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■娘たちのタイ紀行(20)

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「どれが好みか?」
 
肝臓や腸よりは男性器の方がましかなあと思い、千里は
 
「それではその男性器を」
と答えた。どれも要らないとか言ったら怒り出しそうだ。
 
「ではちょっと加工してやろう」
 
と大王が言うと、職人のような者が出てきて、それを加工していた。
 
「できたぞ。そちにつかわす」
と言われて渡されたのは鈴である。
 
へー! 睾丸(+陰嚢)って鈴に似ているのでは、と先日サクラたちが言っていたが、本当に男性器を加工して鈴になるとは思わなかった。しかし陰茎はどこに行ったんだ!?
 
「ではありがたく頂きます」
 
と言って受け取る。
 
千里が振ると、結構良い音がした。
 
「それは元々の材料が活力の玉であったから、人間の生命エネルギーを活性化する効果がある」
 
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「それは良いものをありがとうございます」
 
「ちなみに、肝臓からならラグビーボール、腸からならヴァイオリンができたのだが」
 
うーん。人間の腸で作られたヴァイオリンはあまり弾きたくない気がする。人間の肝臓で作ったラグビーボールも何だか怖い。やはりタマタマで作った鈴がいちばんマトモそうだ。
 
「じゃ、その肝臓と腸は元の人間の所に戻してこい」
などと大王様は大臣(?)に言っている。
 
ちょっと待て〜!!
 
しかし大王様は千里に向き直ると笑顔で言った。
 
「では、それを使える部下に授けられるがよかろう」
「ありがとうございました」
 

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そこで千里は目が覚めた。
 
手の中に何か握っているので見ると、金色の鈴であった。
 
金玉で作ったから金色の鈴!?
 
こんな話をしたらサクラや王子が喜びそうだと千里は思った。
 
そしてベッドから起き上がると、窓のカーテンを開け、大王様の居るはずの湖の方角を見て、合掌し
「コップクンカー」
と言った。
 
しかし大王様は「使える部下に授けよ」と言った。確かに、私はこんなのもらっても使いこなせないよなあ。私、霊的な能力とか無いし、などと千里は考えていた。
 

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千里が朝食の席でその金色の鈴を眺めていたら、彰恵が寄ってくる。
 
「なんかいい感じの音がするね」
と彰恵は言っている。男の子のタマタマが材料だなんてのは言わない方がいいなと千里は思う。
 
「この音を聞くと、活力が湧くらしいよ」
と千里は言った。
 
「おお、それはいい」
「試合に持って行ってベンチで鳴らそう」
 
そうか。そういう使い方もあるかと千里は思った。
 

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2009年8月2日。
 
今日はU19女子バスケットボール世界選手権の最終日である。今日はこのようなスケジュールになっている。
 
11:15 JPN-LTU(7th)
13:30 CAN-CZE(5th)
15:45 AUS-RUS(3rd)
18:00 USA-ESP(Final)
20:30 表彰式・閉会式
 
一次リーグで敗退した4国は28日で日程が終了している。二次リーグで敗退した4国は昨日で日程が終了した。最終日まで試合があるのがベスト8の国に与えられた名誉である。
 
千里たちは朝御飯を食べた後少し休憩した後、会場入りした。
 
「負けても勝っても今日で終わり。思いっきり行こうよ」
とキャプテン朋美は言った。
 
「昨日は最初から諦めていたけど、今日は少しだけ勝てるかもくらいの気持ちで行こうか」
と玲央美。
 
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「まあ今日の相手も充分強敵だから、やれるだけのことをやるだけだね」
と彰恵は言った。
 

朝食後、谷浜さんがまとめてくれていた資料を見ながら相手チームの分析をする。
 
「リトアニアは昨年のU18ヨーロッパ選手権の優勝国だが、今年のU18ヨーロッパでは準々決勝でスウェーデンに敗れ6位に終わっている。但しそのスウェーデンは今年の優勝国だった」
と片平コーチは背景的な説明をする。
 
