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■春四(6)

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そして彪志は月曜日(12/19) に卒業試験を受けて合格。翌日(12/20) また鴻巣市の免許センターに行き、大型免許を取得した。
 
彪志は再度名前の所に指が掛かるようにして新しい免許を課長に見せて報告した。
 
「お疲れ様。次々と申し訳無いんだけど今度はドローンの操縦資格を取ってほしいんだけど」
「ドローンですか!?」
「これあまり人には言わないでね」
「はい」
 
ということで、彪志はその日の夕方、都内のドローンスクールに行くことになったのである。
 

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水川係長に呼ばれて個室に入る。
 
「やはり月ちゃんと私は同じ部署に行くことになるみたいね。ドローンスクールに行くよう言われたでしょ?」
「あ、はい」
「私は昨日入校した」
「係長もですか!」
「ドローンのこと詳しい?」
「いえ。なんか4枚の羽で飛んでるのを見るなあとか程度で」
 

(DIJ magic 3pro : dIJ社のホームページから引用)
 
「じゃ少し説明してあげるよ。私は昨日の講習に出て、あまりに知識が無いことを自覚して昨夜頑張って勉強した」
「頑張りますね!」
 

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それで水川さんは説明してくれた。
 
基本的に人が乗り込んで操縦していない人工的飛翔物体をドローン(drone), または UAV = unmanned aerial vehicle という。
 
操縦士が居ないのなら、乗客として人間が乗っていてもUAVに分類される。空のタクシーのようなものが想定されている。
 
drone ということばは第2次世界大戦後に使われ始めた言葉で当初はミサイルの意味であった。しかし今日、世界的には自律性を持つ飛翔物体のことをドローンと呼び、日本では混乱しているが無線操縦のものはドローンに分類しない。。
 
droneという単語自体はオスのミツバチを意味したもので比喩的に役立たずの人を意味した。しかしそこから何故ミサイルの意味になったのかは不明である(ブーンというプロペラ音から?人間が乗る飛行機より能力が低いからドローンとか)。
 
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また昔のANAの飛行機に描かれていたヘリコプター・マークのもとになった、レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプターが現代の人の目で見ると、まさにドローンである。
 

 
「ダヴィンチってこんなんものを考えていたんですか。神様ですね!」
「凄いよね。人間の想像力を超えていると思う」
 

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ドローンには固定翼タイプと回転翼タイプがある。アメリカ軍のMQ-1プレデター (Predator) 無人攻撃機は既にアフガニスタンやイラクで作戦に参加している。日本でも自衛隊が日立製の無人偵察機JUXS-S1、ボーイングのスキャンイーグル2などを運用している。
 
また近年、日本国内の農薬散布には無人ヘリコプターが使用されている。使用されているのは、ヤマハ、ヤンマー、スバルなど国内メーカーが制作したものである。
 
しかし近年何といっても注目されているのが回転翼タイプ。しかも3個以上の回転翼を持つものである。現在ウクライナ戦争はドローン戦争になっており、双方がドローンに爆弾を持たせて敵陣に飛ばし、自爆して大量の被害を与えている。それに使用されているのが、だいたいこういうマルチコプターである。しかもこれらは武器として開発されたものではなく、多くが普通にアマゾンなどで買える中国製のホビー用マルチコプターである。
 
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基本的に複数の回転翼を持つ飛翔体をマルチコプターという。マルチコプターはローターの数により次のように呼ばれる。
 
3 tricopter トライコプター
4 quadcopter クワッドコプター
6 hexacopter ヘキサコプター
8 octocopter オクトコプター
 
中でもクワッドコプターの利用は多い。ここで“クワッドコプター”と“クアッドコプター”は現在表記揺れの状態にあり、どちらが正しいとも言えない。
 

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マルチコプターは一部のローターが故障しても残りのローターを再構成することにより飛び続けることができるはずだが、この機能を持たずにどれか1個でも故障したら墜落するクワッドコプターが実は多い。
 
