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(C)Eriko Kawaguchi 2019-01-05
12月31日には福島市でローズ+リリーの公演を行い、これにもアクアが鈴割り役で登場した。今日はプレゼント方針についてホームページにも掲載したし、会場の入口の所にも大きく掲示し、また警備員を増員したので、何とか混乱無く実施することができた。
福島公演の後、ケイとマリは福島市内で出演者と年納めをしてから、下記の連絡で明日の公演地である札幌に移動した。
福島21:56(新幹線)22:17仙台(泊)仙台空港1.01 7:45-9:00新千歳9:33-10:10札幌
アクアとコスモスは寝台列車で移動した(*3).
福島22:29(北斗星)11:15札幌
実は万一天候などで飛行機が飛びそうに無かった場合に備えて、マリ・ケイ移動用に北斗星のチケットも予備で押さえていたのである。他にもスタッフの一部をこの便で移動させることになっていた。それをコスモスとアクアが使用した。ふたりの分はマリとケイが使うかも知れなかったツインデラックスである。
(*3)リアルでは2014年12月28日から2015年1月4日の間は北斗星は運休していますがここでは運行していたことにしています。カシオペア・はまなすも年末年始は運休です。そのためリアルでは、福島公演が終わった後、札幌への移動手段は、航空券の予約を取っていなかった場合は、下記の連絡が唯一の方法でした。
福島17:17(やまびこ57)17:37仙台17:54(はやぶさ27)19:37新青森19:47(スーパー白鳥27)21:54函館(泊)1/1 6:22(スーパー北斗1)9:58札幌
結構な体力を消費する移動です。
加藤課長は航空券は団体券だから後で名義を変えられると言っていましたが、年末年始は航空会社は団体券を発行しません。充分席に余裕がある時なら名義を変えるためにキャンセル後再確保する手がありますが、こういう時期はキャンセルすると即空席待ちの人が先に取得してしまいます。そうなると、他人名義のまま乗せてしまうしかありませんが、23歳のコスモスはいいとして13歳のアクアを乗せるのは困難です。
なお、フェリーも年末年始は夜間の便が運休なので、青森に↑より遅い便で到着すると朝まで待つことになり、結局札幌のライブに間に合いません。ライブがあった後セットを解体してトラックで運ぶのでは、札幌の設営に間に合わないので、札幌のセットは福島とは別のものを使うしか無かったと思われます。
「広いお部屋ですね〜」
とアクアは言った。
「一緒の部屋だけど、私たち女の子同士だから構わないよね」
などとコスモスは言った。
「じゃボクも今夜は女の子でいいです」
「まあ龍ちゃんが本当は女の子だというのはこないだの山手線一周で確認したしね」
とコスモスが言うと、龍虎は恥ずかしそうに俯いた。
「どちらが上に寝る?」
「ボク、狭い所と高い所が好きだから上でもいいですか?」
「いいよ。可愛いにゃんこちゃん」
それで座席をベッドに転換した上でしばらくベッドに並んで座っておしゃべりしていたが、仙台を過ぎて少しして0時頃、寝ようかということになり、一緒にトイレ行ってきてから、龍虎は上段に上がり、コスモスが下に寝た。
疲れが溜まっているのか、すぐ眠ってしまったのだが、龍虎は夜中ふと目を覚ました。
え?何この感触?
「目が覚めちゃった?」
「コスモスさん!?」
コスモスが龍虎のベッドの中に居るのである。
「宏美でいいよ。寝る前に『今夜は女の子でいいです』と言ってたけど、あらためて確認したら、完全に女の子じゃん」
「えーっと・・・」
「おっぱいはこれマジでBカップある」
「少し膨らんでるかな」
「お股もこれ完全な女の子だ。割れ目ちゃんがあって、クリちゃん、女の子のおしっこ出る所、ヴァギナ、完璧にある」
と言って宏美は触っている!
「ちょっと事情が・・・」
「おちんちんが縮んでとか言ってたけど、おしっこの出る穴は別にあるもん。これはちんちんじゃなくてクリトリスだ」
「ちんちんがちょっと今行方不明で」
「行方不明なんだ?」
「探しているけど見つからなくて困っているんです」
「だったら、ちんちんが見つかるように、おまじないの歌を教えてあげるよ」
「そんなのあるんですか?」
それで宏美は歌い出した
「ちーんちーん、ちんちんちん、ちーんちーん、ちんちんちん、・・・・」
龍虎は呆気にとられて宏美の歌を聞いていた。
宏美さんって・・・・本当は歌が上手いということは!?
