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(C) Eriko Kawaguchi 2022-08-12
午前中の練習は密度が濃いのでエアコンは入っていてもみんなたくさん汗を掻く。夏なので水分補給もしているが、お昼前にみんなシャワーを浴びる、そして例によって!清香が裸で出歩く!
柔良が居ないので、沙苗を捕まえて
「私のおっぱいの動きをチェックして」
と言って裸で素振りしていた。
沙苗はきゃー!とは思ったものの、頑張って羞恥心は忘れて
「今のは良かった」
「今のはぶれてた」
などとやっていた。公世の姉・弓枝は
「面白いチェックしてるね〜」
と言って、自分も見学して意見を言っていたが、公世は目のやり場に困っていた。
「きみよちゃん、これ付けるといい」
と言って、千里がアイマスクを渡したので、
「借りる」
と言ってそれを付けて見えないようにし、自分は道場の隅で横になって身体を休めていた。すーちゃんがキュア・ブラックのタオルケットを掛けてあげたらなぜか?恥ずかしがっていた。
お昼を食べて休憩した後、午後からは、ちょうど夏休みで帰省していた道田大海(大学4年・四段)に来てもらって練習を見てもらう。道田さんは清香を見て
「なんか強い子がいる。君、転校生?」
と訊く。
「この子はR中の子なんですよ」
「R中か!」
と残念がっていた。
でも千里と清香は、道田さんから
「君たちはほんとに凄いねぇ」
と言われながらも、けっこう細かいアドバイスをもらうので参考になった。
道田さんは公世にも
「君はまだ千里ちゃんたちには及ばないけど、足腰を鍛えるといい所まで行くよ」
などと言っていた。
(公世が男の子だとは夢にも思っていない)
「じゃ午後にも山道を走ろうかなあ」
「それは危険」
「じゃ朝海岸でも走ろうかな」
などと言っていたのだが、結局翌日からは全員海岸に集まり!海岸を5kmジョギングしてから、車で練習場に移動することにした。善枝の運転するカローラに加えて、公世のお母さんが運転するサニーでも運んでもらえることになった。なお、沙苗の家のビスタは(よほど上手い人が運転しない限り)進入路を通れない。左右どちらかの樹木にぶつかる。
そして公世は朝、他の子より30分くらい前に集合場所の5km手前に来て結果的に5km余分に走っておくことにした。公世のお姉さんが自転車で伴走してくれる。また夕方も善枝に車で送ってもらい、海岸を10km走るようにした。つまり朝夕10kmずつ走ることになる(走ったあと帰ってきて、整理運動とマッサージをする)。
そういう訳で2日目からは危険な山道ジョギングは無くなったのである。
その日も公世が自分の部屋で夏休みの宿題をしていたら(*21)、ノックもせずに弓枝が部屋に入ってきた(*22).
(*21) 毎日ハードな練習をしているのに勉強もしている公世は偉い。千里や沙苗はなーんにも勉強していない。むろん清香も何も勉強していない。
(*22) 弓枝はいつでも勝手に声も掛けずに公世の部屋に入ってくるので、公世は落ち着いてオナニーもできない。ただし弓枝は大樹の部屋には勝手に入らない!(大樹の部屋には公世も入らない。入るのは父くらい)
そして弓枝は公世に
「これあげるね」
と言って自分の中学時代のセーラー服とスカートが掛かったハンガーを鴨居に掛け、また夏服セーラー服、普通のブラウス、リボンも渡した。
「こんなのもらっても困るんだけど」
「大樹(小6の弟)は身体が大きくて入らないだろうし、あんたが着ればいいよ」
「ぼくも着ないよー。リボンの結び方も分からないし」
と言ったら
「それはいけない。練習しよう」
と言って、セーラー服の取り敢えず上半身だけ着せられた上で!リボンの結び方を練習させられた!
(公世は身長が165cmで、2年前の弓枝の身長とほぼ同じであり、弓枝が中学時代に着ていた服が入る)
しかもそれをやっている最中に母が勝手に入ってきて(なぜうちの女共はノックもせずに部屋に入ってくる?)
