広告:ｼﾞｮそぉ部｡ｸﾛﾏﾒｵﾄｺの娘作品ｾﾚｸｼｮﾝ (おと★娘ｼﾘｰｽﾞ6)  |
■女子中学生・進路は南(26)
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「ここいくらでしたっけ？2500万でした？」
と貴子は訊いた。
不動産屋さんは「やはりこいつらは手強い！」と思った。
「4000万円なんですが」
「でもここは西向きで朝日は見えず夕方の西日がきついし」
と貴子は言ったが、千里がもっと重要な問題を言う。
「それにここ“出る”でしょ？きっとそれが工事中断の原因。見た瞬間、うようよいるなと思いましたよ」
と言う千里は笑顔である。貴子も頷いている。
でも実は既に処理済み！来た時にすぐ処分して、貴子が呆れていた。
「あの〜？占いか何かなさいます？」
「私、幼稚園の頃からずっと神社の巫女さんしてますから。私ならちゃんとお祓いして浄霊して住めますよ」
「巫女さんですか！」
と副店長さんは「参った」という顔をした。
「あのぉ3900万円くらいでは？」
「今すぐ現金で払いますから2800万円程度になりません？」
「今すぐ現金ですか！」
「振込じゃなくてキャッシュね」
副店長はコリンが持っているアタシェケースを見る。まさかあれに現金を入れているのか？金持ちなら3000-4000万円くらい大した金ではないのかも。しかしそれでも値切るのか！？
「3800万円では？」
「3000万円ジャストで」
副店長は店長に電話した。それで数分間話していた。
貴子に訊く。
「店長が3700が限度だと言うのですが」
「あと１声」
再度電話している。今度は短かった。
「3600では？これより安くでしたら、もうここはお売りできません」
「いいわよ。六六36ね」
「ありがとうございます！」
それで事務所に帰って手続きをした。貴子が実印と印鑑証明書を持って来ていたので、その場で契約書類を作る。
「ああ、北海道からいらしたんですか」
「ええ。内地は久しぶりだわ」
なるほど。北海道は土地が余ってるからそもそも土地の狭い広いの感覚が違うかもと副店長は思った。
コリンがアタッシェケースを開いて生の現金で3600万円＋消費税の合計3780万円を支払った。現金は全体の５分の１程度しか使わなかったので多分２億円持ってきていた。
スタッフ数人で30分掛けて数えて確かにその金額あることを確認する。それで登記移転の書類を渡してくれた
（貴子がお金持ちの奥様を装ったのは3000-4000万円をキャッシュで払っても怪しまれないようにするためである。また普通に400坪売買の交渉をすると時間がかかる可能性があったので、わざと“金持ちの気まぐれ”を装った。値切ったのはおまけ）
「安くしてくれてありがとう」
「こちらこそありがとうございました」
店長さんと副店長さんが、コリンが運転するＳクラスを丁寧にお見送りしてくれた。千里たちは中古車屋さんに行き、取り敢えず？、120万円のエスティマを買った。ベンツは普段使いしづらい。
エスティマは一週間程度で引き渡し可能ということだったので、連絡をもらえたら取りに来ますと言って、法務局に行く。ここで登記移転の手続きをした。
それから近くのスタバに行き、一息ついた。
「土地を買ってくれてありがとう」
「それは潤沢な予算があるからいいんだけどね」
「しかし千里が姫路に移動するとなると、他の十二天将の住まいも近くに確保する必要がある。頭痛い」
などと貴子は言っている、十二天将の住まいはお互いに干渉しない距離を空ける必要があるので地域調査だけで大変そうだ。しかも“この”貴子は関西方面に土地勘が無い。
「でもそれより先にあの場所に家を建てなければ」
と貴子。
「その建てるのは私の個人的な眷属にやらせていい？早川ラボを建てた連中なんだけど」
と千里。
「まあいいよ。私は数日滞在して、男たちの住めるような洞窟とかを見付けなければ。あいつら普通の家をあてがうと３日で壊すから、洞窟とかでないと」
