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■女子中学生・ひと夏の体験(4)

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それで千里は敏数に、女装用品店まで連れて行ってもらった。
 
敏数は
「いっそのことHカップになるくらいのを」
と言ったが千里は
「Bカップでいいですぅー」
と言った。(Hカップにするのはさすがに10万円を超えると思うし、かなり強いブラを付けてないと維持できない)
 
肌の色を確認するため、スタッフさんと一緒に検査室に入る。それで千里が上半身の服を脱ぎ、ブラジャーも外すと、微かな膨らみがあるので、
「ああ、ホルモンなさってます?」
と訊かれた。
「まだ去年くらいから始めたばかりなんですけどね」
と千里が言うと、スタッフのお兄さん(お姉さん?)は頷いていた。
 
「でもお客さん肌が白いですね」
「日焼けしない体質みたいです」
 
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スタッフさんの計測では千里の胸はAAAサイズということだった。Bカップにボリュームアップするには、3サイズアップ(+7.5cm)することになる。
 
「お値段は48000円になりますね」
ということである。
「半額クーポンで24000円ね」
「はい、そうです」
 
それでそのブレストフォームを買うことにする。敏数は5000円出すと言っていたが実際には1万円出してくれたので、千里は残り14000円を出した。装着の仕方が分からないというと、スタッフさんがサービスで接着してくれた。
 
「重い」
「バストは重量物だからね〜」
 

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そして着けてきたAカップのブラジャーが入らない。
 
「どうしよう?」
「提案。新しいブラジャーを買う」
「しかたないですね」
 
それで敏数と一緒にスーパーに行くが、この重さのブレストフォームを着けてブラ無しで歩くと、剥がれそうで不安だし、皮膚が引っ張られて痛かった。
 
Bカップにしたつもりが、ランジェリー売場のお姉さんに計ってもらうと
「C65かC70で適合しますよ」
というので、C70を買うことにした(皮膚が引っ張られて一時的に伸びていたせいだったりして)。それを取り敢えず3枚買って、試着室を借りて着けた。ところがここで新たな問題が生じる。
 
「胸が目立ち過ぎますぅー」
「Cカップの胸は目立って当然」
「男の子にCカップの胸があったら不審がられます」
「性転換して女の子になったと言えばいいのよ」
 
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結局この胸が目立たないように、だぼだぼのTシャツを買うことにした。ブラジャーも1枚2500円したし、Tシャツ2000円を買って合計9500円の予定外の出費である。
 
「結構時間も食ったね。送ってあげるよ」
「ありがとうございます」
 
それで敏数のバイクで、清彦の家近くまで送ってもらった(近くのコンビニで降ろしてもらった)。
 

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千里が大治の家に戻ったのは16:50くらいである。17時までに戻ると言っていたので結構ギリギリになった。
 
「よし、千里が戻ってきたから料理始めよう」
 
それで千里を含めて女性陣6名(滝子・優芽子・吉子・愛子・千里・美輪子)で夕食の準備を始めた。
 
千里は物凄い戦力になった。お魚を鮮やかに3枚におろすので感嘆される。
 
「漁師の娘は魚くらいおろせなきゃと言われて小学生の頃から鍛えられてるから」
「漁師の“娘”なんだ!?」
 
そのお魚を更にお刺身にし、フライドチキンの下味を付け、大根をかつら剥きにし、玉葱を手際よくみじん切りにし、と大活躍であった。
 
「千里ちゃんは立派な主婦だ」
「いつでもお嫁さんに行ける」
とみんなから褒められて、千里も得意そうにしていた。
 
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「やはりお嫁さんに行くつもりなのね」
「はい、行きたいです」
と千里が言うと、みんな頷いていた。
 
しかし狭い台所で女6人が動いていると、お互い身体が結構接触する。千里と接触した愛子が「ん?」と首を傾げ、千里の胸を触る。
 
あははは。
 
「なるほどねー」
と愛子は納得していた。
 

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お料理は女6人の奮闘で18:30頃には完成し、食卓に並べられる。お刺身、天麩羅、ローストビーフ、フライドチキン、コロッケ、酢の物、スープ、オードブルっぽいもの。そして日本酒やビールも開けて賑やかな夕食が始まった(男たちはそれ以前から飲んでいたが)。
 
