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■女子中学生・十三から娘(6)

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組合せ表とスケジュール表が張り出されているのを見るとこのようになっていた。
 
_9:00 女子1回戦 ** CD
10:00 男子1回戦 AB CD
11:00 女子2回戦 AB CD
12:00 男子2回戦 AB CD
13:00 女子SF CD
13:30 男子SF AB
14:30 女子F,3 CD
15:00 男子F,3 AB
16:00 女子表彰式・閉会式 C
16:30 男子表彰式・閉会式 A
 
AB:町立体育館、CD:増毛中学
 
E┳□┳┓
D┛R┛┣┓
  H┳┛┃
  M┛ ┣
N┳□┳┓┃
T┛S┛┣┛
  K┳┛
  C┛

 
「なんか私たち凄いシードされてない?」
と数子が言うと
「そりゃ昨年秋の大会が3位で新人戦は準優勝だからシードされるよ」
と友子が言う。
 
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「へー!新人戦でうち準優勝したんだ?凄いね」
と千里が言っているので、久子は呆れて
「千里君、君の大活躍でC中に勝ったしR中にもあわやという所だったではないか」
と言う。
 
「嘘!?私、男子なんだから女子の試合に出られるわけない」
などと千里が言うので、久子は頭を抱えている、
 
「千里、取り敢えず性別の話はするな」
と留実子が注意した。
 
周囲に他校の生徒も多数居るので、性別に疑惑を持たれるような話をしてはいけない。
 

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そういう訳で、S中女子の予定はこのようになる。
 
8:50 開会式
11:00 2回戦 C
13:00 準決勝 D(2回戦に勝ったら)
14:30 決勝(C)or3決(D)(どちらに出るかは準決勝次第)
16:00 表彰式・閉会式
 
久子がユニフォームを配るので、全員、保護者の車の中で着替える。背番号は既に縫い付けてある(1年生4人がやってくれた)。
 
「ユニフォームできたんだ!」
と千里が驚いた。
 
「校長と教頭が3万ずつ、伊藤先生が1万に、なんか3年生の誰かの保護者さんが17万も寄付してくれて。それで20着作ったんだよ」
「そんな奇特な人があったんだ!3年生って誰?」
「騒がれたくないからって匿名」
「へー。でもユニフォームができるなんて画期的だね」
 
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と言っていたら、千里もユニフォームを渡される。12番の背番号が付いている。
「私も着るの〜?」
「当然。選手は全員ちゃんとユニフォーム着なければならない」
「私、選手じゃないのに」
「また変なこと言ってるし」
ということで、結局千里もユニフォームを着た。背番号はこのようになっている。
 
4.久子SF 5.友子SG 6.留実子C 7.数子PF 8.雪子PG 9.雅代SG 10.泰子F 11.伸代F 12.千里SG
 

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S中女子のメンバーはこのユニフォームを着て開会式に並んだ。
 
開会式ではR中男女が優勝旗の返還をし、また選手宣誓もR中の男女のキャプテンが共同でおこなった。女子ではR中はここ10年ほど、この地区で優勝を続けている。男子はR中、H中、M中などが優勝しているようだ。新人戦でS中が優勝したが、S中の優勝は春秋・新人戦を通じて15年ぶりということだった。
 
貴司の力だよなあ、と千里はあらためて貴司に惚れ直す。でもどうして私、貴司とうまくデートできないんだろう?と悩む。
 
(この件は小春も困っている。何とかBを貴司とデートさせてあげようとするのだが、なぜか結果的にデートするのはRになってしまうのである。Rも最初は“別の千里”の代理でデートしているつもりだったのだが、少しずつ自分自身が貴司のことを好きになり始めていた)
 
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開会式が終わると
「全員ユニフォームはいったん脱いで」
と言われる。
 
「試合は2時間後だから直前に着替えよう」
「ああ、そうなんですか」
「だって試合までの間に汗掻くと、試合の時に不快だからね」
「何か汗掻くことあるんですか?」
「取り敢えず試合のある増毛中学まで走るよ」
「え〜〜〜〜!?」
 
