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■春紅(20)

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3月11日(木).
 
アクアはバイクのCM撮影をした。あわせてCM曲『モンマルトルの風』の録音もしている。この曲は“北里ナナ”名義で4月中旬に発売される予定である。『少年探偵団』で準レギュラー化してしまっている北里ナナがドラマ内でよく 250ccバイクに乗っているが、今シーズンは Ninja 250 KRT editionというバイクに乗っていた。そのことから、Ninja 250 の新色が発売されたのを機に、北里ナナ出演のCMを撮影することになった。従ってCM放映時には“出演:北里ナナ”とクレジットされる。
 
撮影は御殿場近くの国道246号で行われた。
 
「山道ですみません」
とメーカーの人が言っていたが、アクアは先日の能越道よりはずっと上品な道だと思った。
 
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アクア扮する北里ナナ(ピンクに花柄のライダースーツ+ピンクのヘルメット)がこの新色の Ninja250 に乗って走っている所を撮影する。ドラマの中ではご丁寧にバイク自体までピンク塗装の花柄模様にされている。
 
実際には前日3/10に葉月をリハーサル役に使って撮影シナリオは詰めてあったので、アクアの拘束時間は4時間ほどで済んだ。
 
「リハーサル役の葉月さんも、アクアさんもバイク上手いですね」
「そうですね。普段も割と乗ってますから」
「普段何をお使いですか?」
「すみません。他メーカーなんですが、ヤマハの YZF-R25 です」
 
「何かCM契約とかなさってます?」
「いえ。ヤマハと契約してたらカワサキさんのバイクのCMの話は受けませんよ」
 
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「さすがにそうですよね。でも、もし契約とかの縛りが無ければ、1台差し上げますから、Ninja に乗り換えられません?」
 
アクアは山村マネージャーを見たが、彼が頷いているので、頂いてしまうことにした。それで“北里ナナ”ちゃんのCMはまたお願いしますね、などと言われる。
 
そしてアクアが Ninja 250 を1台頂いてしまったので、アクアは自分の YZF-R25 は葉月に譲ることにしたのである。
 

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3月12日(金).
 
貴司は夕方練習から戻ると、夕食を作っていた千里に
「これホワイトデー」
と言って、ステラおばさんのクッキーの箱を出した。
 
「わあ、おいしそう。夕食で集まったらみんなで食べよう」
 
「誕生日のプレゼントは色々考えてたんだけど、今僕無給だから、予算がなくて」
「うん。無理しなくていいよ」
 
貴司は今シーズン(5月まで)は無給で練習に参加している。6月からは給料がもらえるはずである。
 
「それでこれ買ってきた」
と言って、バッグの中から花束を出す。
 
「おお、貴司としては上出来じゃん」
と言って千里は花束を受け取り、素早く貴司にキスをした。
 
可愛い花で構成しているが、あまり高い花は使っていない。3000円くらいかな〜と思う。こんなの買っちゃって、お小遣い大丈夫かな?あとで財布に少し足しといてあげようかなと千里は思った。
 
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3月14日(日)のお昼頃、アクアFのスマホにメールが着信する。理史からである。
 
《ホワイトデーあげたいけど、仕事何時に終わりそう?》
《多分夜中すぎ。時間が分からないから、終わったらそちらに行くよ》
《疲れてるのにバイク運転して大丈夫?》
《平気平気。気分転換になるし》
 
実際にこの日、仕事が終わったのはもう夜中の1時だった。夕方から始めたドラマの撮影がこの時間までずれ込んだのである。レギュラー以外のテレビ出演は基本的に断っているのだが、17日!に放送しなければならないドラマに出演予定だった若手人気俳優さんがコロナに感染してしまい、急遽代役を頼まれたのである。プロデューサーさんが過去にかなりお世話になっている人だったこともあり受けたが、最近この手の話が多いなあとアクアは思った。
 
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しかし今日撮影して17日放送って泥縄もいいところだ。
 

さすがにきついので、今日は和城理紗に
「ごめん。川口市の理史のマンションまで送って」
と頼んだ。
 
「それと後からバイクを転送しといてくれる?」
「OKOK」
 
それでアクアは彼女の運転する“アクアのアクア”の中で仮眠していき、到着して起こしてもらってから化粧水パックだけして車を降りた。理史にメールすると彼はすぐ降りてきてくれた。
 
「ごめん。寝てた」
「こちらこそ御免。こんな真夜中に」
「いや、龍こそお疲れ様」
 
それで一緒に8階に上がる。彼の部屋816に入る。紅茶を入れてくれる。ブルークボンドの上等な紅茶だ。龍虎は疲れているので砂糖を2個入れて飲んだ。
 
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「そういえば龍って普段どこに住んでるんだっけ?」
「代々木のマンションだよ」
「もしかしてアクアと一緒に住んでるの?」
「むろん部屋は別だよ」
「そりゃ部屋は別たろうけど」
「もちろんアクアとセックスしたりはしないよ」
「そりゃしないだろうけど!」
 
