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■春四(24)
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月子(彪志)は、この日も会社を定時で退出してからレディスに着替えて自動車学校に行った。これで第1段階を終了。見きわめOKをもらって第2段階に進む。
この日(1/27 fri)はドローンのライセンス(無人航空機操縦者技能証明・一種)が自宅に到着していた。メールで課長に報告しておいたが、水川さんのところにも届いていたらしい。
土曜日・日曜日(1/28-29)は会社が休みなのでダウンコートにロングスカートを着て自動車学校に行き、3時間ずつ教習を受けた。
本人としてはもう少し男らしい服を着たいが“月子”の名前で自動車学校に登録しているし、ナプキン交換の問題もあり女子トイレを使わざるを得ないので女性の格好をせざるを得ない。
土曜日の講習は9時・10時・12時で受けたので、午後は時間が空く。それで午後から月子(彪志)は浦和区内のセカンドストリートに行ってみた。水川からレディススーツのグレードに比べて、メンズスーツのグレードが落ちると言われたので、男性用スーツの少しいいものを買おうかと思い、行ってみたのである。デパートだと10万くらいかかるしと思った。
セカンドハンドといっても結構良いお値段するなぁと思いながらブランド物の男性用スーツが並んでいるところを見ていたらお店の人に声を掛けられた。
「バレンタインのプレゼントですか?」
は?
月子(彪志)は理解するのに5秒ほどかかった。
スタッフさんの思考:−
女性が紳士物を見ている
↓
きっと彼氏あるいは夫へのプレゼントだろう
↓
もうすぐバレンタイン
↓
バレンタインのブレゼントに夫にブランド物のスーツを贈るのかも
↓
結構悩んでる
↓
ヘルプが必要かも
月子(彪志)は自分が女性とみられて彼氏へのプレゼントと思われたと気づき真っ赤になって言った。
「いえ自分用のなんです」
それから20分ほどのやりとりについて、月子(彪志)はなぜそうなったのか、あとから考えてもよく分からない。しかし20分後、月子(彪志)はポール・スミスの売値6万円の“レディス”スーツを買って車に戻っていた!
ぼくなんでわざわざレディスを買ってしまったのだろう?と悩んだがよく分からなかった。ともかくもこれでレディススーツが5着になった。
(デパートとかに行っても結局レディスを買ってしまいそうな気がする)
月子(彪志)は千里さんに言った。
「今バイクの練習用にCBR250RRを借りているんですが、これもう少し借りておくわけにはいきません?」
「いいよー」
「あるいはいっそ買い取るとかでもいいですが」
「ずっと借りておけばいい。私も青葉のYZF-R25 を5年半借りっぱなしだし」
「わっ」
(このバイクは千里から明恵に又貸しされて現在は明恵が使用している。青葉はこのバイクのことはもう忘れている!)
「ある意味交換みたいなものかもねー」
「だったらお借りします」
「バイクも引越荷物に入れてあげるよ」
「すみませーん」
月子(彪志)は1月30日(月)も朝は男性用スーツで会社に出ていった。そして定時で退出させてもらい、レディスに着替えて自動車学校に行くと最後の教習を受け、見きわめOKをもらった。そして1月31日(火)は午前中休ませてもらい(出社扱いになる)、卒業試験を受けて合格した。
月子(彪志)はそれで午後から(男性用スーツに着替えて)出社して課長に自動車学校を卒業したことを報告し卒業証明書を提示した。
「それで免許センターなんですけど富山の方で行こうと思います」
「なるほどー」
「そしたら新しい住所が裏書きではなくなるんですよね」
「うんうん。それでいいよ」
つまりこちらで免許センターに行き、自動車学校の卒業証明書を提示して牽引免許を取得すると、そのあと富山に転居した時に新しい住所は裏書きされる。それに対して転居して住所変更した後で牽引免許を取得すると、その住所が表(おもて)面に印刷されるから、その順序にしようということである。
2月3日(金).