なんか大変そう。
確かに問題外の勾陳を除いても、玄武や騰蛇も雑な性格だ。きーちゃんもきっと“男”に分類してるだろうけど白虎もかなり荒っぽい。青龍は女の子分類でいいな。
「でもあの土地、西向きだったから昨日書いた図面をかなり考え直さないといけないよね」
「うん。ちょっと書いてみようか」
昨日の図面は南面している前提で描いていた。
最初に各人の本命卦を確認する。千里は1991女で乾、清香は1990女で艮。どちらも東四命てある。南西・西・北西、および北東が吉方位である。
「きーちゃんは1412女で小寒より後のグレゴリウス暦で1月15日の生まれだから震で西四命だね」
と千里は言った。
「1412年の本命卦が分かるんだ！？」
「1412年は三碧の年だよ。九去法で８になるから(*27)」
「あ、ほんとだ」
(*27) 数字の各位を足し合わせて１桁にしたものがその数を９で割った余りである。これを九去法といって暗算できる人は多い。
例：1+4+1+2=8, 1412÷9=156余8
西暦年数を９で割ったあまりから九星を求めるには11からその数を引けばよい。九星と性別で本命卦は定まる。詳しくは↓参照
(ffortuneさんのサイト)
http://www.ffortune.net/fortune/husui/kyokai5.htm
「でも私の誕生日は1月6日だよ」
「うん。それはユリウス暦の話。グレゴリウス暦では1月15日になるんだよ」
「まだグレゴリウス暦始まってないのにグレゴリウス暦を適用するの？」(*28)
「一般に暦や天文の計算ではグレゴリウス暦がずっと行われていたとして計算する。途中で暦が切り替わるのは計算が複雑になるから」
「へー。でもそれ小寒の後なの？」
「1412年の小寒はグレゴリウス暦で1月6日の15:42だよ(*29)」
「あんたよくパソコンとか使わずにそういうの分かるね」
「え？きーちゃんもこのくらい分かるでしょ？」
「普通分かんないよ」
「そうなの？」(*30)
(*28) グレゴリウス暦はローマ教皇グレゴリウス13世が定め、1582年10月15日から（教皇庁では）使用開始した。
(*29) これは定気法（現在の暦で使われている24節気の計算法）で計算した場合。平気法（古い方式）で計算した場合は、1412.1.07 3:52 で小寒となる。
何かと批判される定気法であるが、風水的な区分を考える場合は、より自然現象に即している定気により小寒を計算した方が理にかなっていると筆者は考える。
(*30) これは半分はただのハッタリである。Ｇは以前、前橋の知り合いの暦計算に詳しい人（当時は直接知らなかった青池）から過去2000年分くらいの暦のデータを送ってもらっていたのを今回チェックして、既に風水設計していた。
ただユリウス暦とグレゴリウス暦の換算などはマジでその場で計算している。これは100年に1日ずれるだけだから計算できる人は多い。千里はマジの中に巧みに嘘を混ぜるので、多くの人が欺される。なあ虚空は最初から全てが嘘！
「ま、とにかくきーちゃんだけ西四命だし、道場（どうじょう）は家の後ろに“置く”ようにしないと邪魔だから、結局こんな感じになるかな」
「コリンちゃんの本命卦は？」
「私、生まれた年も誕生日も知りません」
と本人は言ったが
「巽で西四命だよ」
と千里が答えた。
「そうなんですか！？」
とコリンが驚いている。
「私が人の生年月日分かるの知ってるくせに」
「そうだった！」
と言ってからコリンは尋ねる。
「だったら私の本当の誕生日をご存じですか？」
「8月30日だよ、当時の暦で。だからグレゴリウス暦では9月9日になる」
「私本当に9月9日生まれだったんだ！」
「知らなかったの？」
「知りませんでした！」
「まあだから私の隣にしよう」
「はい」
３人は多少の議論をしながら、新しい図面を書き上げた。
「わりといい感じになった」
「きーちゃんの部屋と私の部屋が真向かいだね」