あ、少し嫉妬してるな。
 
「まあ元々アクアと半々出して買ったものだしね」
「なるほどー!」
「それにアクアは性欲無いから大丈夫だよ」
「ああ、そんな気はした」
「だから事実上女の子同士のルームシェアに近いんだよ」
「あ、そうかも知れない」
 
それで理史は安心したようである。
 
「アクアにも彼女はいるけど、ちんちん立たなくてセックス不能みたい」
「ああ。さすがに彼のちんちんは立たないだろうね」
 
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実は、ちんちんそのものが(暫定的に?)無いけどね。
 
「でも一緒に寝るだけでも彼女は満足してるみたいだよ」
「恋愛って精神的な部分が大きいから、それはそれで何とかなるんじゃないかな。でもアクアが彼女と寝る時、龍はどうしてるの?」
「さすがに他の所に退避してる」
「さすがにそうだよね」
「だから最近退避率が高い」
「ああ、可哀想に。どこに退避するのさ」
「八王子に小さな家があるんだよ。今度案内するよ」
「うん」
 

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「これあまり大したものじゃないけど」
と言って理史は紙包みを出してきた。
 
「あ、フォションのクッキーだ!これ好き〜」
「良かった」
「何か日本にはこういうの無いよね」
「うん。ヨーロッパ人好みかも知れないね」
「あ、シェアして食べようよ」
「うん」
 
それで龍虎と理史は1時間くらい話していたが、話している内に少し疲れが取れてきたせいか、あくびが出てしまう。
 
「ごめん」
「いやいいよ。少し寝る?」
「朝まで寝ててもいい?」
「いいよ。今夜は何もしないからそのまま寝なよ」
「じゃ1回だけしてから寝る」
「分かった。それで」
 

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それで龍虎は本当に理史と1回だけしてから熟睡した。9時頃になって理史が
 
「そろそろ起きなくても大丈夫?」
と言って起こしてくれた。
 
「ありがとう。11時から仕事があるから」
「全然休む暇無いね」
「ボクってまぐろみたいなもんだと思う」
「まぐろ?」
 
理史は一瞬、性的な意味の方を連想してしまったようだ。
 
「たぶん休んだら死んじゃう」
「ありそう!」
 
それで一緒に下に降りる。
 
「龍、良かったらこれ僕の部屋の鍵だけど。夜中に来て僕が寝てたらこれで勝手に開けて入ってきていいよ。この鍵の使い方分かる?」
「こちら側が電子ロックの解除ね?」
「そうそう」
 
「じゃ他の彼女と寝てたら、そっとキスだけして帰るね」
「他には彼女いないよ!」
「じゃ預かる」
「うん」
 
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それでマンションの裏手に回り、バイクにキーを差しこむ。
 
「あれ?バイクが違う気がする」
「こないだカワサキのバイクのCMしたら、これ頂いちゃって」
「すごーい。60-70万しそうなのに」
「まあボクが乗ってますよとかアピールしたいのかもね」
「まあそうだろうね」
 
「じゃまた」
と言って龍虎はすばやく理史にキスをすると、手を振って走り去った。
 

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この日、リハーサル役の葉月は、昼過ぎからリハーサルに臨んでいたのだが、アクアと交替で夕方には解放された。それで和紗の運転する“アクアのアクア”レオ#3 で、橘ハイツに帰還した。葉月は撮影の疲れでその30分ほどの間に眠ってしまっていた。
 
「着いたよ」
いう和紗の声で目を覚ます。
「ありがと」
と言って車を降りて一緒に上に登る。
 
部屋の中に入ってから、聖子がお菓子の箱を出してくる。
 
「これホワイトデー」
「わあありがとう。一緒に食べようよ」
「うん。紅茶入れるね」
「あ、私がやるよ。せいちゃん疲れてるのに」
 
と言って、和紗が紅茶を入れた。アクアからもらった、フォートナム&メイソンの紅茶である。それを千里さんからもらった、ロイヤルコペンハーゲンのティーカップに入れる。ボクってもらいものや借り物が多い、と聖子は時々思う。グランドピアノとヴァイオリンも千里さんからの借り物だし。
 
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「砂糖は?」
「クッキーが甘いからお砂糖無しでいいや」
「私もそうしよう」
 
と言って、聖子が通販で買っておいたロイズのクッキーの箱を開けて2人で食べた。ちなみに通販物の受取りはユキさん・ツキさんがして、おキツネさんの誰かがこの部屋まで持って来てくれる。ユキ・ツキは明日香宛の荷物も預かってくれる(*16).
 

