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■春白(13)

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(C) Eriko Kawaguchi 2021-02-12
 
緒方美鶴は女子寮の部屋で姉と一緒に朝御飯を食べながら、“あの日”のことを思い起こしていた。
 
姉に連れられて、新宿の病院に行った。30分くらいで終わる“簡単な手術”を受けて、美鶴は男の子を辞めることができた。
 
朝御飯の後、歯を磨き顔を洗う。姉と一緒に女子制服を着て学校に出かけるが、スカートに冷たい風が吹き込んできて、パンティにも当たる。芯まで冷えるけど、この感覚は女の子ならではのものだよなと思い、あらためて、男の子を廃業できて良かったという思いがした。
 
最近“本物の”おっぱいも少し膨らんで来たし。
 
早く完全な女の子になりたいけど「その手術は18歳過ぎてからね」と姉からは言われている。18歳過ぎると戸籍上の性別も変更できるし(*7)と思うと、美鶴は早く18歳になりたい気分だった。
 
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(*7)2022年4月1日から成人年齢は18歳になるので、2004年度以降生まれの人は高校3年で成人となり性別の変更も可能になる。美鶴は2007年度生。2022年以降は、高校卒業前に性別が変更可能になるので、高3の夏休みに性転換手術を受けて、2学期からは女子制服で通学し、正式に女子として高校を卒業する人も出るだろう。
 

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中学1年生の緒方美鶴(後の"Aeyo")は、女の子になりたいという気持ちが募り、姉に相談した所「大きな病院で“性同一性障害”の診断をしてもらいなさい」と言われた。姉が母も説得してくれたので、夏休みの間に埼玉県にある、性別に関して詳しい病院を受診。合計8回に及ぶ受診で、性同一性障害であるという診断書をもらった。また女性ホルモンも処方してもらい、この結果男の子を廃業することができた。
 
性同一性障害の診断書をもとに母親が通学している中学と交渉し、美鶴は2学期から女子生徒として通学することができるようになった。女子制服を作ってもらい学校に登校できたのが物凄く嬉しかったし、クラスメイトたちも美鶴の性別変更を受けいれてくれた。
 
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美鶴の姉・飛蝶は7月に東京の芸能事務所・§§ミュージックのオーディションを受けて上位入賞。8月から東京で暮らすようになっていた。美鶴は10月用事があって姉を訪ねたのだが、その時、事務所の副社長・川崎ゆりこに目を留められスカウトされてしまった。それで美鶴は姉の飛蝶と一緒に、§§ミュージックの女子寮に住み、“信濃町ガールズ”本部メンバーになって研修生としてレッスンを受けながら、他の歌手のバックで踊ったりコーラスを入れたり、あるいはドラマや映画の端役に出たりすることになった。
 
取り敢えずローズ+リリーのアルバムでコーラスをしたし、§§ミュージックで制作中の長時間ドラマ(事実上の映画)『とりかへばや物語』にも端役で出演した。平安時代の物語と聞いて十二単(じゅうにひとえ)とか着られるのかなと思ったら農民役だったけど!それでもセリフのある役だったからいいことにした。
 
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学校も姉(中3)が2学期から通い始めた東京の中学の1年生に編入させてもらいこちらの中学の女子制服(東京の中学だけあってオシャレ!)を着て通学している。こちらでは美鶴の性別のことを知る生徒は居ない。普通に女子中学生をしているので、最初の頃はかなりドキドキしたが、1月もすると開き直りが出て来た。それ以前にまだ完全な女の子の身体にはなっていないのに女子寮に住んでいることも、最初はいいのかなあと思ったが、こちらも完全に慣れてしまった。
 

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青葉(主人公のはず)は10月24日に、巨大熊の事件を解決した後、11月6-8日にはホンダジェットで能登空港から関空に飛び、和歌山市で社会人選手権に出た。その後、能登空港経由で羽田まで飛ぶ。11月9-13日の5日間は、ケイ及びラピスラズリと一緒に〒〒テレビで放送している『作曲家アルバム』の取材撮影で、5人の作曲家さんの御自宅を訪問した。
 
