広告:プリティフェイス 5 (ジャンプコミックス)
[携帯Top] [文字サイズ]

■女子中学生・進路は南(9)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

 
8月25日(木)には実力テストが行われた。このテストに関しては“スカイ”も“タマゴ”もまだリハビリ中なのでRに得意な英語・国語・社会だけ受けさせ、数学と理科はVが代理で受けた。
 
千里Rは一日頭を使って疲れたので、試験が終わると消えちゃった!
 
勉強会グループの成績は下記である。
(1年春→夏→冬→2年春→夏→冬→3年春→今回)。
 
玖美子1-1-1/1-1-1/1-1
蓮菜2-3-2/3-2-2/3-2
田代3-2-3/2-3-3/2-3
美那22-14-12/10-9-8/7-6
穂花25-16-11/9-8-7/6-4
千里40-26-22/16-14-12/10-7
恵香43-32-28/22-18-16/12-10
沙苗65-41-36/32-31-30/28-22
留実子74-58-47/44-40-36/30-26
セナ78-81-68/69-60-64/72-74
 
玖美子は不動の1位、蓮菜と田代君は相変わらず2位・3位を交替で取っている。セナは相変わらず底辺を漂っている。それ以外は全員成績を上げた。恵香がとうとう10位以内に入った。10位以内の内7人を勉強会グループが占めている。
 
↓ ↑ Bottom Top

千里が7位まであげたのはVが数学と理科を解いたからもある。元々理系にさほど強くないYや、長いブランクのあるB(T)ではこうは行かなかった。
 

↓ ↑ Bottom Top

8月26日(金).
 
武矢たちの船は帰港したが、鳥山船長、岸本漁労長、そして機関長の武矢が3人とも厳しい顔をしていた。
 
「ちょっと3人で話し合うから先に帰っててくれ」
と言われるので分かったと言って帰った。
 
この日、武矢は夜23時頃帰宅した。
 

↓ ↑ Bottom Top

一方、千里は終わりの会の後で小春から
「千里、時間あるならちょっとうちに来て」
と言われて、コリンが運転する車に同乗して小春とコリンの家に行く。
 
「源次が今女の子になってるのを男の子に戻してやって欲しいの」
「なんで女の子になってるの?源次ちゃん女の子になりたくなった?」
 
「千里が修学旅行に行く時、コリンが付いていったから、この家は小糸だけになるというので、源次をここに呼んだんだよ。でも源次がオスだったら、小糸に何か変なことしちゃいけないから、一時的に女の子に変えていた」
 
「ああ、そういえばそうだったね。私が性別変えたんだっけ?」
 
Rは記憶が曖昧である。
 
「私もあの時は混乱してたからよく覚えてないけど、性別を変えられるのは千里くらいだと思う」
 
↓ ↑ Bottom Top

(実際に変えたのは千里Gである)
 
「まあいいや。でも源次ちゃん、このまま女の子になったら?」
「男の子に戻してください」
と言って、源次は泣いている!
 
「じゃ変えてあげるね」
と言って千里Rは源次を男の子に戻してあげた。
 
(Rは子牙の術を使って性別を変えた。子牙の術が使えるのはGVRYの4人で、Bは使えない。従ってTとSも使えない。ゴールドが性別を変えているのは実際にはP大神の力を借りている。ゴールドは(何人いるか知らないが)全員P大神のしもべである)
 
「嬉しい!ちんちんがある」
「じゃこの家は原則男子禁制だから源次は鈿女神社に行ってね。これ今日の晩御飯」
「分かりました。ありがとうございます」
 
↓ ↑ Bottom Top

それで源次は退出した。
 

千里Rは言った。
 
「何かお腹空いた。食べ物無い?」
「千里、自宅に戻ってカレー作ったら?」
「あ、今日はカレーの日だっけ?」
「金曜日だよ」
「私が居ない間はどうしてたの?」
「玲羅ちゃんが熊カレー買ってきてた」
「じゃそれでいいや。なんかきつい。ご飯ちょうだい」
「はいはい」
 
それでコリンが下ごしらえだけしていた鶏の唐揚げを実際に揚げると、千里は
「おいしーい」
と言ってたくさん食べていた。
 
それで食べ終わると「もう寝るー」
と言ってコリンの部屋で寝ちゃった!
 

