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■春白(3)

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座席であるが、柿沼さんの助手さんがコーパイ席(機長席の右)に座る。恵真はキャビン席の前向き左側の席に座ってと言われた。ここが一番良い席らしいので少し恐縮する。
 
「あんたは大事な商品だからね」
 
その右側に前向きの席にAさんが座り、その向かい・キャビン席の後ろ向きの席に撮影者の柿沼さん、その隣・恵真の向かい側に♪♪ハウスの酒本さんが座った。恵真のスカートが見える位置に女性を座らせてくれたようである。
 
アナ・オナ姉妹はどうするのかなと思ったら、アナさんは操縦席とキャビンとの間にある横向きの補助席に座り、オナさんは化粧室に入る。あれ?おトイレかなと思ったら、ドアは開けたままである。
 
「あのぉ、オナさんはもしかしてトイレに入ったまま?」
「そうそう。この飛行機はトイレまで入れて7席なのよ」
「へー!」
 
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「トイレに行きたい人は言ってね。交替するから」
とオナさん。
 
「そしてトイレに入った人は、次に誰かトイレに入るまで、ずっとトイレの中にいる」
とAさんがコメントする。
 
「よくある怪談みたい!」
 
「ホンダジェット・トイレの怪ね」
とそのトイレ内の席に座るオナさんが笑って言う。
 
「ちなみに本当にトイレする時は、このドアは閉めてね。そしてトイレが終わったらドアを開ける」
 
「さすがに開けたままはできませんよね!」
 
「機内の空気は前から後へ流れるから、トイレは後にあるのが良い。でも実は前方にトイレがある飛行機がこれまでは多かった」
 
「へー、色々考えられているんですね」
 

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1時間ほど待機してから、離陸許可が出て、ホンダジェットは羽田空港を飛び立つ。今年は旅客機がどこの航空会社も減便しているので羽田が普段の年よりは空いていて、このようなビジネスジェットも使いやすいらしい。しかし混雑してきた時のために独自の飛行場も建設中だとAさんは言っていた。
 
「§§ミュージックって儲かってるんですね」
「そりゃアクアの稼ぎが凄いからね」
「なるほどー。アクアに万一何かあったら大変でする」
「特に怖いのはあの子が声変わりした時ね」
「アクアちゃんは、睾丸は取ってますよね?」
「多くの人がそう思っているが実は取っていない」
「それけあり得ない。じゃ女性ホルモンで声変わりを抑えているんですか?」
「本人はそれも飲んでないと言っている」
「それは全く有りえない」
「だよね?」
とAさんも言っていた。
 
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1時間ほどのフライトで、青いノーズのホンダジェットは高知空港に着陸した。ちなみに飛行中恵真も一度トイレに入ったが、着陸の時にトイレ席に居たのは撮影の柿沼さんであった!
 
そこから空港で予約していたプリウスα(7人乗り)に乗り、アナさんの運転で1時間ほど掛けて室戸岬に到着する。
 
風が強い!
 
「結構寒いです」
「でも頑張って」
「はい」
 
「でも晴れて良かったわね。雨が降ってたら、暴風雨の中の撮影になってた」
「それだとビデオの趣旨が変わる気がします」
「ふーん」
と言ってAさんは笑顔をする。
 
「何か?」
「いやいいよ。しかし最初は襟裳岬にしようと思ったんだけどね」
 
「さすがに凍え死にます!」
「うん。それであんたに死なれたら、ここまでしてきた投資が無駄になるから南国に変更した」
 
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「南国でも寒いです」
 

小学生の女子が5人手配されていて、彼女たちと一緒に撮影した。小学生たちはロングスカートを穿き、厚手のフリースも着ている。でもセシルは半袖のブラウスに膝丈スカートである。
 
マジで寒い!
 
そしてこの強風の中、1時間ほど掛けて『風の中のココ』のPV撮影を行った。
 
ほんとに寒かった!!
 
一応、服の内側にホッカイロをつけ、途中何度か暖かいココアとか甘酒とかをもらって飲んだ。
 
なお小学生たちから「サインお願いしていいですか」などと言われたので、酒本さんが用意していた色紙に羽鳥セシルのサインを書き、5人に進呈した。
 

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『ココと子ギツネのロンド』は、南国市内に撮影場所を確保しているということで、車でそちらまで戻る。帰りはオナさんが運転した。
 
着いた所は稲荷神社だった。
 
「ここはお遍路の札所でもないし、観光神社でもないし有名でもないから観光客は来ない。絶好のロケーションなのよ。コネを頼って打診したら、撮影に使ってもいいと言われたから」
 
「でもここ明るい感じがします」
「うん。よく信仰されているんだろうね」
「金儲け主義の所は入った時冷たい感じや荒れた感じがするんですよ」
 
「ふーん。でもお稲荷さんだからキツネに似合うでしょ?」
「ですね」
「知り合いのキツネとか居たら、ここに呼んでもらっていいけど」
「生憎(あいにく)、キツネの知り合いは居ません」
 