「あのチンポコよどこ行った? ほら一緒に歌って」
「はい」
それで龍虎は深夜の北斗星の中で、宏美と一緒に「ちーんちーん、ちんちんちん」と歌い「あのチンポコよどこ行った?」という所まで歌った。
「覚えた?」
「はい」
「じゃ、2番行ってみよう」
「え〜〜!?」
それで宏美は2番、3番、4番と歌って行く。この4番の歌詞が強烈だった。
「あの子と二人押入で、見せっこしたよ幼い日、チンチンつまんだあの子がね、私もほしいとつぶやいた」
宏美と一緒に歌ってから龍虎は言った。
「この4番、かなりやばくないですか?」
「そうそう。だからカラオケ屋さんとかに行くと、この4番の歌詞が表示されなくて、1番の歌詞が再度表示される」
「自主規制って奴ですか?」
「規制したくなる人の気持ちも分かるね。でもこの4番がいちばん強烈な、ちんちん探しのおまじないなんだよ。特に『私も欲しい』という所が大事。龍虎ちゃん、ちんちん欲しいんでしょ?」
「あ、はい」
「私もあるといいな」
「そうなんですか!?」
「さあ、もう一度歌おう」
「はい」
それで龍虎は30分くらい宏美とふたりで「オーチンチン」(里吉しげみ作詞・小林亜星作曲)を1番から4番まで何度も歌い続けたのであった。宏美は普段は音痴なのに、なぜかこの歌だけは凄くうまかった。龍虎は一緒に歌っている内に気分が昂揚してきた。
「見せっこしたと言っているから、私のも見せてあげるね」
「大丈夫です!」
「そうだね。だったら、彩佳ちゃんに見せてもらうといいね」
「あやかって・・・」
「お友だちの方の彩佳ちゃんね。私のを見るよりいいでしょ?」
「そうですね」
《あやか》という名前の人が複数いるので、ややこしいなと龍虎はこないだから思っていた。小学1年生以来の親友・南川彩佳、品川ありさの本名・佐藤絢香、そして先日一緒になったスリファーズの原田彩夏。
でもどうやって彩佳にあそこを見せてなんて言えばいいんだろう?
「これ毎日3回歌っていたら、ちんちんはきっと一週間以内に見つかるよ」
と宏美は言う。
「本当ですか?」
「じゃ彩佳ちゃんと見せっこしてね」
と言って、宏美はベッドを出ると下の段に降りていった。
この夜のことは、龍虎は現実だったのか夢だったのか判然としない。でも「オー・チンチン」という歌は、龍虎の愛唱歌(?)になった。
桃香は千里が帰った後、旅支度を調えてミラに乗り込み、関越→長岡JCT→北陸道というルートで走った。上信越道を通るとこの時期は一車線区間が渋滞しそうなので関越を選択した。休憩しながら走って高岡に辿り着いたのは12月31日のお昼頃である。
「あら1人だけ?」
「千里は就職の保証人の判子もらうのに北海道に行った」
「あら。就職決まったんだ!良かったね。こないだの巫女さんにお願いしたのが効いたのね」
と朋子は喜んでいたが、青葉はそれって迷惑だったのでは?という気がした。
千里や暢子たちが乗ったフリードスパイクは12/31の朝青森に到着し、10:00-13:40の津軽海峡フェリーに乗った。暢子がちゃんと予約をしていたから乗れたが、年末年始、津軽海峡を渡るフェリーは便が極端に減るので、順番待ちをしている車の数が物凄かった。函館に着いた後は、旭川まで5時間ほどで到達する。実際には雪子が留萌に行くので、深川ICで下道に降りて、彼女を深川駅で降ろし、その後、旭川駅で千里と橘花を降ろして最後は暢子ひとりで名寄まで走った。
千里は駅近くのファミレスで津気子・美輪子と落ち合った。
「こんばんは〜。これお土産」
と言って、2人にそれぞれお菓子とお酒を渡す。
「あんたプログラム苦手って言ってなかったっけ?」
と美輪子から訊かれた。
「うん。私が書いたプログラムが動いたことない」
「すぐクビになるのでは?」
「そうかもねー」
「だいたいあんた就職なんかする必要がない気がするけど」
「まあ浮き世の義理だよ」
それで身元保証書に2人の署名捺印をもらった。
「いつ帰るの?」
「友だちの車に同乗してきたんだよね。4日のお昼くらいに出発。それまでは札幌の玲羅のアパートに泊まる。玲羅が留萌に帰省している間に」
「なるほどねー」
それで「よいお年を」と言って別れ、千里はJRで森林公園駅まで行き、歩いて玲羅のアパートに入ったが、
絶句した。
「どうやったら、2ヶ月でここまで散らかせるんだ!?ってか私今夜、どうやって寝よう?」
札幌で新年を迎えたので1日のローズ+リリーの札幌公演には陣中見舞いに行った。マリには大量のお菓子を差し入れる。少し遅れてやってきたアクアとコスモスには