それでユニフォームを脱いで体操服に戻り、S中女子9人は増毛町立体育館から増毛中学まで、約600mの距離をジョギングしたのであった。
 

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体力のある留実子や数子は600m程度走っても全く平気だが、体力の無い友子や雪子は完全にへばっている。
 
「私、だめ。死んだから、試合は私抜きでよろしく」
などと友子は言っている。
 
しかし久子は
「ドリブル練習するよ〜」
と言って、増毛中の駐車場でドリブル走の練習をする。ただし友子はダウンしていて不参加。また雪子には
「あんたは本番に備えて休んでなさい」
と言って休ませていたので、参加者は7人である。
 
ドリブル練習の後はパス練習もする。これは誰か1人が妨害役をして、そこにパスを通す練習で、パス投げ→妨害→パス受け、と7人で回していく。
 
そのあたりまで結構やった所で、1年生の雅代が
「これ以上やったら試合に響くと思います」
と言うので練習は終了した。
 
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「なんか既に1試合やった気分」
などと泰子は言っている。
 
「じゃ少し休もうか」
ということで休憩する。
 

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水分補給して少し身体を休めていたら、運営の腕章を付けた人がこちらに来る。
 
「S中学校さん?」
「はい」
「女子チームの中に男子が混じっているのではという情報を聞いたのですが、あなたたち全員女子よね?」
「女子ですけど」
 
ああ。会場前で千里が「私男子なのに」と言っていたのを誰かに聞かれたな、と久子は思った。
 
運営委員さんはメンバーを見回して・・・留実子に視線を留める!
「あなたも女性?」
「女ですけど」
「念のため、バスケット協会の会員証確認できる」
「荷物の中に入れてます」
ということで、S中の控え場所まで一緒に行き、留実子は自分のスポーツバッグから、バスケ協会の会員証を出して提示した。
 
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会員証の写真と見比べている。会員証には確かに女と記載されている。
 
「確かに女子ね!念のため生徒手帳も見せてもらえる?」
「いいですよ」
と言って、留実子は自分の生徒手帳もバッグから取りだして提示した。
 
セーラー服姿の写真が印刷されているし性別は女となっている。本人と写真をあらためて見比べている。
 
「本当に女子だね。ごめんね!」
「いえ。慣れてますから」
と留実子が言うと
 
「この子、背が高いし、雰囲気が男っぽいから、しょっちゅう性別間違えられるんですよ。女子トイレとか女湯で悲鳴あげられたのも数知れず」
と千里が言っている。
 
「大変ネ!」
と運営の人は言って
「手間取らせてごめんねー」
と言って出ていった。
 
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「じゃ、そろそろユニフォームに着替えようか」
 
と友子が言って、全員にユニフォームを配っていく。
 
ところが4番から11番までを渡して、12番を千里に渡そうとしたら、千里が居ない!?
 
「あれ?千里どこ行った?」
「今ここに居たけど」
と留実子。
 
「トイレにでも行ったのかな」
「じゃ千里の分は後から」
 
と言っていたのだが、千里は、いつまで経っても戻って来なかった!
 
「どこ行ったのよぉ!?」
 

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2階席に居る千里の母に尋ねてみるがお母さんも知らないと言う。
 
「お母さん、千里ちゃんの携帯番号を教えて下さい」
「あの子、携帯は持ってないのよ。うち貧乏だから、子供にまで携帯持たせられなくて」
 
久子と留実子が顔を見合わせる。こないだ千里は確かに赤い携帯を使っていた。もしかしたら親に内緒で持っているのかもと思う。
 
「私探してくる。あんたたちはもう1階に行って」
と千里の母。
「私たちも探すよ」
と久子・友子の母も言い、3人の母が探しまわったものの千里は見付からなかった。(かなり大事(おおごと)になっている。)
 

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「なんで千里は消えたの〜?」
と、ヒツジ子が焦っている。
 
「Yちゃんは留萌、Rちゃんは羽幌だし、面倒くさくなって消えたのでは?」
と困ったように芳子は言った。
 
「町立体育館からジョギングしてきて、そのあとドリブル練習とかで疲れたのかなあ」
「それもあり得るなあ」
 
「小春ちゃんに連絡しよう」
「うん」
 
(Yは実は増毛に来ているが、芳子は気付いていない。他に実はGも増毛に来ていたのだが、何をしていたのかは作者も知らない!?)
 

