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■女子中学生・ひと夏の体験(19)

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団体戦の決勝が行われる。
 
女子は千里に敗れた大橋さんが入っている札幌Y学園中学が、木里さんに負けた高野さんの入っている函館J女学園中学に勝って優勝を決めた。それで大橋さんは団体のほうで栃木に行けることになった。
 
男子団体の決勝のあと、女子個人戦の決勝が行われる。
 
決勝は留萌勢同士の対決、千里と木里さんである。
 
木里さんが物凄く楽しそうである!道大会の決勝で千里と闘(や)れるというのは快絶だろう。
 
試合が始まる。
 
物凄くスピーディーで激しい攻防のやりとりに、場内がシーンとなる。
 
みんなこの後の男子の個人戦決勝を見ようと思っていて、女子の決勝は前哨戦程度の感覚だったのに、とんでもないハイレベルの戦いになっている。そしてこの対戦を見て、この2人が北海道代表になったというのを、多くの人が納得した。
 
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「そういえば留萌地区の女子は昨年の大会でもベスト8に2人残っていた」
「今対戦してる村山さんがそのベスト8のひとり」
「木里さんはベスト16だったけど、優勝した畦倉さんに負けてる」
「昨年の準優勝が留萌代表の田沼さんだった」
「木里さんはその田沼さんと同じ中学の後輩」
「留萌って剣道女子の強豪地域になってる!?」
 
1:20で千里が1本、2:05で木里さんが1本取ったが、本割では決着が付かず、延長戦となる。そして延長戦の終わり際、双方最後の勝負で面打ちに行ったところで「面あり」の声がある。
 
旗を見ると白!!
 
木里さんの勝ちであった。
 
そういう訳で、ふたりの対決は、地区大会の決勝戦同様、木里さんが制し、木里さんが優勝で、千里は準優勝になり、銀メダルとなったのである。
 
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礼をして下がり、試合場から退く。ふたりは握手をした。
 
「でも千里、全開じゃなかった」
と清香は言う。
 
「そんなことないけど」
「いや、せいぜい60-70%しか出てなかった」
と清香が言うと、寄ってきた柔良まで
「私にもそう見えた」
と言う。
 
「まあ越智さんとやる時とは違ってたよね。千里って無意識に相手とパワーゲージを合わせてしまうから」
と寄ってきた玖美子まで言っている。
 
「私がもっと強くならないと、千里の本気は見られないということかな」
などと清香は言っていた。
 
ここまでは良かった。
 
ところがこの後、清香はとんでもない発言をするのである。
 
「ああ、でも全国大会の切符なんて夢のようだ。ちんちん切って女になった甲斐があったよ」
 
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この手の下ネタジョークは清香の日常である。ただ発言した場所が悪かった。
 
たまたま彼女のすぐ後ろに、運営の腕章を付けた女性が居たのである!
 
「ちょっとあなた、男の子だったの?」
「いえ、女ですけど」
「だって今、ちんちん切って女になったって」
「すみません。ジョークです」
「ちょっと来て」
と言って、清香は運営の人に連行されていってしまった!!
 
「あの馬鹿。ジョークも時と場所をわきまえろよなあ」
と柔良が言っている。
 
「どうなると思う?」
「徹底的な医学検査を受けさせられるのでは?」
「そして男だと判定されたりして」
「あの子、男になりたいと週に1回くらいは言ってるから、この機会に性転換して男になっちゃってもいいかもね」
と柔良は投げ槍気味に言った。
 
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男子の決勝戦は、札幌G中学の西田君(3年)が、30秒で公世から2本取って勝った。圧倒的な実力差である上に、こちらは強敵を次々と倒した相手というのでかなり気合を入れていた。西田君は最初から全開で全く隙は無かった。
 
でも、今大会の優勝候補1番手の蓮川君、2番手だった西田君、という猛烈に強い相手と対戦したことで、公世は物凄く勉強になったと思う。こんな相手とはそうそう“マジな”対戦経験は得られない。
 

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個人戦決勝まで終わったので、表彰式の時刻だが、女子の表彰式は保留され、まずは男子の表彰式だけが行われた。
 
でもここで公世は銀メダルをもらい、満面の笑顔だった。
 
なお女子3位の2人には、場合によっては“2位決定戦”をしてもらうかも知れないから、試合ができる状態で待機していてと伝達があったらしい。
 

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男子表彰式から30分遅れでやっと女子の表彰式が行われた。
 
「優勝した木里選手の参加資格に疑義があったので調査しましたが、問題なしと確認されました」
とだけアナウンスがあった!
 
