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「1ヶ月経ったけど、やはり女の子の身体はいいでしょ?このままずっと女の子のままでいいよね」
「いやです。男の子に戻してください」
「どうしても?」
「男の子に戻りたいです」
「そこまで言うなら仕方無いね。じゃちんちん復活させてあげるね」
と言って彼は手術台に乗せられた。クリトリスの先に何か縫い付けられる。
「何を縫い付けてるんですか」
「ウィンナーだけど」
「ぼくのちんちんウィンナーなんですか〜」
「ちんちんなんて精液を女性のヴァギナの中に送り込めたらいいんだからウィンナーで充分だよ」
「そんなものですか?」
「ウィンナーだから、恋人がこれをフェラした時に美味しいかもね」
そのまま食べられて無くなったりして。
本人はフェラって何だろうと思っている。
その後どうも女の子の尿道口のところから細いパイプをちんちん(ウィンナー?)の先まで導くパイプを取り付けているようである。
「そのパイプは何ですか」
「これはストローだよ。管になってればいいんだからこれで充分」
「そうなんですか〜?」
「これで男の子に戻ったよ」
(ところで睾丸と陰嚢は?)
「ありがとうございます」
と彼はお礼を言った。
そこで目が覚めた。触ってみるとちんちんがある!嬉しい!
とにかくトイレに行く。彼は立っておしっこできる喜びをかみしめていた、
「うれしー。男の子に戻れた」
ちんちんが無くなってた間はほんとに不便だったなあ。だいたいオナニーできないし。女の子のオナニーをしてみようかとはチラッと思ったけど。そんなことしたらもう男の子には戻れない気がして、我慢してた。
部屋に戻って着替える。パジャマを脱ぎ、ベッドの上に放り投げる。ショーツとブラジャーを脱いで、洗濯済みのショーツを穿いたが・・・
「なんで不格好に膨らんでるの〜」
と思った。
そしてブラジャーを着けるが、
「なんでこんなにカップが余るの〜」
と思った。
カップが余り過ぎると形が潰れてしまうので、彼は取り敢えず、中にピンポン球を入れた(テニスボールを入れる勇気は無い)。その上にブラ隠しの灰色アンダーシャツを着た。
(だから女の子のままでいれば良かったのに)
千里、清香、公世の3人は9月25日の夕方、姫路に引っ越すという越智さんによくお礼を言って、送り出した。清香と公世はその後、瑞江に送ってもらって留萌に帰還したが、千里は天子のアパートに行って3時間ほど一緒に過ごした。天子も全国大会優勝を喜んでくれた。星子にライフで迎えに来てもらい夜中ころ帰還した。
9月24-25日(土日).
千里たちが旭川の貴子の家を訪れている間に“別の貴子”は杉村八助邸の敷地内に立っている義浜ハイジ・裕恵の家を訪れた。
「あんたたち、これ覚えて」
と言って2人に渡したのはどうも、猟銃(散弾銃)っぽい。
「こんなのどうすんですかー」
「射撃を覚えてもらう」
「でもこれ免許とか許可とか要るのでは?」
「鉄砲所持許可、というのと第一種狩猟免許(*10)が必要」
「あ、2つ取る必要があるんですか」
「基本的には医師の診断書、この人は精神異常などは無いという診断書をもらって、あとは講習会を受けて試験に通ればいい。でもあんたたち覚えが悪そうだから、事前に少し教える。鳥の種類の識別(*11)とかもね」
「あのぉ〜、猟銃が必要な仕事とかをしてくれとか」
「君たち、勘がいいね」
「あはははは」
「で何を狩るんですか?」
「北海道といえばヒグマじゃん」
「散弾くらいでは仕留められない気がします」
「よく知ってるね。大型ダンプと衝突してもマグナム撃ち込んでも平気なのがヒグマだよ」
「怪獣だな」
それを一撃で倒しちゃうらしい千里って凄いなと“この”貴子は考えていた。
(*10) 狩猟免許の第一種が装填銃、第二種が空気銃。そのほかに罠の免許、網の免許もある。これは鉄砲所持許可とは別であり、どちらを先に取ってもよい。しかし両方無いと銃による狩猟はできない。
最初に許可されるのは散弾銃で、これを10年間維持してやっとライフルの所持を申請できる。ただしこの試験がとても厳しい。警察の人との面接があるが、向こうは何とか説得してライフルなどという超危険なものは諦めさせようとするらしい!!あまりにも厳しすぎて、最近熊を撃てる人が絶対的に不足する問題が起きている。
(*11) 狩ってよい鳥獣と狩ってはいけない鳥獣は法令で厳密に定められているのでこれをきちんと見分けることができなければいけない。イタチなんてオスは狩ってもいいが、メスは狩ってはいけない!
オスはとても大きくメスは小さいので大きさで区別すればよい。ただしオスでも行政からの許可があった時のみ狩猟できる。これはイタチがネズミを食べてくれる益獣であるため。
『ガンバの冒険』はイタチがネズミを食べる話!
9月25日(日).