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セシルは翌月には多数のキツネと知り合うことになることを知らない。
 
ここでは自由に神社の境内でダンスしてもらい、キツネはあとでCGで書き込むという話だったので、セシルは『ココと子ギツネのロンド』の歌を脳内で歌いながら自由にダンスした。アナさんとオナさんが、ベビーメタルみたいな、キツネのお面を付けてセシルのバックで踊った。どうもドライバー兼ダンサーだったようである。
 
ここでも1時間ほどの撮影でOKが出た。
 

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帰ることにする。高知空港に車で戻ってレンタカーを返却する。それからホンダジェットに乗り、羽田に舞い戻った。そこで他の人たちと別れ、恵真はAさんの車で自宅そばまで送ってもらった。帰り着いたのはもう19時すぎだった。
 
今日はさすがに疲れたな、と恵真も思った。
 
暖かいお風呂に入ったらホッとして、その夜は熟睡した。
 

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その日、千葉市内に住む、季里子とその両親は、季里子の祖母(季里子の父の母)が倒れたという報せを受け、鴨川市の本家に急行した。子供たちをどうするか悩んだのだが、コロナの折、病院には連れて行きたくない。そもそも院内に入れてくれない可能性もある。
 
来紗(小1)が「私が伊鈴の面倒を見てる」と頼もしく言うので、コンビニでお弁当とカップ麺を買ってきて「これをお昼に食べてね」と言って、自宅に置いて出かけた。なお日曜日なので桃香は塾に出勤している。
 
それで来紗は伊鈴に絵本を読んであげたり、一緒にレゴで遊んだりしていた。
 
やがてお昼になる。お弁当も2人で食べたのだが、まだ入る気がする。それでカップ麺を作って食べようと思った。朝季里子が買ってきてくれた、カップヌードルを作ろうと思ったのだが、伊鈴は「ユーホーが食べたい」と言う。それで来紗は朝買ってきてもらったものではなく、元々ストックされていたカップ麺の中からUFOを出してきて作ってあげようとした。
 
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自分はカップヌードルのチーズカレー(これがとても好きである)を作ることにして、2人分のお湯をケトルで沸かす。カップヌードルの蓋を開けてお湯を注ぐ。UFOも蓋を少し開けて、中に入っているソースを“麺の上に掛けてから”お湯を注ぐ。キッチンタイマーで3分計る。
 
自分のはカップヌードルなのでふたを開ければそのまま食べられる。しかし伊鈴のはそのままではなく、お湯を捨てなければならないことに気付いた。それで湯切り口のシールを剥がし、流しでお湯を捨てた。なんか黒い汁が出るなと思った。
 
それで蓋のシールを全部剥がしてから、伊鈴の前に置く。自分たちの箸を持ってきて、「頂きます」と言って、食べ始める。
 
伊鈴が「これおいしくない」と言う。
 
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よく見ると、伊鈴が食べているUFOは妙に色が薄い。あれ?何かおかしい・私、どこか間違ったのかな?と悩んだ。
 

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その時「どうかした?」という声がする。
 
「あ!京平ちゃん」
とふたりは嬉しそうな声を挙げた。
 
実は、来紗たちが困っている様子を見て、“おキツネさんたち”が京平を呼んできたのである。
 
ここで3人の年齢だが、来紗は2013年6月生まれで7歳、伊鈴は2014年8月生まれで6歳、京平は2015年6月生まれで5歳。つまり京平が最も幼い。しかし京平は凄くしっかりしているので、早月・由美とあわせて5人で遊んでいる時、しばしば全体のまとめ役になっていた。
 
「京平ちゃん、なんかユーフォーがおいしくないみたいなんだけど、何でだろう?」
と来紗が訊く。
 
京平はそのUFOを見て速攻で事態を把握した。
 
「これ、お湯を捨てる前にソース掛けちゃったでしょ?僕もうっかりやっちゃったことあるんだけど、カップ焼きそばだけは、お湯を捨ててからソース掛けないといけないんだよ」
 
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「そうなんだ!」
 
「普通の焼きそばソース掛ければいいよ」
と言って、京平は冷蔵庫の中から焼きそばソースのボトルを取り出すと、適当な量を伊鈴の前にあるUFOのカップの中に掛けてあげた。
 
「このくらいでどうかな?」
 
それで伊鈴が食べてみる。
 
「あ、おいしい」
「よかったね」
 
それで伊鈴は、京平にリカバーしてもらったUFOを食べたのであった。
 

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この日の午後、京平は夕方桃香が帰宅するまで2人と一緒に遊んだ。
 
「でも京平ちゃん、今日はスカートじゃないのね」
「ズボンもいいよ。来紗ちゃんもズボン好きでしょ」
「好きー。トイレは面倒くさいけど」
「それがズボンの欠点だよね。トイレの度に脱がないといけないし。スカートなら、そのままできるもんね」
と京平。
「そうなのよ」
と来紗も同意した。
 
来紗はまだいいとして京平まで、男の子はズボンを脱がなくても、ちんちんだけ出しておしっこできることを認識していない!
 