「あら可愛いわね。2学期からそれで学校に行くの?」
と言った。
早川ラボでの集中練習会では、道田さんの他に、4日目にはR中のOGで、道田さんと同期の小松さん(四段)も来てくれたが
「凄い濃厚な練習をしてるね!」
と驚いていた。
「短期間集中型だからできるんだと思いますけどね」
「まあこれを日常的にやってたら死ぬな」
小松さんと道田さんも4年ぶりとかで対戦していたが、お互いに
「強くなってる〜」
と称え合っていた。結局、小松さんもその後、毎日指導してくれた。
昼食やおやつについては、すーちゃん・てんちゃんが作ってくれる。買い出しは車が使える善枝がやってくれた。
道着の洗濯については、各自着替えたら洗濯機に放り込んでもらい、溜まったら洗濯機を回すが、バルコニー(*23)に干すのは主として弓枝さんがしてくれた。
練習会参加メンバーの中で、参加者全員の下着を平気で扱えるのは実は弓枝さんだけなのである!他の女子には公世の下着を扱わせたくない。公世には女子の下着を扱わせたくない。でも弓枝は、公世は弟だし、他のメンツは同性だから全く問題無い。
「きみよも女の子下着を着けてればそういう面倒な問題は起きないのに」
「お姉さんもそう思われますか?やはり公世は恥ずかしがらずに女の子下着を着けるべきですよね」
ということで、姉からまで「きみよ」と呼ばれている。なお、ここで洗濯しないと持ち帰ってからの洗濯では翌朝までに乾かない。
(*23) ここの倉庫?の天井は約7mであるが、体育館とかによくあるように高さ4mの所の内側に幅1m弱のバルコニーが設置されている(階段は北側)。これは上方の窓のメンテが主たる目的であるが、洗濯物を干すのにも都合が良い。せいちゃん・げんちゃんに頼んで物干しロープを張ってもらった。
しかし着替える時に、他の子はシャワールームの中で着替えるのに、みんなの前で平気で素っ裸になってから新しい道着を着ける子が若干1名居るので、公世が慌てて目をそらすシーンが多々あった。でも集中練習会の終わりのほうになるとかなり慣れた(不感症になった!)ようである。
今回の集中練習会には食費相当として1人1日500円お願いしているのだが、全く足りないので不足分は千里が出している。もっとも沙苗や公世が野菜とか魚を結構差し入れてくれた。
5日目(8/6)の夕方、外塀に何かがぶつかったような音がしたので、みんなにじっとしているように言って、千里とすーちゃんの2人で見に行く(すーちゃんはある程度戦闘力があるが、てんちゃんはあまり戦闘向きではない)。
すると、エゾシカ(推定100kg)が激突して半死の状態で暴れていた。外塀は電流を流しているので感電したのかも知れない。それで苦しまないようにトドメを刺し、こうちゃんを呼んで血抜きをする。
それで翌日(8/7)のお昼はまた焼肉パーティーとなり、練習メンバーも美味しそうに食べていた。この日は一部は残して以降のおやつの食材とした!
「しかヒグマが出たり、エゾシカが出たり、ワイルドな場所だね」
と公世。
「だからタマラたちはこの家使わなくなったんたと思う」
と沙苗。
「山道のジョギングはやめて正解だったかも」
と弓枝。
「メンバー半分くらいヒグマに食べられてたかもね」
と清香。
この外塀って、鹿熊防護壁ではなく、鹿熊捕獲壁だったりして?などと千里は思ったが、実際ここは以降、眷属たちの良き餌場と化したようであった。毎月1頭は鹿や熊が掛かるので、結果的に千里にとって“眷属たちの食費”問題が解決することになる!
千里たちは翌年までここを休み期間中の剣道練習場として使用した。
千里たちが旭川に移動した2006年以降、ここは“留萌H新鮮産業”(H新鮮産業と“天野産業”の合弁会社)がここを早川平太(タマラの父)から買取り、林業とキノコの生産基地となることになる。さすがに千里が居ないと恐くて道場としては使えない。後輩たちの道場は後述の“天野道場”のほうになる。
ここはずっと後の、朱雀林業・留萌支店(2020以降)である。
すーちゃんは2006年春まで、留萌に滞在する時はここを住居とし(すーちゃん・てんちゃんの居室を造り込んだ)、千里たちが使う時はその管理者ともなったが、20年後にここが自分の名前を冠した会社の拠点になるとは思いもよらなかった。
その8月7日の鹿肉パーティーの時に、その話が出たのである。
「コート男?」
「古いタイプの痴漢だな」
「どこに出るの?」
「中道橋だって」
「古い橋だなあ」
「10年くらい前から架け替えの話は出てるけど、予算が付かないみたい。今取り敢えず四輪車は通行禁止になってるから、歩行者・自転車・バイクしか通らないんだけどね」
「やはり女の子が通るとコートの前をはだけるの?」
「そうみたい。目撃者によるとどうも2パターンあって、どちらもすれ違い際にいきなり見せるらしい。ひとつがコート型で、夏なのにコート着てて変な人だなあと思ってると、3mくらいの距離まで近づいた時に、いきなりコートの前をはだけるパターン。もうひとつは男なのにセーラー服着てるんで、何この人?と思ったらいきなり自分のスカートをめくって、おいなりさんを見せるんだって」
(「おいなりさん」と聞いて、女子たちの護衛のために呼んでいる源次(一応姿を消している)が「ん?」という顔をしていた)
「おいなりさんなの?フランクフルトじゃなくて」
「まあどちらもあるんじゃない?」
「フランクフルトじゃなくてポークビッツだったりして」
という声があった時、千里は“どこかで”微細な反応があったのを見逃さなかった。
「ああ、見せたがる奴に限って小さいんだよな」
と清香が言っているので、自分が風呂上がりにおっぱい出したまま歩き回ってるのは棚に上げてるなと千里は思った。彼女のバストは、かなりのサイズである。
「しかし男のくせにセーラー服着てるとか、射殺したいな」
などと道田さんが言うと、なぜか公世がドキドキした顔をしていた。
8月9日(月).