昼休み、吉川日和は妹の萌花から電話を受けた。
「あ、お姉ちゃん?今日は何時間目まで?」
「今日は5時間目までだけど」
「それ何時に終わるんだっけ?」
「えっと」
近くに居る五月に訊く。
「5時間目って終わるの何日だっけ?」
「14:00だよ」
(日和の周囲の人間は想像力が豊かになる。五月は『何時だっけ』に対して答えた)
「14時だって」
「じゃ14:10くらいにお迎えの車に行ってもらうね」
「え?お迎えって何??」
五月が訊く。
「また東京でお仕事?」
「そんな話は聞いてないんだけど」
「お土産(みやげ)は今度は虎屋の羊羹がいいなあ」
と言うと、五月は日和のスマホにメッセージを送った!
それで日和が5時間目が終わって制服(むろん女子制服)で生徒玄関を出ると真珠さんがスペーシアで待っていた。
「日和ちゃん、こっちこっち」
というので、日和は五月や河世に見送られて学校を出た。
10分くらい走って氷見飛行場に到着する。真珠さんと一緒にエキュレイユ2に乗り込むとヘリコプターはすぐに離陸した。
「あれ?まことさんも一緒ですか?」
「ぼくは別件だけどね」
「へー」
「あ、でもまことさんって、いつも“ぼく”ですね」
「うん。ぼくは元男の子だったからその時の癖が抜けないんだよ」
「またご冗談を。まことさんみたいな素敵な女性が元男だなんてあり得ないです」
「うん。ひよりちゃんみたいな可愛い女の子が男を主張するくらいあり得ないね」
「ぼくもう女の子でいいかなと思っているんですけど。ちんちん無くなっちゃったし」
「ああ、ちんちんが無くなるのはよくあること」
「よくあるんですか!?」
「かえるのしっぽが大人になると無くなるように、男の子のおちんちんも大人になると無くなるもんなんだよ」
「それでは男の人が居なくなるじゃないですか」
「ちんちんが無くなる前に精液を冷凍保存しとけばいいんだよ」
「・・・せーいきって何でしたっけ?」
この子色々無知っぽいな。
「男の人の身体から出てくる赤ちゃんの種だよ」
「そんなものがあるんですか」
「女の子の身体の中にある赤ちゃんの素(もと)とくっついて赤ちゃんになる。ひよりちゃんも結婚すると分かるよ」
「へー」
日和はまた徳部のことを思い浮かべていた。
真珠は機内で日和にSサイズのバイクスーツを渡し、着替えるように言った。
「バイクに乗るんですか」
「うん。東京ヘリポートからね」
「へー。でも東京で何かお仕事ですか」
「私も詳しく聞いて無いけど、ドラマの撮影とかCMの撮影とかが溜まってるらしいよ。それと今日18:30からあけぼのテレビで“節分特集”の生番組があるからそれに出てほしいらしい」
「今日、今からなんですか〜?」
「うん」
14時過ぎに富山県の学校を出て18時半に東京の番組に出るって結構無茶じゃない?なんかそういうのはアクアさんとか舞音ちゃんの世界かと思ってた!
16時頃東京ヘリポートに到着する。SCCのロゴが入ったバイクスーツを着た女性がいるので真珠が日和を引き渡す。
「済みません。お名前は?」
「鈴木優花です」
「吉田真珠です。確認しました。よろしくお願いします」
「五反野のサテライトスタジオまでですね」
日和はタンデムベルトでライダーさんと身体を連結し、更にライダーさんの身体にしっかり抱き付くように言われた。ライダーさんのおっぱいが大きい!その身体に抱き付くのはちょっと恥ずかしいけど、しっかり抱き付いてないと危険なのは分かるからしっかり抱き付いた。
それで走ること25分ほどで、五反野のあけぼのテレビ・サテライトスタジオに到達した。そしてあけぼのテレビの“節分特集”に出る。
一方の真珠はSCCの車(四輪)にも来てもらっていたので、それに乗り浦和の千里宅に向かった。真珠は青葉の助手ということでSCCが使用できる。
「お邪魔しまーす」
「まこちゃん、いらっしゃーい」
それでこの日浦和の家は次のように使用された。
2023.2.3 の部屋割
101(和室6) 千里2A・夕月
102(和室6)
103(4.5J) 桃香・千里1
201(6J) 貴司・京平
