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■女子中学生・ひと夏の体験(15)

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「だけどどこで?」
と訊く声がかすれている!
 
千里は貴司が「その気になってる」のを意識しつつ冷静に言う。(“この千里”はとってもクールである)
 
「ホテルにでも行く?ホテル代程度は私持ってるよ」
 
ごくりと貴司は唾を飲み込む。
 
でも・・・
 
「こんな狭い町で、中学生がホテル行ったら、バレるよ!」
「こんな狭い町で、浮気しようとしたら、バレるよ」
「ごめーん」
「じゃ代わりにケンタッキーおごってよ」
「うん。そのくらいなら」
 
千里は「あれ〜?こんな感じで貴司にケンタッキーおごってもらったことなかったっけ?」と思った(←夢の中での展開)。
 

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それで千里が貴司の自転車の荷台に乗り、貴司に抱きつくようにして2人乗りし、市街地に向かった。
 
千里のバストが貴司の背中に当たるので
「千里ってこんなにおっぱいあったんだ!?」
と驚いた。
 
まるで女の子みたいじゃん!
 
もしかして千里って性転換して女の子の身体になっていたりして!?だって、さっき「ヴァギナに入れていい」と言ってたじゃん。そしたらもしかして普通にセックスできたりして・・・と妄想が膨らむ。
 
思わず自転車がふらつく。千里が小さく「きゃっ」と言って貴司に強く抱きつく。千里の甘い体臭を感じて、更にふらつく!が、ここは必死で我慢して立て直す。
 
千里が本当に女の子の身体なのか、確かめてみたいけど、ふたりきりになれる場所なんて無いし。神社でそんなことしてて見付かったら、母ちゃんクビになるかも知れないし。自宅に連れ込むと妹たちの目があるし・・・。
 
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(貴司は自宅の自分の部屋でオナニーしているとなぜか高確率で妹が入ってきて「嫌!」とか言われて物を投げ付けられる:凄く理不尽な気がする←でも貴司は神社でもしばしばオナニーしている所を母や千里に見られておりどうも間が悪い)
 
ということでこの日の貴司は千里の色香!に完全に溺れている状態であった。
 

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ケンタッキーで楽しくお話しした後は、自転車を駅前の駐輪場に置き、お散歩をした。このまま自転車でサイクリングでもいいと思ったのだが、千里のバストを背中に感じている状態で自転車を漕いでいたら事故起こしそうな気がした。
 
最後は黄金岬で太陽が高度を下げてきているのを見た(日没は19:05なので、中学生はさすがにその時刻までは居られない)。
 
木陰でキスをしたが、千里は舌を入れてきたので、嘘!?と思いながら貴司も自分の舌を入れる。貴司もこんなのは初体験だ。もうこの場で千里を押し倒したい気分。理性が吹き飛びそうと思ったら、千里は(ズボンの上から)貴司のかなり硬く大きくなっているちんちんを揉んだ。
 
「うぉー!」
「痛かった?」
「いやその・・・トイレ行ってきていい?」
と貴司は0.1%くらい残っている理性で言った。今のは少し“漏れた”ぞと思う。
 
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「ホテルでもいいけど」
「行きたいけどフロントで叱られるよぉ」
「あはは。いってらっしゃーい」
 
それで貴司はトイレに入って“処理”した。わずか3秒で到達した。それで少し理性が戻って来る。でも今のは押し倒しても良かったのではと悔やんだ(←さすがに日没前の公園でやってたら叱られると思う)。
 

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貴司が少し放心状態でトイレから出て来たら、千里は再度頬にキスしてあげた。
 
そのあと自転車2人乗りで留萌駅まで行った。ちょうどそこに幌延行きのバスが来ていた、
 
「私これに乗る」
「じゃ、また」
 
と言って、握手をして別れた。
 
その千里が乗ったバスを見送ってから、貴司は自転車で帰宅した。
 
これが実は千里Bと貴司の初デートだったのである(グリーンランドで出会った時を除く)。
 

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千里がバスに乗り込むと
 
「千里」
と呼ぶ声がある。見たら蓮菜である。蓮菜は千里が青い腕時計をしているのを見ながら言った。
 
「千里、今日はQ神社でご奉仕?」
「ううん。そういえば最近ちょっとサボリ気味だったかなあ」
「Q神社行ってないのならさ、来週私たち勉強合宿するんだけど、千里も来る?」
「何日?」
「26日(月曜)午後から28日(水曜)お昼前まで。例の民宿で。月曜の朝までは“呑涛まつり”の観光客が残ってるけど、昼までにはだいたいチェックアウトしてしまうから、その後は水曜くらいまでわりと空いてるんだよ」
「なるほどー。行ってもいいかな」
「じゃ26日午後1時。現地にセーラー服で集合」
「セーラー服なんだ!」
「ON/OFFをきちんとしたほうがいいからさ。勉強中は制服。休憩する時は楽な服装」
「なるほどー!了解」
 