3月25日から半年にわたって開かれていた“愛・地球博”はこの日終了した。累計来場者数は約2200万人であった。
コリンが連れてきた子は早羽子(さはこ)と言った。
少し時間が掛かったのは、彼女は携帯を持っておらず、旅行に出ていて、戻って来てから留守電に気付き、連絡してきたからだという。
「連絡付かないと困るから、あとでコリンも付いてって携帯1台買って」
「分かりました」
「でも、早羽子(さはこ)ちゃんって名前からして飛ぶの速そうね」
「実は遅いんです。私、とろくて」
「あらあら。てもいいよ。食べ物は保証するから野性動物は捕食しないで」
「それは50年くらい食べてません」
(多分戦時中・戦後直後の食糧難の時期は食ってた:ただし長年の習性で焼いて食べているのでエキノコックスなどは大丈夫)
「だったらいいけど。特にキツネは食べないでね。私が使役してるから」
「はい!」
「苗字とか無いんだっけ?」
「前の主人から夏川と名付けられました」
と言って、彼女は自分の運転免許証を提示した。
「あ、免許持ってるのは助かる」
免許には「夏川早羽子 昭和46年2月28日生」と書かれている。
「8月8日生まれじゃなかったか!」
「えっと8月8日生まれということにしましょうか」
「いや自分の誕生日を使えばいいよ。年齢はコリンより少しだけ上なんだね」
「あれ?コリン私の年齢教えた?」
「千里さんは相手を見ただけで生年月日・性別、ほんとうの名前が分かるんだよ」
「すごーい!」
「じゃ私の眷属になる?」
「はい、お願いします」
「では越後龍鷹よ、我に従え」
「はい!」
と答えてから驚いたように
「あの、なぜ私の真名を・・・?」
と訊く。
「言ったじゃん。千里さんは相手を見ただけで“ほんとうの名前”が分かるって」
「ひゃー、すごい人だ」
と彼女は言った。
「あのぉ、そしたらまさか私の性別も・・・」
「一目で分かったけど、君は可愛い女性だよ」
「ありがとうございます!」
「鳥って男女ともペニスが無いからいいよね」
「そうですね!」
「愛称は早羽子(さはこ)からサハリンで」
とコリンが言う。
「どこかで聞いたような名前だ」
10月1日(土).
日本道路公団・首都高速道路公団・阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団が民営化された。
日本道路公団は東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社(NEXCO東日本・NEXCO中日本・NEXCO西日本)の3社に分割された。
10月1日(土).
この日から国勢調査が始まった。調査票に津気子はは特に悩まずに、村山武矢・男、村山津気子・女、村山千里・女、村山玲羅・女、と書いて提出した。
津気子にとって千里の性別問題はとっくの昔に解決済みのことである。
工藤家にも国勢調査の調査票が配られてきた。梓咲は悩んだものの、次のように書いて提出した。
工藤春晃・男、工藤梓咲・女、工藤弓枝・女、工藤公世・女、工藤大樹・男
「だってあの子、今は男の子になりたいって言ってるけど、生理も定期的に来るようになったみたいだし、身体が女らしくなっていけば、やはり女でいいかなと思うようになるよ」
と母は思った。
10月1-2日(土日).
S中では文化祭が行われた。
「え〜〜!?また女装カフェやるの?」
「楽しいじゃん」
ということで3年1組は男子全員が女装してウェイトレスになる女装カフェが行われることになった。女子たちは裏方で調理を担当する。なお、公世は
「女装してウェイトレスするか、セーラー服着て裏方の厨房やるか、どちらがいい?」
と訊かれたものの
「どちらも拒否」
と言って、ワイシャツとフリースにズボンという格好で厨房の仕事をした(学ランは拒否されたのでペールブルーのフリースを着た)。お客さんには普通に女子が厨房にいるように見えたであろう。
上原君と中山君には
「女装してウェイトレスするか、セーラー服着て裏方の厨房やるか、どちらがいい?」
と訊くと、上原君は
「セーラー服着ようかなあ」
と言ったので、(自前の)セーラー服を着て厨房に入った。(多分人前にセーラー服で出ることに快感を覚えつつある)
中山君は
「ぜひ女装でウェイトレスがしたい」
というので、そちらに入ってもらった。(多分短いスカートが穿きたかった)
でも「女装カフェというけど、一部女の子も入ってるのね」
と彼は言われていた。
蓮菜は当然、女装してもらってウェイトレスである。
「君、女装すると可愛いね。いっそ女の子にならない?」
などと言われていた!
