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■春紅(19)

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アクアたちは、3月5-7日仙台で08年組主催の震災イベントに参加した。
 
もっとも今回は08年組のひとつXANFUSがボーカル2人とも妊娠中のためお休みである。更にはいつもゲスト参加してくれているオリーブ・レモン(丸山アイ・鹿島信子・フェイ・ヒロシ)も、メンバーの内2人(アイ・フェイ)が妊娠中なのでお休みである。
 
2組も常連が抜けたことから、今回は08年組が登場する2日目のイベントに、山下ルンバ、桜野レイア、川崎ゆりこの3人が参加することになった。
 
なお今回のイベントは仙台の若林植物公園ツイン体育館の“織姫”を使用するのだが、出演者の中で Flower Four だけが、クレール若林店2号館を使うことになった。実はそれはトイレの問題があった。
 
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Flower Four というのは、Wooden Four の4人(大林亮平・森原准太・木取道雄・本騨真樹)にそっくりの女子4人組(亮子・准子・道子・真樹)という建前のユニットである。実際には4人が女装しているのだが、この女装の4人のトイレについて、建前上女子ではあっても中の人が男子なので、女子トイレを使わせるわけにはいかない。といって、この衣装で男子トイレに入られるのも混乱する。特に大林君と本騨君は女装すると女の子にしか見えない。
 
ということで、今回は隔離されたのである!
 
クレール別館には撮影の人以外近づかないので、この4人にはクレール別館のトイレを独占的に使ってもらうことにした。(女子トイレ使ってもいいよと言っておいたが「痴漢でもしてるみたいで入れない」と言って、全員男子トイレを使っていたようである。付き添い兼メイク担当の山村星歌・桜野みちる・原野妃登美の3人はむろん女子トイレを使う:コスモスは忙しいので木取道雄のメイクはみちるにお願いした:実際には様子を見に来たマリがしてくれた)
 
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今回の震災イベントでは、アクア・葉月はこのような行程になった。
 
3/5 20:00 Honda-JeRedでアクアF、アクアM、今井葉月、吉田和紗M、和城理紗M、秋風コスモスの6名が熊谷から仙台空港へ飛ぶ。
 
コスモスは葉月が1人になったのにはすぐ気付いたと言い、仕事の負荷は考慮させるからと約束してくれた(葉月の過労死の確率が低くなった:この時点でコスモスは葉月の応援に常滑舞音を使うつもりだったが、舞音自身に代役が必要になり、結局、葉月の応援には長浜夢夜が起用されることになる)。
 
仙台空港からは先行して現地入りしていた高村マネージャーが運転するエスティマでホテルに入り、この日は泊まる。コスモスは打ち合わせがあるようだった。全くお疲れ様である。
 
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翌日、葉月は第1部に出演するので、3/6 12:30 から原町カペラ+石川ポルカがバックを務めてくれる中、30分間歌った。このステージでは葉月は白いドレスを着て、瀧廉太郎の『花』、また『月の沙漠』『ゴンドラの唄』などといった唱歌を熱唱した。
 
アクアは19:00-21:00の第2部で2時間歌った。今回前半はマリクレールの紳士用オーダースーツ(紳士用に仕立ててもらったはずなのに異様にかわいい!)を着たFが歌い、後半は王子様衣装のMが歌ったのだが、例によって「前半の方が女の子っぽくて良かった」と言われ、Mは大いに不満そうであった。
 
アクアはステージが終わったらすぐ葉月や和紗たちと一緒に仙台空港に向かい、Honda-JetRedで熊谷に戻った(コスモスは翌日も仙台に留まる)。そしてこの日は郷愁村のコテージ“桜”に5人で一緒に泊まった。
 
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遅い夕食をデリバリーしてもらったが、
 
「本当は5人以上で会食しちゃいけないけど、ボクたち建前では4人だからいいよね」
などとアクアFは言っていた。(食事自体はお腹が空いてるからと言って5人分配達してもらった。更に天麩羅を2皿にフライドチキン2皿持って来てもらった)
 
「まあ全員ワクチンは接種済みだしね」
とワシリーサ。
 
(ベッドは4つしか設定されていないが、葉月と和紗が一緒に寝るので問題無い)
 

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「なんか卒業してから疲れ方が減った気がします。これで社長が負荷は考慮すると言ってくれたから何とかなりそうです」
と葉月は、ディナーを食べながら言った。
 