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結局、千里は試合開始時間には間に合わず、2回戦のT中学との対戦は千里抜きで臨むことになった。
 
もっともここはあまり強くない所なので、千里、更には留実子抜きでも充分勝てる感じだった。前半だけでダブルスコアになったので、後半は体力の無い雪子を温存して休ませておき、留実子も伸代と交代で使って、あまり消耗しないようにしたが、快勝できた。
 
これでS中はこのあとの結果如何によらず閉会式まで会場に居ることが確定した。
 
試合は11:50頃に終わった。あらためて全員で千里を探す。会場の周辺も探していたら、その千里がセーラー服を着て、こちらに歩いて来るのを留実子が見た。
 
「千里!どこ行ってたんだ?」
と留実子は怒っている。
 
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「え?何!?」
と“この千里”は訳が分からない!
 
「とにかく来い」
と言って引っ張って行かれる。
 

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「千里!」
「あんたどこ行ってたのよ?」
「どこって私はちょうど近くまで用事があったから、そのついでにバスケの応援に来たんだけど」
 
「どうも寝ぼけているようだな」
「とにかくこれに着替えて」
と言って、12番のユニフォームを渡される。
 
「またバスケの試合に出ればいいの?」
「やはり半分寝てるな」
「まあとにかく次の試合まてに逃亡しないよう、紐(ひも)でも付けておくか」
と言って、本当に紐を付けられた!
 
「トイレ行く時はどうすればいいのよ〜?」
「私も付いていく」
と数子。
 

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「試合に出るのはいいけど。じゃ着替えてくる」
「当然私も付いていく」
と言って、紐係の数子も付いて女子更衣室に行き、セーラー服から白いユニフォームに着替えた。小春が
「千里これ使って」
と言ってスポーツブラを渡してくれたのでそれを着けた。
 
「でもユニフォームできたんだね」
「何か3年生の誰かの保護者が寄付してくれたらしいよ」
と数子は言う。
「へー。3年生というと、久子さんか、もうひとりの人のお父さん?」
(この千里は新人戦で友子を見ていないので、彼女の名前を知らない)
 
「あまり騒がれたくないからって匿名らしいけど、多分久子さんか友子さんのお父さんだろうね」
と数子は言っている。
 
「ああ、もうひとりの3年生は友子さんと言うのね」
などと千里が言っているので、数子は頭を抱えている。
 
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「ねぇ、数子ちゃん、私みんなの名前が分からない。教えて」
と千里が言うので、数子は呆れながらも、背番号と名前の対応を教えてあげた。
 
4.久子(ヒサ)SF 5.友子(トモ)SG 6.留実子(ルミ)C 7.数子(カズ)PF 8.雪子(スノー)PG 9.雅代(マサ)SG 10.泰子(ヤス)F 11.伸代(ノブ)F 12.千里(サン)SG
 
「ニックネームがあるんだ!?」
「コートネームと言うんだよ。昔、女子バスケット・女子バレーの強かった、日紡(にちぼう)で始まった習慣らしい。試合してる最中にフルネームで名前言うのは面倒だから、だいたい2音程度の略称を使う。そして先輩・後輩関係なく、その名前で呼ぶ」
「ああ。昔のそういうチームって先輩後輩の関係が厳しそうだから、試合中は無礼講にしないと効率悪いよね」
「だから、そういう習慣を作ったんだと思うよ」
「雪子ちゃんは英語なんだ?」
「あの子、ミニバスにアメリカ人の友だちから誘われて入ったから、スノーちゃんと呼ばれていたらしい」
「へー。それで私がサンなのは?」
「3月3日生まれだから」
「誕生日から来たのか!?」
 
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女子中学生・十三から娘(6)

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