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■春花(19)

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その電話は10月4日(金)に掛かってきた。津幡町長なのでびっくりする。
 
「あそこのスポーツ施設の名前ですが」
「はい?」
「倶利伽羅(くりから)スポーツパークとかはどうでしょう?」
「倶利伽羅ですか!?」
 
青葉は思わぬことを言われて焦った。
 
「一応エグゼルシス・デ・ファイユ津幡と命名しようと思っているんですが」
「それは正式名称ですよね?正式名称の他に通称もあっていいと思うんですよ」
「まあ確かにそれはそうですが」
 
偶然近くに居た幸花が言った。
 
「横から申し訳ありませんが、倶利伽羅峠なら、むしろ津幡町の運動公園が近いと思うのですが」
 
「ああ!確かにそうかも知れませんね。だったら火牛(かぎゅう)スポーツパークでもいいですよ」
 
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「そうですね。一応検討してみます」
と青葉は気の進まない返事をした。
 

 
「ところで頂いた書類を見ていたのですが、ゴルフ練習場、バッティングセンター、テニスコートは作られないんですね」
と町長は言う。
 
「ええ。特に必要を感じなかったので」
と言いつつ、今回は女性のグループが主導しているから、ゴルフやバッティングは外したのかもね、という気がした。
 
「まあゴルフやバッティングについては昔からするとブームも下火かも知れませんが、実はテニスコートについては、結構期待していた人も多くてですね」
 
「そうなんですか?」
 
幸花が疑問を呈した。
 
「津幡町さんって、既にテニスコートを確か2つ持ってましたよね?総合体育館の所と、運動公園と。特に運動公園のは全天候型だったと思うのですが」
 
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「それがひとつは運動公園は町の南部にあるので、町の北部にもそういう施設があると助かるというのがありまして」
 
「なるほど」
 
「それに全天候型というのは、多少雨が降ってもできるという意味で、雪が積もっていたり凍結していたら使えませんし、豪雨でも選手の健康に問題が生じまして」
 
「ああ、全天候型って屋根がある訳ではないんですね?」
と青葉は“用語”の問題で確認した。
 
「そうなんですよ。全天候型といっても屋外でして。それに北陸は冬季はほとんど晴れるということがなくて、11月頃から3月頃まで、ずっと雨か雪なんですよ」
と町長は言う。
 
「確かにそうですね」
 
この冬の多湿な気候が、加賀友禅を生んだのである。
 
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青葉も東北から北陸に引っ越してた当初、冬季は朝のジョギングに出られない日が増えた感じがあった(正確には出られる日がほとんど無かった!)。岩手なら雪の降る中を雪を踏みしめて走れたのだが、北陸では地面の雪がシャーベットになってしまい、その上を走るのが困難なのである。雪も東北のような粉雪ではなく水分が多いボタ雪なので身体が濡れてしまう。
 
「それで屋根のあるテニスコートというのは、ありがたいと期待する声が当時結構ありまして。能登町さんが屋内テニスコートを持っていて、冬季の小中学生の練習にとても役立っているんですよね。うちにもそれができると助かるという意見がテニス関係者から多く出ていたんですよ」
 
「能登町にありますか?」
「一度見に行かれたりしません?」
「ちょっと行ってきます」
 
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千里1のお遍路は続いていた。
 
10月7日は松山市内のお寺を回る。松山の市街地は大寶寺・岩屋寺から北北西方面にあるのだが、46番から51番までもだいたい南南東から北北西へと並んでいる。
 
宿を8時前に出てから
(46番から)1.0km(10分)歩いて47八坂寺(8:00)
4.4km(35分)歩いて48西林寺(9:15)
3.2km(30分)歩いて49浄土寺(10:25)
1.7km(17分)歩いて50繁多寺(11:20)
2.7km(30分)歩いて51石手寺(12:20)
 