この日は全国中学校剣道大会の宿泊申し込みの締め切り日であった。
現地に行けるのは、団体戦の場合は、監督1名+選手5名+補欠2名の合計8名が基本だが、“団体戦に出ない個人戦出場者”の場合は、学校単位で監督1名+選手+練習パートナーということになっている(監督が剣道に詳しくない場合は更にコーチが随行してもよい:但しコーチは試合には付き添えない)。
練習パートナーは選手1名につき1人付けられる。
この練習パートナーについて、R中はもちろん前田柔良を連れて行く。監督は安藤先生(剣道五段)である。
S中の場合、監督として千里には鶴野先生(4級を取った!)、公世には岩永先生(剣道四段)が付いていくことになる。広沢先生がコーチとして随行する。広沢先生は初段を取ってくれた!いきなり初段を取れるのがさすが体育の先生の運動神経である。
練習パートナーは、千里には当然玖美子であるが、公世の練習パートナーで波乱があった。
岩永先生は、2年男子部員で実力No.1の竹田治昭(初段)を連れて行こうと思った。全国大会を見学するのは彼にとっても、大きな勉強になるだろう。
それで本人に電話して、意思確認をする。
ところがである。
「怪我した〜!?」
「すみません。階段で足を滑らせて1階まで転がり落ちて。一週間くらいは手を動かしてはいけないと言われています」
一週間というのは微妙だ。大会までは12日ある。その頃にはもう完治して普通に剣道ができるようになっている可能性は高い。特にスポーツ選手は概して回復力も高い。
しかし万一治癒が長引いた場合は、まだ竹刀を持てない可能性もある。
「12日後というのは微妙だよね。仕方ない、他の子を当たるか」
「すみませーん。僕も全国大会見たいですけど、こんな時に怪我しちゃって」
「うん。お大事にね」
竹田君が使えないなら、誰を使う?
工藤君と仲の良い佐藤君(2級)あたりを使うか?しかし佐藤君は元々工藤君より少し実力が落ちる。しかも工藤君は地区大会4位通過だったのに、道大会で奇跡的な快進撃をして準優勝した。きっと彼の中で何かがブレイクスルーしたのだろう。彼はたぶん物凄く強くなっている。となると、今の工藤君なら、佐藤君ではとても練習相手にならないかも。
1年の吉原君?彼は先日1級を取得した。急成長株だ。全国大会を見せるのは勉強になるだろう。ただ彼は185cmと長身であり、165cmの工藤君にとっては大会前の調整のための練習相手としては微妙である。
3年生の古河君(2級 171cm)を使う手も考えたが、さすがに2年生の補助役というのはプライドを傷つけるだろうし、工藤君もやりにくい。そもそも古河君は佐藤君と実力が大差無い。
と岩永先生は15分くらい悩んでいたのだが、唐突にある人物を思いついた。
それで電話した。
「ああ、原田さん?僕岩永だけど。ちょっと相談があるんだけど」
N町の早川ラボ?での剣道の練習は8月12日(木)の午前中で切り上げた。
通常は午前中は基礎練習だけなのだが、この日は基礎練習を早めに切り上げて1時間ほど実戦練習をした。
シャワーを浴びてお昼を食べた後、瑞江にセレナでラボの前の道路まで迎えに来てもらい、それに乗り込んだ(ラボへの進入路を車体の大きなセレナは物理的に通過できない)。座席はこのようにした。
助手席 沙苗
2列目 公世・弓枝
3列目 千里・清香
残った道田・小松は、善枝にカローラで各々の都合のよい所まで送ってもらう。一方、すーちゃん・てんちゃんはラボの片付けを終えた後、げんちゃんを呼び、進入路の入口10mほどにカムフラージュの樹木を植えてもらった(正確にはその付近の地面を“どけて”、ミズナラの生えている地面ごと持って来て“置いて”もらった)。これでこの先に何かがあるとは気付きにくいようになる。浮浪者やバックパッカー?などの侵入を防止するためである。
確かに浮浪者とかが入ってくると外塀の電流で“捕獲”されかねない。
「人間は食ってはいけないと言われてるし」
と歓喜の弁!
「俺も食ったことないけど、人間よりエゾシカとかの方が美味いらしいよ」
と九重の弁!
なお、せいちゃん・げんちゃんがこの手の雑用?に使われるのは、若くて使いやすいからである。こうちゃん・りくちゃんは年長者なので、若いすーちゃんたちからは頼みにくい。また、げんちゃんは腕力があるので力仕事には最適である。せいちゃんは頭脳派。
「このドア開けて」
と、せいちゃんに頼むと鍵を解除してくれる。げんちゃんに頼むとドアを破る!(こうちゃんやじゅうちゃんに頼むと家ごと壊される!?)
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女子中学生・ひと夏の体験(25)