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■女子中学生・十三から娘(19)

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授業は鶴野先生の英語だったのだが、男子が出て行き、女子だけ残っているので
 
「Well, Lets do the lesson only for girls. It's secret to boys」
などと言って、先生は恋愛絡みの英会話を教えてくれた。
 
「I'ts useful when loving with foreign boys」
などと言って、通常授業ではやらないような微妙な英語から、下品とされる表現まで紹介し、「本当に今日のレッスンは役立ちそう!」という声もあかっていた。
 

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なお男子の測定では祐川君が「ブラ跡がある」と指摘されて「ぎゃっ」と声をあげたらしいが、武士の情け?でその場では特に追及しなかったらしい(代わりにその噂が学年中に広まる:男子が全員知るより先に女子が全員知ったのは、やはり女子の情報伝達速度が速いからである!)
 
やがて男子が少しずつ戻って来る。最後から6番目の高橋君が戻ってきて彼が
「そろそろ女子、来て下さいということです」
と言うので、女子が全員席を立って保健室に向かう。女子は全員終わってからでないと次の男子は入れられないが、男子は多少残っていても女子を入れて問題無い(いつもの女男差別)。
 
それで女子が行ってしまった後、鶴野先生は男子向けの授業をしたようだが、どういう内容だったかは分からない。
 
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保健室に女子が入る。
 
この時、男子最後の三木君が着衣のまま待機していたので、女子も全員着衣のまま待つ。彼がカーテンの向こうに消え、服を着かけの東野君が出て来て女子を見て「わっ」と声をあげている。
 
「まだ脱いでないから大丈夫だよ」
「でも心臓によくない」
「再度検査してもらったほうがいいかもね」
「それ絶対異常値出るって」
などと言いながら彼は出て行った。
 

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やがて増田君が出ていき、最後の三木君も出て行ってから女子の先頭・恵香と蓮菜がカーテンの向こうに行く。恵香が服を脱いでもうひとつのカーテンの向こうに行く。ベッドがあり、女性の技士さんがいる。
 
「ベッドに寝て下さい。電極を付けます」
と言われる。
 
たぶん男性の技士が女子中学生の上半身裸を見るのは問題があるが、女性の技士が男子中学生の上半身裸を見るのはほとんど問題無い、ということで女性の技士さんが来ているのだろう。例によって女男差別である(だから介護などの現場では、男であること自体がハンディであると言われる)。
 
「安静にしていてください」
と言われ、測定される。
 
「はい、いいですよ」
と言われ、電極を外されるので、ベッドから起き上がり、カーテンの向こうに戻って、蓮菜と交替する。「次の人、入って下さい」の声で玖美子が入ってきて服を脱ぎ始める。恵香は服を着る。着終わると出て行く。蓮菜が測定を終えて出てくる。玖美子が中に入る。セナが入ってくる。玖美子の上半身ヌードを見て恥ずかしそうに俯いている。この子もまだまだ「女の子教育」ができてないなあと思うが、微笑ましい。セナもすぐ普通の表情に戻り、玖美子と二言三言、言葉を交わしながら服を脱ぐ。やがて玖美子は服を着終わって出て行く。蓮菜が測定を終えて出てくる。セナの上半身裸を見て「あっ」と声をあげたが、セナは中に入ってく。
 
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「うーん・・・やばい気がする」
と蓮菜はひとりごとを言いながら服を着る。
 

さて、そのセナは蓮菜が心配していることなど全く知らず、レントゲンも大丈夫だったんだから、心電図も大丈夫だろう、などと考え、言われた通り、ベッドに横になる。そして電極を付けられる。おっぱいに付けられる電極がくすぐったいなあ、などと思っている。
 
「安静にしていて下さい」
と言われるので平常心でいる。やがて
「終わりました」
と言われて、電極を外してもらう。
 
ベッドから起き上がって、カーテンの向こうに行き、次の萌花と交替する。絵梨が入ってきて、いきなりセナのおっぱいを揉んでから服を脱ぎ始める。セナも最近は、女の子同士、おっぱいを揉むのは、ほとんどただの挨拶代わりみたいということを認識し始めていた(千里・沙苗・セナが特によく揉まれていることまではまだ認識していない)。
 
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服を着終わって出て行くと、蓮菜と玖美子が外で待っていて
「教室に戻ろう」
と言うので
「うん」
と言って、一緒に戻る。廊下に出てから、蓮菜に訊かれる。
 