「うんうん」
右側のバスルームをあと半間上にやるとLDKが四角に使えるが、そうすると千里と貴子の間の通路がまっすぐにならないので防災上危険である。通路はできるだけまっすぐ通すべきである。
千里とコリンの部屋の間のクローゼットは通り抜けられるようにした。千里が朝起きられなかった時にコリンが起こしてあげるのが主たる目的である！（そして千里が清香を起こす：清香を起こすには忍耐！が必要）
「建蔽率は大丈夫かな」
「道場が41×16=656 住居が18×12=216 で、合計872平方半間。４で割って218坪。図面上の坪数380坪で割って0.573。余裕ですね」
と千里はここは電卓を叩きながら言う。
「この図面、私の眷属に送っていい？」
と千里は訊いた。
「うん。いいよ」
それで千里は図面を写真に撮り、“千里に”メールした！！
スタバでお茶を飲んでいたらかえってお腹が空いてきたので、ショッピングモールに行き、あなご飯を食べた。姫路はあなごが名物である。あなごの刺身を出す所もある。ごくごく新鮮なものは刺身でも行けるらしい。
ちなみにアナゴはウナギと同様、血液中に毒を持っているので、生食するためには丁寧に洗浄して調理する必要がある。信頼できる店でないと危険である。姫路以外では、千葉県の富津にもアナゴの刺身を出す店があるらしい。
ウナギ・アナゴの毒は加熱により分解するので、やはり蒲焼きが安全な食べ方である。
ところで、朝、貴子の家でＧと交替して留萌に戻った千里Ｒであるが、学校に来たかと思ったら見たこともない家の中にいる。目の前には大きな投影スクリーンがあり、多数のＰＣの画面が投影されているようである。
ここどこ？
「お疲れ様です、ロビンさん」
と声が掛かる。星子である。
「ここどこ？」
「司令室です。今日の“千里たち”の調整作業をお願いします」
「もしかして普段グレースがやってることを私にしてくれとか？」
「今日はグレースさんもヴィクトリアさんも姫路に行かれたんです。他にできる人はロビンさんしかいないのでよろしくお願いします」
「私が調整をするの〜〜？」
「でも待って。学校はどうするの？」
「今日は、千里Ｕ；アーシュラ（学校に来るのは実質Bs）さんと、千里Y1:Yukiさんとで乗り切りましょう」
「ユキって誰だっけ？」
「千里Ｙ“やちよ”さんが２つに分裂してしまったので、1番をYuki, 2番をYorikoと呼んでいます」
「出てくるの？」
「Yukiさんは電話をすれば出て来ます。電話番号はこちらですのでロビンさんの携帯にも登録してください」
「うん」
それで番号を登録する。
「しかし電話掛ければ出てくるってラーメン屋さんの出前みたい」
などとＲは言っている。
「でも２人いたら何とかなりそうだね」
「アーシュラさんは自分の得意な数学と理科の授業にだけ出ます」
「ああ、私が数学と理科は出なくていいよと言われたのはそれか」
「だからアーシュラさんがそれらの授業を受けたあと消えちゃったら他の授業を受けるためにユキさんに電話して起こしてから必要なら教室に転送してください」
Ｒは考えた。
「もしかして私が電話して起こすの〜〜！？」
「はい。転送もよろしくお願いします」
「千里ってなんて面倒な奴なんだ！」
「アーシュラさんは学校に出てくる時はBsさんが表に出ててBsさんは自分は女だと思っているのでトイレや更衣室の面倒はありませんから」
「ああ、もうひとりのＢが自分は男と思い込んでいる子か」
「自分のお股をよく見るべきですよね」
「全く全く」
彼はお風呂でドキドキしながら、そこを指で優しく開き、緩いシャワーを当てて洗った。とても気持ちいい感覚になる。
「これいいなあ。夢なら覚めないでほしい」
ぼく、その内、女の子になってることがバレたら
「あんた女の子ならセーラー服着て学校行きなさい」
とか言われたりして。
セーラー服着てみたーい。スカート穿くのってちょっと恥ずかしいけど。
彼の妄想はお風呂からあがってもずっと続いていた。
