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■春転(28)

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7月12日の夜、“舞音のヌード写真”のオリジナルを投稿した主が名乗り出て謝罪した。写真は知人の18歳の女性であることも明らかにした。実は彼女が元々舞音に似ていることから、本人の周辺では、あの写真本当はあんたの写真では?と追及されていて、更にその日“怒った舞音のファンたちに襲撃されて自分も彼女も槍で突き刺される夢”を見て震え上がり、どっちみちいづれはバレると思って名乗り出ることにしたものだという。
 
彼は全ては自分が悪いので、どうかモデルになった知人女性は責めないで欲しいと言った。警視庁は佐賀市に捜査官を派遣して佐賀県警内で任意に事情を聞いた上で、威力業務妨害の疑いで書類送検したが、最終的には舞音本人およびそのパブリシティ権を管理している§§音楽出版の意向もあり、起訴猶予になった。
 
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(そっくりさんの画像などを、タレント本人と誤認されるような形で無断使用した場合、タレントのパブリシティ権を侵害したとみなされる)
 
舞音とコスモスは彼らが警察に事情聴取された翌日には連名で声明を出し、ファンの人たちに冷静な行動を呼びかけた。
 
もし自分のファンがこの人たちに危害を加えるようなことがあったら、世間では舞音が煽ったみたいに言う人も出る。自分はもう怒っていないので、ファンの皆さんも、どうか彼らを許してやってほしい、と言ったのである。舞音はyoutubeにも動画を登録したし、テレビの情報番組にも出演してカメラの前で頭を下げてファンたちにお願いした。
 
これでファンの暴走はほぼ抑えることができた。
 
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「舞音ちゃんが許してやってと言ってるのならしょうがないよなあ」
 
なお、三雲教授が指摘した妊娠問題は、病院に行ってみたら、本当に妊娠していることが分かり、本人たちも驚いていた。あまり遠くない時期に婚姻届けを出すつもりだという話であった。
 
なお2人とも事件で騒がれたので各々佐賀市内の仕事場を辞めることになったものの“親切な人”が、福岡市内に新しいアパートを借りてあげて、男性の就職先まで世話してあげたので、2人は新しい生活を始めることができた。実は彼らの元の職場や住所はネットワーカーたちにより調べあげられ曝されていたので、彼らを保護するには引っ越させることが必須だった。
 

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某所で老人たち(?)が会話していた。
 
「コスモスちゃんってのは、とにかくマスコミ対策が素早いよね」
と丸花。
「昔、アクアの女子制服通学事件とかあった時も即日記者会見開いて騒動を沈静化させた」
と鈴木。
「同時期にキャロル前田も似た事件を起こしたけど、向こうは完璧にマスコミ対策を誤ったし、騒ぎが大きくなってから中途半端な記者会見開いたから、火に油を注ぐ結果となって、彼を一時引退に追い込んでしまった」
 
「こないだの淫乱同棲報道ではほとんどの人が報道を聞く前に潰してしまったし」
と兼岩。
 
「どこかのタクシー運転手が辞表を提出したらしいよ」
「ほほぉ」
 
(この老人達の情報網も凄すぎる)
 
「今回はヌードが舞音のものではないことを素早く立証し、犯人が捕まったら捕まったで、すぐにファンが暴走しないように手を打った」
と東堂。
 
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「世間じゃコスモスはただのお飾りとか、鈴木さんの操り人形と思ってる連中も多いけど、本当は恐らく今の業界で最高に敏腕かつ経営センスのある経営者だよ」
と兼岩。
 
「あの子が社長になってから会社の経営規模は300倍くらいになってるからなあ」
 
「たまたまアクアが当たっただけと思ってる連中もいるけど、コスモス以外の人にはアクアをあそこまで人気アイドルには育てられなかったよ。あの子の性別問題についても、絶妙な手綱裁きなんだ」
「並みの経営者なら、無理矢理普通の男性タレントの枠に填めようとするか、あるいは色物かお笑い要員だったろうな」
 
「コスモスちゃんが60歳くらいになったら、∞∞プロの次期社長に指名しようかな」
と鈴木。
 
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「あんた、それまで頑張るつもりなんだ?」
「まあ、僕はあと30年は社長の座に居座るつもりだから」
「憎まれっ子、世に憚るだな」
 
「だけど、あの犯人、実はコスモスちゃんの“影の軍団”が突き止めたんでしょ?」
「うん。僕もそう思った。それで心理的に追い込んで自首させた。あの子はCIA並みの諜報部隊を持ってるみたい」
「そうそう。だからコスモスちゃんを本当に怒らせたら恐いよ」
「うん。僕らだって地位を追われかねない。絶対に敵に回せない子だよ」
 

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千里は丸山アイに電話して御礼を言った。
 
「舞音ちゃんの件、ありがとね。あの犯人を捜すなんてのは他にできる人いなかったよ」
 
「まあ頭の体操だよ。写真の波動を感じ取った後で、いったん静止軌道上に浮遊して、心静かに耳を澄まし、同じ波動のある場所を探し出す。凄く深い超感覚が必要だけど、時々こういうのやっとかないと錆び付くしね。青葉ちゃんにもできると思うけど」
 
「そうかな」
 
「あの子、何の手がかりもない交通事故の加害者を見つけ出したことがある。今回のより難しかったと思う。まあ青葉ちゃんは今オリンピックで忙しいだろうしね。青葉ちゃん以外でも、千里ちゃんにもできる気がするけど」
 