「心電図取れた?」
「取れたけど」
とセナが答えると
「うーん・・・」
と蓮菜が悩んでいる。
 
「何か問題あった?」
「いやひとつの疑惑が浮上したのだが、まだ検証には時間がかかる」
などと蓮菜は言った。
 
セナは何だろう?と首を傾げていた。
 
要するに、セナが本当にブレストフォームを使用しているのであれば、そんなもの装着した状態ではレントゲンくらいは撮れても、心電図は取れるわけが無いので、ここに至ってセナの胸はブレストフォームではなく“本物”なのではないかという疑惑が急浮上したのである。
 
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しかしこの場でセナを追及するわけにもいかず、取り敢えず疑惑は保留することにしたのであった!
 
「でもセナ、なんかさっきもお腹を手で押さえてたけど、どうかした?」
「うん。昨日くらいから、少しお腹痛い気がして」
 
「もしかして生理じゃないの?」
と玖美子が言う。
 
「そうかなあ」
「ナプキン付けて寝てたほうがいいよ。持ってるよね?」
「うん。みんなに連れられて買いに行ったから。じゃ付けておこうかなあ」
「それが良い、それが良い」
と玖美子は明るく言っていた。
 
それでセナは1時間目の後の休み時間にトイレに行った時、ショーツに(練習で付けた時を除いて)初めてナプキンを装着したのであった。
 
(セナは良い子なのでナプキンプレイやタンポンプレイなどはしない)
 
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その日セナは、帰りの会・掃除が終わると玖美子に
「今日は部活休むね」
と声を掛けた。
 
「ああ。生理来たの?」
「まだだけど」
「生理前数日は体調良くないんだよ。生理前症候群といって。お大事に〜」
「ありがとう」
 
それでセナは学校を出た。
 

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S町を16:10の幌延行きバスに乗り、16:15にC町で降りる。そしてP神社に行く。
 
「あ、セナちゃん今終わったのね」
と巫女服姿の千里が声を掛ける。
 
セナは疑問を感じた。掃除の時にも千里は居た。それで掃除が終わったらすぐ自分は学校を出てこちらに移動したのに、なぜそれより先に千里ちゃんはここに来て、もう服まで着替えているのだろうと。
 
千里はセナを連れて神社の奥のほうの部屋に行く。
「ここなら誰も来ないだろうから」
と言ってセナを裸にし、まずはブレストフォームを取り外してくれた。
 
その後、タックも外そうとしたのだが、セナがお腹を気にしているのに気付く。
 
「お腹どうした?」
「昨日あたりから少し痛くて」
「どのあたりが痛い?」
「このあたり」
「だったら、PMSかもね」
「PMSって何だっけ?」
「pre-menstrual syndrome, 生理前症候群といって、生理が来る少し前からお腹が痛くなったり体調悪かったりするんだよ」
「ああ、その略称がPMSなんだ」
「そうそう」
「玖美子ちゃんにも言われて、ナプキン付けておいた」
「今夜はそのまま寝るといいね。だったらタックはそのままにしとくよ」
「そう?」
「だってタック解除したら、ちんちんがナプキン付けるのに邪魔じゃん」
「あ、そうだよね!」
 
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それで千里はセナの“タック”はそのままにしておいた。
 
千里は、チラッとP大神を見たが、P大神は首を振ってる。
 
じゃ誰のしわざなんだ!?
 
『でもあれじゃ生理の出てくる所ないから、取り敢えず穴だけ開けといたよ』
『それはご親切に』
と千里は呆れて言った。
 

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「でもブレストフォームありがとう」
とセナは貼り付け・取り外しのお礼を言う。
 
「楽しかった?」
 
「うん。女湯も初体験ではないけど、凄くしっかりしてる感じだったから安心して入浴した。プールで泳いでも胸もお股も全然形が崩れないから、すごーいと思った」
 
「それは良かった」
 
それでブレストフォームのみ外した状態で勉強部屋に戻ると、恵香たちが来ていた。たぶん恵香たちはセナが乗った次の16:20のバスに乗ったのだろう。
 
それて勉強会をしていて、たっぷり勉強して19時頃に玖美子と沙苗が来る。
 
「あれ、セナちゃん、勉強会には来てたんだ?」
と沙苗が言う。セナもいつもは彼女たちと一緒に部活が終わってからこちらに顔を出している。
 
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「セナちゃん、今日の心電図検査は何とかなった?」
と沙苗が訊く。
 
