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■春銀(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2020-11-28
 
聖子(西湖F)はこの日、古典の授業を受けていた。今日は山上憶良(やまのうえのおくら)の和歌を鑑賞する。
 
「銀(しろがね)も黄金(くがね)も玉も何せむに勝(まさ)れる宝、子に如(し)かめやも」
と先生は歌を読んでから解説した。
 
「この歌は、こういう歌の反歌として書かれている」
 
「瓜喰めば子ども思ほゆ、栗喰めばましてしぬばゆ。いづくより来りしものぞ。まなかひに、もとな、かかりて、安寝(い)し寝(な)さぬ」
 
(原文は河出書房新社・日本古典文庫「万葉集」より802-803)
 
「瓜を食べれば子供のことが思われる。栗を食べるとなおさら思い出させる。子供というものは一体どこから来たものなのだろうか。目の間にいたづらにちらついて、安眠しようとしても眠れない」
 
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「そしてこの歌を受けて、反歌として、銀(しろがね)も黄金(くがね)も玉も何せむに勝れる宝、子に如かめやも、と来るわけだ」
 
「この歌を解釈してみろ」
とまで言った時、先生は紀子がよそ見しているのに気付いた。それで指名する。
 
「立花」
「はい」
と返事をしたものの、紀子は焦っている。
 
「どこ?」
「ここ」
と隣の子に教えてもらった。
 
「えっとえっと、白銀(はくぎん)も黄金(おうごん)も玉も、何だというのだ?価値が無い。それより価値の高い宝、子供には、及ぶべくもない」
 
「うん。ちゃんと解釈できてるな。感心感心」
と先生が褒めたので、紀子はガッツポーズをしている。しかし先生はふと気になった。そして質問するが、先生は10秒後に質問したことを後悔することになる。
 
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「ここで“玉”というのは何のこと?」
「え?金の玉だから睾丸ですか?」
 
教室内は爆笑になった。
 
「まあ、男には、金や銀に並んで大事かも知れんな」
と先生も笑いながら言ったが、紀子本人はなんでみんな笑ったのか理解できてない!
 
聖子は思っていた。
 
Mちゃん、睾丸をどうするか悩んでるみたいだけど、スパッと取っちゃえばいいのに。そのままにしておけば、声変わり来ちゃうよ。
 

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2020年9月5日(土).
 
最近、あけぼのテレビでは、土日の夕方は結婚式のライブ中継が行われることも多いのだが、この日は赤口の三隣亡であまり良い日柄でもないことから結婚式は無かった。代わりにこの日、アクア主演の“アニメ付き朗読劇”が放送されることが1ヶ月くらい前から予告されていた。
 
30分間1話完結の朗読劇(有料放送で定額会員なら試聴可)で、今回取り上げるのは『星の銀貨』(Die Sterntaler)である。原題は stern(ステアン) が星、taler(タラー)は銀貨である。talerは英語のドル dollar の語源になったとも言われる。
 
今回のアニメのキャラクターデザインは、明智ヒバリ画伯!で、主人公の女の子は、アクアそっくりの可愛い顔で描いてくれた。ナレーション担当は今井葉月である。実は葉月はアフレコなども上手く、朗読がとても上手いので起用している。アクアも朗読が上手いが葉月もそれに負けずに上手い。
 
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ある所に貧乏なお母さん(cv:秋風コスモス)と娘(cv:アクア)がいました。
 
お母さんが病気になり、娘が看病していたものの、お母さんはどんどん重くなるばかりです。
「私、町に行ってお医者さん呼んで来る」
「お医者さんなんて、お金が無きゃ来てくれないよ」
「後できっと返しますからとお願いしてみる」
それで女の子は家を出ました。
 
歩いている内にお腹か空いて倒れそうになりました。実は病気のお母さんに栄養を付けてもらおうと、食べ物は全部お母さんにあげていて、娘は自分ではもう3〜4日何も食べていなかったのです。
 
「お嬢ちゃん、どうしたの?」
と通りがかりの女の人(cv:高崎ひろか)が言いました。
 
「すみません。しばらく何も食べていなかったものですから」
「だったら、このパンをあげるから食べなさい」
と言って、女の人が娘にパンをくれました。
 
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「ありがとうございます!あなたに神の恩みがありますように」
と言って、娘はパンを受けとりました。
 
でも娘はもらったパンをちぎって半分だけ食べ、残り半分は明日のために取っておこうと思いました。
 
少しだけお腹が満ちて元気の出た娘が歩いていると、ふらふらした足取りで歩いて来た男(cv:西宮ネオン)がいました。
 
「おじさん、どうしたんですか?」
「もう2日も何も食べてなくて死にそうなんだ」
「なんて可哀想に。このパンをあげますから食べてください」
 
と言って娘は自分が半分取っておいたパンを全部あげてしまいました。
 
「おお、何て親切な少女なんだ。ありがとう。神の恩みがありますように」
と言って、男はパンをもらい、おいしそうに食べました。
 
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娘が歩いていると、裸でふるえている少年(cv:篠原倉光)がいました。
 