↓ ↑ Bottom Top

ということで千里Rはこの日も自宅に戻らなかった。
 
そして、この日の村山家では母と玲羅の2人だけで、紀美が作ったのを分けてもらったカレーを食べた。
 
「紀美ちゃん料理が上手いんだね!」
「紀美ちゃんは基本的に外食の習慣が無いんだって」
「へー。お母さんが料理好きなのかね」
 
実際は真理さんは全く料理をしないらしい。紀美は河洛邑の料理人さんから料理を習っていたようである。もっとも高木家の“金曜カレー”は紀美が小学4年生くらいになるまで、毎週お父さんが作っていたと聞いた。
 
「ところで千里はどうなってるの?」
「学校では見かけるんだけどねー。何か忙しいみたいよ」
「うーん・・・」
 
なお武矢はこの日の夜遅く帰ってきて、紀美の作ったカレーを食べていたが
「このカレー美味いな」
と言っていた。
 
↓ ↑ Bottom Top

ただ、それ以外は、終始難しい顔をしていて、津気子は声を掛けられなかった。
 
なお玲羅は
「お父ちゃんが家にいる間はできるだけ家に近づきたくない」
と思って土曜も日曜もずっと神社に居た。
 

↓ ↑ Bottom Top

8月26日(金).
 
公世が帰宅してから素振りをしていると弓枝が声を掛けた。
 
「あんたも欲が無いねー。せっかく女の子になれるチャンスだったのに」
「ぼくは男の子だもん」
「でも女の子になりたいんでしょ?」
「なりたくない!」
「だってずっとブラウス着て通学してるから女の子になりたいんだろうと思ってた」
「ちゃんとワイシャツ着てるよ」
「いや、きみよはブラウス着てる」
「嘘!?」
 
ということで素振りを中断して自分の部屋に行き、公世がワイシャツと思いこんでいたものを確認する。
 
「これ・・・ワイシャツじゃないの?」
「ワイシャツの衿とか袖口がこんなに曲線使いのわけない。それにボタンが左前だし」
 
「このボタンの付き方って左前なんだっけ?」
「だってボタンが左身頃(ひだりみごろ)に付いてるでしょ」
「でもそれでボタンを留めると右身頃か前に来るからこれ右前じゃないの?」
「右前・左前ということばは、和服の着方から来ている。右前というのは先に右身頃を身体に合わせるということ、右身頃を先に身体に合わせ、次いで左身頃を合わせるのが右前の着方。結果的に表に出るのは後から合わせた左身頃」
 
↓ ↑ Bottom Top

「うっそー」
 
「やはり気付いてなかったのね」
 
公世がずっとブラウスを着ているのはブラウスが好きだからだろうと弓枝は思っていたのだが(だってワイシャツが欲しいというからお金あげたらブラウス買ってきたし)、ひょっとして本人気付いてないということはと思い、教えてあげたのである。
 

↓ ↑ Bottom Top

「お姉ちゃん、本当のワイシャツ買ってきたいから、お金貸してくれない?お母ちゃんに言うと、なんか説得されてしまいそうで」
「あんた意志が弱いからね!」
 
それで弓枝は5000円貸してくれたのである。
 
公世は考えた。自分がワイシャツ売場に行って自分の身体にあうワイシャツ下さいと言ってもブラウスを渡されそうな気がする。
 
(まあ普通そうなる)
 

↓ ↑ Bottom Top

それで公世は沙苗に連絡したのである。
 
沙苗は笑っていた。
 
「いや、こうせい君がずっとブラウス着てるのは、ブラウスが好きだから着てるという説と、勘違いに気付かないでいるという説の2通りがあった」
と言っている。
 
「でも確かに、こうせい君が自分で売場に行ってワイシャツ欲しいと言ってもブラウス渡される気がするよ」
「それどうしよう」
「サイズを指定買いするしかない」
 
と言って、沙苗はメジャーを出して公世の身体のサイズを計ってくれた。寸法をメモする。公世のバストがわりとあることを考慮し、大きめのサイズを選ぶ。
 
「このサイズのワイシャツで買えばいい。いや、私が取り敢えず1枚買ってきてあげるよ。それで着てみて問題無ければ買い足せばいい」
「助かる」
 
↓ ↑ Bottom Top


それで沙苗は母に車を出してもらい、公世と一緒にジャスコまで行く。公世は車で待っていて、沙苗がひとりで売場まで行き、そのサイズのワイシャツを買ってきた。
 
「着てみて」
「うん」
 
車に目隠しのアルミシートを付けた上で着替える。すると乳首保護のためのブラジャーを着け、そのブラ隠しのアンダーシャツまで着た上でもちゃんと着られることが分かった。
 
「きつくない?」
「大丈夫」
「じゃこのサイズであと2枚くらい買おう」
 
このワイシャツは1500円(+消費税75円)だった。沙苗は再度売場に行って、このサイズのワイシャツを2枚買ってきた。
 
「ありがとう!」
「まあ性別のことで悩んだら、私のできる範囲で協力するよ」
「助かる」
 
↓ ↑ Bottom Top


それで、公世は週明けの8月29日(月)からはブラウスではなくワイシャツを着て学校に行くようになったのであった。
 
でも周囲の子たちは囁いていた。
「工藤さん(きみよちゃん)がワイシャツ着てるね」
「何でだろう?」
「ブラウスうっかり全部洗っちゃって、仕方ないからワイシャツ着てるのかも」
 