そしてお布団の中で“女の子の密かな楽しみ”をすると、あまりの気持ち良さに脳味噌が壊れちゃうかもという気がした。
「ここいくらでしたっけ？2500万でした？」
と貴子は訊いた。
不動産屋さんは「やはりこいつらは手強い！」と思った。
「4000万円なんですが」
「でもここは西向きで朝日は見えず夕方の西日がきついし」
と貴子は言ったが、千里がもっと重要な問題を言う。
「それにここ“出る”でしょ？きっとそれが工事中断の原因。見た瞬間、うようよいるなと思いましたよ」
と言う千里は笑顔である。貴子も頷いている。
でも実は既に処理済み！来た時にすぐ処分して、貴子が呆れていた。
「あの〜？占いか何かなさいます？」
「私、幼稚園の頃からずっと神社の巫女さんしてますから。私ならちゃんとお祓いして浄霊して住めますよ」
「巫女さんですか！」
と副店長さんは「参った」という顔をした。
「あのぉ3900万円くらいでは？」
「今すぐ現金で払いますから2800万円程度になりません？」
「今すぐ現金ですか！」
「振込じゃなくてキャッシュね」
副店長はコリンが持っているアタシェケースを見る。まさかあれに現金を入れているのか？金持ちなら3000-4000万円くらい大した金ではないのかも。しかしそれでも値切るのか！？
「3800万円では？」
「3000万円ジャストで」
副店長は店長に電話した。それで数分間話していた。
貴子に訊く。
「店長が3700が限度だと言うのですが」
「あと１声」
再度電話している。今度は短かった。
「3600では？これより安くでしたら、もうここはお売りできません」
「いいわよ。六六36ね」
「ありがとうございます！」
それで事務所に帰って手続きをした。貴子が実印と印鑑証明書を持って来ていたので、その場で契約書類を作る。
「ああ、北海道からいらしたんですか」
「ええ。内地は久しぶりだわ」
なるほど。北海道は土地が余ってるからそもそも土地の狭い広いの感覚が違うかもと副店長は思った。
コリンがアタッシェケースを開いて生の現金で3600万円＋消費税の合計3780万円を支払った。現金は全体の５分の１程度しか使わなかったので多分２億円持ってきていた。
スタッフ数人で30分掛けて数えて確かにその金額あることを確認する。それで登記移転の書類を渡してくれた
（貴子がお金持ちの奥様を装ったのは3000-4000万円をキャッシュで払っても怪しまれないようにするためである。また普通に400坪売買の交渉をすると時間がかかる可能性があったので、わざと“金持ちの気まぐれ”を装った。値切ったのはおまけ）
「安くしてくれてありがとう」
「こちらこそありがとうございました」
店長さんと副店長さんが、コリンが運転するＳクラスを丁寧にお見送りしてくれた。千里たちは中古車屋さんに行き、取り敢えず？、120万円のエスティマを買った。ベンツは普段使いしづらい。
エスティマは一週間程度で引き渡し可能ということだったので、連絡をもらえたら取りに来ますと言って、法務局に行く。ここで登記移転の手続きをした。
それから近くのスタバに行き、一息ついた。
「土地を買ってくれてありがとう」
「それは潤沢な予算があるからいいんだけどね」
「しかし千里が姫路に移動するとなると、他の十二天将の住まいも近くに確保する必要がある。頭痛い」
などと貴子は言っている、十二天将の住まいはお互いに干渉しない距離を空ける必要があるので地域調査だけで大変そうだ。しかも“この”貴子は関西方面に土地勘が無い。
「でもそれより先にあの場所に家を建てなければ」
と貴子。
「その建てるのは私の個人的な眷属にやらせていい？早川ラボを建てた連中なんだけど」
と千里。
「まあいいよ。私は数日滞在して、男たちの住めるような洞窟とかを見付けなければ。あいつら普通の家をあてがうと３日で壊すから、洞窟とかでないと」
なんか大変そう。
確かに問題外の勾陳を除いても、玄武や騰蛇も雑な性格だ。きーちゃんもきっと“男”に分類してるだろうけど白虎もかなり荒っぽい。青龍は女の子分類でいいな。
