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■娘たちのエンブリオ(24)

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政子(ローズ+リリーのマリ)は10月から自動車学校に通って普通免許取得を目指していたのだが、12月9日に自動車学校を卒業。11日に免許センターで運転免許(AT限定無し)を取得した。それで車を買いたいと言って日産のお店に行き、電気自動車のリーフを購入した。政子はついでにと言って最近エンジンの調子がおかしいと言っていた冬子のカローラ・フィールダーの後継の車としてエルグランドも買ってしまった。フィールダーは2010年春に中古で買ったものだが、5年弱で引退することになった。
 
しかしこのエルグランドを、冬子は自分の車なのに、どうしても運転することができない!?ことになってしまうのである。
 

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12月16日(火).
 
作曲家の本坂伸輔が急死した。正確には亡くなったのは15日の23時すぎくらいではないかということらしい。本坂さんは元々長風呂なのだが、0時半頃になって、あまりの長さに奥さんの里山美祢子が不安になり様子を見に行ったら、冷たくなっていたということであった。
 
冬子はΦωνοτον(XANFUSと改名予定)の製作に同席している時にそのことを知り、政子に喪服を持って来てもらって、織絵・美来と一緒に通夜の会場に向かった。
 
千里は新島さんのマンションで、雨宮先生・新島鈴世・鮎川ゆま・毛利五郎と5人で打合せをしていた時に情報を得て、新島さんから礼服を借りて“4人”一緒に通夜会場に向かった。毛利はいったん自宅に戻って礼服に着換えてから向かった。
 
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「毛利君、女物の喪服ならあるけど」
「俺がそんなの着て行ったら、とんでもないってんで、追い出されますよ」
 
と毛利は言っていたのだが、通夜会場には、もっととんでもない連中が来た。
 
真っ赤な服を着た、不酸卑惨というバンド5人組が読経の最中に乱入。本坂伸輔はニセ作曲家だなどと糾弾した上で、祭壇に向かって消火器を射出してめちゃくちゃにしたのである。制止しようとした進藤歩と★★レコードの南が殴られ、結局警備員に連れ出される騒動となった。その後の祭壇をちゃんと直すのが大変であった。これには冬子や織絵・美来、千里や鮎川・毛利など、出席者も協力した。
 

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2014年12月16日(火).
 
日本バスケットボール協会に資格停止処分が課されたことについて、FIBAのパトリック・バウマン事務総長が来日し、FIBAが直接事態収拾に乗り出すことになった。
 
バウマン氏は16-17日の両日、日本バスケットボール協会の幹部と精力的に打合せを行い、改革のための“タスクフォース”を立ち上げることを決定。12月18日にそのことをバウマン事務総長と日本バスケ協会のU副会長との共同記者会見で発表した。
 
ここから日本バスケット界は劇的な復活へと向かって進んでいくことになる。
 

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2014年12月20日(土).
 
龍虎はこの日ずっと仕事をしていたのだが、一応20時で仕事が終わった後、自宅には戻らず、電車で足立区の研修所に入った。明日早朝から仕事があるからである。なお駅から研修所までは歩いて5分くらいなのだが、必ずタクシーを使うように言われている。地元のタクシー会社と契約していて、研修所に住んでいる子はパスを渡されていていちいちお金を払わなくても乗れる。アクアもそのパスを渡されている。
 
ちなみにこの研修所は男子禁制なのだが、アクアは特別にここに泊まってもいいことになっており、ほぼ208号室を使用する。実は隣の207号室に柴田邦江(高崎ひろか)が住んでいる。
 
龍虎が入浴していたら邦江が入ってくる!慌てて龍虎は目を瞑ったが、
「別に見てもいいのに」
と彼女は言っていた。
「だけどつくづく、どう見ても女の子の裸にしか見えないなあ」
と言って、あそこに触る!ので
「触るのだけは勘弁」
と言って手でガードした。
 
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「じゃ、おっぱいの触りっこ」
「ちょっとぉ」
「いいじゃん。女の子同士なんだから」
 
この子、ひょっとしてレズっ気がないか?と龍虎は焦った。
 
(実際には普通の女子校のノリである。邦江は今女子中学に通っている)
 

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翌12月21日は朝御飯を食べてから都内の駅でコスモスと待ち合わせ、女性ファッション誌の出版社に行って取材を受けた。その後、新幹線と《はくたか》で富山に行く。そしてローズ+リリーの富山公演でまた《鈴割り》をした。
 
東京12:16-13:26越後湯沢13:34-15:31富山
 
この日の公演ではオープニングで青葉のサックスをフィーチャーした『こきりこロック』を演奏。また『苗場行進曲』では彼女が所属する高岡T高校合唱軽音部のメンバーが各々の担当楽器を持って行進するというパフォーマンスをした。
 
龍虎は青葉と個人的に話して、自分の身体のホルモンバランス調整を依頼したかったのだが、忙しそうで、うまくキャッチできなかった。やはり、こうちゃんさんに言われたように、ケイさんを経由して頼まないと無理かなあと思った。
 
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12月21日(日).
 