この再構成機能があることを前提とするとローターの数は多いほど安全性が高くなり、また大きな荷物を運べる。しかしその分エネルギーも使う。そのためバッテリー式のマルチコプターはローターの数が増えるほど航続距離が短くなる。バッテリー式のオプトコクターは15分程度しか飛べない。工事現場など以外では使い道が無い。
 
またドローンにはエンジンとGPSを積み、何十kmも先まで自律飛行できるタイプと、目視できる範囲で電波により操縦するものとがある。後者はつまりラジコンである。日本ではどちらもドローンと呼んでいるが。外国では一般に前者のみをドローンと言うことが多い。
 
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近年ドローンが多く使われるようになったことから、制限が掛けられるようになり、空港・政府機関・外国の大使館や公館など・原子力発電所などの近くでは飛行が禁止された。その他色々な状況で飛行に制限が掛けられ許可制になったため、今度は国土交通省に、ドローンの飛行許可を求める申請が多数来るようになり、国土交通省の処理能力を超えてしまった。
 
そこで国土交通省はドローンの操縦に認証制度を導入し、大半の飛行にいちいち許諾を取るのは不要とする方針に転じた。そのためのライセンス制度が2022年12月から始まった。
 
「今月から始まったんですか!」
「それを取ってねということね。これは自動車の免許制度と似てるんだよ。ライセンスには1種と2種があって、私たちは1種を取らないといけない。基本的には自動車学校に相当するドローンスクールで2〜11日程度訓練を受けるとともに学科の勉強もして、卒業したらオンライン(CBT)で国土交通省の試験を受ける。既に凄い腕を持っている人は、一発試験を受けてもいい」
 
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「私には無理だぁ。でもほんとに自動車免許と同じですね」
 
「まあそれを取ってねということみたいね」
「ほんとに取れるんですか」
「今の所どうもスクール出身者の合格率が半分くらいみたいだよ」
「厳しー!」
 

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それで夕方、彪志はドローンスクールに行くことにしたが「あっ」と思う。
 
入校には本人確認書類が必要である

運転免許証は鈴江月子名義

鈴江月子で申し込むしかない

男の格好では参加できない

結局“お着替え”が必要
 
ということで彪志は会社が終わったあと(実際には16時であがらせてもらう)自分の車の中で男性用スーツから、トレーナーとジーンズのスリムパンツに着替えドローンスクールに向かった。現地で水川さんと会うが、いろいろバレているので、もう今更気にしない。
 
それで講習を受けたが学科の講習内容がなかなか難しくて「これはなかなか大変だぞ」と思った。スクール側もまだ制度が始まったばかりで手探りの部分もあるようである。
 
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12月23日(金).
 
全国の多くの学校で終業式が行われ、冬休みに突入する。
 
普通は冬休みは26日からであるが、今年は24日(土)25日(日)となっているため24日から実質冬休みが始まる。それで23日に終業式が行われるのである。
 
§§ミュージックでは信濃町ガールズの一部の姉妹を呼び寄せた。また12月11日の昇格試験に合格した子が東京に引っ越してくる。それで各地にお迎えの飛行機を飛ばした。
 
●12/23 Gold:富山空港14:00(200km) 14:30郷愁-16:00五反野
川本浜菜(紺青セイラ)A301
 
浜菜はお母さんおよび弟さん2人と一緒に来た。お母さんは"Guest"という札をもらって首からさげたが、弟さん2人はチェキでインスタント写真を撮って貼り付けた“家族特別入館証”を作ってもらい。それを首からさげた。2人は寮内に入ると「女臭ぇ〜」と言っていた。
 
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「お母さんも弟さんたちも、もし冬休み中東京におられるなら、家族用の宿舎に泊まっていいですよ」
と受付をした、三田雪代が言う。
 
(この日、三田は“寮長代理”という札を付けていた)
 
「それ料金は?」
「無料ですし食事付きです」
「凄い」
「ただし人混みに行かないことが条件になりますからあまり観光やお買物はできませんけど」
「ディズニーとかは無理かぁ」
「あそこは人が多すぎますね」
「あと、あけぼのテレビとかの番組に出演をお願いすることあるかも。通行人とかの役で」
「なんかそれが楽しそうだから、居てもいいかな」
と弟たちは言う。
 
