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■女子中学生・十三から娘(10)

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試合が始まる。
 
先鋒戦の田さんと如月では、身長182cmでパワーもある田さんに対してスピードと瞬発力で勝る162cmの如月が、田さんの“面積の広い”胴を狙い撃ちして、あっという間に2本取って勝った。
 
次鋒戦では、タイミング外しがうまく、カウンター狙いの多い大島さんは、166cmと背も高く小細工の前にパワー勝負の聖乃に一方的にやられ、1分で2本取られて負ける。
 
この2戦は、ほんとに相性の問題だった。沙苗の作戦勝ちである。
 
中堅戦になる。前田さんと玖美子の戦いである。
 
これが物凄い激戦になる。本割では1本ずつ取り、延長戦になるが、これでも決着が付かなかった。判定になるが、何と引き分け!の判定である。
 
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そういう訳で、S中2勝1分の状態で、副将戦になる。
 
武智部長が「私まで回ってきたぁ!」と感動するように言ったが、R中の麻宮さんも「私も思った」などと言葉を交わして対戦である。
 
(「勝負前におしゃべりしない」と審判から注意をくらった!)
 
これがまたいい勝負になった。本割ではお互いに1本も取れず、中堅戦に続いて延長戦となる。これも激しい闘いになった。時間切れ寸前、麻宮さんの面をギリギリで避けた武智さんの返し胴が決まった・・・かと思ったが、声が掛からない。微妙に1本成立しなかったようである。
 
結局時間切れで判定となる。
 
引き分け!
 
両者礼をして下がる。
 
これでS中の2勝2分となったので、大将戦はせずに、S中の優勝が決まった。
 
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木里さんが不満そうだった。むろん、負けたからではなく、千里と勝負できなかったからである!!
 

団体戦が終わると、女子の個人戦に出る選手は主催者が用意した(無料)バスで、羽幌中学に移動した。午後の個人戦は、男子はこのまま羽幌町総合体育館、女子は羽幌中学で行われる。
 
選手ではない生徒や、保護者・見学者は勝手に移動して!ということになっている。但し、選手を運んだ後のバスは臨時バスとして1人100円の料金で運んでくれることになっていたので、それで移動した人も多かったようである。
 
また選手(など)を車で運んできた保護者たちは、各々自分の車で移動し、ついでに一部の生徒なども運んであげたりしたようである。
 
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女子が移動している間に男子は3決・決勝戦が行われていた。
 
今回男子12校の参加だった。S中男子はあまり実績が無い(昨年春の大会で沙苗の活躍により4位になったのが最高)ので1回戦からである。
 
男子のオーダーはこのようになっていた。
 
先鋒・吉原(1年)2級
次鋒・佐藤(2年)3級
中堅・工藤(2年)2級
副将・竹田(2年)1級
大将・古河(3年)2級
 
1回戦のE中戦だが、最初に相手チームから
「中堅の人、女子じゃないんですか」
と質問が入る。
 
でも工藤君は「男子」と書かれた剣道連盟の登録証を見せて男子であることを確認して試合は開始される(なんとなくデジャヴ)。(*8)
 
先鋒の1年生・吉原君は接戦で1本ずつ取り合った後、時間終了間際に1本取って勝った。次鋒佐藤君も接戦だったが、引き分け!そして工藤君は鮮やかに2本決めて勝った。そして竹田君は接戦で結局引き分け。
 
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ここまで2勝2分なので、大将戦をせずにS中が勝ち上がる(女子の決勝と同じパターン)
 
(*8) 沙苗は女子としての出場許可を得た時に、女子としての剣道連盟の登録証(平成17年3月31日まで有効、という有効期限付きの登録証)を
もらっている。男子としての登録証は返却した。スポーツ少年団の登録は電話連絡の上、事務所まで本人を連れて行き、性別の登録を女子に変更してもらっている。
 

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2回戦のC中戦では吉原君は引き分け、佐藤君は何とか1本で勝利。工藤君が鮮やかに勝ってここまで2勝1分け。ここで竹田君か最初1本取られたものの終了間際に1本取って判定となる。これが判定勝ちになって、3勝1分で、準決勝に駒を進めた。
 