1時間ほど過ぎた所で、男たちはお酒中心になってしまったので、夕食の準備をした6人と、祖母の紀子が台所に退避し、余った料理は冷蔵庫に入れたり、一部は女たちで摘まみ、お茶を飲みながらおしゃべりした。千里が昼間出掛けた時に買ってきていた(本当は小春に買っておいてもらった)白い恋人の詰め合わせを開けるので、みんなで摘まむ。それ以外にも滝子も色々おやつを出してくる。
 
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「お祖母ちゃんは7月14日が誕生日でしたよね」
「そうそうパリ祭」
「だったら、お祖母ちゃんも、もうすぐお誕生日おめでとうございます」
「ありがとありがと」
 
「でも誕生日が分かりやすいのは千里ちゃんだよね〜」
「そう。3月3日ひな祭り」
「そして愛子ちゃんが1日違いの3月2日」
 
「だけど愛子ちゃんと千里ちゃんって顔立ちが似てるよね」
「それ昔から言われてた。千里ちゃんが今日みたいに男の子の格好してたら区別つくけど、千里ちゃんが女の子の服を着てたら見分け付かないかも」
「だったら千里ちゃんに身代わりとか頼もうかなあ」
「何の身代わりしてもらうの?」
「身体測定の身代わりとか」
「それはさすがに無茶」
 
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「でも千里ちゃん、女の子の服、着るんでしょ?」
と吉子が言う。
 
「それでは皆さんに可愛い千里の大公開を」
と言って、美輪子がパソコンを開けると、そこには、千里が巫女衣装を着ている姿、白いドレスでフルートを吹いている姿、セーラー服姿!、水着姿まで並んでいるので、みんな「うっそー!?」と言っている。
 
「千里ちゃんセーラー服持ってるの?」
「持ってますよ。それで中学校に行ってるし」
「すごーい」
「水着姿が女の子にしか見えないんだけど」
「私女の子ですから」
 
「胸はこれ本物?」
「想像にお任せします」
と千里は言ったが
「今触ってみるといい」
と愛子が言い、それで千里は全員に触られる。
 

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「千里ちゃん、おっぱいあるんだ!」
「だいぶ胸も大きくなってきたから、そろそろ生理も来るんじゃないかなあと思うんですけどね」
「それ来るかもしれないよ」
 
「水着姿のおまたの所何も無いように見えるけど、まさかちんちんは取っちゃったとか?」
「ご想像にお任せします」
と千里は言ったが、美輪子は
「千里にちんちんなんてある訳が無い」
と言うので、みんな納得していた。
 
「一応今日の話はここにいる者だけの共有の秘密ということで」
「個人情報の保護だよね」
 
(個人情報保護法は2003年5月30日に成立した)
 
「明日、この女7人で一緒に遊びに行かない?」
「どこに?」
「ガトーキングダム。全員水着を持って」
「私もなの〜〜!?」
と紀子(63)が言う。
 
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「お祖母ちゃんビキニ着る?」
「そんなの着たら警備員に射殺される!」
「大丈夫。日本の警備員は銃は持ってないから」
 

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さて、大治・紀子は清彦一家と同居しており、優芽子夫婦と2人の娘は函館から来てホテルを取っている(ツイン2つ:吉子はわざわざ東京から戻ってきた)。そして留萌の千里と旭川の美輪子が2人でツインを取っている。
 
「美輪子さんと千里ちゃんで同室なんだ?」
と吉子が驚く。
「だって女同士だから問題無い」
と美輪子。
 
「なるほどー」
 
それで21時頃、女性陣はホテルに引き上げる。
 
優芽子の夫・政人は清彦と飲み明かす態勢である(親戚付き合い上、断れない。男性の辛さ)。それで優芽子は夫を放置して(いけにえに出して!)娘2人とホテルに引き上げた。
 
ちなみに優芽子たちは札幌エクセルホテル東急、美輪子たちは札幌東急イン(*2)である。同じ東急という名前が付いていても値段が違う!
 
