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■女子中学生・進路は南(20)

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と思ったところで目が覚めた。
 
トイレに行ってくる。
 
おしっこは“回りくどい出方”をする。
 
ちんちん無くておしっこがストレートに出るのも快適でいいけど・・・・
 
でもぼく男の子になるって決めたんだもんね。
 
スカートの女子制服とか着たりいないし、女子寮にも入ったりしないよー、と公世は思った。でもちょっとだけ誘惑に負けてその後はショーツに穿き換えて眠った。
 
どこかでクスクスと笑う声が聞こえた気がした。
 
寝ている間、ちんちんが無くなって割れ目ちゃんができてるような気がしたけどそれは気のせい、ぼくのちんちんはきっとある、と思ってそこには触らないようにした。クリちゃんで遊ぶの凄く気持ちいいけど、ぼくは男の子だからちんちんで遊ぶんだもん。クリちゃんみたいに気持ち良くなくてもいいんだもん、と思った。
 
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公世は朝になるとショーツを穿いて寝たたことを後悔していつものボクサーに穿き換えた。穿き換える時、ちんちんが確かに存在することを確認する。それで再度トイレに行ったし、それで学校にも行った。
 

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「女の子パンティは私が洗濯して乾かして衣裳ケースに入れておいたよ」
とその日の夜中12時に金色千里ちゃんが言った。
 
「ありがとう。助かる」
 
「ついでに学生ズボンに内ポケットを縫い付けて予備のナプキンを入れておいたから。これで急に生理が来ても安心だよ」
 
「はいはい。ご親切にありがとね」
と公世はスルーした。
 
「セーラー服のスカートにも内ポケット付けといたよ」
「ぼくはスカートは穿かないから」
「ふーん」
 
「あ、そうだ。きみちゃん、昼の間は男の子の身体で学校に行って、夜の間は女の子になって気持ちいい身体を体験するとかはどう?」
 
公世は一瞬考えてしまった。
 
「それ結婚できないじゃん!」
 
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姫路に行った安藤先生と鶴野先生は翌日、10月6日(木)に留萌に戻ったものの、千里は清香一家と一緒に週末まで姫路に滞在した。
 
その間に清香の父の転職は決まり、忠雄さんから清香の父に2000万円の融資が今月中に実行されることになった。
 
清香とついでに千里も、忠雄さんがやっている酒蔵を訪問した、
 
「うちは手間はかかるけど少し古い手法で日本酒を製造しててね。独特の味わいに東京とか九州とかから通販で買う人たちも結構居るんですよ。君たちが20歳以上だったら試飲してもらいたいくらい」
などと忠雄さんは言っていた。
 
「ここの酒蔵の名前、読み方が難しいですね」
「うん、母に里と書いて“母里(もり)酒造”なんだよね。昔“母里太兵衛”(もり・たへえ)という武将がいた。黒田武士で有名な人だけどね」
「ああ!」
「黒田如水(黒田官兵衛)の部下だったんだけど、福島正則の所にお使いに行った時、福島公から、巨大な杯にお酒を並々と注がれて、飲んでみよと無茶なことを要求された。ここで飲まなかったら主君の恥と思い、これを頑張って飲み干した。それでご褒美に秀吉公から拝領した日本号という立派な槍(やり)をいただいたんだよ」
 
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「死ぬ覚悟で飲んだんでしょうね」
「実際退出してすぐに可能な限り吐かないと死ぬ量だったと思う」
「ああ」
 
「その母里太兵衛は、この近くの稲美町の出身でね。ここの酒蔵を始めた妻の高祖父がこの母里太兵衛の子孫に当たるらしい」
「へー」
「それでお酒に関連の深い母里太兵衛の名前から借りて“母里酒造”を名乗ったんだよ」
「なるほどー」
 
「実は最初主君の名前から“如水酒造”と名前を付けたんだけど、水みたいな酒というのは良くないと言われて“母里(もり)酒造”に変えたらしい」
「確かに如水はお酒の名前にはよくないかも」
 

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10月7日(金)朝。
 
(P神社に住んでいる)小町が小春の家に行こうと道を歩いていたら向こうから1匹のキタキツネが走ってくる。そしてその後ろから凄い勢いで野犬(のいぬ)?が追いかけてくる。
 