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(*16)ユキ・ツキは§§ミュージックからお給料で雇われているのと同時に聖子とは、お稲荷さんとキツネうどんを好きなだけ食べさせてあげるという契約を交わしているので、“男子寮”の住人ではない、聖子・明日香に関する作業もしてくれる。(実際のお稲荷さんなどの提供は寮母の門脇さんに聖子がお金を払って委託している)
 
なお、彼女たちはお肉を食べることは禁止されているが、聖子の部屋に出入りしている小さなおキツネさんたちとは違って、普通のベジタリアンの人が食べる程度のものまではOKらしい。乳製品・ハチミツはOK。卵は目玉焼きやゆで卵はNGだが「使ってるのを知らなかったと言える程度のものまでは叱られない」などと言っていた。クッキーやケーキ程度は食べるようだし、それで叱られたことはないという。門脇さんは、将来ベジタリアンの寮生が入ってきた時の練習も兼ねて、彼女たちが食べられるような料理を時々試作しては提供している(でも油揚げの方が好きと言う)。
 
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むろん門脇さんは、彼女たちが「お肉を食べるようになると人間を食べたくなっちゃうから肉食を禁止されている」ということまでは知らない!
 

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この日のドラマ撮影では、放送日が目前ということもあり結構ハードな撮影だったのでMとFは同じ衣装を着けて交替で演じた。それであがったのはふたり同時になった。その後Mは緑川マネージャーに“アクアのアクア”#3 で代々木に送ってもらい、Fは和城理紗に“アクアのアクア”#11 で理史のマンションに送ってもらったのである。
 
この#11の車体は元々、コスモスが2人のアクアのためにリザーブしておいたものである。防弾ガラスを使用するなど、#3と同じVIP仕様になっている。
 
またアクアMは日中に最近アクアのマネージングチームに加わった山城寛菜ちゃん(今月音楽系の短大を卒業予定)に頼んで、クッキーを3箱買ってきてもらっておいた。
 
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今日は日中は高村マネージャー(31)が付いてて、夕方から緑川マネージャー(26)に交替したのだが、やはりこういう用事は高村さんには恐れ多くて頼めない。山城寛菜は資生堂パーラーのクッキー詰め合わせを3セット買ってきてくれた。
「ありがとう!」
「いえ。私用でも雑用でも何でも言ってくださいね」
 
この子、これをどうするのかとか?何も詮索しないのがいいなと思った。
 

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それで夜中の1時すぎに代々木のマンションに帰るが、今日は10階の方に行った。3人とも寝ていたようだが、龍虎が入ってきたので起きだした。
 
「龍?」
「今帰ったの?」
「やっと仕事終わった。これホワイトデー。バレンタインに色々してもらったから」
「ありがとう」
「すごーい。ちゃんと3人分ある」
「いつもお世話になってるし」
「だって家賃代わりみたいなもんだよ」
 
うーん。こいつらずっとここに住む気か?
 
「じゃ。私たちは引っ込むから後はごゆっくり」
と言って、桐絵と宏恵は“自分の部屋”に引っ込んでしまう。龍虎と彩佳が残される。
 
「じゃ僕も疲れてるから寝るね」
と言って龍虎も立とうとしたのだが、彩佳は
「ぐっすり眠れるようにしてあげるよ」
と言う。
 
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いえ、何もしなくていいんですけど。
 
「疲れてのに移動するのも大変でしょ?たまにはこちらで寝る?」
「まあそれでもいいかな」
 
それで彩佳と一緒に部屋に入る。
「まだお風呂入ってないけど」
「朝入ればいいよ」
 
それで彩佳は龍虎を押し倒す。ベッドの中で自分の服を脱いでしまい、龍虎の服も脱がせる。あ、やばい。
 
「あれ〜。龍のちんちんが無い」
「疲れたからもう先に寝ちゃったみたい」
「どこで寝てるのよ?」
と彩佳は呆れたように言ったものの、龍虎の敏感な部分を触る。
「じゃここは気持ちいいかな?」
「・・・気持ちいいかも」
「ここはどうかな?」
 
ちょっとぉ、どこに指を入れてるんだ?でも・・・
 
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「・・・・・気持ちいい」
「じゃこの2ヶ所をせめてあげるよ。私レスビアンの本でだいぶ勉強したし、Gスポットの位置は自分の身体でもかなり研究したから」
 
ひゃー。
 
その晩、結局龍虎は彩佳にされながら、快感の中で眠ってしまった。
 
指をどこに入れられたのかは考えないことにした。
 
 
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