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(*2) 札幌東急インは1980.6.1に開業し、2015.4.1に「札幌東急REIホテル」に名称変更された。札幌エクセルホテル東急は1996年1月9日に開業した。札幌には以前「札幌東急ホテル」というのもあった(1973年6月1日開業)が、2002年12月15日に廃業した。
 
筆者は1985年頃「札幌東急ホテル」に泊まっている。朝食の席で阪神タイガースの一行と一緒になりびっくりした。友人女性が「掛布選手にサインもらっちゃった」と喜んでいた。
 

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ホテルに入ってから千里は美輪子に訊いた。
 
「私が女の子になったことバラしちゃったの、まずかったかなあ」
 
すると美輪子は言った。
「全然問題無い。どうせその内はれることだし。取り敢えず女性陣には知っておいてもらったほうが良かったからね」
「そうだよね!」
 
それで千里は安心してこの日熟睡することができた。
 

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ちなみに、この日、敏数に付き合い、ブレストフォームを買ってもらったのは千里B(W/B)で、ブレストフォームを買った後、「どんなタックをしてるの?」と訊かれ、ホテルに行って見てもらったりしていたので、清彦の家そばのコンビニに辿り着いたのはもう17時半だった。
 
千里GはBが約束の時間に間に合わないので、16:45に千里Rを清彦の家の前に転送出現させた。小春はなかなかBが戻って来ず気を揉んでいたが、Rが来てくれたので「助かったぁ」と言って、Rに状況を説明し、その後をフォローしてもらった。それで料理の手伝いをし、愛子たちに胸を触られ、美輪子と一緒に宿泊したのは千里Rである。だから愛子たちは千里の実胸を触っている。
 
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ちなみに戻って来た千里W/Bは、家の近くまで来た所で30mルールにより消滅。冬眠に戻った。持ち物は小春が回収した。
 

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千里Wが着けていたブレストフォームは、A大神の指示で、千里Vが剥離液を使って取り外し、回収した。
 
A大神が“男の娘改造倶楽部”(セナたちを連れていった病院跡)に“冬眠している”W/Bを出現させてくれたので、そのW/Bから取り外したのである。Wは中身の入ってない“お人形”状態で出現させるのはA大神にも無理らしい。W/Bは(男性用の)カテーテルを付けて導尿されていた。
 
「この子、ちょっと棒や玉を取ってあげたりしないんですか?」
と千里VがA大神に尋ねると
「困ったことに、ちょん切ってもすぐ生えてくるんだよ」
とA大神は本当に困ったように言う
「なんてしぶとい。まるで雑草みたいなちんちんですね」
とVは呆れて言った。
 
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取り外し終わった所でGが接近して30mルールによりW/Bを消滅させ、A大神が管理している“冬眠場所”に戻した。
 
(GはRBYの全員を消せる。それでVはGが(あるいはひょっとしてRが)実は千里の本体なのではと疑っている。Vは誰も消さないし、自分自身も消えない。なぜVが消えないのかは本人も知らない)
 
男の娘製造倶楽部は、GやVが住んでいる家から500mほど離れている。Gはしばしば両者の間をホンダ・ライフを運転して移動しているので「お巡りさんに捕まっても知らないよー」とVに言われている。今日も最初GがVをここにポストして、いったんGは家に帰った所でW/Bを出現させてもらった。
 
回収したブレストフォームについてA大神は何も指示しなかった。単に冬眠中の身体に着けたままにしておくのは肌に良くないから外させただけである。千里Vは千里Gに「これどうしよう?」と訊く。
 
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「多分使い道がある」
と千里Gは言った。
 
この時、Gが考えていたのは、雅海にプレゼントする案であった。
 
司は、きーちゃんがおっぱいを大きくしてあげたくてあげたくて、たまらないみたいだし!
 
 
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