S中男子が準決勝まで行ったのは昨年春の大会以来である。
 
準決勝のM中戦では、吉原・佐藤が敗れ、工藤君は勝ったものの、竹田君も負けて、決勝進出はならなかった。
 

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3位決定戦の相手はW中である。先鋒戦は激しい勝負の末1:1の引き分け、次鋒戦で佐藤君は1本取られて負けたものの、工藤君が鮮やかに2本取って勝つ。工藤君は団体戦無敗である。竹田君は相手と激戦で、双方1本ずつ取り合った後、終了間際に相手が1本決めて2:1で惜しくも敗れた。
 
それでここまで1勝2敗1分で、大将戦となる。実はS中はここまで大将戦をしてなかった!古河さんは最初の対戦となる。
 
この対戦が実に微妙な対戦となった。
 
この対戦でW中は引き分けなら2勝1敗2分(S中1勝2敗2分)となり3位になれる。それで、引き分け狙いに来たようであった。
 
なかなか向こうから攻めてこない。古河さんが攻めると、それを巧みにかわしてカウンターを狙う。そのカウンター狙いが上手いので、元々この人はそういうスタイル?のようだ。しかし、あまりにも自分から攻めないので、ついに審判から消極的であるとして注意をくらった。それで(判定の引き分けが無くなったので)少しは攻めるものの、カウンターを取らせまいとするかのような、逃げ腰の攻め方である。こういう攻め方をすると竹刀が相手に当たっても1本にはならない。
 
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実はW中はいちばん強い人は副将で(だからうちで一番強い竹田君に勝った)、大将はあまり強い人では無かったのである(S中も同じではあるが)。勝負はだいたい副将戦くらいまでに付くだろうということで実は大将になった人は捨て駒だった。ただ返し技は上手い人だったのでこういう対戦スタイルになったようである。
 
しかし古河さんは相手がまともに勝負に来ないので頭に来たと言っていた、
 
ほとんど気配の無いところから瞬間的に竹刀を突き出し、小手を1本取った。
 
それで向こうも挽回しなければと攻めて来るが、きちんとは決まらず、そのまま時間切れとなった。
 

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結局古河さんの1本勝ちである。これで2勝2敗1分となった。双方1名代表を出して決定戦になるかな?と思ったが、審判は記録を確認している。
 
「赤の勝ち」
というコールがある。つまりS中の勝ちである。「え〜!?」とS中のメンツからは驚きの声があがるが、どうもW中側は分かっていたようである。つまりこうなっていた。
 
  白W中 赤S中
先鋒 △1−1△
次鋒 ○1−0×
中堅 ×0−2○
副将 ○2−1×
大将 ×0−1○
 
つまり勝敗では2勝2敗1分なのだが、取った本数がW中4本、S中5本でS中のほうが多いので、S中の勝ちということになったのである。2本勝ちした工藤君のお陰である!
 
S中男子は3位になったのは6年ぶりらしかった(昨年と4年前は4位)。
 
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一方の羽幌中学体育館。
 
女子の個人戦参加者は82人(本日8:40締切)で、スケジュールはこのように発表されていた。
 試合数 予定時間
1r 18 12:30-13:06
2r 32 13:06-14:10
3r 16 14:10-14:42
4r  8 14:42-14:58
(10分休憩)
QF  4 15:08-15:20
(10分休憩)
SF  2 15:30-15:36
(10分休憩)
3rd   15:46-15:52
Final 15:52-15:58
表彰式・閉会式 16:10

羽幌中体育館には試合場は2コート取られている。
 
1-4回戦は延長戦が無い(判定でも引き分けならジャンケン)ので平均4分、準々決勝以上は延長戦あり(決勝・三決以外は、判定引き分けならジャンケン!)なので平均6分で計算されているが、実際の開始時間・また試合場は変動する可能性があるので、進行表に気をつけておくことという注意がなされている。
 
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一応呼び出すが、審判が「始めます」と言ってから3分以内に来なければ不戦敗。これをやってしまう選手が毎回2〜3人居て、後で始末書を書かされる。
 

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セナは女子として大会に参加するのは初めて、というか男子の試合にも出たことがないので、大会そのものが初めてである。「ぼく男の子なのに女子の試合に出てもいいのかなあ」と不安だったのが、22日に睾丸を取ってもらったことで「睾丸が無いなら女子と同じだよね?」と気持ちが楽になり、堂々と出場することができた。
 
そして1回戦、K中の1年生(4級)に1分で2本取られて負けて「みんな強ーい!」と思った。なお、セナと同程度の実力の清水好花は1回戦は辛勝したものの、2回戦でわりと強い人にあたり30秒で2本取られて負けた。
 