どうも医学的検査では女と判定されたようである。
 
でも多くの人は、転校して間もなかったとか、外国籍だったとか、留年で年齢オーバーしてたとか、そういう状況を想像したようである。まさか性別問題とは思わなかったろう。
 
それで、木里さんに金メダル、千里に銀メダル、大橋さんと高野さんに銅メダルが授与され、4人で笑顔で握手した。
 
「いやぁ、参った参った」
と表彰式の後で清香は言っていた。
 
「何検査されたの?」
「MRI撮られて確かに卵巣や子宮があることを確認された。血液も採られたからホルモン濃度を調べられたのだと思う」
「さーやのお陰で、表彰式が1時間くらい遅延」
「みんなに迷惑掛けて申し訳無い」
 
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大会終了後、電話で学校に結果を報告したら、校長が物凄く喜んでいて、全国大会の前には壮行会をしよう、などと張り切っていた。
 
鶴野先生たちはその日の夕方、車で留萌に戻ったが、千里たちは1泊して翌日の上りの特急サロベツを使っての帰宅となった。
 
稚内13:45(サロベツ)17:54深川18:05-19:03留萌
 
千里たちは午後の汽車なので、午前中は旅館で身体を休め、お昼には稚内ラーメンを食べてから、汽車に乗った。
 
「そうだ。ショーツは洗濯してから返すね」
と公世が言う。
「結構パワーが出たでしょ?」
「確かにパワーが出たのは否めない」
「全国大会はブラジャーも着けるといいかもね」
「え〜〜〜!?」
「全国大会の宿も、千里と清香と公世の3人一室でいいよね?」
「ちょっと待って」
 
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そして(7/26 19:10頃)留萌駅に着くと
 
駅には、校長先生と教頭先生、先に帰っていた岩永・鶴野・広沢先生が迎えに来てくれていて、まずは校長・教頭と握手をした。それで食事でもしながら報告をと言って、駅舎を出る。教頭が「市長さんがあれを作ってくれたんだよ」と言うので振り返って見る。すると駅舎の表に
 
「祝・R中木里清香選手、S中村山千里選手・工藤公世選手、第34回全国中学校剣道大会・女子の部出場」
 
という横断幕が貼られていたので、千里は「ぎゃーっ」と思った。
 
「あの横断幕、ぼくまで女子の部に出るように読めるんだけど」
と公世。
 
「女子の部に出ればいいんじゃない?」
と玖美子は適当っぽく言った。
 
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駅近くの中華料理店で校長・教頭・岩永・鶴野・広沢、千里・玖美子・公世、それに「私関係無いんだけど」と言っていた沙苗までついでに一緒に食事を取りながら、大会報告をした。沙苗がデジカメで結構写真を撮ってくれていたので、それをパソコンのモニターで見ながら話すことになった。
 
結局全国大会が夏休み中なので全校生徒での壮行会はできないものの、出発式をやりましょう、などと校長は言っていた。
 

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千里(R)が(C町の村山家に)帰宅したのは(7/26 Mon) 21時頃である。
 
「疲れた、疲れた。ごはん食べた?」
と玲羅に訊くと
「レトルトの牛丼食べた」
などと言っている。千里が居ないと、村山家の食生活はそんな感じになる。
 
(Bが民宿に居るのでVはBを装って村山家に行くことができない)
 
それで千里がお風呂に入り、布団に寝ようとして
「わっ」
と言う。
「どうしたの?」
「何この布団は?」
「懸賞で当たったらしいよ」
「へー」
「へーって、先週の火曜日からお姉ちゃん、その布団に寝てるじゃん」
「そうなの!?」
 

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でも新しい布団は気持ちいいなあと重い、大会疲れもあって熟睡していたら
「千里さん、千里さん」
といって夜中にカノ子に起こされる。
 
「眠いよぉ」
「ちょっと来てください」
と言われて、カノ子が運転する車に乗せられ、市街地まで行く。
 
「別の千里さんが勉強合宿をしてたんですけど、途中で消えちゃったんですよ。悪いですけどその後をお願いできませんか」
「勉強〜〜?私苦手なのに」
「やれる範囲でやればいいですよ」
 
と言われて、千里Rが27日の朝からは勉強合宿に参加したのであった。
 

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そして、27日朝、村山家には千里Bを装った千里Vが現れ、朝御飯を作ってから「Q神社に行ってくる」と言って出かけた。
 