小町は
「千里!助けて!」
と千里を呼んだ。
 
Gが仮眠中だったので司令室を預かっていた千里Vは星子に
「ちょっと司令室見てて」
と言うと、現場にテレポートする。
 
Vは石を拾うと野犬(のいぬ)目掛けて投げ付ける。石は野犬(のいぬ)の頭にぶつかり犬は倒れた。殺してはないと思うけど・・・とVは思う。
 
ヒグマだと確実に1発で殺さないとこちらが危険だから殺すけど、犬程度は気絶させれば充分と思って手加減した。
 
「千里ありがとう!」
「いいけど、君もしかして“一族”のきつねちゃん?」
と千里は逃げていたキタキツネに呼びかけた。
 
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キタキツネが戸惑うような顔をしているので、どうもそのようである。
 
「このお姉ちゃんは大丈夫だよ」
と小町はキツネ語?で言った。
 
「ありがとうございました。本当に命拾いしました」
とそのキタキツネは人間の言葉で千里に言った。女の子のようである。
 

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千里は白虎を召喚し、キタキツネに怪我などがないか見てもらった。
 
「少しかすり傷があるけど多分すぐ治る。それより君、エキノコックスに感染してないか調べさせてもらっていい?」
「はい、どうぞ」
 
それで白虎は彼女の血液を採取させてもらい、チェックしていた。
「大丈夫だね。陰性だよ」
「良かった」
 
このチェックが終わるまでは、千里や小町と接触させるわけにはいかなかった。
 

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「君、名前は?」
「母からは“ハト”と呼ばれていました」
「へー」
「波止場の傍で生まれたからハトだって」
「鳥の鳩ではないのか!」
 
「2〜3歳かな」
「3歳です。3年前の4月頃に生まれました」
「ほお」
「ね、君、私の眷属にならない?色々雑用をお願いするけど、食事は保証する」
「はい、いいですよ。助けていただきましたし」
「よし」
 
「ところで小町はどこか行く所だった?」
「小糸ちゃんに用事を頼もうと思って」
「じゃ3人まとめて私に付いてきて」
「はい」
 
それで千里は小町とハトと両手で手をつなぐと、司令室にジャンプする。
 
「わっ、ここは?」
「ちょっと待っててね」
と言ってVは小春の家に行く。
 
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小糸と源次がお留守番をしている。源次はまた女の子に変えられている!
 
「小糸を連れて行くね」
「千里さん、だったら私を男の子に戻してください」
「2〜3日待って」
 
と言って千里は小糸の手を取り、一緒に司令室に行った。
 
(千里Gは起きてきたら小町・小糸と、知らないキタキツネの女の子までいるので、びっくりした)
 

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10月7日(金).
 
武矢の船が港に帰って来る日だったのだが、この日の夕方、武矢たちの船は普段帰ってくる時刻には帰ってこなかった。夕方港に集まった漁船員の妻たちがざわめく。18時頃、海上保安庁の人から連絡があった。
 
それによると、武矢たちの船は国籍不明の大きな船に当て逃げされ、エンジンも停止、通信設備も破損したが、乗組員は全員無事ということであった。
 
無事という報せに奧さんたちから安堵の声がある。
 
海上保安庁の船が救助に行き、乗組員はそちらに全員移動したとのこと。そして、船も海上保安庁の船が曳航して戻って来ているので、多分今夜中には帰れるということだった。
 
漁協の会議室で全員待っていたら夜の23時頃、海上保安庁の船に曳航されて武矢たちの船は帰港した。
 
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「霧が出てて気付くのが遅れた。でも気付いてから双方必死で回避行動を取ったから接触は僅かだった」
 
「接触した相手の船は?」
「ロシアの軍艦っぽい気がした。でも奴らそのまま逃げたから分からん」
 
「救助もせずに逃げたの?」
「全く酷いよな。だからロスケは好かん」
 

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「でもその影響でエンジンが停まってしまって。色んな手を尽くしたけど、どうしても起動してくれなかった」
 
しかし船長の奧さんの話など聞いていると、どうもこれまでも“色んな手を尽くして”エンジンを起動して船を動かしていたようである。それがとうとうダメになったのかも知れない。
 
船体に穴が空き浸水していたものの、排水ポンプで何とか排水できる範囲だった。
 
通信機器が故障してるのをあれこれ頑張って何とか応急修理し、それで海上保安庁に連絡した。近くにいた漁船が漁を中断して助けに来てくれたらしい。今回GPSが生きてて正確な場所を伝えられたのが運が良かった(GPSは2002年1月に更新している)。乗組員はいったんその船に乗り移り、海上保安庁の船が来たところでそちらに移動したということだった。
 
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海上保安庁の人が少し見てくれたが、船体の傷は大したことなく、すぐ塞げるだろうとのこと。通信設備もわりと簡単に修理できるらしい。しかしエンジンについては
「船長、このエンジンは寿命をとっくに10年はすぎてますよ。衝突しなくても止まるのは時間の問題だったと思う」
と言われたらしい。
 
