広告:わが輩は「男の娘」である!-コンペイトウ書房-いがらし奈波
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■春銀(12)

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一瞬意識が飛んだものの、どうもエアバッグが作動したようである。
 
「あゆみちゃん、大丈夫?」
「うん。何とか。ひろちゃんは?」
「大丈夫みたい」
 
「ああ。車潰しちゃったよ。これは廃車かなぁ」
「ごめーん」
「ひろちゃんは何も悪くないよ。それに保険で代わりの車が買えると思うし」
「ほんと?それならいいけど」
 
「取り敢えず車外に出よう」
とは言ったものの、ドアが開かない。
 
元々このスポーツカーは図体がでかい割に軽量である。車体がとっても軽くできている。しかしその分どうもヤワにできているようだ。もっともそういうボディは万一の衝突の時は自ら潰れることにより衝突の衝撃を吸収してくれる。日本車に典型的な作りである。更にぶつかったのが生木ではなく枯れ木だったので、それでも衝撃が減った分もあるだろう。枯れ木は折れている。
 
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しかし車体がヤワなのでボディが大きく変形しているせいかドアが開かないのである。運転席側も助手席側も開かない。
 
「窓から出よう」
と言って窓を開けるボタンを押すのだが、動かない。どうも電気系統がいかれているようだ。
 

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「困ったな。JAFを呼んで救出してもらおうかな」
 
などと言っていた時、後続の車(さっきこの車が追い越した車)が停車し、中の人が駆けよってくれた。
 
「大丈夫ですか?」
「怪我はしてない感じだけど、ドアも窓も開かなくて」
「窓割りハンマーを持ってますけど割っていい?」
「お願いします!」
 
それでその人が助手席側の窓を割ってくれたので、そこからまずは青山が脱出し、続いて藤尾さんも脱出した。
 
助けてくれた人がJAFを呼んでくれた。
 
「何から何までありがとうございます」
 
「でもどうしたんです?」
「そこの脇道からいきなり軽が飛び出してきたんですよ」
「ライトも点けてなくて。その車を避けようとして、道路外に逸脱してしまって」
 
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それでJAFが来るまで3人で話していたら、車から煙が出てくるのに気付いた。
 
「危ない」
「離れよう」
と言って3人が車から離れたら、いきなり車は爆発炎上したのである。
 
青山も藤尾さんも呆然として炎上する車を見ていた。
 
「車から脱出した後で良かった」
と青山は言った。
 
「うん。外に出られなかったら、僕たち死んでた」
と藤尾さんも言った。
 
それで2人は助けてくれた男性にあらためて御礼を言ったが
「お互い様ですよ。無事でよかった」
と彼は言った。
 

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JAFが来るまでに車の火災は自然鎮火した。ガソリンの残りが少なく、氷見ICそばにガソリンスタンドがあるはずと思っていたが無くなっていたので、羽咋に着いたらすぐ給油するつもりだった。それで少し燃えただけで済んだようだ。
 
「制服が燃えちゃった」
「仕方ない。再支給してもらおう」
 
なおふたりとも財布などの入ったバッグは脱出の時に持ち出していた。青山のETCカードが焼けてしまったが、これは再発行してもらうしかない。
 
結局事故証明ももらう必要もあり警察も呼ぶハメになる。保険屋さんも呼ぶ。
 
警察の人は主として運転していた藤尾さんから事情を聞くと
 
「最近、その手の脇道からいきなりライト点けてない車が飛び出してくる事故が頻発してるんですよ。あなたはスピード出してませんでした?」
 
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「え?40km/hくらいだったと思うけどなあ」
 
(本当は80km/hくらい出していた)
 
結局羽咋までパトカーで運んでもらい、また車もレッカーで羽咋市内のJAFの車工場に運んでもらい、保険屋さんに必要な処理をしてもらった。遅くなったので、この夜は、結局羽咋市内のホテルに泊まり、翌日JRで金沢に戻ることになった。
 
ホテルはダブル!しか空きがなかったので
 
「何かあった時はあった時だよね」(藤尾)
「絶対何もしないから」(青山)
 
と言って、同じベッドの上で5cmくらい空けて寝たが、青山が起きた時に藤尾さんが寝相が悪いみたいで青山の上に乗っかっていたことを除けば何も性的なことは起きなかったようであった。
 