「そりゃそうだと思うよ。この1年間は1人2役していたようなものだから、倍疲れていたはず」
とアクアFが言う。
 
「物理的に複数の場所で同時活動できるというだけで、1人でやっているのは同じだったからね。でも卒業できて良かった」
 
「1年前はボク退学することになるかもと思ってましたよ」
 

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「ここだけの話、結局今性別はどうなってるんだっけ?」
 
「寝て起きる度に違うんですよ」
「むむ」
 
「3月1-2日は女の身体だったから、女の身体が残ったのか。仕方ないからそれで頑張って女として生きていこうと思ったのに、3/3-4日は男の身体になってて」
 
「ああ」
 
「昨日は女でしたが、今日は男です」
 
「でもドレス着て歌ったね」
「男の衣装も着けてみたんですけど、自分で物凄く違和感あって、ドレスに着替えちゃいました」
 
「その気持ちすごーく分かる」
とアクアMが言ってる。
 
「アクアの王子様衣装って、胸の部分の布に余裕があったし、ズボンには前開きが無かったし、女子仕様で作られていたね」
 
「まあ衣装さんたちはみんなアクアは女の子と思ってるから。マリクレールのスーツもボタンこそ右前だったけど、実際女子仕様だった」
 
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「今度のアクアライブは全編ドレス着ようかなあ。ボクドレス着るからMも着なよ。実はドレスのほうが好きでしょ?」
とアクアFが言っているが
 
「それ和泉さんに叱られる」
とアクアMは言う。
 

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「3月8日に最終的にボクの性別は確定させると千里さんと約束してたんですけど」
「うん」
 
「それで昨夜、こちらに電話して来たんだ?」
とアクアMが言う。
 
昨夜、聖子はMに電話してきてMが性転換手術などは受けておらず、男の子の身体をキープしていることを確認したのである。Mは“ちんちん出張仲”で少しうしろめたかったが、聖子の不安を解消するため、自分は間違い無く男だし、今後も性転換するつもりは無いとハッキリ言った。
 
「今朝、千里さんと話し合って、当面この性別が不安定なまま放置することにしました」
 
「結局モラトリウムか」
「まあそうですけどね」
 
「私はどちらのせいちゃんでも愛せるよと言った」
と和紗。
 
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「それは和紗さんの大きな愛だと思うなぁ」
とアクアFは言った。
 
アクアMは思った。
 
聖子はおそらく昨夜の段階では。もう完全な女に子になっちゃおうかなと思っていたのではなかろうか。しかし自分との会話で、1歩踏みとどまったのだろう。ただ完全な男になってしまうと、アクアの代役ができなくなるので、曖昧な性別で放置することにしたのではとアクアMは想像した。
 
しかし曖昧な状態にしてるのは、むしろ自分の方だよなあ、と思う。
 
Fからもしょっちゅう言われているけど、自分はまだ“男になる”覚悟ができてない。
 
なお、葉月とアクアは3/7は東京で普通に仕事をしたが、震災イベントラストの時間には、あけぼのテレビのスタジオから『花が咲く』の大合唱に参加した。
 
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3月3日に発売された常滑真音の『とことこ・なめなめ・招き猫』は、当初5000枚しか生産していなかったのだが、どうもあちこちのFM局で掛けてくれているようだというので、ひょっとしてもっと売れるかもということとで2万枚まで増産した。
 
ところが、一週間くらい前から、大手オンラインショップ、全国チェーンのCDショップから「物凄い予約が入っているので追加納入して欲しい」という要請が次々に入ってきて、コスモスは仰天した。この時点でアマゾンに3万件、HMV, タワーレコードに各1万件ずつの予約が入っていた。
 
コスモスはケイと話し合い、最終的に余ってもいいから、可能な限り増産することにした。国内数ヶ所のプレス工場に特別料金を払って特急で生産してもらう。
 
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全国各地のプレス工場から全国各地のショップへ、§§ミュージックやTKRの社員に持たせて(震災イベント直前だったが)、ホンダジェット2機、G450, G650, Do228, A318 と総動員し、CDを積んだワゴン車も全国的に走らせて納入した(実は震災イベントの最中もこれらの機は飛び回っていた)。
 
それで初日は同じ日に発売された高崎ひろかの『春風のプロローグ』10万枚に対して、常滑舞音は9万枚、一週間(3/1-7)の統計でも、高崎ひろか18万枚に対して常滑真音16万枚とランキング2位だった(実は売り切れ)。
 
温厚な性格の高崎ひろかは
 
「マネちゃんすごいねー」
と笑顔で言っていたが、内心穏やかではなかったと思う。
 
そもそも有力アーティストの発売日はお互いにぶつからないように調整するのだが、マネのCDがこんなに売れるとは思いもよらず、ひろかと同じ日になるけど、むしろ相乗効果で一緒に買ってくれるかもなどと言って同じ日の発売にしていたのである。、
 
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コスモスやケイは、舞音については実力が高い上に成長著しい(こちらが大事)ことから、今年いっぱい様々なテレビ番組などに出して顔を売っておいて、来年1月くらいに歌手デビューさせようと言っていた。
 
つまりひな祭りの番組でネットで噂された通り、コスモスとしては、
 
甲斐絵代子→常滑舞音→水谷姉妹
 
の順序でデビューさせるつもりで、甲斐絵代子を夏くらいにデビューさせるつもりであった。
 
ところが16万枚も売れたのに「まだデビューしてません」とは言えなくなってしまった。既に今年“デビューした”七尾ロマン・恋珠ルビーの売上枚数にこの時点でほぼ並んでいるが、来週の統計でそれを大きく越えるのは確実である。
 