つまり外見上は、
・民宿に居たBが翌朝村山家に
・村山家にいたRが翌日は民宿に
と入れ替わったような形になった。
 
夜間の村山家には千里が居なかったが、夜中に千里が布団に居ないのは日常茶飯事なので、玲羅は夜中にトイレに起きて姉が居ないのを見ても気にしない。
 
でも裏事情では27日朝村山家に居た“B”は実はVであり、全体ではこのようになっていた。
 
26 AM:V=Q神社 PM:B=勉強会 (Rは稚内から留萌に移動)
27 AM:V=Q神社 Rは全日勉強会
28 AM:V=Q神社 R=AM勉強会 Rは午後帰宅
29-31 Q神社お休み
 
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なお、千里Rは27日のお昼は
 
「市長さんと会ってくる」
 
と蓮菜たちに言って、セーラー夏服を着て民宿から出掛け、公世、S中校長、清香、R中の校長と落ち合い、5人で市役所に行った。そして市長さんと会い、握手をしてから、メダルを掛け賞状も持って、市長さんを含む6人で記念写真を撮った。
 
その後、市長さんと高級仕出しの昼食を取りながらあらためて道大会の様子を語り、全国大会に向けて激励をしてもらった。
 
「でも全国大会に留萌地区の女子が3人も進出するというのは凄いことだね。君たち頑張ってきてね」
と市長さんが言うので、清香は笑いをこらえるのに苦労した!
 
千里はそのあと、また民宿に戻り、勉強合宿の続きをした。
 
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千里は夕方、清香の携帯に電話した。
 
「越智さんと連絡取ったんだけど、私たちの全国大会参加を喜んでくれて大会の直前1週間くらい旭川で合宿しようという話になってるんだけど、清香ちゃんも来ない?」
 
「行く行く!」
「じゃ伝えておくね」
 
「でもさ千里ちゃん、それ以前にも私と沙苗ちゃん、公世ちゃんと4人で少し練習しない?留萌市内で。柔良と玖美子ちゃんまで入れてもいい」
と清香が言う。
 
「やりたいけど、どこか適当な場所あるかなあ」
「それが課題だよね。体育館とかも夏休み中は混んでるし」
「じゃ私も適当な練習場所ないか探してみるよ」
「うん。こちらも探す」
 

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7月26日(月).
 
旭川市内のクリニックで7月16日に性転換手術を受けた中村裕恵(旧名:中村裕太)は、(手術前からカウントして)約2週間入院し、この日退院した。灰麗は毎日御見舞いに行ったが(剣道練習の夕方のジョギングが終わった後来ていた)、中村は「痛いよぉ」と泣きごとを言っていた。灰麗は『私、人間のお医者さんの手術受けなくて済んで良かったぁ』と思った。
 
退院後は、貴子さんが「義浜ハイジ」名義で借りてくれていた2DKのアパートに入った。ベッドにエアマットが敷いてある。しばらくは、中村はここに寝せることになる。“性転換手術を受けた人必須のアイテム”ドーナツ座布団も用意されている。
 
なお中村は既に導尿は終わっていて、病院でも女子トイレの個室で座っておしっこをしていたが、おしっこの出方には感動していた。「うん。あれは女の出方のほうが楽だよね。自分も随分長い間、変なおしっこの仕方をしていたものだ」と灰麗は思う。
 
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灰麗は17日から23日まではずっと剣道の合宿をしている女子中生たちのサポートをしていたのだが、中村が退院した翌日の27日から就職活動を始めようと思っていた。が、貴子さんから
 
「こういう仕事やってみない?」
 
と言われて、紹介してもらい(女性用スーツを着て)出掛けていって面接を受けた。性別を変えていることは正直に話したが、面接担当者は
 
「別に悪いことしたわけでもないし問題無いですよ。美容整形手術したようなものですよね」
と言って、性別の件は不問にしてくれた。ちなみに女子トイレ・女子更衣室の使用も全く問題無いと言ってくれた。
 
それで灰麗がすることになったのは、キノコ栽培の仕事である。勤務場所は旭川近郊の山間部である。正確にはギリギリで(旭川市に隣接する)当麻町になる。車での通勤が必要だが、先週貴子さんの友人が取って来てくれていて、アパート近くの月極駐車場も借りてくれているので、そこから通うことになる。
 
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この仕事は栽培室の環境を定期的にチェックする必要があるので、勤務に入っている間はほとんど眠れない。重労働だし、生活リズムが不規則になるが、
 
「私、芸能人の付き人やってて、深夜労働や不規則な生活には慣れてますから」
と言ったら好感してくれた。
 
それで早速27日の夜間から仕事に入ったのである。
 

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女子中学生・ひと夏の体験(19)

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