何しろ船長のお父さんの時代のものだから年季が入っている。
 

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「船体の傷も通信設備も多分数十万で治る。でもエンジンは交換するしかないかも知れない」
「それ凄くお金がかかるのでは」
 
たぶん数百万円のレベルである。
 
「助けてくれた船の人が言うにはそもそも船体を作り直したほうがいいかも知れないと。FBIとかいう(*15)最近のもっと軽い材料で作り直せば燃料代が随分安くなるらしい」
 
「でも船体作り直すにはお金がかかるのでは」
 
「ちょっと船長と岸本さんと3人で話し合うから、せっかく待っててもらって悪いけど、先に帰っててくれ」
「分かった」
 
それで津気子は帰ったが、武矢は翌日も帰って来なかった。
 
(*15) きっとFRP(繊維強化プラスチック)のこと。
 

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10月8日(土).
 
姫路に行っていた清香と妹の明音、および千里の3人は留萌に戻った。清香の両親はあともう少し滞在するらしい。
 
姫路市内(清香の母が運転するラパン)7:30伊丹空港8:55(ANA771)10:45新千歳空港(瑞江が運転するカローラ)14:00留萌
 
瑞江は昨日の内に新千歳に来てホテルに1泊していた。車が小春のカローラになったのは、これを運転してきた星子と交代したせいである(詳細省略)。
 
新千歳から留萌への行程にはガストでお昼を食べた時間も含まれる。
 
清香の妹の明音ちゃんは、深川の親戚の家に送り届けた。
 

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千里(R)は瑞江のカローラで村山家に帰宅した。千里Rが村山家に戻ったのは実に7月14日以来87日ぶりである。約3ヶ月戻っていなかった。
 
「お母ちゃんごめーん。長らく留守にして」
と千里は謝った。
 
長らく留守にして???だってあんた今朝「Q神社に行って来まーす」と言って出掛けたじゃん、と思う。
 
「それで鶴野先生から連絡してもらった姫路の高校、話が決まっちゃったのよ」
「じゃあんた姫路の学校に行くの?」
「遠くの学校でごめん。学費は自分で何とかするから」
「随分急展開だね」
「人生の大事な選択ほど短い時間で決まるものなんだよ」
「あんた年寄りみたいなこと言うね」
 
でもどうせうちは高校の学費なんて払ってやれないから、千里が行ける所にやるしかないと津気子は思った。
 
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「それで願書を書いて送りたいんだよ。印鑑もらえない?」
「うん。まあ」
と言って津気子はH高校への入学願書に署名・捺印をしてあげた。
 
「ここ野球で有名なとこじゃん」
「うん。サッカーも強い。全体的にスポーツが盛んなんだ。それで学費も7割免除してもらえるから公立より安いんだよ」
「それは良かったね!」
 

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「じゃ学校に行って先生にも書類もらわないと」
と言って千里はまた出掛ける様相である。
 
「あ、そうそう。私だいぶこの家に戻ってなかったから、お母ちゃん、少し生活費の補充しとくね」
「あ、うん」
 
と言って津気子は千里から封筒をもらった。
 
「じゃまた」
 
と言って千里は出掛けて行った。(瑞江が“留実子の家の前で”カローラで待っていたのでそれに乗る)
 
「忙しい子ね」
 
津気子が封筒を開けてみると30万円も入っている。
 
「嬉しいー。助かるー」
と津気子は思った。
 

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千里Rは学校に行くと、予め連絡していたので出て来てくれていた、鶴野先生・岩永先生、教頭先生・校長先生と話し合い、書類を作ってもらった。そして千里が母から印鑑をもらってきた書類と一緒に学校側から姫路のH高校に送付した。
 
千里Rは
「今日はなんだか忙しかった。疲れたぁ」
と言って、学校を出ると消えちゃった!
 
それでこの日、村山家にはどの千里も戻らなかった(詳細後述)。玲羅は母から
「今日は誰も居なくて寂しいのよ。早く帰って来て」
などと電話があったので19時頃帰宅して母と2人で晩御飯を食べた。
 
「千里が姫路の高校に進学するって」
と母は玲羅に言った。
「へー。道外に出るのか。やるじゃん」
と玲羅も答えた。
 
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「なんか剣道の強い高校で授業料が7割免除してもらえるんだって」
「ああ、そのくらいの条件出す高校はあるだろうね。何と言っても全国優勝だもん」
 
この日も武矢は帰って来なかった。どうも船長さんの所でかなり深刻な話し合いをしているようである。
 
 
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