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■女子中学生・ひと夏の体験(3)

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ともかくもウォークラリーは5〜6人の班でスタートしたのであった。
 
“性転換は無理”と女子たちから噂された飛内君や、“日本一頼りないクラス委員”の恵香が入っている1班(秋田・菊地・飛内・恵香・絵梨・小春)は、絶対的に信頼できる小春がGPSを持ち、無事帰還して、問題も全員満点だった。
 
無難な人が集まっている5班(加藤・高橋・三木・萌花・美都)も道に迷うことなくちゃんと歩いて普通に帰還した。
 
極度の方向音痴・機械音痴でGPS係だったのに班を迷子にした前歴のあるセナが入っている4班(小沢・曽川・増田・世那・佐奈恵)は機械に強い増田君がGPSを持ち、統率力のある佐奈恵がしっかり班をまとめて、ペースは遅かったものの無事帰還した。
 
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“男2女4”と言われた3班(大越・雅海・東野・玖美子・沙苗・穂花)は、その男2の大越・東野がどちらもあまり機械に強くなかったものの、玖美子・沙苗というしっかり者の女子がうまく班を統率し、GPSも玖美子が持って、迷わず帰還した。
 

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さて、“全員女”と言われた2班(上原・工藤・中山・蓮菜・優美絵・千里)だが、6人の中でいちばん機械に強そうに見えた上原君がGPSを持っていたのだが、上原君はGPSを逆さまに持っていた!?ということが途中で発覚する。
 
目の前には深い谷があり、手摺りの無い細い橋が架かっているが、とてもそこを渡る勇気は無い。
 
「なんでこんなにルートを外れていくんだろうと思ってた」
と上原君。
「おかしいと思ったら早めに言いなよ〜」
と中山君。
「ごめーん」
 
優美絵が全員の顔を見回してから言った。
「ここはGPSを千里に持ってもらおう」
 
「え〜〜〜!?」
 
「私が機械に触ったら静電気で壊れると思う」
と千里。
 
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千里がこれまで数々の機械を壊しているのは、みんな知っている。電流のテスターでさえ破壊している(つまり千里の電圧は電力会社の電気100Vより遙かに高い!)。
 
「工藤君、そのベルトをくれない?」
と優美絵が言う。
「ベルト?」
「それアルミだよね?」
「うん」
「それを千里に握らせて、地面に電流を放出する」
「アースか!」
 

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それで千里は右手首にアルミ製のベルトを巻き付けられ、地面に這わせるようにする。そのアースしている右手でGPSを持った。
 
「とにかく自然の家に帰ればいいよね?チェックポイント無視して」
「それでいい」
と工藤君。
 
「じゃ私に付いてきて」
「よし行こう」
 
それで千里に全員付いていくと、千里は片側が絶壁とか(鉄の鎖があるのでそれを握って歩く)、深そうな池のそば(手摺りがあるから落ちる心配は無い)とか、物凄い道を通ったものの、わずか10分で自然の家に帰り着いた。
 
「やったぁ!無事生還!」
「無事生還ってあんたたちどこかショートカットした?」
とゴール係の緒方先生が訊く。
 
実は“戻って来た”のは、この班が1番だったのである。
 
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「完璧に道に迷って」
「なんか凄い所通りましたけど、1組2班全員、無事生還しました」
「結構な冒険感があったね」
 
「道に迷ったの!?迷うような道は無いはずなのに!分れ道には全部案内板があったはずだし」
「すみませーん」
 
ということで2班はリタイア扱いになったものの、死者ゼロ!?で生還することができたのであった。
 
なお上原君はクラス委員の辞任を申し出たものの、先生が慰留し、恵香が「私よりはマシ」と言うので、留任することになった(4年前のセナと同じパターン)。
 

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ウォークラリーが終わった後は、お昼にカレーを食べてから、体育館で1時間ほどドッヂビーをやって楽しんだ。
 
ドッヂビーとは、ドッヂボールとフリスビーのカバン語で、フライング・ディスクを使用したドッヂボールである。但し複数のディスクが同時に飛び回るので思わぬ所からディスクが飛んできて、やられてしまうことがある。怪我する心配も少なく、結構汗を掻けるので、レクリエーションでよく行われる。
 