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ふたりとも病院で検査を受けたがどこにも異常は無かった。たぶん藤尾さんの急ブレーキで充分減速してから衝突した上にエアバッグも作動したので、身体にはほとんど衝撃が掛からなかったのだろう。
 
無事保険の処理もできて9月には新しい車を買うことになるが(それまでは毎日青山が自分のトコットで彼女を自宅から送迎してあげた−藤尾さんのお母さんは青山を普通に女子の同僚と思っていたようである)、青山は藤尾さんの車選びにも付き合うことにした。結局RX-8の中古を買うことにする。ボーナスをまだほとんど使っていなかったので、保険にボーナス分を追加して50万円!?のRX-8を買った。
 
「安すぎない?」
「大丈夫大丈夫。燃えちゃった***なんて30万で兄貴が買ったものだし」
「30万!?あり得ない!」
「元々エンジンの調子悪かったし、寿命だったかもね」
「かもね!」
「またドライブしようよ」
「うん。安全運転でね」
「任せといて」
 
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それでふたりの週末ドライブはまだまだ続いて行くのである。
 
「ところでそろそろ去勢しちゃわない?どうせみんな、ひろちゃんは去勢済みと思ってるし」
「まだ男を廃業したくないから」
「既に廃業している気がする」
 

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(2020年)8月12日(水)、恵馬(恵真)は、仮名Aさんとの5度目のセッションに出かけた。いつものようにTシャツとズボンという格好で出かけようとしたら、母から
「スカート穿いて行きなさいよ」
 
と言われたので、それもいいかなと思い、スカートに着換えて来た。
 
それでいつものように##駅前まで行くと、いつものようにフェラーリでやってきた仮名Aさんは
「おお、今日はちゃんとスカート穿いてきたね。感心感心」
と嬉しそうに言った。
 
いつものように川崎市内のAさんの家で30分ほど発声練習をした。この日はとうとう女の子っぽい声が少しだけ出た。
 
「その出し方、その出し方をしっかり覚えて」
 
この日はこの女の子のような声で出る音域はわずか5度だった。でも録音して聴いてみても、ちゃんと女の子が歌っているように聞こえるので恵真は凄く嬉しい気分になった。
 
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その後、また30分ほどフルートの指導をしてもらった。
 
「こないだ譜面渡したばかりでもう吹きこなしている。あんた凄いよ」
と褒められた。その後、また解釈の分かれる所を中心にAさん自身実演しながら、指導してくれた。
 

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「だけどあんた、フルートも上手いけど、歌もかなり上手いよね。コーラス部とかには入らなかったの?」
「小学生の時から吹奏楽部だったから」
「兼部でもいいのに」
「練習時間が重なるから無理です」
 
本当は・・・小学生の時は兼部していて、コーラス部で二部合唱の“高音部”を歌っていたが、中学に入ると“ソプラノ・アルト・男声”という三部合唱になり、恵馬は男声のパートに入れられた。男声パートは裏方なので、それがつまらなくて辞めたのである。実際には恵馬は中学1年生の段階では、まだソプラノ・アルト・男声の全てのパートを歌うことができたが、男子だからという理由で、ソプラノには入れてもらえなかった。
 
「確かに声は出てるけど男子にセーラー服着せる訳にもいかないし」
 
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などと顧問の先生が言ったが、恵馬は、セーラー服着たいよぉと思っていた。
 
吹奏楽部では、男女関係無く演奏できたから、そちらの方が恵馬の心情としては居心地が良かったのである。中学の時はフルートを吹けるのが恵馬だけだったので、貴重な戦力として活躍した。高校に入るとフルート奏者は他に2人いて、どちらも女子だったが、恵馬の性格が知れると、2人とも同性の友人の感覚で仲良くしてくれた。
 

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フルートの練習が終わった所でAさんから言われる。
 
「今日もこの後は写真撮影に行こうか」
「はい」
 
「今日は水着写真を撮りたいんだけど、いい?」
「水着って・・・まさか女の子水着ですか?」
「当然。男の水着写真なんて需要が無いよ」
「やはり」
 
「でもあんたそのまま女の子水着を着けたら、お股に変な盛り上がりができちゃうからさ」
「はい。どうしましょう?」
「盛り上がるものを取っちゃおう」
「え〜〜〜!?」
 