「ここまでのリトアニアの試合を見ると、タイから89点取ったのを除けば、50-60点代のスコアが多いです。つまりこのチームはどんどん点を取るより、守って守って、守り抜くという志向のようです」
と谷浜さんが分析した内容を言う。
 
「ということは、中には簡単には入れてくれないと考えた方がいいですかね」
「です。オーストラリア戦やカナダ戦ではゾーンディフェンスも見せています」
「今日もゾーンで来る可能性ありますね」
「あると思います」
 
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リトアニアチームの選手リストはこのようになっている。
 
PG 13.メイルティーテ 14.スクレンニーテ 15.クルレイビーテ
SF 11.シェイト 12.シュウナイテ
PF 7.ランカイテ 8.ソロカイテ 9.ベセライテ 10.クツカイテ
C 4.ジェーマンタウスカイテ 5.アンドリジャウスカイテ 6.バイツィウケビツィカイテ
 
「背番号はポジション別か」
「実際に4番のジェーマンタウスカイテがキャプテン。副キャプテンは8番を付けたソロカイテみたいだね」
 
「このチーム、シューティングガードが居ないんですか?」
「実際プレイを見ていても、そういう役割をしている選手はいませんでした。スモールフォワードのシェイト選手はわりと遠くからのシュートが得意なようですが、その彼女も近くに進入してのシュートの方が多いですね」
と谷浜さん。
 
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全体的にスピードのある選手が多いということ、いちばん注意すべき人物はパワーフォワードのランカイテで身長183cmはパワーフォワードの中では最も背が低いが、スピードと瞬発力が凄い、といった話である。
 
「U18で昨年優勝して今年はダメだったということは、今年は戦力が少し落ちたとも考えられますよね。この中で19歳は誰々ですか?」
という質問が出る。
 
(今回U19に出てきている選手はつまり昨年のU18のチームが主体である。今年のU18はそのチームの中から、現在19歳の選手が抜け、代わりに何人か入ったものと思われる)
 
「ジェーマンタウスカカイテ、ランカイテ、ソロカイテ、シェイト、メイルティーテ。この5人が19歳です」
「要注意ということですね」
「特にジェーマンタウスカカイテ、ランカイテ、シェイトの3人が凄いんですよ」
 
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そんな話をしている内に、例によって王子は眠ってしまう。
 
サクラが起こそうとしていたものの、その前に片平コーチが王子の所まで歩いてきて耳元で
 
「プリン、リバウンド!」
と叫ぶ。
 
「はいはいっ!」
と言って起きる。そしてキョロキョロして周囲を見回し、目の前に片平コーチがいることに気づく。
 

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「そういう訳で高梁君の見解を聞きたいのだが」
と片平コーチが言う。
 
「あ、はい。ちゃんと分析していました」
「ほほぉ」
 
「まずですね、名前がカイテとかナイテとか、《アイテ》の音で終わっている選手が凄く多いです」
 
「まあそれはリトアニア人の名前の構造上仕方ない」
と高田コーチが言う。
 
「リトアニアもロシアなどと同じで男女で苗字の形が違うんでしたっけ?」
と彰恵が尋ねる。
 
「そうそう。リトアニアは男女で違うだけではなく、既婚女性と未婚女性でも違う」
と高田コーチが説明する。
 
「へー!」
「じゃ名刺もらっただけで未婚か既婚か分かる訳だ」
「女性はね」
「男性も未婚・既婚で分けましょうよ」
「それリトアニアの人に提案して」
 
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「例えばランカイテ選手の場合、このカイテという終わり方が未婚女性を表すので、この人のお母さんはランキエネ、お父さんはランカスのはず」
と高田コーチ。
 
