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■女子中学生・進路は南(11)

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9月4日(土)、バスケットの留萌支庁大会が羽幌町の羽幌町総合体育館で開かれた。実は来週9月10日の予定だったのだが、ちょうど台風にぶつかりそうということで1週間、前倒しになったのである。
 
S中女子バスケット部はこれに千里(T), 留実子を入れた陣営(3年生3人・2年生3人・1年生3人)で臨んだ。
 
これまでの女子バスケ部の大会参加
 
1年春 留萌 2回戦敗退。Bが参加してその後入部を勧誘される
1年秋 小平 3位 Bが行くが出場せず。留実子が参加。
1年新 留萌 2位 隣の剣道大会に来たRが2試合、後から来たYが1試合
 
2年春 増毛 2位 Bが出場拒否。家祓いの後応援に来たYが出る。留実子も出場。
2年秋 苫前 約束したYが寝てて代理でRが出る。留実子怪我で欠場
2年新 留萌 2位 千里・留実子は出なかったがR中と接戦
 
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3年春 小平 千里も留実子も出ず伸代も転出して1回戦負け
3年秋 羽幌
 
各々の千里がこれまで出た回数→ B 1 Y 1+1/3 R 1+2/3
 
そして今回出る(予定な)のは千里T(Bs+Y2)である。
 
また千里と留実子の両方が出場する(予定な)のは昨年春以来1年5ヶ月ぶりである。
 

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女子バスケ部では前日の金曜日に背番号を発表し、背番号の縫い付けを2年生の雅代・泰子に依頼した。1年生に頼まないのは、1年生に正部員が居ないからである!
 
4.中谷数子(3.PF) 5.森田雪子(2.PG) 6.平井雅代(2.SG) 7.道城泰子(2.SF) 8.花和留実子(3.C) 9.村山千里(3.SG) 10.波頭由紀(1.SF) 11.風野真鈴(1.F) 12.広瀬治実(1.F)
 
実は正部員は4-8の5人だけで、9以降は臨時部員の助っ人である!!
 
千里も“助っ人”になっている。実は千里のバスケ協会の登録は男子になっていて、つまりバスケ協会の登録者としては千里は出場できない。同じ学校の女子生徒として“助っ人出場”として事前登録してある。
 
留実子は一応正部員でバスケ協会の登録証も使えるのだが
 
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「ぼくみたいに普段練習に来てない人が3年生だからといって早い番号を取るのはよくない。いつも練習している子たちを早い番号に」
と本人が言うので、留実子は正部員の最後になった。
 
さて、この背番号をユニフォームに縫い付けするのを2年生に頼んだ時、千里が
 
「あれ、バスケット部にユニフォームができたんだ」
などと言うので
 
「君は今更何を寝惚けているんだ?」
と留実子から言われていた。
 
千里Bがバスケットの大会に来たのは昨年春の大会以来で、ユニフォームができたのはその後なので、Bはユニフォームのことを知らない。
 

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さて、会場は羽幌町なので、保護者の車数台に分乗して羽幌に向かう。計画ではこのようになっていた。
 
数子の母:数子・留実子・千里(3年生)
雪子の母:雪子・雅代・泰子(2年生)
由紀の母:由紀・真鈴・治実(1年生)
 
数子の母は車(ヴィスタ)を留実子の家の前に付ける。そしてここで転回する。千里の家はここより先にあるが、ここより先では道が細くなっており、小さな車ならいいが、ヴィスタのような大きな車は転回困難になる。千里はここまで出てくることになっている。
 
やがて留実子が出てくる。そして千里が車の前方から走ってくる。なんで後ろからではなく前から来るのだろうと数子は疑問を感じた。
 
実は千里Tは旧早川ラボに住んでいるので、そこから1kmほどの距離をジョギングしてきたのである。
 
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(再掲)

 
この道はヒグマやエゾシカが出る危険があり、一般の人は通行しないほうがいいが、ヒグマ・エゾシカを倒せる“この”千里なら平気である。
 
「遅くなってごめん」
「いや。まだ約束の時刻の前だし」
 
ということで車はスタートする。これが7時半頃であった。
 

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車は幅6mほどの道を行き、C町バス停の所に出て、羽幌方面に国道232号を北上する。
 
「それでさ、千里ちゃん」
と言って数子は隣に座る千里に話しかけたが・・・
 
千里が居ない!?
 
なんで千里は居ないの〜!?千里はどこに行ったの!?
 