読み方は、やさかじ、さいりんじ、じょうどじ、はんたじ、いしてじ。
 
石手寺は衛門三郎再来の寺である。伊予国の有力豪族である河野氏の息子が生まれた時にこのお寺で祈祷を受けたら、いつの間にか衛門三郎再来と書かれた石を手に持っていたということで、きっとこの子は衛門三郎の生まれ変わりなのだろうとされた。以来石手寺は河野氏の庇護を受けて栄えたという。
 
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この石手寺から1.2kmほどの所に道後温泉本館がある。
 
せっかく四国に来ているので寄っていくことにしていた。それで今日のお遍路はここまでである。現在道後温泉本館には宿泊できないし、休憩室自体が工事中のため閉鎖されているので、近くの旅館に投宿してから、道後温泉本館に行って、ゆっくりと湯に浸かった。
 
10月7日の行程14.2km(道後温泉までを含む)
 

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この日は石手寺を終えたのが13時頃で、旅館に入って荷物を置き、まずは一息つく。雨が降っていたのでお遍路衣装を脱ぎ、普段着で傘を差して道後温泉本館に行ったのは16時頃だった。
 
道後温泉本館には神の湯・霊(たま)の湯・又新殿(ゆうしんでん)などがある(但し又新殿は皇室専用でふだんなら見学だけ可能)のだが、現在工事中で、神の湯だけの営業になっている。
 
半分での営業なので混んでいるかな?とも思ったのだが、平日でもあり、ピーク時間帯(観光客が多いので、ここはお昼前後がいちばん混む)を過ぎたようで客が少ない。北側の玄関から入って料金420円(増税で上がった模様)右手、女湯の脱衣場に入る。人が少ない。服を脱いで浴室に入る。
 
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浴室も人が少ない。髪を洗い、身体を洗うと、毎日汗をたくさん掻いているだけにとても気持ちいい。それで浴槽に入る。
 
ここは実は昔の道後温泉本館の男湯だった所と女湯だった所をひとつにまとめて広い浴室にしたらしい。男湯の方は新しい浴室が2つ(東浴室・西浴室)作られている。現在の工事が終わると、女湯も2個になるらしい。
 
湯船に浸かりながら、女湯のシンボルでもある、大国主命・少彦名命の像(湯釜の上にある−男湯の方にはこれが無いらしい)を見ながら身体のあちこちを自分でマッサージしていた時、ふとその“女性”に気付いた。
 
年齢は20歳前後だろうか。視線が微妙に不自然である。何だろう?と思ったが、瞬間的に気付いた。
 
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なるほどー。
 
千里が“彼女”のそばに寄る。ギクッとしている雰囲気が可愛い。
 
「大丈夫だよ。ちゃんと分かっているから」
と千里は笑顔で“彼女”に言って、手を握ってあげた。ホッとする表情。手がまだ“男になりきっていない”。たぶん色々な手法で睾丸の活動を抑え込んでいるんだろうなという気がした。
 
「私も元は男の子だったんだよ」
「嘘!?」
「もう手術も終わってから10年近くたつかな」
「すごーい」
 
“彼女”はセーラと名乗った。漢字では“星良”らしい。
 
「こういう所入るのは初めて?」
「2度目です。前はもっと田舎の温泉だったんで全然問題無かったんだけど。今日は入った時は人が少なかったのに、その後大勢入ってきて、あがるにあがれなくなっちゃって。いきなり大きな所に挑戦しすぎたかなと少し後悔してます」
 
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千里は考えた。
「まさか、朝からずっと入っているということは?」
「実は」
「のぼせちゃうよ!」
 
「何度か勇気を出してあがって、水を浴びて少し温泉の湯も飲みました」
「そうしないと倒れちゃうね。お腹空いてない?」
「空いてるけど何とか」
「私と少しおしゃべりしてから、一緒にあがらない?」
「はい、助かります」
 