その後、清掃をして、クラス単位でバスに乗り、学校に帰還した。
 

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7月3日、“千里”はぶつぶつ言いながら札幌行きのバスに乗っていた。
 
留萌6:30-9:09札幌駅前BT
 
この日は千里の母の父・奥沼大治の69歳の誕生日で、数えでは70歳なので古希の祝いをしようという話があったのである(2004年1月で数え年70歳になっているので本当は2004年1月にやってもよかったはず)。
 
61:還暦 70:古希 77:喜寿 80:傘寿 88:米寿 90:卒寿 99:白寿 108:茶寿
 
本来は娘の津気子が出るべき所だが、大人が行くとあれこれ付き合いでお金がかかるので、千里が代理出席することになった。また津気子は実は実兄で大治と同居している清彦と相性が悪いので、あまり顔を合わせたくなかったのもあった。
 
2004年時点の系図↓

 
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津気子は千里に言った。
「伯父さん・伯母さんはあんたのこと男の子と思ってるからさ、悪いけど男の子のふりしてくれない?」
 
「せっかくだからこの機会にカムアウトを」
「勘弁して〜」
 
それで男装で出席するという話になって、千里はそれも極めて不愉快なのである。
 

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舞台裏では“どの千里”に行かせるか、調整が大変だった。
 
千里Rは、7月1-2日に夏季教室に行って来たばかりなので「きつーい」と言って勝手に消えてしまった!千里Yは、土日は基本的に光辞の朗読をすることにしているので、P神社から動きたくないようであった。
 
「男装してと言われているし千里BをW/B(White on Blue = Aqua)モードで起動してもらえませんか」
と千里GはA大神に頼んだ。
 
「Bはハイバネート(冬眠)してるよ。たぶん10年くらい先まで目覚めない」
「そこを何とか起こしてください」
「じゃ起こすけど、あまりエルネギーゲージが無いから、途中で消えたらあんたたちで何とかしてよ」
「分かりました。その時はVが代理しますから」
とGが言うと、唐突に指名されたVは
「え〜〜〜!?私、男装する自信無いよぉ」
と情けない声で言った。
 
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「だってあんたちんちんあるし」
「自分でも摘まめないくらい小さいんですけど」
「あんたもそろそろ性転換手術を検討した方がいいな」
「痛そう・・・」
「ヴァギナはあるし。単にちんちん切るだけじゃん」
「自然消滅を狙いたい」
 
「きーちゃんにやってもらえば痛くないけど、あんたの身体をきーちゃんに見せる訳にはいかないしなあ」
「きーちゃんに私たちが複数居ることをばらしたくたくない」
 
「まあね。そうだ。この機会だから、Y・Vの胸が入る学生服を作ろう」
「うーん・・・」
 
千里Wが着ている学生服は男子用なので、R・Gや(女の子モードの)Bのバストは全く入らないし、小さな胸が育ちつつあるY・Vのバストでさえ入らないのである。
 
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この時期の各千里のバストサイズ、適合ブラ、実際の使用ブラ
R/G/B 66/79 B65/B65
Y/V 66/73 AA65/A65
W 66/69 AAAA65/A65
 
胸が殆ど無いWがブラジャーを着けるのは「女の子になりたい」という気持ちの問題である。AAAA65とかAA65というブラは売られていないのでYもWもA65を着けている。RGBは実際にはC65 or C70でも行けるはず。
 

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そういう訳で千里B(正確には千里W/B)は、気持ち良く冬眠していたのを無理矢理起こされたのもあり不機嫌なのである。
 
(RBYWは体液を共有しているので、RとYが食事をしていればBは冬眠状態でも生命維持ができる。なおBもWも卵巣・子宮が無いので生理は起きない)
 
「私かなり長時間寝てたような気がするなあ」
などと本人も思っていた。1ヶ月半ぶりの起動なのだが、実際にはBの精神はYに相乗りしていたので学校での様々な体験を夢のように記憶している。
 