今回訪問したのはワンティスのメンバー、上島雷太、雨宮三森、水上信次、三宅行来、海原重観、の5人である。残りの4人の内、下川圭次はアレンジャーであり、作曲しないこともないが年間10曲程度なので、現在のワンティスの事実上のリーダーである雨宮と相談の上、今回は訪問していない(雨宮と話したことが“筋”の上で大事)。山根次郎はほとんど作曲しない。過去にJASRACに登録された山根作品は5曲しか無いのでやはり雨宮の意向を確認してパスである。長野支香は全く作曲しない(作詞はする)のでパス。中村将春は親交の長いケイが本人に打診した所「僕はオリジナルメンバーではないから後で」ということだったので今回の一連の訪問には入れなかった。後日訪問する予定である。
 
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青葉はもちろんこちらに居る間は、浦和のマンション(まだ一戸建てへの移動前)に寝泊まりした。青葉がいる間の部屋割はこのようになる。
 
Room.1 千里・京平
Room.2 青葉と彪志
Room.3 桃香・早月・由美・緩菜
 
千里の長年の思い人(千里的見解では常に夫であった)細川貴司は11月4日に法律上の妻であった(三善)美映と離婚したと聞いていたので、もう同棲しているのだろうと思ったら
「ああ。貴司さんはまだ川口市のマンションにいるんだよ」
と桃香が言っている。
 
「なんで一緒に暮らさないの?こちらに居るのは緩菜ちゃんだけ?」
と訊くと
「部屋が足りないから」
という話である。また、貴司さんは現在まだ川口市の会社に勤めており、一応退職の方向ではあるが、在職中は川口市にいた方が通勤に便利である。
 
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(↑の部屋割りなら、貴司さんがRoom.1に入れば全然問題無い気がするので、桃香姉の話はさっぱりわからんと青葉は思った)
 

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結局、貴司さんも入れて暮らせる広い家を探すという話だった。
 
「しかし年に2度も引っ越すの大変だね」
「全く全く。住民票の移動も大変だぞ。ここは何世帯かが同居していることになってるから」
「確かに!」
 
千里姉は、貴司さんとの結婚を見据えて、川島から村山への復氏届を提出したので、戸籍上はこのマンションにはこのような6家族が同居していることになっている。
 
村山千里
川島由美(住民票の上では千里と一緒)
篠田京平
高園桃香・早月
細川緩菜(住民票の上ではまだ川口市)
鈴江彪志
 
むろん青葉はまた別の戸籍・住民票だが、取り敢えず青葉の住民票は高岡市にある。
 
また青葉は千里がとうとう1人に統合されたと聞いていたのに、明らかに複数の千里が行動しているようなので、その点もどうなってんだ?と思った。もっとも千里姉はそもそも7-8人居るのでは?という疑惑があったから、その中の2人か3人が統合されても、まだたくさん居るのかも知れない。
 
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(これは11/5に京平の介入で“連動”が途切れた後なので、千里は桃香やアクアへの影響を考えずに分離したり統合したりできるようになっていた)
 

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ラピスラズリとの取材は、中学生のラピスラズリが学校を終わってからになるので、日中青葉は松本花子の拠点・大田ラボに行ったり、同じ区内のあけぼのTV、信濃町の§§ミュージックに行ったり、新橋の◇◇テレビ・青山の★★レコードや新宿のTKRに行き、また水連からも「東京に来たら顔見せて」と言われていたので、本当に顔だけ出して来た。アクアや西湖とも会い、青葉が(一応)オーナーである千葉の花丘玉依姫神社にも顔を出した。
 
青葉は空いた時間に郷愁プール(車で1時間半)か深川アリーナ(渋滞に掛からなければ車で1時間)で泳ぐつもりだったが、全然泳げなかった!
 