202(8J) 早月・由美・緩菜
203(6J) 真珠
204(6J) 月子
205(4.5J) プリマ
2SR(防音室)
真珠は襖(ふすま)1枚介して隣が月子だが、千里さんは
「まこちゃんも女の子、月子ちゃんも女の子だから問題無い」
と言った。
真珠は元々自身が昔は男の子だったこともあり、この付近の感覚がにぶいので何も気にならなかった。
子供たちが真珠を歓迎して騒ぐので地階のプレイルームで4人の子供たちと夕飯時までレゴとか魚釣りゲームとかして遊んだ。
ここは本来シュート練習室だったが、最近はほぼプレイルームと化している。滑り台で降りていくというのが子供にとっては最高に面白いよなと真珠も思った。
18時になると調理係の横井さん(通称プリマ)が1階の滑り台の上から
「みんなご飯だよー」
と声を掛けるので、子供たちが
「はーい」
と言ってエレベータで上に上がる。以前は本棟内に地下室から上にあがるエレベータや階段が存在しないという不思議仕様の家だったのが、千里さんの出産のヘルプに来ていた妹さん(玲羅)から「この作りは変」言われたので改造して小型のエレベータを取り付けたらしい。
それで居間に集まったのは貴司さん・千里さん・桃香さん・真珠と子供4人である。夕月ちゃんは別の千里が見ているらしい。彪志さんは今日は送別会で少し遅くなるという連絡が入っている。
しかし全員仕事を持っているし、貴司さん・千里さんは現役バスケットボール選手だし、この人数のご飯を作るには人を雇わないと無理だよなと真珠は思った。横井さんは千里さんの古い知り合いで長く関西にいたらしい。それで味付けも関西風である。
真珠は、どうも千里さんには関西ベースの人と関東ベースの人がいるなと思っていた。千里さんが妊娠して以来よく金沢・高岡に来るのは関西のほうの人だ。それはCX-5が姫路ナンバーで、XC-40やロッキーが大宮ナンバーであることからも分かる。ナンバーは居住地のものしか付けられない。つまり千里さんの戸籍自体が複数あるのだろう。横浜ナンバーのアテンザも見るが友人のものだろうか。
(アテンザは所有者が雨宮三森になっているので横浜の住所で登録されている。浦和の家に駐めてあるアクアのアクアなどもそう。インプレッサは元々勾陳が自分の住所・奥多摩町で登録し八王子ナンバーを付けていたが、千里名義に書き換えてしまったので、大宮ナンバーである:勾陳のものを美映が千里に売るという理不尽な取引!美映は“捨てられてたから”無主物先占と言っている)
19時頃彪志さんが帰宅するので、地下のプレイルームでみんなで豆まきをした。プレイルームはみんながご飯を食べている間にきれいに掃除されていたようだ。プリマさんは朝昼晩の食事しか作らない。彼女は家政婦ではなく調理係である。だからこの家には見えないところで働いている人が存在する:小雪が掃除した。(貴司や桃香は気付いていない)
豆巻きでは貴司さんと桃香さんが鬼の役をした。そのあと、みんなで恵方巻きを丙の方角を向いて食べた。この後、京平君が妹たち3人に絵本を読んであげていた。
7:55に千里さんが降りてきて「寝る時間ですよー」と言い、全員トイレに行って歯磨きしてから部屋に入った。でも結局真珠は女の子部屋(202)で、早月・由美・緩菜に絵本を読んであげて寝かせ付けた(普段は桃香の仕事だが貴子が代わる場合もある)。
子供たちが眠ってから真珠は自分の部屋(203)に戻る。
(再掲:2F部分)
それで1時間くらい明恵とLINEしていたが、眠くなってきたのでトイレに行ってから寝ようと思った。それで廊下に出るつもりが間違って反対側の襖(ふすま)を開けてしまった。
「あ」
「あ」
「ごめんなさい」
と言ってすぐ襖を閉め、反対側を開けて廊下に出る。それでトイレに行くが思った。
「見ちゃった。彪志さん、いや月子さん、もう本当の女の子になっちゃったんだ!胸が大きいのは薄々感じてたけど、お股にも何も無かった。千里さんに女の子に変えてもらったのかなぁ」
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