「君どうしたの?」
「着るものが何も無くて、凍えています」
「なんて可哀想に。私の上着をあげますから着てください」
 
と言って娘は自分の着ていた上着を脱いで少年にあげてしまいました。
 
「おお、何て親切なお姉さんなんだろう。ありがとう。神の恩みがありますように」
と言って、少年は娘から上着をもらって着て、ほっとした顔をしていました。
 
娘が歩いている内に日が落ちてしまいます。町までは3日くらい掛かります。今夜はどこで寝よう?などと娘は考えていました。その時娘は、また裸でふるえている少年(cv:木下宏紀)を見ました。
 
「君どうしたの?」
「着るものが何も無くて、凍えています」
「なんて可哀想に。私のスカートをあげますから身体に掛けてください」
 
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と言って娘は自分のスカートを脱いで少年にあげてしまいました。
 
「おお、何て親切なお姉さんなんだろう。ありがとう。神の恩みがありますように」
と言って、少年は娘からスカートをもらってポンチョのように着、ほっとした顔をしました。
 

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娘はキャミソールだけになってしまいました。
 
彼女が歩いている内に、すっかり暗くなってきます。どこか森の中で木の洞穴でも見つけなきゃと思いながら歩いていますと、またまた裸でふるえている少年(cv:白鳥リズム)を見ました。
 
「君どうしたの?」
「着るものが何も無くて、凍えています」
 
娘は考えました。自分が着ているのはもうキャミソールだけです。これをあげてしまうと、自分が裸になってしまいます。でももうすぐ夜になるから、誰にも見られないよね、と考えます。それで娘は言いました。
 
「なんて可哀想に。私のキャミソールをあげますから身体に掛けてください」
「おお、何て親切なお姉さんなんだろう。ありがとう。神の恩みがありますように」
と言って、少年は娘からキャミソールをもらって着、ほっとした顔をしました。
 
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娘は完全に裸になってしまいました。ちなみに昔はパンティなどというものは誰も穿いていません。娘は森の中で寝られそうな場所を見つけるつもりだったのですが、歩いている内に森を抜けてしまいます。そこには大きな湖がありました。
 
「そうだ。この湖を突っ切ったら、確か町はすぐそばだ。私どうせ裸になっちゃったし、この湖を泳いで渡ろう」
 
それで娘はもう暗くなっていたのですが、向こうの方に町の灯りが見えるのを頼りに、湖を泳いで横断し始めました。
 
最初は町の向こうにある山の形なども見えていたのが、どんどん暗くなり、山などは見えなくなります。でも町の灯りが頼りになり、娘はそちらに向かって頑張って泳ぎました。
 
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そして完全に暗くなり、もう町の灯りさえ、乏しくなってきた頃、娘はやっと向こう岸まで辿り着きました。
 

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「やった!町はもう近くだ。この辺りで少し寝て、明日の朝一番に町のお医者さんの所に行こう」
と娘は思いました。
 
でも湖に入っていたので娘はずぶ濡れです。
 
「ちょっと寒いかも」
と娘は思いましたが、ふと空を見あげると、満天の星空です。
 
「きれーい」
と娘は呟きました。
 
そしてあまりに美しい星空に見とれていたら、その夜空に輝く星が落ちてきたのです。
 
「わっ」
と思っている内に落ちてきた星は全部銀貨になって娘の周囲に落ちていました。
 

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「すごーい」
と娘はびっくりして見とれていました。
 
そしてふと気付くと自分がごく普通の服とスカートを着ていることに気付きます。服の下にはキャミソールも着ているようです。身体も髪も濡れていません。
 
そこに1頭の鹿(cv:品川ありさ)が出て来て娘に言いました。
 
「それは、自分も貧乏なのに、人にたくさん親切をした君への神様からの贈り物だよ。全部持って行きなさい」
 
「そんな。私はこんなにたくさんもらうほどのことはしてません。それに私が銀貨をもらうのなら、最初に私にパンを下さったお姉さんにこそあげるべきだと思います」
 
「あの女性にも銀貨を10枚あげたよ」
「そうなんですか!」
 
「君はパンをあげた男、上着をあげた少年、スカートをあげた少年、キャミソールをあげた少年、と4人助けたから、銀貨を40枚取るといい。この布袋をあげるから」
 
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「分かりました。ありがとうございます、鹿さん」
 
それで娘は鹿からもらった布袋に、銀貨を40枚だけ拾って入れました。
 

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鹿は娘に夜風を避けて眠れる場所を教えてあげたので、娘はそこですやすやと眠りました。
 