「でもあの土地、西向きだったから昨日書いた図面をかなり考え直さないといけないよね」
「うん。ちょっと書いてみようか」
昨日の図面は南面している前提で描いていた。
最初に各人の本命卦を確認する。千里は1991女で乾、清香は1990女で艮。どちらも東四命てある。南西・西・北西、および北東が吉方位である。
「きーちゃんは1412女で小寒より後のグレゴリウス暦で1月15日の生まれだから震で西四命だね」
と千里は言った。
「1412年の本命卦が分かるんだ！？」
「1412年は三碧の年だよ。九去法で８になるから(*27)」
「あ、ほんとだ」
(*27) 数字の各位を足し合わせて１桁にしたものがその数を９で割った余りである。これを九去法といって暗算できる人は多い。
例：1+4+1+2=8, 1412÷9=156余8
西暦年数を９で割ったあまりから九星を求めるには11からその数を引けばよい。九星と性別で本命卦は定まる。詳しくは↓参照
(ffortuneさんのサイト)
http://www.ffortune.net/fortune/husui/kyokai5.htm
「でも私の誕生日は1月6日だよ」
「うん。それはユリウス暦の話。グレゴリウス暦では1月15日になるんだよ」
「まだグレゴリウス暦始まってないのにグレゴリウス暦を適用するの？」(*28)
「一般に暦や天文の計算ではグレゴリウス暦がずっと行われていたとして計算する。途中で暦が切り替わるのは計算が複雑になるから」
「へー。でもそれ小寒の後なの？」
「1412年の小寒はグレゴリウス暦で1月6日の15:42だよ(*29)」
「あんたよくパソコンとか使わずにそういうの分かるね」
「え？きーちゃんもこのくらい分かるでしょ？」
「普通分かんないよ」
「そうなの？」(*30)
(*28) グレゴリウス暦はローマ教皇グレゴリウス13世が定め、1582年10月15日から（教皇庁では）使用開始した。
(*29) これは定気法（現在の暦で使われている24節気の計算法）で計算した場合。平気法（古い方式）で計算した場合は、1412.1.07 3:52 で小寒となる。
何かと批判される定気法であるが、風水的な区分を考える場合は、より自然現象に即している定気により小寒を計算した方が理にかなっていると筆者は考える。
(*30) これは半分はただのハッタリである。Ｇは以前、前橋の知り合いの暦計算に詳しい人（当時は直接知らなかった青池）から過去2000年分くらいの暦のデータを送ってもらっていたのを今回チェックして、既に風水設計していた。
ただユリウス暦とグレゴリウス暦の換算などはマジでその場で計算している。これは100年に1日ずれるだけだから計算できる人は多い。千里はマジの中に巧みに嘘を混ぜるので、多くの人が欺される。なあ虚空は最初から全てが嘘！
「ま、とにかくきーちゃんだけ西四命だし、道場（どうじょう）は家の後ろに“置く”ようにしないと邪魔だから、結局こんな感じになるかな」
「コリンちゃんの本命卦は？」
「私、生まれた年も誕生日も知りません」
と本人は言ったが
「巽で西四命だよ」
と千里が答えた。
「そうなんですか！？」
とコリンが驚いている。
「私が人の生年月日分かるの知ってるくせに」
「そうだった！」
と言ってからコリンは尋ねる。
「だったら私の本当の誕生日をご存じですか？」
「8月30日だよ、当時の暦で。だからグレゴリウス暦では9月9日になる」
「私本当に9月9日生まれだったんだ！」
「知らなかったの？」
「知りませんでした！」
「まあだから私の隣にしよう」
「はい」
３人は多少の議論をしながら、新しい図面を書き上げた。
「わりといい感じになった」
「きーちゃんの部屋と私の部屋が真向かいだね」
「うんうん」
右側のバスルームをあと半間上にやるとLDKが四角に使えるが、そうすると千里と貴子の間の通路がまっすぐにならないので防災上危険である。通路はできるだけまっすぐ通すべきである。