千里と玖美子はむろん1回戦不戦勝だが、2回戦・3回戦を無難に勝ってBest16に進出した。沙苗は新人戦では2回戦で負けているので今回も1回戦からだったが、1回戦は無難に勝つ。2回戦もそれほど強い人ではなかったので半開くらいの感じで戦い、1本ずつ取った後、2分半くらいに2本目を取って勝った。3回戦はもう少し強い人だった(H中1年の佐藤さん)ので、7割くらい解放する感じで戦い、この人とも2対1で勝って、BEST16に進出した。
 
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「沙苗、相手を指導してあげている」
「特にそんなつもりは無いけど」
「強い人と対戦するのって凄く勉強になるからね。佐藤さんは夏にはBEST8くらいまで来るかもね」
「強い人だったよ」
 
今回、武智部長と聖乃は3回戦負け(Best32), 宮沢さんと真南は1回戦は勝ったものの、2回戦負けであった。
 

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ベスト16に進出したのは下記である。
 
村山(S中初段2年)
沢田(S中1級2年)
原田(S中初段2年)
羽内(S中1級1年)
前田(R中1級2年)
木里(R中初段2年)
麻宮(R中1級3年)
田(R中1級1年)
吉田(M中1級2年)
木下(M中2級2年)
井上(C中1級2年)
倉岡(C中2級1年)
阿部(H中1級3年)
広島(K中1級2年)
中山(K中2級3年)
桜井(F中2級2年)
 
S中とR中が4人ずつ入っていて、この2校が2強になっているのも分かる。
 
現在この地区に3年生の初段は居ない!2年生に3人いる初段が全員ここに揃っている。ここから強者同士の潰し合いが始まる。
 

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4回戦以降は再抽選?されてこのような組合せが発表された(ほとんど人間が決めてる気がする)。
村山S┳┓
阿部H┛┣┓
田_R┳┛┃
中山K┛ ┣┓
前田R┳┓┃┃
井上C┛┣┛┃
原田S┳┛ ┃
木下M┛  ┣
木里R┳┓ ┃
広島K┛┣┓┃
羽内S┳┛┃┃
倉岡C┛ ┣┛
沢田S┳┓┃
桜井F┛┣┛
麻宮R┳┛
吉田M┛

 
同校対決ができるだけ後の方で起きるように配慮し、また実力者の木里・村山・沢田・前田の4人を分散させている(やはり人間が全部決めたのでは?)
 
千里や木里さんは貫禄で勝って準々決勝に進んだ。広島さんなど、木里さん相手に最初から気合負けしていた。確かに彼女に見詰められたら全く勝てそうな気がしないかも?
 
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沙苗はついに90%くらい解放した。しかしM中の木下さんは普段吉田さんの練習パートナーを務めている人なので、強い相手に慣れている感じである。結構本気の沙苗の攻撃が効かない。1分半ほど経ったところで1本返し胴を取られたので、ついに100%解放した。そこから猛烈な攻めをして1本取り返す。そして終了間際に小手を決めて、何とか勝った。
 
礼をした後、沙苗が思わず「強〜い!」と言ったら、彼女も「あなたこそ」と言った。木下さんは団体戦では玖美子とやり、個人戦では沙苗とやって、いづれも惜しい所を敗退し、「S中は村山さん以外にも強い子が何人もいる」と思った。
 
沙苗はこれで女子でもベスト8進出だが、昨年夏の大会で男子でベスト8まで行った時やその前の大会で3位になった時より、ずっと大変だという気がした。
 
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やはり男子の大会では、千里が言っていたように、対戦相手が女とみて本気にはならなかったからだろう。(だから千里は女子とやる時は10%くらいの力を出すのに男子と対戦する時は5%くらいの力しか使わない:向こうが本気で攻めて来ないからである)
 
そういう訳でBEST8に残ったのは村山(S2)中山(K3)前田(R2)原田(S2)木里(R2)羽内(S1)沢田(S2)麻宮(R3)である。
 
S中は4人とも残っているしR中も3人残っている。1年生で唯一ここまで残った如月は毎日、千里・玖美子・沙苗という猛烈に強い3人とやっていて、この半月だけでもかなりの進化をした。S中R中以外では、K中の中山さんが居るだけである。
 

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女子中学生・十三から娘(10)

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