そして娘はその銀貨を持って翌朝、町のお医者さんに行き、銀貨を渡して、母の病気を診て欲しいと言いました。お医者さん(cv:姫路スピカ)は銀貨を10枚だけ取り
「残りは何かの時のためにどこかに隠しておきなさい」
 
と言いました。更に
「君はお腹を空かせてないかい?」
と言い、パンと暖かいスープをくれました。娘はそれを食べて生き返るような気持ちでした。
 
そしてお医者さんは、娘を馬車に乗せると、一緒に娘の住む村まで行き、お母さんを診てくれたのです。
 
お医者さんの処方した薬のおかげでお母さんは随分良くなりました。その後、お母さんは何度もお医者さんに診てもらい、1年ほどの間にすっかり良くなりました。娘はその間の治療代に更に銀貨20枚を払いました。
 
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お医者さんは娘に
「君も少し悪い所がある」
と言い、娘もお医者さんの治療を受けました。娘はその治療代に銀貨10枚払いました。
 
娘は、自分の治療が終わった所で、お医者さんの口利きで、町の商家で働くようになりました。娘が可愛いし心優しいので、お客さんたちにたくさん愛されます。お給料をもらって娘はたくさんお金を得ることができました。やがて娘は暖簾分けして支店を任せられるようになりました。そして田舎のお母さんも呼び寄せ、幸せに暮らしたそうです。
 
おしまい。
 

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女性の視聴者からの意見。
 
「やはり最近は結婚して幸せになりました、じゃないんだね」
「女も自立しなきゃね」
「女の服をもらうのがみんな男の子なのか」
「木下クンがスカートをもらったの意味深だなあ」
「木下クンは絶対スカート似合うよね」
「木下クンの女装見たーい」
 
一般の視聴者からのツッコミ。
 
「裸になったアクアにおっぱいがあった件」
「ボクが演じたのは女の子役なので」
とアクアのお答え。
 
「娘はお医者さんに何を治療してもらったんだ?」
「やはりお股にあった余計なものを取ってもらったのでは?」
「これもやはりアクアが性転換したことを発表するための地ならしかも」
「12月30日に発表して、今年から紅白では紅組から出るという噂もあるな」
 
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「ボク性転換なんかしてませんよー」
「いや、今更そんな嘘を言わなくてもよい」
 

今回の接続回線数はあけぼのテレビ分だけでも、リアルタイムで250万回線に達し、技術陣をヒヤヒヤさせた(あけぼのテレビの同時接続能力は300万回線)。★★チャンネル、ЮЮネットも入れて、タイムシフトで見た人まで入れると1000万回線を突破している。
 
今回のアニメ付き朗読劇が好評だったので、この後、高崎ひろか、品川ありさ、ラピスラズリ、白鳥リズム、姫路スピカなどの主演で、またアニメ付き朗読劇が放送されることが予告された。10月までの放送は既に決まっており、次のように発表された。
 
09.19(土)『注文の多い料理店』(高崎ひろか主演)
10.18(日)『ちびくろサンボ』(品川ありさ主演)
10.24(土)『幸福な王子』(ラピスラズリ主演)
 
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だいたい月2回くらいのペースでの放送になるようである。
 

このラインナップを見てのネットの意見。
 
「服を脱いで裸になる話ばかりではないか?」
「きっと川崎ゆりこの趣味だ」
「この後、きっと、裸の王様とか、人魚姫があるのでは?」
 
「ドラえもんの『なぜか劇がメチャクチャに』だな」
 
なお『ちびくろサンボ』について、秋風コスモス社長は特にコメントして述べた。
 
「ちびくろサンボの物語は、元々インドの物語であり、サンボはタミール人の男の子です。タミールは日本ととても文化的に近く、タミール語と日本語はよく似ていると言われますし、タミールでは日本と同じ長粒種のお米が食べられています。タミールではサンボというのは割とポピュラーな男の子の名前です」
 
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「アメリカでこの物語が紹介された時、インドの竹林で虎が出てくる話が、黒人の男の子が森に入っていく話に改変されました。虎の絵が変なのですが、これはアメリカの当時の絵本制作者が虎という動物を見たことがなかったためらしいです。アメリカで出版された絵本ではイラストもステレオタイプ的な黒人の絵が描かれたりしたことから、後に黒人差別ではないかという批判が起き、日本では一時全ての本が絶版になってしまいました。しかし元々の原作はインドの物語であり、黒人差別など全くありえなかったのです。今回は元々の原作をベースに、絵もインド的なもので制作中です」
 

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