「そういう訳で今日は男の子を廃業してもらうから」
「ちょっと心の準備が」
「今日はスカート穿いて出て来たじゃん。もう女の子になっていいと思うようになったんでしょ?」
「どうしよう?」
 
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「迷うようなら、取っちゃおう」
「そうなの〜〜?」
 
恵真は最初にここに連れて来られて“女の子に変身”させられた時に入った小さな部屋に連れて行かれ、手術台に寝るように言われた。
 
スカートをめくってパンティを脱ぐように言われる(まだ撮影に行く前なのでガードルはつけていない)。
 
それで恵真がパンティを脱いだら、仮名Aさんは、最初に何かゴムのチューブと、その先にビニール製の小瓶のようなものが付いているものを渡した。
 

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「もう男の子ではなくなってしまうから、その前にあんたの精液を採取しておきたい。自分で出してくれる?」
 
そう言われたのだが、恵馬は尋ねた。
 
「出すってどうやるんですか?」
 
Aさんはキョトンとしていたが言った。
 
「あんたまさか自分で精液出したことないとか?」
「精液って結婚していなくても出るんですか?結婚したら男性が精液を出して女性の卵子と結合すると赤ちゃんができるとは聞きましたけど」
 
「あんたオナニーしたことないの?」
「オナニーはしたことありますが、それと何か関係あるんですか?」
「オナニーしたら、ちんちんの先から白い液体が出るでしょ?」
「え?そんなこと起きるんですか?」
 
Aさんは右手を額に当て目を瞑って考えるようにしていたが、言った。
 
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「あんたここでちょっとオナニーしてみなさい」
「え〜〜?」
「医学的にあんたの性的な機能を確認しておく必要がある」
「医学的にですか?」
「おかずとかいる?」
「え?ごはん食べるんですか?」
 
「いいや。やってみて」
「はい」
 
それで恵馬は恥ずかしかったが、Aさんが見ている前でオナニーしてみた。恥ずかしかったので時間がかかったものの、10分ほどで逝くことができた。
 
「確かに逝ったみたいね」
「はい」
 
(恵馬は自分の“逝きかた”がドライというものであることを知らない)
 
「いつもそうやってるんだ?」
「月に1回くらいかも」
「なるほどねー。あんたの精液は保存不要というか保存不能であることが分かった」
 
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「そうなんですか?」
 
「あんたにパンティ穿かせる時、あの辺を触ってても立たないなぁと疑問は感じてたけどね」
「え?いつも横になってますよね?」
 
(会話がかみあってないことに恵馬は気付いていない)
 
「仕方ないから、このまま女の子への改造手術をする」
「はい、それでいいです」
 
(恵馬はここで改造されることに同意している)
 

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Aさんはゴム手袋をして、ハサミを取りだした。
 
そのハサミで切られちゃうのかな?麻酔とかは?と思っていたら、Aさんはその付近の毛を切り出した。
 
「毛が生えたままでは手術できないからね」
 
やはり手術されるんだ?と思うとドキドキする。
 
でもボク、女の子になっちゃったら、結局こないだ頼んだ女子制服を着て学校に行くことになるのだろうか。ちゃんと女性ホルモンも飲んだ方がいいよね?
 
Aさんはその付近の毛をあらかたハサミで切ってしまうと、次に電気シェーバーを取りだした。でもヘッドの形が、少し違う。
 
「これは櫛刃のシェーバー。長い毛をこれで短くする」
「へー」
 
時々毛がその櫛刃に引っかかって痛いが、毛はどんどん短く刈られていく。何か頭を五分刈りとかにされるみたーいと恵真は思っていた。
 
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それでだいたい刈り終わると、最後にAさんはシェーバーのヘッドを円形の普通の電動ヒゲ剃りみたいなものに交換した。それで更に毛を剃っていく。その付近の毛がどんどん無くなっていく。なんか懐かしい気がした。小学生の4年生くらいまでは、こんな雰囲気だったよなと思った。
 

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「これで毛は全部無くなったから、いよいよ君を女の子に変える手術ができる」
 
やはり手術されちゃうのか。
 
女の子になっちゃったと言ったら、お母さん驚かないかなあ。
 
でも叱られたりはしない気がした。
 
 
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