「お母さんは?」
「亭主をひとりにしてたら途方に暮れそうだから帰ります」
「では春休みが終わる頃、弟さんたち富山空港にお届けしますね」
 
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なお本人には新しい中学の制服(女子制服)・上履き・体育館ショーズ・体操服も渡した。家庭科セット・リコーダーなどは前の学校で使っていたもので良いという。
 

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●12/23 Black:能登空港15:00(259km)15:30郷愁-17:00 五反野
真珠が入瀬コルネを氷見市から能登空港まで。
明恵が金沢で古屋おだんごを乗せ、中能登町できんつば・あんころを乗せて能登空港へ。
 
「コルネちゃんひさしぶりー」
9月に時代劇の撮影で会って以来3ヶ月ぶりである。
 
「おはようございます。古屋あんまん・おはぎ・きびだんごちゃんでしたっけ?」
「あんころ・おだんご・きんつば、なのだが」
「ごめんなさい!」
「でも器用な間違いかたをする。先頭だけ合ってた」
「東北新幹線“はやぶさ”に乗るべきところを“はやて”に乗っちゃう人だな」
「いやあれは酷いよ。2文字目まで一緒なんだもん」
「かつての“あさひ”と“あさま”(*8)よりはマシだけどな」
「それうちの母ちゃんがやったことあるらしい」
 
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(*8) “あさひ”は上野発・新潟行き、“あさま”は上野発・長野行き、どちらも高崎までは一緒だが、それを過ぎてから乗り間違いに気付く。客の乗り間違いだけでなく、窓口での係員の聞き間違い・押し間違いによる発券ミスも多かった。結局“あさひ”は“とき”に改名された。
 

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4人は機内でも楽しくおしゃべりして行った。
 
「でもほんと女5人姉妹って凄いですね」
「生まれた時は男の子だったけど出生届け出す前に性転換手術してもらって女の子に変えて女の子として出生届け出したからね」
「手術したんですか?」
「出世届出す前なら性別は自由に変えられるんだよ」
「そうだったんですか!?」
「生まれたての可愛い赤ちゃんの可愛いおちんちんを切り取って可愛いお豆さんと割れ目ちゃんに改造してあげると凄く可愛くなるんだよ」
「へー」
 
「ちょっとこの子信じちゃってるよ」
「本当は精液を遠心分離機に掛けてX精子とY精子に分離して、X精子で人工受精した」
「遠心分離機?」
「X精子のほうがY精子より重いからね」
「重さが違うんだ?」
 
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「酸性とアルカリ性で産み分けるという方法もあるけど確実度が落ちるからね」
「酸性とアルカリ性なんですか」
「ヴァギナの中は雑菌の侵入を妨げるため酸性に保たれている。でもセックスの時に女性か感じるとアルカリ性の分泌液が出て中和される。そしてY精子は酸に弱い。X精子は酸に強い」
「へー」
「だから女の子がほしい時は、精液が薄くなるように頻繁に射精しておき、排卵日の2日くらい前に、浅い位置で女性があまり感じてないうちに射精する。逆に男の子が欲しい場合は、精液が濃くなるように5日以上禁欲しておき、排卵日ジャストに、女性が充分感じるように前戯もたっぷりしてから深い位置で射精する」
 
セックスの具体的な話を聞いて日和が真っ赤になっている。
 
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「まあ中学生にはまだこういう話は早かったかな」
「ピンクゼリー、グリーンゼリーってのもあるね」
「女の子が欲しければ酸性になるピンクゼリー、男の子が欲しければアルカリ性のグリーンゼリー」
 
日和はゼリーを食べると男の子と女の子が産まれるのかなと思っている!
 
「でもいちばん確実なのは遠心分離機」
「私たち遠心分離機に掛けられてるから、遊園地のティーカップとか平気」
「凄いですね」
「もちろんジョークね」
 

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