「私みたいに霊感のかけらもない人には不可能だよ」
「いい加減その嘘やめなよ。アクアがボクは男の子ですと言うくらいに誰も信用しないから」
 
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舞音のヌード騒動が完全に解決した直後の7月14日、アクアの写真集 "Aqua im Mirror Labyrinth"(鏡迷宮のアクア)が発売された。
 
アクアの写真集ということで、物凄い数の予約が入っていたし「アクアがとうとうセミヌード公開か?」という噂まで流れていたこともあり、書店でもコンビニでも飛ぶように売れた。
 
“セミヌード”については、みんな大笑いした。
 
「まあ確かにこれもセミヌードかも知れない」
 
また写真集の帯にはこういうコメントが入っていた。
 
「アクア本人の主張によれば、アクアは女の子ではなく男の子だそうです」
 
実はアクアが桜井さんを納得させた後、桜井さんとコスモスとで、腹を割って再度話し合い、上記のようなメッセージが決められたのである。
 
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桜井さんは言った。
 
「コスモスちゃんさあ、確かにアクアが男の子であるのに、消費者が女の子の写真集だと思い込んで買ったら、景品不当表示かも知れない。でもさ、アクアが実は女の子であるのに、男の子と誤認させる表示をつけたら、それも不当表示になっちゃうよ」
 
「うーん・・・」
 
それで最終的には川崎ゆりこの提案で↑のようなメッセージになったのである。
 
これを見たアクアMは咳き込んだが、アクアFは大笑いしていた。
 
一般の人の意見↓
 
「アクアもしつこいね。いいかげん女であることを認めればいいのに」
「国民全員がアクアは女だって知ってるのに」
 

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一部のネットワーカーが、写真集の最後についている“男性セミヌード”と、写真集の3割ほどを占めている女性水着写真との“ボディパーツ比率”の検査をした。女性セミヌードのようなものは無い(人魚姫のコスプレはセミヌードに近いが下半身が写っていない)ので、比較が難しかったものの、この検査をしてみた人は全員
 
「この最後の男性セミヌードを曝している人物と、水着写真に写っている人物は同一人物としか考えられない」
 
という結論を出した。
 
「双子でもここまでピタリと同じにはならないはずなんだよね」
「特に男女の双子は遺伝子的には普通の兄妹だし、ホルモンの影響もあるからどんなに似てても絶対に差違が出る」
「鈴鹿美里とかほんとによく似てるけど数字比較すると結構違う」
 
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「一卵性双生児で小学生頃に片方性転換したとかは?」
「その場合はホルモン状態が変わるから体型も変わる」
「女性ホルモンを補っていたら?」
「だったら胸が膨らむ」
「あっそうか。意味無いや」
 
「だから男性体か女性体のどちらかがフェイクということになる」
 
「ボディラインは明らかに女のボディラインだよね」
「ということはやはり男性体が偽装なんだろうなあ」
「どうやってこのサイズのバストを隠しているのかは分からないけど」
 
なお最後のページの“セミヌード写真”について、股間を隠しているのが“猫”の絵であることにツッコミが入っていた。
 
「つまり Pussy だよね」
「要するにここには Pussy が存在しますという意味だったりして」
「なるほどー」
「やはり性別カムアウトだ」
 
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アクアの誕生日まであと37日。
 

アクアの写真集発売に合わせて、小浜のミューズ・ヒルに写真集の撮影に使用した鏡迷宮、そして地元の要望から作られたツイン・プール(マウンテンプール・ビレッジプール)がオープンした。
 
ただしコロナ流行下、どちらも事前予約が必要な定員制である。またプールは地元の人しか利用できない。これは都会からここに人が押し寄せて感染拡大が起きるのを防ぐためである。
 
また鏡迷宮本体のオープンと同時に、アバターが迷宮内を自由に走り回る“半リアル”ゲーム(鏡迷宮バーチャル入場)もオープンした。
 
普通のオンラインゲームだと、無制限で何人でもログインできるのだが、このゲームは、プレイヤーの操作に合わせて、自動でCMOSカメラ付きの小型ロボットが迷宮内を走り回るので、同時にログインできる人は300人に限定されている。
 
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制限時間内に童話のジオラマやお城などでもらえるポイントを集めて、高得点を得た人にはリアルの記念品(アクアのノベルティグッズや若狭の海産物など)が送られてくる。
 
むろん迷路の構造は毎日変更されるので、攻略本の“地図”などを頼りに迷路を歩き回るようなことはできない。実際攻略本もジオラマやお城の内部の写真などを紹介したものしか出なかった。
 

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CMOSカメラ付きのロボットは迷宮内の天井に張ってあるレールに沿って走り回る。他のロボットと遭遇した場合は、ジャンケンで負けた方がいったん脇道に退避してジャンケンに勝った方を先に行かせる。
 
ロボットは天井のレールを走り回るので、カメラで捉えた映像は天井から見たものであるが、画像処理(Photoshopの“レンズ補正”相当)で、迷路内を人間の背の高さで歩いている時に見える映像に補正される。結果的にリアル入場者の身体を通り抜けてしまう場合もある。
 
このゲームは一度に300人しか入れないということから、予約が必要となり、そのなかなか順番が回ってこないことが、また人気を呼んだ。
 
何よりも、リアルでは入域禁止になっている、塔の螺旋階段と糸車の部屋、またそもそも人間は物理的に通れない地下換気パイプ内(“ドラキュラ”や“おむすびころりん”の隠しジオラマがある)にもアバターでなら行けるのが人気だった。
 
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なおオープン記念と納涼を兼ねて、迷宮内には7-8月は“幽霊”が出没するというのも、子供や若いリアル入場者・バーチャル入場者に受けたようであった。
 
 
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