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■春白(22)

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11月8日以降、超多忙状態が続いている羽鳥セシル(浜梨恵真)だが、その日は
「こないだ撮ったCMのテーマ曲も歌ってもらうことになった」
と言われて青山の★★スタジオに連れて来られた。
 
“こないだ撮ったCM”と言われても、CMは何本も撮っているので、どれのことか分からない!いきなり譜面を渡されて
「君なら歌えるよね?」
と言われた。まず音域を確認するが、大丈夫そうである。
「譜読み5分下さい」
と言って譜面を読む。歌いにくそうな所は少し繰り返して“黙唱”する。
 
「はい、いいです」
と恵真が言うので、既にできあがってる伴奏音源(というより、アレンジャーさんが作ったMIDIデータそのものじゃんという気がした)を聞きながら歌う。
 
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歌い終わると、プロデューサーさん?が拍手してくれた。
 
「初見でこれだけ歌えるのは大したもんだね」
と言われた。結局そのあと30分くらい練習してと言われたのでキーボードを借りて、自分でそれを弾きながら練習した。
 
「そろそろいいかな」
と言われるので、また伴奏音源に合わせて歌唱した。
 
「うん。合格だけど念のためもう1回録ろうか」
と言われて再度録音した。
 
それでOKになった。
 
セシルは結局、何のCMの歌なのかは(今更聞けないし)分からなかった。
 

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その日、§§ミュージック男子寮に兄(姉?)と一緒に住む上田雅水(中1)は、学校から帰った後、トイレで“最後のおしっこ”をしてから、お風呂に入ってきれいに身体を洗った。特にあれは丁寧に洗った。
 
「とうとうこれとサヨナラか」
などと思うと、少しそれが愛しくなった。
 
「ごめんね。今度生まれてくる時は、男らしい男の子にくっついてね」
などと自分の身体についている器官に向かって言う。
 
お風呂から上がると、お気に入りの、グリーンのスペード模様のショーツを穿く。ジュニアブラを着けキャミソールを着ける。普段着の花柄のコットンスカートを穿き、上には厚手のボートネックのカットソーを着た。少しお姉さんっぽくて気に入っている服である。お姉ちゃんからのお下がりだけど。
 
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雅水は学校には学生服で通学するものの、寮内ではスカートしか穿いていない。
 
今日はまだ、お姉ちゃん帰ってきてないけど、ひとりても大丈夫だよね?海老原さんも付いてきてくれるしと思う。
 
今日からボクはお姉ちゃんの“妹”になるんだと思うと、少しドキドキした。
 
そろそろ時間なので1階に降りてキュアルームに行く。看護師の海老原さんに声を掛ける。彼女は雅水が可愛い格好をしていても特に何も言わない。いつもの格好という気もするし!
 

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彼女の運転するアクアに乗り、15分ほど走った所の病院に行った。
 
婦人科のクリニックのようである。こんな所に来るのは初めてだ。でも今後はいつもお世話になることになるのかなあ、などと思った。待合室に居るのは女性ばかりである。ボクこの格好で来て良かったぁと思う。こんな所に男の格好では来たくなかった気分である。
 
やがて名前を呼ばれたので中に入る。
「あれ?取る人は来てないの?」
と言われる。
 
「私ですが」
「でも君、女の子だよね?」
「すみません。まだ付いてるんです」
「あ、そうなの。ごめんごめん」
と先生は言った。女の子と思われるのは普通だし、女の子と思われることによって自分のアイデンテイティを確認している気もする。
 
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「念のため診察するからそこに横になって」
「はい」
と言いながら、ボク、この病院から帰る時はもう女の子になっているんだよなと思いながら横になる。
 
「スカートめくってパンツ少し下げてくれる?」
「はい」
 
「あれ?」
と先生は言った。
 
「君、もう睾丸無いじゃん」
「8月に取りました」
「じゃ取りようがない」
「え?今日はおちんちんを取るんじゃなかったんですか?」
 
医師が付き添いの海老原さんを呼ぶ。
 
「今日は精液を取るという話だったんだけど」
「そうだったんですか!てっきりちんちんを取るんだと思いました」
 
「事務所が、ちんちん取ってとか言うわけないじゃん」
 
「そうなんですか!姉が女子寮に移動してなんて言われてたから、女子寮に行くのなら、ボクもちんちんは取らないといけないのかと思いました」
 
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「君は将来女の子になりたいのかも知れないけど、それは個人の問題だから事務所がとやかく言ったりはしないよ」
 
雅水は脱力した。
 
「じゃちんちんは取らないんですね?」
「精液を取るつもりだったんだけど」
「ごめんなさい。ボクもう睾丸無いから、精液は取れません」
「睾丸取る前に精液の保存とかしてない?」
「はい。手術前に射精して冷凍保存しました。1年間は保管料サービスと言われました」
 
