だと、悠子ちゃんの出産前後は大変じゃない?」
 
「副社長(大宮伸幸:○○プロから出向中)も専務(松島花枝)も忙しいし、結局は私がフォローすることになる気もします」
 
「それは大変だなあ」
「その分、マルちゃんに頑張ってもらって」
 
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「私がですか!?」
と本人は驚いている。彼女は昨年秋に入社したばかりである。
 

「でもここだけの話、悠子の結婚式って何か変な結婚式でしたよ」
と窓香は言う。
 
窓香はあまり人の噂話をしない子なのに、こういうことを言うのは珍しい。
 
「あの子、養女だったのね?」
と風花が言う。
 
「ええ。本当のご両親が事情があって子供を育てられなくて、まだ物心もつかない内に養女になったらしいです。特にどうもその実の父親に何か問題があったみたいで」
 
「何かよくないことをした人なのかなあ」
「何かそういう雰囲気もありましたよね」
 
と風花と窓香は言っていた。
 
「しかもその養父母と悠子はあまりうまく行っていない感じで、結果的には須藤社長が実質親代わりみたいな感じの立ち位置で動いていたんですよ」
 
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「へー。あの人もまあ世話好きだからね」
「元々小さい頃から、悠子のこと知っていた雰囲気でした」
「ああ、それでUTPに入れたのか」
「そうだったみたいですね」
 
「でもまあ色々事情のある家庭ってあるからね」
と言いながら、私はアクアの生い立ちのことなども考えていた。
 
アクアの場合は、上島先生が彼のことを知るようになるまで、戸籍も存在しなかったので、ともかくも日本の戸籍に登録されるため、裁判所の審判まで起こしている。上島先生がそういう方面に明るい弁護士を付けてくれたので何とかなったものの、何しろ両親ともに数年前に死んでいるし、その両親から彼を委託された志水さんまで死んでいて当時の事情を知る人が居ないし、そもそも龍虎がどこの病院で生まれたのかも不明、という状況で、普通の人なら戸籍を作ること自体を諦めてしまったかも知れないケースであった。
 
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新年になったので、§§プロのCMが、今年デビュー予定の石川ポルカと桜木ワルツを入れた13人になって「今年もよろしくお願いします」のセリフのものに変わっていた。
 
年末のCMでは白い振袖だったのが、新年のものは青い振袖に変わっている。もちろんアクアと葉月も青い振袖を着ているので、政子がはしゃいでいた。
 

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新年会は11時から13時すぎまで続き、13:15くらいに鱒渕さんが中締めを宣言。飲み足りない人、食べ足りない人は、このあとは各自のお部屋でどうぞということになった。
 
政子は今晩も泊まって明日、鱒渕さんと2人で柳川まで戻り、ウナギのセイロ蒸しを食べるんだと言っていた。スターキッズは2日のお昼から福岡空港に移動して羽田に飛び、3日以降、貝瀬日南の音源制作に付き合う。ゆまや鈴木真知子など、また窓香たちや氷川さんたちも同じ行程で東京に戻る。そのため博多ドームからここまで走って来た中型バス(運転手さん付きレンタル)は2日の昼過ぎに福岡まで戻ることになる。青葉と2人の友人は2日のお昼からスターキッズと一緒に福岡空港まで戻り、彼女らは小松まで飛ぶ。実は鱒渕さんと政子もこのバスに乗って、途中の久留米で降ろしてもらい、そこから西鉄電車で柳川に入る予定である。
 
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2日に帰る人たちは1日の午後は泊まっている旅館のすぐそばにある一目八景を見てから、レンタルしている中型バスに乗って青洞門を見に行くと言っていた。
 
それで結局1日に新年会が終わった後、すぐに東京に戻るのは私と千里と風花の3人ということになった。
 

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私たち3人は14時頃、妃美貴が今朝、小倉から運転してきてくれたレンタカー・プリウスに乗り込んだ。
 
「妃美貴ちゃん、ごめんね〜。正月早々から」
「いえ、ほんとに大変なのは醍醐先生やケイさんですよ」
と妃美貴は言っている。
 
実は妃美貴は、昨夜の公演が終わった後、小倉のホテルで宿泊する人たちと一緒のバスに乗り、小倉市内のホテルに泊まった。そして朝いちばんに予約していたレンタカーを借りて、耶馬溪まで走って来てくれたのである。彼女が到着したのが9時半頃で、とりあえず温泉に入ってもらい、彼女がお風呂からあがった頃、そしてちょうど政子が起きた頃から、打ち上げを始めたのであった。
 
もっとも実際にはレンタカーで走って来て、お風呂に入ったので、彼女は眠くなり、打ち上げの途中で退席して、詩津紅の泊まっていた部屋に入りしばらく仮眠していたようである。
 
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そういう訳でこの旅館に泊まったのは24人だが、お風呂に入った人・宴会に出た人は25人である。
 

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■夏の日の想い出・郷愁(29)

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