(つまり誰もリアル女子とは思わなかった)
色々な研究をして展示をしていたクラスもあった。
千里・公世が取った全日本剣道大会の賞状・メダル・トロフィーとカップ、木刀もこの2日間はまた学校が借りて展示していた。不特定多数が入ってくるので、学校側は警備会社のガードマンをずっと付けていた。
また表彰式に加えて2人の対戦シーンも収録したビデオが
「自由にお取り下さい」
として置かれていて、これが100部以上出たので、白い道着を着た公世の姿も、セーラー服を着た由紀の姿もたくさんの人が見ることになった。
囲碁部・将棋部では来訪した人と部員が一局打つ(指す)というのをやっていた。
2日目の体育館ではこのような演し物が行われた。
_8:58 開会の辞
_9:00 □応援部
_9:21 ▲体操部
_9:42 □クラス合唱(5分×8クラス)
10:22 ▲柔道部
10:38 □吹奏楽部
11:08 昼休み
12:00 ▲有志演奏1
12:11 ▽有志演奏2
12:22 ▲有志演奏3
12:33 □チア部
12:54 ▲剣道部
13:10 □合唱同好会
13:31 ▲バスケット部
13:52 □英語部(英語劇)
14:33 ▽先生合奏
14:49 □PTA合唱
15:05 全員合唱
15:10 閉会の辞
□ステージ上、▲体育館後方、▽ステージ下
演劇部が人が足りなくて(2人しかいない)、劇の上演が不可能ということで辞退。その枠に各クラスの合唱が入れられた。
千里Rは吹奏楽部と剣道部に出た。クラス合唱と合唱同好会、バスケット部には千里Tが出た。そういう訳で13時付近は
12:54 ▲剣道部(R)
13:10 □合唱同好会(T)
13:31 ▲バスケット部(T)
のように出ている。剣道部とバスケット部は体育館の後方、合唱はステージである。距離が20mくらいしかないのでRがいる内はTは出現できない。
「あれ?千里今までここに居たのに」
と探していたら、Rが体育館を去った後でTが出現し
「どこ行ってたのよ?」
と言われた。(実は30m離れた所でGがTを送り込んだ)
合唱とバスケの間は、ステージから体育館後方に走っていく千里の姿が見られた。
剣道部では、昨年やって好評だった“試切り”(藁束を使う)を今年もやった。物凄い歓声が起きていた。
その後で、千里vs公世、玖美子vs沙苗、竹田vs吉原、の模擬試合をした。
「さすが全国大会の優勝者・準優勝者の試合はレベル高いね」
「でもやはり村山さんがかなり上と見た」
「それが1位と2位の差なんだろうね」
なお竹田君は由紀と対戦するつもりだったが「男女でやってるように見える」ということから、相手は吉原君になった。
その他にも千里Rは囲碁部から呼ばれて強い来客者と3局打った。
「強い女子中学生がいるねー」
とお客さんたちは感心していた。
千里は昨年の文化祭の後で桜田・元碁聖から三段に認定され、そのあと免状ももらっている。千里は以前はP神社の宮司と打っていたが、千里がずっと強くなってしまったので、ここ1年ほどはA大神の眷属で囲碁の強い二郎さんという人とよく打っている。
文化祭の最中は、来客が多いので“混乱防止のため”生徒指導の先生の“強い要請”で公世はこの2日間は女子トイレを使用した。彼が男子トイレを使っていたら、保護者から叱られる可能性が高い。
「きみちゃんは、ずっと女子トイレでいいのに」
「いや、文化祭が終わったら男子トイレに戻る。この2日間だけ使わせて」
なお留実子は普段通りに男子トイレを使用しており、鞠古君と連れションしている姿も目撃されている。
なお文化祭の代休は10月3日のみである。もう1日は7月20日に既に使用されている。
10月3日(月).
鞠古君が男性ホルモンの投与を開始した。
彼は病気治療のため2年間にわたり女性ホルモンの投与を受けていたのを春から投与をやめて病気が再発しないか様子を見ていた。しかし大丈夫のようなので、この日から男性ホルモンに切り替えたのである。
P大神は、鞠古君の陰嚢内で完全に機能喪失していた睾丸(本来はCd: Chisato Doll≒千里W、の睾丸)を廃棄!して2003年6月にライブ保存しておいた、鞠古君の本来の睾丸を戻してあげた。
この時、鞠古君は金色千里ちゃんの出てくる夢を見た。
「ああ、この睾丸はもう駄目だね。捨てちゃうね」
「やめてーー!捨てないで!!」
「君には代わりに卵巣をあげるから、明日からは女の子だよ」
「いやだー!女の子にはなりたくない!!」
「スカート好きなくせに。ちゃんとセーラー服で学校に行きなさいね」
でも目が覚めたらちゃんと睾丸はあったのでホッとした。
「なんか大きくなった気がする」
そして壁にセーラー服が掛かっていてギョッとした!(誰かさんの悪戯)
しかしこの後、鞠古君は投与されている男性ホルモンと彼本来の睾丸の作用で急速に男性化していくことになる。但し多すぎるのでP大神は彼が渡された男性ホルモン剤の半分をダミーとすりかえさせた。
「代わりに女性ホルモン入れとくとかは」
「そういう悪戯はやめなさい」
ペニスの長さがどんどん伸び、病気で切断する前よりずっと長くなった。年内にはバストがほぼ消失。2月下旬には留実子にフェラされて射精に成功する。挿入も試みたが、どうしても入らなかったらしい。(多分留実子も入れられるのに慣れてないせい)
10月3日(月).
早朝、武矢たちの船は出港していったが、津気子は何か物凄い胸騒ぎがした。津気子は気分が悪くなり、この日会社を休んだ。
千里Sは
「今日は学校休みだからお母ちゃんの面倒見てるよ」
と言って1日世話してくれた。
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女子中学生・進路は南(17)