「じゃそれを来年以降は保管料払って更新していけばいいね」
「はい」
 
「先生、済みません。今日は空振りになってしまいまして」
と海老原さんが謝る。
 
「すみません。ボクも勘違いしてて、お手数掛けました」
と雅水も謝る。
 
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「うん、いいよ。でも睾丸取って、ホルモン・バランス崩れて、どこかに変調とか来てない?」
 
「それは大丈夫みたいです」
「女性ホルモンはちゃんと摂ってる?」
「はい。毎日食後に1錠ずつ、飲んでます」
 
「念のため、飲んでる薬を見せて」
「はい」
 
それで雅水は毎日食後に飲んでいる薬を見せた。
 
「これはエストロモンとDB-10かな」
「はい。そんな名前でした」
「これ入手先は?」
「個人輸入です」
「処方箋書いてあげるから、普通の薬局で買うといいよ」
「済みません!お願いします」
「睾丸を既に取っているのなら、ちゃんとホルモンを補充していないとまずいからね」
 
それでお医者さんが処方箋を書いてくれたので、雅水は以後安価に女性ホルモン剤を入手できることになった。
 
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なお、姉の方もとっくの昔に睾丸は無かったので、海老原は彼女(といった方がいいだろう)にも病院を受診させ、そちらも処方箋を書いてもらって、普通の薬局でホルモン剤が入手できるようになった。
 
姉弟(姉妹?)が女子寮に移動することになるのかどうかは、海老原も分からない。海老原は姉の上田信貴に
 
「男子寮に住むか女子寮に住むかは、君自身の性別認識の問題。女子寮の子たちは姉妹まとめて来ていいよと言ってる」
と言っておいた。
 
中3の上田信貴は、高校に女子として入るのか男子として入るのかという問題もある。これは受験目前なので、早急に決める必要がある。
 
ファンの間では、最近上田信貴がバックダンサーとしてテレビなどに出演する時しばしば(いつもではない)スカートを穿いていることが話題になっていた。
 
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「のぶちゃん、女の子になっちゃうのかな」
「のぶちゃんなら、女の子でもいいよね」
などとファンたちは言っていた。
 

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(2020年)12月13日に旭川で理歌の結婚式に参加(ホテルの部屋からネット参加)するとともに、(桃香が千里と結婚することになったので)朋子が千里の両親に挨拶に行くのに付いて行った青葉であるが、一行はこのような日程で行動している。
 
12/12 8:00 郷愁発(千里が乗ってくる) 8:30 能登着(青葉・朋子が乗る)
 
12/12 9:00 能登発(千里・青葉・朋子) 9:30 郷愁着(桃香たちが乗る)
 
12/12 10:00 郷愁発(9人) 11:30 旭川着 理歌たちと話す
 
12/13 10:00 結婚式 12:00-14:00 ネット祝賀会 16:00 留萌に行き千里の両親に挨拶
 
12/14 9:00 旭川発(11人) 10:30 郷愁着
 
12/14 16:30 郷愁発(千里・青葉・朋子) 17:00 能登空港
 
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実は10:30に郷愁に到着してから16:30に出発するまで6時間の間隔が空いている。この時間について千里は青葉に「空港スケジュールの問題」と説明していたのだが、実は別の問題があったのである。
 

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12/12には、千里はオーリスを使って早朝郷愁飛行場に入っている。その後、貴司がセレナを運転し、助手席に桃香、2列目・3列目に4人の子供を乗せ、郷愁飛行場に来ている。
 
12/14に旭川から郷愁までG450に乗って飛んできたのはこういうメンツである。
 
千里・青葉・朋子
桃香・貴司・早月・由美・京平・緩菜
坂口栄吾・理歌
 
郷愁飛行場には、12/12に使用したオーリスとセレナが駐まっているほか、彪志がレンタカーのフリードスパイクを借りて運転してきている。彪志はこのレンタカーを坂口夫妻に託し、2人は新婚旅行に出かける(一週間後に郷愁から旭川に送り届ける)。
 
セレナに、貴司・彪志と4人の子供が乗って浦和のマンションに戻る。つまり実は桃香は残った。
 
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青葉は千里が“打ち合わせがある”と言って、千里のオーリスでホテル昭和のコテージ“桜”に連れて行き、そこに来てくれていたコスモス・和泉とアクアの制作について打ち合わせをした。
 
桃香と朋子が残る。ここに“琴沢幸穂”事務所の天野貴子が自分の車ホンダ・シャトルで迎えに来る。そして2人を乗せ、実は千葉に連れて行ったのである。
 
G450が郷愁飛行場に到着したのが10:30で、シャトルが飛行場を出たのは11:00である。天野貴子こと《きーちゃん》は《とうちゃん》に頼んで、桃香と朋子を眠らせ、《くうちゃん》に頼んで車をワープさせ、1時間後(本来は2時間半かかる)千葉市の季里子の家に到着。実は(桃香と季里子がパートナーシップ宣言をすることにしたので)朋子が季里子の両親に挨拶に来たのである。
 
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