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■春花(28)

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「But why are you wearing a princess dress?」
(でもなんでお姫様のドレスを着てるの?)
 
「He is playing both male knight and female lady in new photo book」
と言って、和泉は桜井さんに言って、仮編集した騎士姿のアクアとお姫様姿のアクアがヴュルフブルクのレジデンツ前で並んでいる写真を見せる」
 
「Oh! cool and cute! It's as if you were boy and girl twins」
(おぉ、格好いいし可愛い。まるで男女の双子みたい」
 
「AQUA's fan get anger, if we do not include AQUA's photo in girl's costume」
(女の子の服を着たアクアの写真を載せないとファンが怒るんですよ)
 
「I agree. I am not gay, but I think I can marry you with such a cute style」
(同感だね。僕はゲイじゃないけど、こんな可愛い格好した君となら結婚できそうだ)
 
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「He is often so told」
(よく言われます)
 
「By the way, You are not gay or transgender, are you?」
(ちなみゲイとかトランスジェンダーではないよね?)
 
「I am straight. I like girls」
(私はストレートですよ。私は女の子が好きです)
 
この発言にここに居た日本人スタッフのほとんどが『嘘つけ!』と思ったが、話が面倒になるので口には出さない。しかしクラインシュミットは
 
「I'm relieved to hear that」
(安心した)
 
などと言っている。
 

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この後、お姫様姿のアクアと騎士姿のミハエルが並び、大勢の観光客が写真を撮っていた。ドイツ人などの観光客の大半はアジアの有名女性歌手らしいと、きっと思っている。
 
向こうのスタッフとこちらの撮影班も写真を撮ったのだが、コスモスと向こうのマネージャーとのその場の話し合いで、この写真はお互い自由に使って良いことにして、念のため覚え書き(英語)に双方サインした。それでこれは写真集にも残ることになった。
 
この日は2つの城の周囲で日暮れ近くまで撮影を続け、フュッセンに引き返す。そして翌日はフュッセンで、その次の日は近くのミュンヘンで撮影し、フランクフルトに戻る。ここで多少の追加撮影をした後、数時間のフリータイム(実際にはアクアも葉月も疲れたようでホテルで寝ていた)を経て帰途に就いた。Fが飛行機に乗りたいというのでMのパスポートを持たせて飛行機に乗せた(Fのパスポートには出国記録が付いていないので入国できない)。国際線に乗るのは初めてなので、とても楽しんでいたようである。Mは転送である。
 
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龍虎は11月10日にドイツから帰国したのだが、11月20日(水)に“お引っ越し”をした。これまで3年間暮らした赤羽のマンションはあくまで“通学用”だったので、卒業したら別の場所に移りたいというのがあった。どこかの賃貸マンションにと思ったのだが、コスモス社長は
「お金はあるんだから、マンション1個買っちゃいなよ」
と言った。
 
最初は3月末に引っ越すつもりだったのだが、その時期は引越する人が多いので、引越業者さんも忙しい。それでオフシーズンの11月にやってしまうことにしたのである。通学は大変になるが、仕事が終わった後帰宅するのは楽になる(多分)。
 
それで龍虎は多忙なので申し訳無かったが千里にマンション選びを依頼し、千里は仕事に便利な場所として代々木駅(の出口)から歩いて(エントランスまで)5分のマンションを「買っといたよ」といって地図と鍵を渡した。
 
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「代金は?」
「6500万円だったから払っておいた。都合のいい時に返してくれればいいよ」
 
なんか「6500円だったから払っておいたよ」みたいな感じだなぁと龍虎は思った。マンションは“消防車の梯子が届く高さ”の10階で、3LDKである。「MFNが1部屋ずつ使えばいいよ」と千里は言った。
 
「あ、それもいいね」
 
現状はダブルベッドに3人で寝ているので、しばしば朝には毛布や布団の取り合いになっている。(むろん本来毛布も布団も3人分ちゃんとある)
 