「うん。何とか」
「ちょっと心配してたんだけどね。ブレストフォーム外してたので、かえって良かったかもね」
と沙苗は言った。
 
沙苗としては「ブレストフォームを外している→生胸に電極を付けられて心電図を測定された」と思っているのだが、セナは意味が分かっていない。
 
「じゃブレストフォーム取り付けてあげるよ。どこか部屋使えるかな」
と沙苗が言うと、千里が
 
「奥の布団部屋を使って」
と言うので、セナは沙苗と一緒に結局さっき千里と一緒に行った部屋に再度行き、沙苗の手で再度ブレストフォームを貼り付けてもらった。
 
なおこのブレストフォームは、さっき千里に外してもらった後、水道の水で一度洗ってから、更に石鹸を付けて丁寧に洗っている。胸のほうも、汗拭きシートで拭いて汗を拭き取っている。
 
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「これでOK」
「ありがとう」
 
「そうだ。沙苗ちゃん、うちのお母ちゃんから、睾丸取ったのなら、女性ホルモン飲んだ方がいいと言われたんだけど、どこから買えばいいのかな」
「病院を受診する?」
「うーん。ちょっとまだそれは」
 
なんか大事(おおごと)になりそうな気がするし。
 
「病院を経由しないルートなら、こないだ私と千里ちゃんと3人で泊まった家、あそこに行ってみるといいと思うな。きっと千里ちゃんが何とかしてくれる」
「え?千里ちゃんに訊くのなら今日訊いちゃ駄目なの?」
「色々複雑な事情があるんだよね。あるいはまた千里ちゃんに招待されるかもね」
 
セナはむしろ、それがまた起きそうな気がした。
 
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セナが急速に女性化していっているので、いいのかなあと少し疑問を感じながら沙苗はその日20時過ぎに帰宅した。もっともセナに「睾丸取っちゃいなよ」と唆したのは自分だけど。
 
でもあの子、完全に女の子になりたい気持ちになっちゃったみたいだから、女の子になるのなら、今の時期が去勢の最後のチャンスだと思ったのもある。
 
沙苗は、いつも部活が終わった後1時間くらいP神社の勉強会に出ている。その1時間で、授業のよく分からなかった所などを蓮菜などに教えてもらうことで、沙苗は最近かなり授業の内容が分かるようになってきている。
 
小学校で覚えておくべきだった知識がかなりあやふやだけどね!
 
沙苗はお腹が痛いのがますます酷くなる感じで、この日はバファリンを朝1回と帰宅してから1回飲んだ。
 
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「あんた病院行かなくていい?」
「大丈夫だと思う。旅の疲れだよ。今日は早く寝る」
 
御飯を食べて、お風呂に入って、ほぼ女体化した自分の身体を洗うと昂揚した気分になる。やはり女の子の身体っていいなあ。私、いつか本当の女の子になれるかなあ、などと妄想する。
 
お風呂からあがったら、お腹が痛いこともあり、お腹にタオルを乗せて温めるようにして寝た。
 

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そして、翌日、5月11日(火)のことだった。
 
朝起きると、お腹の痛みは、かなり酷くなっていた。これ本当に病院に行ったほうがいいかもと思い始める。とりあえずトイレに行ったのだが、パンティを下げたところで仰天する。
 
パンティが血で真っ赤になっていた。
 
「何?何?何があったの?私どこ怪我したの?」
と沙苗はパニックになった。
 

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沙苗がトイレの中で思考停止状態になっていたら、母が声を掛けた。
 
「あんた大丈夫?やはり病院に行く?」
「その方がいいかなあ。お母ちゃん、私どうしたんだろう。血がたくさん出て」
「え?ちょっと見せて。ここ開けて」
「うん」
 
それで沙苗は恥ずかしかったものの、トイレのドアをアンロックした。
 
「どこ怪我したのかなあ。ショーツが血だらけで」
と沙苗は言ったが、母は大きく溜息をついた。
 
「あんたさあ、生理を知らないってことは、まさか無いよね」
「生理!??」
 
沙苗は結局この日、学校を休んで“病院”に行くことになった。
 

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