京平は夕方までいたので、結局2人に晩御飯まで作ってあげた(京平の得意なチャーハン)。京平は桃香が自宅傍まで来た所で“鏡”の中に帰っていったが、結局桃香もこのチャーハンを晩御飯に食べることになる。
 
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なお季里子の祖母は何とか持ちこたえ、翌朝には峠を越えたので3人は翌日の10時頃帰宅した。その日は桃香が休みだったので、桃香は“ほっともっと”まで行ってお弁当を買ってきて、朝御飯として2人に食べさせた(桃香が自分で作るより賢明である)。そして来紗を学校に送り出した後、伊鈴を連れて幼稚園まで行ってきていた。
 
「桃香さん、お疲れ様」
「そちらも大変でしたね」
「でも桃香さんが居てくれて助かった」
と季里子の母は言っていた。
 
むろん、母は桃香が昨夜の晩御飯も今日の朝御飯も作るか買ってくるかしてくれたと思っている。
 
「いや、来紗ちゃんもちゃんとお留守番してたようでしたよ」
「さすが小学生だね」
 

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2020年の“鏡”の移動。
 
2020.07月 西湖がアパート建て替えのため白銅鏡(京平主)を持ってアクアのマンションに退避。
 
2020.08.20 康子が引越。千葉の家の黄銅鏡(緩菜副)を引き上げ。
 
2020.08.27 西湖が白銅鏡(京平主)を持ってアクアのマンションから橘ハイツに移動。 千葉の家にあった黄銅鏡(緩菜副)をアクアのマンションに。
 
2020.08,29 明日香が経堂から橘ハイツに移動。青銅鏡(京平副)を季里子の家に移動。
 
移動してないのは、尾久の洋銀鏡(緩菜主)のみであるが、住人は交替する。
 
なお京平も緩菜も、自分の鏡のある場所へは自由に出没することができる。
 

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さて、8月29日に明日香が経堂のアパートを退去してからそこは事実上空き家になっていたのだが、その家賃相当額を千里が毎月明日香の口座に振り込むようにしていた(家賃は明日香の口座から引き落とされるため)。
 
ただ千里はこの操作は多分そんなに長期間続ける必要は無いだろうと思っていた。
 

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2020年10月28日(水)15時58分、千葉県北西部を震源とするM4.3の地震が発生した。
 
この地震で季里子の家も少し揺れた(震度2)のだが、東京では震度3を観測した地区もあった(中央区勝どき・葛飾区立石・小平市小川町)が、世田谷区はだいたい震度2であった。
 
震度2というのは、運動などしている人は揺れに気付かない程度の揺れである。建物が倒壊するのは、震度6以上である。震度を加速度 gal (=cm/sec2) で大雑把に表すと震度2は 4gal, 震度6は 300gal くらいである。つまり、震度2は震度6の100分の1くらいの揺れである。
 
これで崩れるのはきっと、カードタワーくらいである。
 
しかし!
 
経堂のアパートはこの揺れで崩れてしまったのである。
 
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幸いにも、崩れた時、数少ない住人は全員外出中であった。しかし帰宅してみるとアパートが崩壊しているので呆然とする。
 
通報で消防がやってきて、生き埋めになった人がいないか現場を捜索するとともに、不動産会社の人が住人全員に連絡を取る。明日香は社長を会議に送っていき、車内で待機している所であった(コロナの折、不要であればビル内には入らない。本来はドライバー用の休憩室があるのだが、閉鎖されている)。
 
「はい。勤務中で自宅には居ませんでした」
と不動産屋さんの担当者に答える。
 
「良かった!とにかく住民の皆さん全員と連絡を取っているんですよ。同居者の方とかはありませんでした?」
 
「ええ。一人暮らしでした」
と明日香は答えたが、本当は0人暮らしだよなと思った。
 
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結局この崩壊に巻き込まれた人は居ないという結論に達した。明日香は取り敢えず滞在するためのホテル代を出すと言われたが、友人のところに泊まるからいい、とそれは辞退した。
 
転居先を世話すると言われたが、そのまま友人のところに住むからいいと答えた。向こうは“友人”というのは恋人なのだろうと解釈したようである。家財道具の保証として保険から500万円まで出ると言われたが、大したものは置いてなかったので要らないと言ったら、御見舞金の名目で100万円くれた。また賃貸契約は解除になったので、本当は8月で退去していたのに違約金も払わずに済んだ。
 
結局住んでないのに家賃を払ったのは9月と10月の2ヶ月(計98,000円)だけで、逆に100万円ももらってしまった。結果的には4月以来払っていた家賃が全部戻って来た上にプラス70万くらいもらう形になった。もらった100万円については、千里さんと相談した所、
 
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「じゃ山分けしよう」
ということになり、千里さんに50万円振り込んだ。
 

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春白(3)

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