引越の作業も千里さんに頼んだ。彩佳たちに声を掛けると“余計な整理”をされそうだし、こうちゃんさん(山村マネージャー)に頼むと、彼の趣味の部屋にされてしまいそうだ。千里さんは自分の“お友達”を使って荷物を移動してくれて、赤羽のマンションと似たような雰囲気になっていた。カーテンなども赤羽のものは全部再利用している。ベッドは「3人で1部屋ずつ使えばいいよ」と言っていた通り、各部屋にダブルベッドが1個ずつ置かれていた。赤羽で使用していたベッドはNの部屋に入れてあった。
 
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青葉たちの湯の丸高原での合宿は11月22日に終わったのだが、女子長距離陣6人と水野コーチは、青葉が作ったというプールを見に津幡までやってきた。青葉たちは水連の車で長野駅まで送ってもらったので、そこから新幹線で金沢駅まで行った。そこに千里と布恋が、オーリスと(青葉の)マーチ・ニスモで迎えに来たので2台に分乗してデファイユ津幡まで行った。
 
体育館の建設作業、アクアリゾートの基礎工事が進む中、青葉たちは奥の駐車場に車を駐め、管理人小屋に入って中まで降りて行く。小さな小屋から階段で地下に降りて行くので、金堂さんや竹下さんは不安そうな顔をしている。しかし小屋から階段を15段ほど降りた所に作られているエレベータでその地下へ降りて行くと「すごーい!ひろーい!」と声があがっていた。
 
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「わあい!専用プールだ!」
 
と嬉しそうに言って、水着に着替え、まさに“水を得た魚”のように泳ぐジャネを見て、青葉もここにプール作って良かったなぁ、と思った。他のメンバーも
 
「泳いでいいよね?」
と訊き
「自由にどうぞ」
と言うと、各自水着に着替えて泳いでいた。
 
湯の丸では2人で1レーンを共用していたが、ここでは6人に対して10レーンあるので1人1レーンを独占できる。それで全員思いっきり泳ぐことができた。
 

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1時間ほど泳いだ所で休憩する。採暖室に集まって布恋が用意してくれた飲み物なども飲みながら少し話す。
 
「ところでここ更衣室が男女に分かれてないね」
「プール自体が女性専用かも」
「ああ、それもいいなあ」
「男子の場合は、女性の前で裸になっても問題無い人ならOKということで」
「それはかなり難易度が高い」
 
「でもここで合宿の続きをやろうよ」
と南野さんが言う。
 
「ここ、何時から何時まで使えるの?」
と水野コーチが尋ねる。
 
「プライベートプールですから使い放題です。24時間365日OKですよ」
と青葉。
「今管理人が5人いるんですよ。交替で誰かがついてますから、いつでも自由にどうぞ」
と布恋。
 
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「本当はその倍置いてどの時間帯でも最低2人いるようにしたいんですが、まだ作ったばかりなので人数が揃わなくて。現状では管理人さんがトイレとかに行っている時は監視者不在になっちゃうんですよ」
と青葉は説明する。
 
「それはこのメンツなら大丈夫だと思うよ。溺れる人がいるとは思えないし」
と水野コーチは言う。
 
「ここの運営費は?」
「青葉のポケットマネーで」
とジャネ。
 
「まあ自分が泳ぐためのプールですから」
と青葉。
「このメンツには公開していいよね?」
「いいですよ。もっとも熊谷の方が便利な人も多いと思いますが」
 
「熊谷にも何かあるの?」
「青葉のお姉さんが作った50mプールがあるんですよ。あちらは観客が5000人入るけど、利用登録しているのは現在8人くらいかな」
とジャネ。
 
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「私、ジャネさん、筒石さん、千里姉、千里姉のお友だちの佐藤さん・若生さん、ムーラン社長の山吹さん、それにアクアちゃんで8人かな」
 
と青葉は言いながら、千里姉とアクアを各々3人で数えたら12人だよなと思った。
 
「アクアちゃんって?」
「アイドルのアクアですよ」
「あの子が泳ぎに来るの?」
「一般のプールではファンが騒いでまともに泳げないので、特別にパスを発行したそうです」
「確かにまともに泳げないだろうね!」
 

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そういう訳で、女子長距離陣は、しばらくこの津幡で自主的な合宿を続けることになったのであった。
 