貴司たちのMM化学は今期大阪実業団リーグの最終戦を迎えた。相手は今年もAL電機である。例によって厳しい戦いになったが、最後は貴司が決めたゴールが決勝点となり、MM化学が勝った。これでMM化学は全勝で優勝。大阪実業団リーグを2連覇した。
 

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同日、12月21日(日).
 
東京の深川スポーツセンターでは、東京都クラブバスケットボール選手権の2回戦が行われた。女子はこれで8チームから4チームに絞られることになる。この日も40 minutesは快勝した。準決勝は23日に行われる。
 
なお千里は12月20日にスペインで試合をしている。これは日本時間では12/20 22:00-24:00くらいの時間帯だった。それでスペインでの試合が終わってから葛西でぐっすり朝まで寝た後、この日の試合に出た。
 

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貴司は21日の最終戦の後、チームのみんなと打ち上げをしてから、新幹線で東京方面に出てきた。22日(月)は有休を取っている。
 
新大阪20:00-22:33東京22:44-23:27小山
 
千里は小山駅の近くに車を駐めておき、貴司を迎える。車の中に入ったらまずディープキスをした。そして1時間ほど掛けて常総ラボに移動した。
 
「優勝おめでとう」
「そちらも2回戦突破おめでとう」
 
「今年は綿婚式だからと思ってこれを用意した」
と言って、貴司が綿の靴下30枚セットを出すと
「あ、私も同じもの買った」
と言って、千里も綿の靴下60枚セットを出した。
 
むろん貴司が用意したのはレディスサイズで、千里が用意したのはメンズサイズである。
 
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「枚数で負けた」
「貴司は私の倍、練習すればいいね」
「それだけど千里は手合わせする度にどんどん強くなって行っている」
「貴司の練習時間が足りないだけだと思うけど」
「千里だいたい何時間くらいしてるのさ?」
 
「そうだなあ。毎日30時間くらいかなあ」
「それ計算が合わないんだけど」
 

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この夜は遅いので夜食を食べてシャワーを浴びたらすぐ寝る。例によって5cm空けてベッドに並んで寝た。そして翌12/22 朝御飯を一緒に食べて一息付いてから2階の体育館に行き、午前中たっぷりと汗を流した。
 
それでお昼を食べて少し休憩していたら織絵から電話がある。
 
「ああ。マンション選びか」
 
先日織絵と光帆のマンション(所有権は&&エージェンシー)の荷物を冬子・和実と一緒に国立市のマンションに移動したのだが、その国立市のマンションも12月いっぱい(あと9日!)で出なければならないので、緊急に新しいマンションを確保する必要があるのである。今、冬子のマンションに来てその相談をしているらしい。
 
「OK。じゃ今からそちらに行くよ」
 
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ということで、貴司には
 
「悪いけど午後は1人で練習してて。買物とかはインプを使ってね」
 
と言って、自分は常総ラボに駐めているKawasaki ZZR-1400に乗って出かける。(貴司はインプの鍵を持っている)
 
なお千里が留守の間に、偶然を装って女装ビーツの林(りん:実はこうちゃん)さんに行ってもらい、貴司の練習相手を務めてもらった。
 

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千里自身は途中で《くうちゃん》に頼み、恵比寿に転送してもらう。それで冬子に電話して駐車場の扉を開けてもらい、バイクをマンション駐車場の冬子のフィールダーのそばに駐めてから32階まであがり、冬子の部屋に行く。
 
織絵と美来が来ている。織絵はいくつか引越先の候補を挙げていた。千里はそのリストを見たが「酷い」と思った。
 
「ここに住んだら5年以内に死ぬ」
「ここは欠陥工事でピサの斜塔みたいに傾く」
「ここは1年前まで住んでいた女性が赤ちゃんを5人産み殺している」
「ここは寺尾玲子さんが言うところの人間が住めない土地」
「ここは来年ガス爆発に巻き込まれる」
 