(公世はこの手の事故がとても多い)
 

↓ ↑ Bottom Top

さて、千里Rは土日(8.27-28)は新・早川道場でずっと剣道の練習をしていた。たっぷり1日練習して「疲れたぁ」と言って、そのまま道場で寝ていたので、この土日、千里Rは村山家に帰宅しなかった。
 
千里Rが村山家に帰ったのは7月14日の終業式前日が最後である。そのあと、7/15-18の4日間は千里Yが帰宅した。そしてそれ以降、千里は村山家に姿を見せていない。
 
7.19-22 修学旅行
7.23-29 旭川で合宿
7.29-31 全道大会
8.01-06 早川ラボで準合宿
8.07-16 旭川で合宿
8.17-21 全国大会
22 報告 23 昇段 24 新早川ラボ 25 実力テスト 26 源次性転換 27-28 新早川ラボ
 

↓ ↑ Bottom Top

8月28日(日).
 
大手予備校が主催する中学3年生を対象とする(中学2年生が受けてもよい)模試が行われた。この模試は実際にはVが受けた。
 
Rは剣道の練習に夢中である。TもSもまだ勉強はリハビリ中である。しかしこの模試の成績がもしかしたら進学に影響が出る可能性があった。それでVが受けたのである。会場で千里が試験を受けているのを見た蓮菜や玖美子は
 
「全然勉強してないみたいだったけど、やはり進学のこと考え始めたのかな」
と思っていた。
 
VはW町の家に帰って来ると
「丸一日頭使って疲れたぁ。私も疲れたら消えたい」
などと言っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

8月29日(月).
 
武矢の船は早朝5時に出港して行ったが、船長の奧さんも岸本さんの奧さんも厳しい顔をしている。他の奧さんたちはむしろ不安そうな顔をしていた。
 
船長の奧さんが、岸本紘子と津気子に声を掛けた。
「ちょっと話さない?」
「うん」
 
それで漁協の休憩室に入る。船長の奧さんが自販機でコーヒーを買って2人に渡した。
「この船は多分今年中には廃船になると思う」
と船長の奧さんは言った。
 
岸本紘子は予想していたようだ。津気子も「やはり」と思った。
 
「とにかく漁獲が限度を超えて落ち込んでいる。この所、平均の漁獲売上が燃料代に届いてない。それで給料は一応払ってるから、借金が膨らんでる。船自体もうちの自宅・土地も抵当に入っている」
 
↓ ↑ Bottom Top

「**さんと**さんが辞めたのも補充してませんもんね」
と岸本さんが言う。
 

「とても人を新たに雇う余裕がない。船員さんたちの給料も以前よりかなり減らさせてもらっている。4月以降、岸本さんと村山さんには給料払ってなくて物凄く申し訳無いと思ってる」
 
え?そうなんだっけ?知らなかった、と津気子は思った。
 
津気子は数年前から武矢の給料に頼らず自分の給料と千里からの不定期の補助で何とか家計を回していた。だから武矢の給料がゼロになっているとは全然気付かなかった。
 
「そんな中で、今船のエンジンがかなり老朽化しているんだよ。村山さんが上手いから、その痛んだエンジンをだましだまし動かしてるけど、いつまで持つか分からない」
 
↓ ↑ Bottom Top

「エンジンはやばいね」
と岸本さんが言う。
 
「これから台風シーズンだし、天気予報次第では休漁になることも多いと思う。嵐の海でエンジンが止まったらどうにもならない」
「ああ」
 

↓ ↑ Bottom Top

8月28日(日)の夜までにふたりの千里T(Bs+Y2), S(Bw+Y1) は夏休みの宿題を完成させた。実際には一部VやGも問題を解いている。数学の因数分解はRにさせたが、そもそもRは“たすき掛け法”を知らなかった!のでVが直接!教えてあげた。
 
「自分に習うのは変な感じだ」
「自分に教えるのも変な感じだよ」
 
でもRは勘がいいので、覚えるとたすき掛けの数字を一瞬で思い付き、次々と因数分解の問題を仕上げた。
 
「面白ーい。この手の問題もっと無い?」
 
「では君にはこれをあげよう」
と言って、因数分解をメインにした問題集をあげたら、面白そうに解いていた。
 
「クロスワードと似てる」
「ああ、解くのに脳の似た付近を使ってると思うよ」
 
↓ ↑ Bottom Top

千里たちは全員筆跡が同じなので、どの千里が書いていても、見た目には同じ人が全部書いたように見える。
 
それで“学校に行く”千里Tに持たせて8月29日(月)に提出させた。
 
「遅くなって申し訳ありません、何とか完成させました」
「おお、よくやったね」
と先生は褒めてくれた。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 
女子中学生・進路は南(9)

広告:Back-Street-Girls(6)-ヤングマガジンコミックス-ジャスミン・ギュ-ebook