それで“彼女”としばらく話した。言葉が九州っぽいなと思ったが、福岡県の前原(まえばる)の出身で、現在大阪の大学に通っているということだった。
 
「大学にはスカートとか穿いて行ったりする?」
「なかなか勇気が出なくて。夕方になるとけっこうスカートで大阪の町を歩いているんですけど」
「夕方以降の女性のひとり歩きは時には危険だったりするよ。日曜日の昼間とかに出歩いてごらんよ」
「そうですね」
「堀江あたりなら歩いていても目立たないよ」
「そうかも」
 
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「こちらへは観光?」
「はい。高校の時に英語部で、坊ちゃんをやったんですよ。それで一度見てみたいなあと思っていて。でも工事中とは知りませんでした」
「うん。私も知らなかった。ちなみに、坊ちゃんでは何の役をしたの?」
「え、えっと。荻野のお婆ちゃんとキヨの2役で」
「へー!!」
 
結局30分くらいおしゃべりしてからあがった。星良がタックをして入浴したものの外れてしまったというので、よく聞いてみると透明荷造り用テープを使用したテープタックだったらしい。接着剤タックはしたことがないというので、コンビニで必要なものを買った上で、彼女が泊まっているホテルに一緒に行き、千里がしてあげたら
 
「凄い!きれーい!」
 
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と感動していた。
 
「千里さんが元男の子だったというの、嘘じゃなかろうかと思っていたんですけど、これ見てやっと信じる気になりました」
などとも言っていた。
 
「まあ女の子はタックする必要ないからね。折りたたむようなものが付いてないし」
 
「もう一度温泉行ってこようかなあ」
「付いていってあげようか」
「ぜひ!」
 
それで一緒に夕食を取った後、ふたりでもう一度道後温泉本館に行き、再度一緒に女湯に入った。彼女も3度目になるので、だいぶ度胸がついたようである。彼女はバストは無いものの、雰囲気が女の子なので、あまり不審がられないだろうと思った。
 
接着剤タックは凄く感動したので、しばらくこのままにしておきますと言っていた。千里は外す時は、剥がし剤よりエナメルリムーバーの方が肌に優しいよとアドバイスしておいた。
 
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青葉は町のスポーツ振興課の課長さんで、芳永さんという人に案内してもらい、能登町の施設を見学に行ってくることにした。青葉はテニスがよく分からないので、小学生の時にしていたという幸花に付いてきてもらった。〒〒テレビの森下カメラマンにも付いてきてもらい様子を撮影しておく。
 
アルプラザ津幡で待ち合わせて、芳永さんが運転するプリウスに乗り、のと里山海道・珠洲道路を1時間半ほど走り、能登町の室内コート“ウェーブのと”を見に行った。屋外のテニスコートも16面取られているのだが、隣接して屋内コートが4面取られている。青葉が行った時は、小雨が降っていたのもあり、屋外コートには人がおらず、室内で小学生たちが練習していた。
 
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「なるほどぉ。こういうものがあれば便利でしょうね」
 
使用料金表を見ると、学生110円・一般220円、高校生以下の部活は無料!である。能登町がテニスに力を入れているというのは聞いていたが(ここではソフトテニスの世界大会も行われるらしい)、こういうバックアップ態勢があったわけだ。芳永さんによると津幡町のテニスコートも個人利用の料金は同じだが団体利用の場合は原則500円らしい(減免制度はある)。
 
見学した後で、近くのショッピングモール“アルプ”の軽食コーナーで休憩した。
 
「でも個人的にはあの手のカーペットコートはあまり好きではないです」
 
と芳永さんは言った。彼は高校・大学でテニスをしていて、高校時代はインターハイにも出たことがあるらしい。
 
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「実はそのあたりのコートの種類というのがよく分からないのですが」
と青葉は言う。
 
「私もだいぶ忘れたけどテニスシューズを3つ使ってましたよ」
と幸花が言う。
 
「3つというのなら、ハードコート用・クレイ&オムニ・カーペット用かな?」
「記憶が曖昧なんですけど、オムニという名前は記憶があります。あと1つは室内用でした」
 
「室内用がたぶんカーペット用でしょうね」
 

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