突然の千里W/Bの登場に驚いたのが小春とカノ子である。
 
「もう出てこなくなったと思ったのに・・・」
 
W/Bの出現は4月5日以来約3ヶ月ぶりである。
 
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2人はYが留萌から動く気無いしRは消えてしまうで、札幌行きどうしよう?と悩んでいたので、驚いたものの「助かったぁ」と思った。
 

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札幌駅前に着く少し前に美輪子にメールして迎えに来てもらう。この日千里は母の携帯を借りてきている。美輪子は千里を見て言った。
 
「なんでスカートじゃないのよ」
「だってお母ちゃんが、伯父さん・叔母さんと会うから男の子の格好でと言うから」
「女の子になりましたと言えばいいのに」
「言ってもいい?」
 
ともかくも美輪子は男装の千里を大治の家に連れて行った。千里は
「おじいさん、お誕生日おめでとうございます」
と笑顔で言って、母からのお土産と祝儀袋を渡した。
 
「千里ちゃん、髪長いんだね」
と優芽子(津気子の姉)が言う。
 
「中学生だよね? そんなに長くしてていいの?」
と清彦(津気子の兄)。
 
「学校から許可もらってますよ」
と千里は答える。
 
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「へー。許可されるもんなんだね」
「声変わりもまだなんだね」
「ええ。私、生理もまだ来てないし、発達が遅いみたい」
などと言うと、みんな笑っていた。
 
(千里Bには卵巣と子宮が無いので生理は無い)
 
「男の子にも生理来るんだっけ?」
などと吉子(優芽子の長女)は言うが、
 
「でも千里ちゃんって、結構女の子に見えるよね」
と愛子(吉子の妹)は言う。
 
「今日はセーラー服着て来ようかと思ったんだけどね」
と千里が言うと、みんなまた笑っていた。
 

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午前中祖父母を中心に談笑していて、やがて豪華な仕出しが運び込まれてくる。千里は内心『御祝儀、私が足しといて良かったぁ』と思った。母が入れていた金額ではこの仕出しの代金にも足りなかった。
 
13時頃、母から借りている携帯に着信があるので廊下に出て取ったら、留実子の兄(姉?)の敏数(敏美)であった。彼(彼女?)は留実子より5つ上で、現在札幌市内の美容学校に通っている。千里に用事があり自宅に掛けたらこの番号を千里の母から教えてもらったらしい。
 
「札幌に来てるのなら3時間ほど出て来ない?」
 
美輪子に相談したら
「夕飯の支度を始める5時までに帰って来ればいいよ」
と言うので、中座させてもらい、敏数に会いに行った。
 
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敏数は目が覚めるような深紅のワンピースを着ていたので、千里は「この人の隣を歩きたくない」と思った。
 
敏数の用事というのは、女装用品店の半額クーポンをもらってしまったので、あんた使わない?というものだった。どうも留実子の部活の費用とかスポーツブラの代金とかを千里が出しているのを聞いて、そのお礼をしたかったようである。
 
「あんた靴のサイズは?」
「22cmですけど」
「それなら普通のお店で買えるか!」
 
女装者には靴のサイズで苦労する人が多い。
 
「あんた胸無いね。いくらのブラ着けてる?」
「今日着けてるのはA65ですけど、本当はAAAAサイズなんです」
「さすがにAAAA65なんてブラジャーは製造されてないだろうなあ」
と言ってから、敏数は
「だったら、付け乳買わない?5000円までは私が出してあげるから」
「バストパッドですか?」
「胸に接着剤で貼り付ける」
「なるほどー。でもそれいくらくらいするんです?」
「安いのは1万円くらい。高いのはあの店で扱ってるのは20万円くらい」
「高い!」
「もっと本格的なのなら100万円くらいする精巧なものもあるよ」
「恐ろしい」
と言いながら、千里は沙苗が使ってたのがそのくらいするんじゃないかなと思った。
 
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「まあ1万円とかのはほぼバストパッドと変わらないから、最低3〜4万のを買った方がいいよ」
「4万円のを半額クーポンで2万円にして、お姉さんが5000円出してくれたら15,000円か」
「そんなもの、そんなもの」
「買っちゃおうかな」
「よしよし」
 

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