「ちー姉、自宅にプールを設置する予定は?」
「場所さえあれば作ってもいいけどなあ。バスケットコートと」
「ああ、ちー姉、かなり作ってるよね」
 
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千里は「体育館建てたい病」にかかっているかのように、多数の体育管を建設している。
 
2012.09 常総ラボ
2012.10 市川ラボ
2014.08 花丘ラボ(花丘玉依姫神社地下シュート練習場)
2016.12 深川アリーナ
2017.07 千城台体育館
2017.10 姫路に地下バスケ練習場付きの家を建設
2018.12 小浜ラボ(ミューズタウン内)
2019.07 板橋ラボ(シュート練習場)
2019.12 津幡アリーナ
2020.04 仙台ラボ(クレール青葉通りビル内)
2020.08 織姫・牽牛ツインアリーナ
 
この他、体育館ではないが2019年6月に郷愁村に50mプールを建設している(50mプール以外の郷愁村アクアリゾートは若葉が建設したもの)。なお、2019年初に竣工した体育館“福島市ムーランパーク”は若葉が単独で建てたもので、千里は関わっていない。また小浜スーパーアリーナも若葉(ムーランリゾート)が建設したものである。
 
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11月9日から13日までラピスラズリとの取材をして、14日には、またホンダジェットで送ってもらって高岡に帰ることにするが、雨宮先生から連絡があり、羽鳥セシルと会っていくことにする。
 
青葉は9月に能登と旭川に雨宮先生が連れて撮影に来た羽鳥セシルと会い、その後でセシルに提供する曲を頼まれていたのだが、雨宮先生はその時のことをきれいさっぱり忘れていたようで、セシルも青葉も呆れた。酔うと記憶の無くなる人であるが、どうも酔ってなくても記憶が無くなることがあるようである。
 
「私の記憶装置は真空管メモリみたい」
と言っていたが、それ一体いつの時代の話だ!?
 
セシルはかなり疲れているようだった。千里姉の話では、アクアが1人になってしまったので、これまで2人で分担してしていた量の仕事ができなくなってしまった。それで、ケイとコスモスが話し合い、アクアのレギュラー以外の仕事をいったん全部外すことになった、
 
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それでその仕事を、ラピスラズリ・白鳥リズム・姫路スピカ・松梨詩恩・米本愛心などにも代わってもらったのだが、彼女たちは、元々みんな多忙だったので、あまり多くは代替できない。それで1月デビュー予定だったセシルはまだスケジュールが空白だったので、彼女にアクアMがこなしていた仕事の半分くらいを代わってもらったらしい。
 
青葉はセシルの手を握って、彼女の体内の疲労や不安を解消してあげた。それでセシルは元気を回復した。青葉はセシルのヒーリングを毎晩“オート”で掛けているヒーリングタスクに加えることにした。それで毎晩セシルは青葉にヒーリングしてもらえることになったのである。
 
なお青葉は前回セシルに会った時も彼女が完全な女性であることを認識していたので、今回のヒーリングで彼女に卵巣や子宮があるのを見ても何も驚かなかった。雨宮先生が彼女を“男の娘”だと言っているのはジョークだと思っている。
 
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(前回青葉がセシルと会ったのは9/12で、セシルが“仮名Mさん”に連れられて病院で性別検査を受けたのは8/20である。セシルが使用していたブレストフォームは“仮名Mさん”が男子寮の適当な部屋(誰の部屋かは知らない)に投入してきた)
 

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青葉は11月14日(土)に北陸に戻ると、その日の内に『作曲家アルバム』の長江ディレクターと打ち合わせながら、取材したビデオの大まかな編集をする。放送してよいか悩むような話題が結構出てくるので、青葉はケイに電話して確認しながら編集を進めた。
 
また『金沢ドイルの北陸霊界探訪』についても、12月ではなく11月の内に放送しようということになり、編集を進めていたので、その件では神谷内ディレクターから色々相談された。
 
青葉の次の大会参加は春から延期になっていた日本選手権(12/3-6)なので、それに向けて津幡のプライベートプールで泳ぐ。それ以外は11月16日以降、毎日午前中にニュースを読む仕事をした。先週一週間はお休みしていたので、その間は昨年度いっぱいで退職して、嘱託扱いになっていた元アナウンサーの人に代わってもらっていた。地方局はスタッフが少ないので、こういうのもわりとあるらしい。
 
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