なお、当面の宿舎として、播磨工務店の社員が住むことになっていたユニットハウスのアパートを使用することにし、播磨工務店の男性メンバーはムーラン建設の社員用に建てたアパートにまだ余裕があるので、そちらに移動した。
 
(つまりこちらのアパートは合宿メンバーと播磨工務店の女子メンツが利用する)
 
食事に関しては建設作業員用に津幡町内の仕出し屋さんや大規模商業施設からデリバリーをしてもらうことになっていたので、それを暫定プールの方にも持って来てもらうことにした。
 
また青葉から連絡を受けた若葉は、合宿メンバーのためにトレーラーレストランの予備を1個急遽ここに持って来てくれて、“ムーラン津幡店”プレオープンと称した。この店舗は暫定的に女性専用として、建築作業をしている人の中の女性の職人さん・作業員さんと、合宿メンバーのみが使用する。
 
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ここではムーランで提供する食事以外にも、持ち込んだ物も食べていいことにして、実質、デリバリーされたものを食べるランチルームとして使用できるようにした。接続用の配管は播磨工務店の人たちが半日で作ってくれた。
 

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メンバーの中で、青葉は大学の卒論をまとめなければならないので、昼間は大学に行き、主として夜間にここで泳いだ。ジャネは実家から毎日ここに通ってきて朝7時頃から夜10時頃まで泳ぎ、また実家に帰っていった。竹下リルは日中は高校に行き、夕方から泳ぐパターンで青葉と似ている。そして南野・永井・金堂は“宿舎”に住み込んで、好きな時間に泳ぎに来た。南野・永井は青葉と同様に卒業論文を書きながらになったようである。K大の図書館は部外者でも閲覧だけはできるので、そちらもだいぶ使っていた(「うちの図書館より凄い」と言っていた)金堂はあまり長くは学校を休めないので1週間だけ参加してから仙台に戻るということだった。水野コーチも一週間滞在した後、金堂と一緒に東京に戻ることにした。
 
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ちなみにジャネは実家に戻ったら
「あんた筒石さんと離婚したの?」
と言われたらしい。
 
ずっと東京尾久のマンションあるいは熊谷の郷愁村に居て、どちらでも筒石と同居していたので、お母さんとしては実質結婚したのだろうと思っていたようだ。
 
「そもそも結婚してないんだけど。だけど私と君康の関係は何も変わってないよ」
とジャネは答えた。
「だったらその内結婚するの?」
「日本代表から落ちたら考えてもいい。ちなみに私はバージンだよ」
 
(実を言うと筒石と日常的にセックスしているのは“幽霊”のマラであり、“生身”のマソは一度もセックスしていない。キスくらいされるのは許容しているので、嫌いではないのだが、マソは恋愛より水泳という人である)
 
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ジャネの母は暫く考えていた。
「筒石さん、ホモってことは?」
「あいつはバイっぽいよ。でも部屋には女の子のヌード写真しかないね。男の子のヌード写真とかは見たことない。まあ隠しているのかも知れないけど」
 
「ちなみにあんた男になってないよね?」
「ちんちんは泳ぐ時邪魔になりそうだから、要らないや」
 

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K大の希美と夏鈴も「使わせてもらえたりしませんよね?」と言ってきたので「いいよいいよ」と言っておいた。ここは夜間でも利用できるというのが魅力的なようである。秋から春に掛けてはK大の学内プールも閉鎖されてしまうので、練習場所に困っていたのである。この2人は青葉たちと入れ替わりになった湯の丸での“ナショナル合宿”を終えた後、12月中旬からの参加になった。
 
(日本の水泳では他の競技とは違い“ナショナルチーム”は代表予備軍を意味する。代表は“インターナショナルチーム”である。希美と夏鈴はずっとこのナショナルチームに招集されている)
 
ジャネも“妹分”(娘かも?)の月見里公子・夢子の姉妹を勧誘しその2人も使うことになった。この2人には混んでいる場合は2人で1レーンにしてくれと言っておいたが、実際には1人1レーンを独占可能だったようである。
 
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