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それで千里(B)は蓮菜と来週の勉強合宿に参加する約束をしたのである。
 

なお、千里Bを装ってQ神社でご奉仕していた千里Vは、12時でご奉仕を終え、巫女服からセーラー夏服に着替えて12:20に神社を出ると消滅(本当は転送帰宅)している。
 
だからカノ子には、千里BがQ神社から瀬越駅に実質ワープしたように見えた。千里がこのように短時間で数km程度移動するのは、過去にも何度か見ているので、その類いだろうと思った。
 
たぶん千里R/B/Yはエイリアスで実体が無いから、こういうことができるのだろう。小春のエイリアスも行きたい場所を強くイメージすることでそこに移動することができると言っていた。千里も恐らく同じような方法で移動しているのか。小春の場合、それで移動できるのは10km程度以内かつ、よく行っている場所に限られる(だから三重と留萌の間を飛ぶのは無理)。千里が瀬越駅に何度も行っているとは思えないが、千里の能力は小春より大きいかも知れない。
 
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ところで、千里たちの様子をモニターしていた千里Gは腕を組んで考えこんでいた。
 
実は千里Bは冬眠したままだったのである。
 
それなのに“別の千里B”が唐突に瀬越駅に出現したのでギョッとした。
 
だからこの日千里Bが瀬越駅に出現した12:34から蓮菜と別れた17:45まで、5時間ちょっと、千里Bの位置をモニターしている液晶ディスプレイには、千里Bのマークが2個表示されていた。
 
ひょっとして仮説だけの存在だった千里Bの“シャドウ”千里o(orange)?とも思ったが、モニターは千里Bの身体に密かに埋め込んだGPSの位置を表示しているので、oならモニターに表示されないはずなのである。
 
「Bは本当に冬眠してますか?」
と千里GはA大神に尋ねた。
「冬眠してるよ」
 
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「瀬越駅にもいますよね」
「居るよ。“視点”をあげるね」
 
と言われて、瀬越駅の千里Bを見ることのできる視点をもらうと、確かに千里が居て、貴司が浮気しようとした相手の女の子を言い負かして帰らせ、その後、自分自身が貴司とデートする様子を確認できた。
 
「千里って複数存在できるんでしょうか?」
と千里GはBの様子を見ながら、A大神様に尋ねてみた。
 
「私は千里が100人現れても驚かないよ」
「100人ですか〜〜〜!?」
 
そんなにたくさん居たら、御飯食べさせるのも大変だ、と思う千里Gであった。
 
(消滅しないように)30mおきに100人待ち行列を作らせたら3000m(3km)? 1人食事をするのに15分掛かったとして100人が食べ終わるには25時間掛かる!!
 
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(↑千里Gは植木算が分かっていない。正解は30m×99=2970m。食事時間は正解。100÷4=25がちゃんと計算できたね!花丸をあげよう)
 
「貴司君の浮気に怒って、怒りのパワーでエイリアスをもうひとつ出したのかもね」
などと(神社から戻ってきた)千里Vは適当に言っていた。
 

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なお、デートを終えた千里がずっとバスに乗っているので、そのまま帰宅するだろうかと思っていたら、C町バス停を降りた後、数十メートル蓮菜と一緒におしゃべりしながら歩き、分かれ道で別れた所で消滅した!
 
それで仕方ないので、千里VがBのふりをして、夏制服姿で、あらためて留萌市街地に転送移動。Aコープで買物をしてから、後続のバスでC町の村山家に帰宅。夕ご飯を作り、父母と玲羅に御飯を食べさせた。
 
(カノ子には自宅近くで消えたBが再度市街地に出現して買物したように思えた:“千里B”が市街地に現れたというのは、市街地担当!のヒツジ子から通知を受けた)
 
母は千里が金曜日の午後には「旭川で合宿してから24-25日に稚内の大会に出る」と言って出掛け、今朝には「三重県の遠駒藤子さんとこ(*11)に1ヶ月行ってくる」と言って出かけたのに、夕方戻って来て御飯を作っているのを見ても、いつものことなので気にしなかった!
 