「お母ちゃん、停めて。千里ちゃんが居ない」
と数子は運転席の母に声を掛ける。
 
「え!?嘘?」
と言って、取り敢えず脇に寄せて停める。
 
ところが
「どうかしたの?」
と千里の声がする。
 
千里は数子の隣に座っている!!
 
「千里ちゃん、いるじゃん」
と母。
「あれ〜〜!?」
 
ということで車は出発し、国道232号を北上した。
 

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実は・・・
 
数子の母の車が来る前に、昨夜村山家に泊まった千里Sは土曜日なので、いつものようにQ神社に行ってご奉仕しようと、7:15頃に家を出てバス停でバスを待っていた。千里Sは車が通れる道ではなく、沙苗の家のそばに降りて行く細い道を通ったので、数子たちと行き違いになった。
 
そして千里Sがバス停で待っているそばを千里Tを乗せた車が通過したので、千里Tは“10mルール”によって消滅してしまった。
 
数子は運転席の後ろに座っていたので反対側になり、バス停の千里Sを見ていない。留実子は見る可能性があったが、あまり注意力が無いので気付かなかった。
 
しかし「これはまずい」と判断した千里Gが、A大神に依頼していったん休眠場所に戻っていた千里Tを車の中に転送してもらった。だから千里Tは消えたもののすぐ復活したのである。(Tとしては寝入りばなを起こされた感じ)
 
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千里Sは数子たちの車が国道に出た直後、やってきた市民病院行きのバスに乗り、市街地に出た。そしてコンビニでお昼用のおにぎり、非常食のパンにおやつのムーンライトなどを買い、8時前にQ神社に入る。そして巫女服に着替えて、この日のご奉仕を始めた。千里Sが使っている龍笛は本来千里Bが使用していたNo.224 (月姫) である。
 

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数子・留実子・千里(T)が乗った車は国道を約1時間走って、8時半頃、羽幌町総合体育館に到着した。
 
今回の大会の女子の参加校は6チームで、S中は春の大会の成績が酷かったので1回戦からである。
 
この日のTime Schedule
_9:00 女子1回戦
10:00 男子1回戦
11:00 女子準決勝
12:00 男子準決勝
13;00-14:00 休憩
14:00 女子決勝・三決
15:00 男子決勝・三決
16:00 表彰式
 
エントリーシートを提出した上で、体育館の駐車場で軽く準備運動をしてから館内に入る。
 

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9:00 1回戦が始まる。
 
選手整列の際、主審が
「ちょっと、コーチさんはコートに入らないで」
と言う。えっと・・・と思っていたら
「あなた、ベンチに戻って」
と留実子に言う。
 
「私は選手です」
「これは女子の試合ですよ」
「私は女子です」
「もしかして女の子になりたい男の子さん。女子の試合には医学的に女子の人しか登録できないのだけど」
「私は医学的に女子です」
「嘘ついてはいかん」
 
それで三井先生が留実子にバスケ協会の会員証(写真付き)(*5) と生徒手帳を提示させるとともに、留実子が春に受けた健康診断の診断書を見せる。診断書にはちゃんと「性別:女」と書かれている。
 
「本当に女子なの?」
「この子、小さい頃からしょっちゅう男に間違えられるんです。でも何度も一緒にお風呂入ってるから、間違いなく女ですよ」
と千里が言う。
 
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「うーん。。。。診断書もあるのなら暫定的に出場を認めます」
と主審は言った。
 
(でも後日、性別検査を受けさせられた!)
 
(*5) 通常バスケット協会の会員証は写真を省略可能だが、留実子の会員証は敢えて写真を登録掲載している。
 

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試合が始まると、圧倒的であった。前半だけで大差になったので、体力の無い雪子を下げて、数子が代理の司令塔を務めたし、第4ピリオドは留実子も下げた。しかし圧倒的大差で勝った。
 
10時からの男子1回戦を経て、11時からの女子2回戦では最初から雪子を使わず決勝戦に温存した。体力的に劣る1年生を交替で休ませたが、これも大差で勝った。そして決勝戦である。決勝戦はお昼休みをはさんで14時からである。
 
S中のメンバーは1回戦・2回戦は白いユニフォームを着たのだが、決勝戦は赤いユニフォームになるので、(女子)更衣室に入り、ユニフォームはいったん脱いで体操服に着替えた。全員下着も交換していた。ユニフォームは泰子が回収する。
 