「お疲れ様〜」
と言って2人ともとハグしあった。
千里がソフト会社に就職が決まったと言ったら冬子が驚いていた。
「だって千里、プログラムは苦手とか言ってなかった?」
「うん。私が書いたプログラムが動いたことない」
「そんなんでいいわけ〜?」
と呆れていたら、ライブの照明システムの操作で同行している★★レコードの雪豊さんが
「最近はプログラムを組まないSEもいますよ」
と言った。雪豊さん自身、プログラムは苦手だが、照明をコントロールしているプログラムの調整は東京にいる技術者と電話しながらやっていると言う。
「プログラムだけが分かるスペシャリストよりも、システムを構築する段階では業務をきちんと把握出来るジェネラリストが求められるんですよ」
「そういうのはあるかも知れないですね。宇宙飛行士なんかもあれはスペシャリストよりジェネラリストの方が向いているというし。千里、囲碁も強かったよね」
「初段くらいかな。アクアも囲碁は強いよ」
「へー。それは見てみたい」
と、二段の免状を持つマリが言った。
それで突然楽屋で、千里vsアクアの囲碁対決が始まった。千里は初段の免状を持っている。アクアは免状は申請していないものの1級の認定証を持っている。
ちなみにいつの間にかアクアはキュロットを穿かされていた!マリからスカートを穿かされそうになったのをキュロットで勘弁してもらったらしい。むろんステージに出る時は、鈴割り用に用意した、王子様のような衣装に着替える。
「1段差だから置き石無しでいいよね。龍ちゃん先手でどうぞ」
「はい。ではコミ無しで」
「私たち、結構よく一緒に打ってたんだよ」
と千里が言う。
「10回以上やってますよね」
「うんうん」
「アクアは対戦する度に強くなってきている」
「へー。すごーい」
「でもここ半年くらい打ってなかったね」
「何か忙しくて」
盤上はかなり凄い戦いになっていた。マリが真剣に見ている。
最後はアクアが投了したものの
「これ最後まで打っても3目差だよ」
と千里が言い、マリも頷いていた。
「千里は三段、もしかしたら四段の実力がある。アクアちゃんも初段の免状が取れると思うよ。誰かプロに打ってもらって認定してもらうといい」
とマリは言っていた。
そういう訳でプログラムなんか組めない千里がソフトハウスの仕事をできるか?という問題はどこかに行ってしまった!
マリとケイは1日は札幌に泊まり、2日朝の飛行機で東京に戻った。コスモスとアクアは来る時と同様、飛行機が飛ばなかった時のためにマリ・ケイ用に確保していた1日夕方の北斗星(札幌17:12-1/2 9:38東京 *4)で帰京した。
(*4)例によって本当は運休しています。
1月2日のお昼頃東京に戻ったケイとマリは明治神宮に初詣した後、あちこち挨拶回りをして、最後に雨宮先生の所に行ったが、雨宮先生は千里が勝手に就職したと言ってご機嫌斜めであった。
「罰として毎月100曲書いてもらうからねと言ったら、いつの間にか10曲に減らされた」
などと言っていた。
夜8時頃、風花が冬子のカローラ・フィールダーを運転して迎えにきてくれた。更に海原重観と山根次郎も来たので、それを機に雨宮先生の家を出る。そして風花の運転で、いったん政子の実家に行った。これが夕方6時頃である。政子はここで1/3 0:30からの先日の番組の続き『これが性転換だ!』を見ると言っていた。政子を置いたまま、冬子は振袖を脱いで普段着に着替え、風花の運転で21時半頃、上島先生の自宅まで行った。奥の部屋で少し仮眠させてもらう。風花はここから電車で帰る。
23時頃、ワンティスの下川圭次と水上信次が来るので、冬子がフィールダーを運転して、上島・下川・水上を乗せて、中央道の初狩PAまで行った。
一方、雨宮先生は海原と山根が来た所で「少し寝る」と言って仮眠する。それで0時過ぎに雨宮先生のフェラーリFFを山根が運転して、雨宮・海原・三宅と4人でやはり初狩PAに向かった。
★★レコードの加藤課長は1月2日の夕方大宮駅で、新幹線で熊谷から出てきた田代夫妻、仙台から出てきた長野松枝と落ち合った。一緒に夕食を取ってから、駅屋上駐車場に駐めていた自分のブルーバード・シルフィに3人を乗せ、初狩PAに向かう。上尾(あげお)道路を北上し、桶川北本ICから圏央道に入り、中央道方面に走って行く。順調に行けば22時頃までには着くであろう。早く着きすぎかも知れないが老齢の松枝を乗せているので、早く行って休んでいた方がいいと加藤は思った。