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(*11) 藤子は、津気子の元同級生・美帆里の母(蓮子)の姉に当たる。真理は藤子の娘なので、美帆里と真理は従姉妹の関係。なお蓮子や美帆里は河洛邑や理数協会とは無縁である。
 

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19日の夜、結局Vはそのまま村山家で寝た。翌朝(7/20)は母が4時に父を港まで送ってきた後寝ているので、その寝ている母に「Q神社に行ってくるね」と言って、朝7時半頃家を出る。そして転送でQ神社に行って午前中の奉仕をした。
 
千里Yが三重に行っているので、千里Rが稚内から戻るまで、このパターンが続くことになる。星子への笛の曲の伝授はVとGの手が空いてるほうがする予定だったが、実際にはほとんどGが教えることになった。
 
「村山家の布団、ペチャンコで寝にく〜い」
とVが言うので、千里Gは“抽選で当たった”ことにして、布団を4セット、村山家に届けさせた。それで翌日からはVも熟睡できるようになった。
 
新しい布団になって、玲羅がいちばん喜んでいた。でも金曜日(7/23)に帰港してきた父は「布団が柔らかすぎて寝れん」と文句を言う。それで母が捨てるつもりで縛っていた布団(布紐類の日に出すつもりだった)を取り出してきて敷いてあげたら「うん、この感じがいい」と言って父は熟睡していた(布団が無くても良かったりして?)。余った布団は来客用(泊まりの来客なんてあるのか?)として押入に入れておいた。
 
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7月21日(水)、雅海の家に&&エージェンシーからお手紙が来た。白浜さんの直筆!のお手紙が入っており
 
「素敵なお友達を紹介してくれてありがとう。ぜひおふたりとも参加して欲しいので、8月10日18時(時間厳守)に、札幌駅近くの札幌赤坂ホテル2階203会議室まで来て下さい。雅海ちゃんはパトロールガールズの衣裳を持って来てね。靴は履き慣れた踊りやすい靴を。急用などでキャンセルする場合は、できるだけ3日前までに連絡をお願いします。取り敢えず片道の交通費を概算でお送りします。後で精算します」
 
ということで、助川雅海・福川司の名前・写真入りのバックステージパス、そして郵便局の為替(額面11200円)が同封されていた。
 
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この為替ってどうするんだろう?と思って母に訊いてみたら郵便局で換金すればいいということである。
「じゃ明日にも換金してきてあげるよ」
「ありがとう」
 
「でもこれJR使った料金かな」
「そうだと思うよ」
「バスで行ったりしたらだめかな」
「それみんな普通にやるけど、他人に言わないようにね」
「うん」
「友だちに言えば絶対人に広まるから、誰にも言わないか、ちゃんとJRで行くか」
「誰にも言わない!」
 
それで雅海は司に連絡し、2人で行ってくることにしたのである。なお夏休み中S中は原則として部活も休みである。
 

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7月24-25日(土日)、留萌では、留萌最大のお祭り“るもい呑涛(どんとう)まつり”が行われ、町は観光客であふれかえった。
 
Q神社はこのお祭りとは直接は関係ないのだが、参拝客が物凄く、この2日間は千里B(実はV)も朝から15時まで7時間稼働した。町外れにあるP神社も、結構なお客さんがあり、先週の例祭に続き販売した1日限定100個の縁起物“藁造りの三尾の狐”もあっという間に売り切れたし、おみくじを引く客も多く、おみくじ係のセナと真由奈(手が足りないのでセナが勧誘した)は大忙しだった。また、中学生の巫女による舞(広海・蓮菜・美那・穂花・結花)を11:00 13:00 15:00 に奉納したが、これも見物客が大勢居た。龍笛は恵香と小町で交替で吹いた。N小学校の児童会が出している出店もたくさん売れて児童会の予算がたくさん確保できた!
 
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「しかし千里も沙苗も居ないとなかなか辛い」
「玖美子まで居ないしなあ」
「やはり特に千里の存在は大きい」
 
今回の土日は、本当に手が足りなくて、小町から「頑張ったらキスしてあげる」と言われて、源次も雑用・力仕事で頑張ってくれた。
 
「巫女衣装着て、巫女さんやってくれてもいいけど」
「さすがに無理〜!」
 

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