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それで控え場所に行き、お弁当を食べる。千里Tのお弁当はコリンが作ってくれていた。アリーナでは男子の2回戦が行われていた、それを見終わってから
「じゃ軽く準備運動をするよ」
というので、全員体育館前の駐車場に出る。これが12:50くらいだった。
 
「じゃここからあそこの青いスカイラインの所までドリブルで10往復」
と数子は言う。
「え〜〜!?」
という声があがる。
「単に疲れるだけのような気がする」
という声もあるが、全員ボールを持ち、ドリブル走をする。
 
その内2年の雅代が気がついた。
「あれ?千里先輩は?」
「ん?」
「トイレにでも行ったのかな」
「その内戻ってくるでしょ」
 
ところがいつまで経っても千里は現れない。
 
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「千里はどこ行ったの〜〜!?」
「千里先輩の携帯は?」
「“この”千里は携帯持ってないみたいなのよねー」
 
数子が部活練習中に
「千里ちゃん、携帯の番号教えて」
と言ったのだが
「ごめん。私携帯持ってない」
と言っていた。どうも千里は“携帯を持っている個体”と“携帯を持ってない個体”とがあるようである。
 

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数子は千里は多分“消えた”と判断した。これはよくあることである。少し考えた上で数子は蓮菜を頼るしかないと思った。彼女の携帯に電話を掛ける。
 
「あ、蓮菜ちゃん?私、数子。実はさ、今日バスケの大会があってて、千里ちゃんも一緒に出て来たんだけど、午前中の試合が終わってこれから午後の試合があるんだけど、千里ちゃん、いなくなっちゃったのよ」
 
「ああ、よくある事態だね。千里はよく消えるんだよ」
「だよね。何とか消えた千里ちゃんに連絡するか、あるいは別の千里ちゃんに代理してもらえるように連絡とれないかな」
「午前中の試合に出ていて千里は何色の腕時計してた?」
「腕時計!?」
 
数子は考えた。朝の車の中での千里を思い起こす。
 
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「黄色と青の縞模様だったと思う」
「縞模様ね?星模様じゃなくて」
「縞模様と星模様がいるんだ!」
 

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「千里はどんどん分裂を続けてるみたいで私にも全部で何人いるのか分からない」
「どうなっちゃってるの?」
「多分本体はひとつで他は全部エイリアスだと思うんだけどね。だからよく消える」
「はあ」
「消えないのが本体だよ」
「へー!」
 
「でも縞模様の千里は携帯持ってないみたいなんだよ」
「やはり」
「代わりに出てくれないか、赤に連絡してみる」
「分かった。よろしく」
「千里は間に合うものと思って準備してて。会場はどこ?」
「羽幌町総合体育館」
「羽幌町ね」
「うん」
「じゃ何とかするから」
「お願い」
 
それで数子はみんなに
「何とかなりそうだから、準備運動を続けよう」
と言う。
「え〜〜!?」
「雪子ちゃんは体力ないからもうう休んでなさい」
 
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蓮菜は千里Rに電話した。
 
「千里さあ、今日バスケットの大会があってるんだけど、午前中の試合で1人トラブって人が足りないらしいんだよ。午後だけでも助っ人やってくんない」
「ああ、いいよ。場所はどこ?」
「羽幌町総合体育館。今年1月に剣道の新人戦やったところ」
「ああ、分かった」
「じゃ頼める?」
「うん。じゃちょっと準備してから行く」
 
それで千里は道着と袴を脱いで、スポーツブラを交換し、ジャージに着替えた上で、バッシュを持ち、勾陳を召喚した。
 
「ちょっとバスケットの大会に出てくるから今日の午後は清香の相手をしてやって」
「分かった」
「私が居ない間にお前が悪いことしたらいけないから男性器を預かっておくね」
「え〜〜?」
 
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それで千里は勾陳のちんちんとタマタマを“取っちゃった”。
 
「ちょっとこれ無いの困る。だいたい小便もできない」
「座ってすればいいよ。夕方には戻してあげるから。じゃね」
と言って千里Rは行ってしまった。
 
「千里も忙しいなあ」
と言って清香は
「じゃ勾陳。今日は私の相手をしてくれ」
と言う。
 
「仕方ない。まあお前もわりと強いから相手してやる」
と言って勾陳は太陰から竹刀を受け取り、清香と一緒に剣道の練習を始めた。勾陳はこの日、公世もたくさん指導してあげていた。
 

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