千里とコリンの部屋の間のクローゼットは通り抜けられるようにした。千里が朝起きられなかった時にコリンが起こしてあげるのが主たる目的である！（そして千里が清香を起こす：清香を起こすには忍耐！が必要）
「建蔽率は大丈夫かな」
「道場が41×16=656 住居が18×12=216 で、合計872平方半間。４で割って218坪。図面上の坪数380坪で割って0.573。余裕ですね」
と千里はここは電卓を叩きながら言う。
「この図面、私の眷属に送っていい？」
と千里は訊いた。
「うん。いいよ」
それで千里は図面を写真に撮り、“千里に”メールした！！
スタバでお茶を飲んでいたらかえってお腹が空いてきたので、ショッピングモールに行き、あなご飯を食べた。姫路はあなごが名物である。あなごの刺身を出す所もある。ごくごく新鮮なものは刺身でも行けるらしい。
ちなみにアナゴはウナギと同様、血液中に毒を持っているので、生食するためには丁寧に洗浄して調理する必要がある。信頼できる店でないと危険である。姫路以外では、千葉県の富津にもアナゴの刺身を出す店があるらしい。
ウナギ・アナゴの毒は加熱により分解するので、やはり蒲焼きが安全な食べ方である。
ところで、朝、貴子の家でＧと交替して留萌に戻った千里Ｒであるが、学校に来たかと思ったら見たこともない家の中にいる。目の前には大きな投影スクリーンがあり、多数のＰＣの画面が投影されているようである。
ここどこ？
「お疲れ様です、ロビンさん」
と声が掛かる。星子である。
「ここどこ？」
「司令室です。今日の“千里たち”の調整作業をお願いします」
「もしかして普段グレースがやってることを私にしてくれとか？」
「今日はグレースさんもヴィクトリアさんも姫路に行かれたんです。他にできる人はロビンさんしかいないのでよろしくお願いします」
「私が調整をするの〜〜？」
「でも待って。学校はどうするの？」
「今日は、千里Ｕ；アーシュラ（学校に来るのは実質Bs）さんと、千里Y1:Yukiさんとで乗り切りましょう」
「ユキって誰だっけ？」
「千里Ｙ“やちよ”さんが２つに分裂してしまったので、1番をYuki, 2番をYorikoと呼んでいます」
「出てくるの？」
「Yukiさんは電話をすれば出て来ます。電話番号はこちらですのでロビンさんの携帯にも登録してください」
「うん」
それで番号を登録する。
「しかし電話掛ければ出てくるってラーメン屋さんの出前みたい」
などとＲは言っている。
「でも２人いたら何とかなりそうだね」
「アーシュラさんは自分の得意な数学と理科の授業にだけ出ます」
「ああ、私が数学と理科は出なくていいよと言われたのはそれか」
「だからアーシュラさんがそれらの授業を受けたあと消えちゃったら他の授業を受けるためにユキさんに電話して起こしてから必要なら教室に転送してください」
Ｒは考えた。
「もしかして私が電話して起こすの〜〜！？」
「はい。転送もよろしくお願いします」
「千里ってなんて面倒な奴なんだ！」
「アーシュラさんは学校に出てくる時はBsさんが表に出ててBsさんは自分は女だと思っているのでトイレや更衣室の面倒はありませんから」
「ああ、もうひとりのＢが自分は男と思い込んでいる子か」
「自分のお股をよく見るべきですよね」
「全く全く」
彼はお風呂でドキドキしながら、そこを指で優しく開き、緩いシャワーを当てて洗った。とても気持ちいい感覚になる。
「これいいなあ。夢なら覚めないでほしい」
ぼく、その内、女の子になってることがバレたら
「あんた女の子ならセーラー服着て学校行きなさい」
とか言われたりして。
セーラー服着てみたーい。スカート穿くのってちょっと恥ずかしいけど。
彼の妄想はお風呂からあがってもずっと続いていた。
そしてお布団の中で“女の子の密かな楽しみ”をすると、あまりの気持ち良さに脳味噌が壊れちゃうかもという気がした。