それで震災イベント終了後、コスモスは舞音を呼んで
「君はもうデビューしたことにしたい」
と言った。
 
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「はい。お願いします。頑張ります」
と本人も笑顔で言うので、近い内に御両親を呼んで契約を結ぶことになった。
 

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舞音がコスモス社長との話を終えて寮に戻ってきて、自分の部屋に入ると、いきなりポン!という音がするので思わず「きゃっ」と声をあげる。
 
「おめでとう!デビュー決まった?」
と声を掛けるのは恋珠ルビーである。水谷姉妹もいる。
 
「デビューするというか、デビューしたことにしようという話だった」
「おめでとう!頑張ってね」
 
「好永ちゃん(ルビー)の枚数越えちゃいそう。ごめん」
 
「何言ってんの?この世界は売れたものの勝ち。私もまた頑張るけど、取り敢えず、おめおめ」
とルビーは喜んでくれた。
 
舞音はいい友だちを持ったなあと思い、シャンメリーを飲みながら、3人が用意してくれたケーキを一緒に食べた。
 
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3月11日からはその常滑舞音を司会者に起用した『お花見はバーチャルで』という番組をあけぼのテレビで放送開始した。全国の桜を追いかけながら、各地の食べ物もレポートしようという番組で、舞音及び仲の良い水谷姉妹を中心に進行する。
 
番組のスポンサーは大手運輸会社の黒猫運輸で、舞音は実は招き猫の歌が話題になっていたことから、スポンサーの指名で司会をすることになったものである。あわせて、この番組のテーマ曲として『とことこ・なめなめ・招き猫』 (Kuroneko mix)というバージョンが制作され、『マネ・イズ・マネー』という曲とカップリングして販売した。するとこれが元バージョンとともに売れる効果が出て、月末までにはどちらも50万枚を突破することになる。ランキング会社はこの2つのCDを同じ作品の別タイプとみなし、両方合わせてミリオンであると認定した。
 
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3/3『とことこ・なめなめ・招き猫/マネがマネのマネをした』
3/11?『とことこ・なめなめ・招き猫(Kuroneko Mix)/マネ・イズ・マネー』
 

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オリジナル版のc/w曲『マネがマネのマネをした』(舞音がEdouard Manetの真似をした)は特にタイアップは無かったのだが、kuroneko mix の c/w『マネ・イズ・マネー』はお風呂などを作っている住宅設備メーカーのCMで舞音が“札束風呂”に入っている図を使用している。
 
しばしば雑誌の裏表紙などにある、怪しげな開運グッズの広告で、男性が美女2人を抱いて札束の風呂に入っている図があるが、それをバロったものである。このCFの主演はもちろん舞音であるが、舞音が抱きかかえるならやはり美少年になるかな、ということで三陸セレンと山鹿クロムが起用された(この2人はしばしばセット扱いされる)。
 
札束風呂は、メーカーの展示場の浴室に置かれたピンクの陶製バスタブに札束が満ちており、そこにエルメスのビジネス・スーツを着た舞音が入って、バニーの格好(レオタードにうさ耳)をした三陸セレンと山鹿クロムを両脇に抱えるという図である。
 
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(CM公開後、この展示場を訪れて写真をインスタなどにupする巡礼者がかなり出た)
 
この風呂を埋めるために使用する“札束”は特製のもので、1万円札っぽいデザインだが、表面の写真は福沢諭吉のコスプレをした舞音、題字は“壱舞音”になっている。裏面は翼・とさかをつけて鳳凰のコスプレをした舞音である。福沢諭吉のコスプレ撮影に1時間、鳳凰のコスプレ撮影に2時間掛けている。またお札にはちゃんと一連番号が英字+数字6桁+英字で打たれている。また日本銀行券→串本鈍行巻(意味不明?)、NIPPON GINKO→MANENO MONEY, 10000→1☆☆☆☆などの変更が行われている。またお札のサイズや縦横比もオリジナルとは変えてある。
 
それを100枚ずつ束にしているが、100枚全てをこの“舞音札”で構成したのは表面付近にあるものだけで、下の方に入っている札束は上下2枚だけが“舞音札”で途中の98枚は白紙である。この風呂を満たすために使用された“舞音札”は全部で3000束(30億円相当)ほどだった。
 
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作業的には3人が空の浴槽に入った所に、札束を投入していった。途中まで中白束を使い、最後の3〜4層が全舞音札の束を入れた。でも札束で胸から下が埋まった美少年2人は
「これけっこう重いです」
と言っていた。
 
「これが全部本物の札束だったらそれで六本木に舞音タワーを建てたいなあ」
 
「舞音タワー建てて、中には何を置くの?」
「もちろんマネキン館です!」
と舞音が発言したのが、実は次作の『舞音の招きマネキン』につながっていく。
 
今回のCFの監修をしたのは雨宮先生であるが、この“舞音札”の制作だけでも結構な時間と費用が掛かっており、遊び心?いっぱいの制作だった。舞音自身もかなり面白がっていた。
 

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