「なんか同じ苗字だということを認識できない変化ですね」
 
「男性形がジェーマンタウスカスなら、既婚女性形はジェーマンタウスキエネになって、未婚女性形はジェーマンタウスカイテになる」
 
「それでカイテさんが多いのか」
「そのくらい長い苗字なら、同じ苗字と認識できますね」
 

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「例によって、性転換すると苗字も変わりますよね?」
 
「まあ変わるね。例えばガブリエル・セレイカスという男性が性転換してガブリエレと改名したら、未婚ならガブリエレ・セレイカイテ、既婚ならガブリエレ・セレイキエネになるね」
 
「既婚で性転換?」
と一部から声が出るが
 
「割とあるよー」
と千里が言う。
 
「その場合は夫婦とも、○○キエネになっちゃう訳ですか?」
「まあ、そういう夫婦はいるかもね」
 
「元々レスビアンの夫婦なら、どちらも○○キエネかもね」
「なるほどー!」
 

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「でもこのチームに既婚女性は入ってないんですか?」
「アンダー19じゃ、みんな未婚でしょう」
 
「リトアニアにも若くして結婚する女の子はいるだろうけど、この年で主婦したり子供産んだりして、それでナショナルチームに入れるだけのレベルを維持している人は居ないと思う」
と玲央美が言う。
 
「うちのチームには18歳の既婚女性が1人いるなあ」
などと言って数人千里を見る。
 
「あ、エンゲージリング見せてもらった」
とか
「毎朝お弁当作っているらしいよ」
と言っている子もいる。
 
「そこまでしてない!」
 
貴司のお弁当を作っていたのは緋那だが、彼女はお弁当作りで疲れて一時撤退してしまった。
 
指輪は本当はエンゲージリングではなく、千里があくまでファッションリングとして受け取ったアクアマリンのプラチナリングである。アクアマリンは千里の誕生月・3月の誕生石である。
 
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「それにまだ正式に籍は入れてないから」
と千里は焦りながら答える。
 
「でも既に子供がいるという説もある」
「いや、その子はまだ生まれてないので」
「まさか妊娠中?」
「いえ、まだ妊娠以前です」
「よく分からん」
 
先日の出羽行きでは、華香と王子にも京平を見せたが、江美子は過去に京平に会ったことがあるし、玲央美は初対面ではあっても話は聞いていた。
 

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「リトアニアですけど、ひとりだけ名前の形が違う選手がいますね」
と江美子が言う。
 
江美子はここまでのリトアニア戦のボックススコアを眺めていたようである。
 
「うん。シェイト選手というのはたぶんドイツ系の選手だと思う」
と高田コーチは言う。
 
「ああ、あのあたり結構入り乱れてそうですね」
「今回のU19代表には出てきてないけど、今リトアニアのフル代表にはロシア系の苗字を持つコリトヴァという選手もいるよ」
 
と高田コーチは言った。
 
「そうだ。高梁君の分析を聞かねば」
と片平コーチは話を戻す。
 

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王子は頭を掻いていたが、《王子流分析》を話す。
 
「まずポイントガードは、何とかイーテという名前です」
「なるほど」
「パワーフォワードは短い名前の人ばかりで、センターは長い名前の人ばかりです」
「ほほぉ」
「数えてみると、ポイントガードは全員7文字、パワーフォワードは全員5文字、センターは全員11文字以上です」
「カタカナで書いたのはあくまで便宜上のものなのだが」
「スモールフォワードはshの音で始まっています」
「凄い」
 
「きみちゃんは姓名占いでも始めた方がいいな」
「私霊感無いから無理ですよー」
 
「で、高梁君の見解として要注意選手は?」
「ランカイテです」
「ほほぉ!どうして?」
「ランというくらいだから、たくさん走りそうだし」
 
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「英語かい!?」
 
片平コーチは笑って
「じゃ高梁君、そのランカイテの担当ね」
と言った。
「任せて下さい」
 
 
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娘たちのタイ紀行(20)

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