などとひとつずつ問題点を挙げていく。織絵たちは10個候補を挙げていたのだが、どれひとつとしてまともな物件が無かった。
 
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「占いで当てられる内容を超越している気がする」
「私は占い師というより巫女だから」
と千里は言う。
 
「運の良い人は運の良い転居をするし、運の悪い人は良くない引っ越しをするって昔の知り合いが言ってた」
と織絵が言う。
 
「それ占い師の間では常識。開運できる所に引っ越すから運気が開けるというより、運がいいから開運の場所に引っ越せる」
と千里は言う。
 
「ね、今の状態の私たちが選んでもダメみたいだから、冬選んでくれない?」
と織絵は言ったのだが
 
「だったら私が選んであげる」
と政子が言い出した。
 

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政子は最初に地図で羽田から15kmの円弧を描いた。
 
「羽田に到着してから15kmなら帰ろうという気になる。20km離れてたら辿り着く前にお腹空いちゃう」
などと政子らしい論理を展開する。
 
新横浜、武蔵新城駅、二子玉川駅、三軒茶屋、原宿、桜田門、東京駅、両国、などといった所がその15km程度の距離である。政子はその境界線を見ていて、ハッとするように言った。
 
「ここがいいよ」
と言って指さしたのは、錦糸町駅(16.6km)である。
 
「ここ駅の近くに、マクドナルド、ロッテリア、ファーストキッチン、フレッシュネス、松屋、吉野家とあるし。ケンタッキーが無いのが残念なんだけど、隣の亀戸まで行くとあるんだよ。焼肉屋さんとかしゃぶしゃぶ屋さんもあるし」
 
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「よく知ってるね!」
 
要するに食べ物屋さんで選んでいるのである!
 
政子はそれで近くのマンションを検索して、3LDK 4600万円、築1年・駅から6分という物件を見つけた。
 
「でもちょっと予算オーバーだけどなあ」
と美来。
 
「いや、この距離がたぶんマリちゃんが言うように羽田に深夜到着して帰る気になる限度という気がするよ。錦糸町は快速が停まるし」
と織絵が言う。
 
羽田からの最終連絡を調べてみると、0:07に羽田空港を出て0:52錦糸町着というのがある。
 
「ここいいかも」
「ねぇ、冬。どうせ3億借りてるし、あと少し借してくれない?」
 
「いいよ、貸すよ」
と冬子は苦笑して言った。
 

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それで5人(千里・美来・織絵・冬子・政子)で現地まで見に行った。不動産屋さんで尋ねると、これは中古物件ではなく、新築マンションの売れ残りらしい。
 
「空いているのは何階と何階でしたっけ?」
「4階と10階と12階と23階なんですが」
 
それで千里は「4階以外なら大丈夫だと思う」と言った。しかし10階の部屋に行くと玄関まで来たところで「あ、この玄関は凶方位にあります」と言い、中を見ずに12階に上がる。
 
ここはかなりいい感じであった。しかしスカイツリーを見上げる角度がきつい。千里が計測してみると31度あった。
 
「微妙ですね。30度以上の仰角があると形殺を受けるんですよ。でも12階で31度なら23階ならもっと緩いはずです」
 
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それで23階まで上がって仰角を確認すると27度であった。
 
「この部屋はOKですね」
「じゃ、ここを第一候補で」
 
と言って、部屋の中を見ていく。部屋の構造も問題無いようである。
 

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「でもここ多分少し高いですよね?」
 
「はい。4階が2900万円なのですが、10階が4600万円、12階は4700万円、23階は5400万円になっております」
 
「すみません。気のせいかその4階は異様に安い気がするのですが」
と冬子が言ったが、千里は
 
「他の階には影響が無いから心配要らないよ。せいぜい上下の3階・5階までだよ」
と言った。
 
「何があるの?」
「妖怪がたくさん集まっているだけ。霊道じゃないよ」
「なーんだ。それなら問題無いね」
 
千里はサービスで(?)その4階に集まっている妖怪を全部“処分”してしまった。それで帰りがけにマンションを見上げると4階の雰囲気がまるで変わっていた。
 
ここの23階の部屋は5400万円、税込みで5832万円だったのだが、みんなで頑張って値切ったところ、妖怪の処分もしてもらったしということで、税込み5200万円にしてくれた。代金は冬子が織絵たちに貸すことにして、代理で即振り込んだ。
 
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