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■春からの生活(22)

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「ところでここにこの後、入るの誰なの?」
「ここは京平君の神社だから、誰か住んでないといけないんだよな」
「誰でもいい訳ではなく男の娘でないといけない」
 
「ああ、それが貴人がちょうどこの近くに引越先を探していた高校生の男の娘を見つけたんで、その子に住んでもらうことにしたらしい」
「それはまた都合良く、そんな子が見つかったもんだな」
 
「俺たちはここに来てもいいんだよな?」
「もちろん。所有者は千里だから、いつでも来て“食事”していいらしい」
「じゃ問題無いな」
「青龍はどうするの?」
「退職するまでの1ヶ月はホテル暮らしだと」
「ホテルに帰れるのかな?」
「それがかなり問題だな」
 

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千里1は疲労が激しかったので、結局4月2日は千葉の信次の家に辿り着き、康子に「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」と挨拶すると、そのまま布団に入ってすやすやと眠ってしまった。
 
「やはりソフトの仕事って大変なのね!」
と康子は言っていた。
 
なお禁欲中なので信次は別の部屋(兄・太一の部屋)に寝ている。別の部屋に寝ているので康子が心配したが、体外受精実行までは禁欲中なのでと説明するとホッとしていた。
 
3日はヤマゴからの指示で近くの駐車場に駐めてあった軽トラを自宅前まで運転してきて、タンスの類い、段ボールなどを、千里と信次の2人で家の中に運び込んだ。
 
「千里ちゃん、力があるのね!」
と康子が驚いていたが
「一応バスケットボールの選手なので。インターハイとかにも出ましたから」
と言うと、感心していた。
 
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その後、段ボールを開けるのは保留して信次と一緒に仙台市に向かい、産婦人科で代理母をしてくれる女性と面会した。中国人で潘さんという人である。自分の子供を既に3人産んでおり、代理母も今回が3回目ということであった。穏やかな性格で、とても人の良さそうな人だったので、千里たちも安心した。
 
仙台市内のホテルに1泊し(この日も万が一にも射精したりしないように別々の部屋!に泊まった)、4日の午前中に一緒に病院に行き信次の精子を採取する。信次が採精のあと、スッキリした顔をしているのを見て微笑んだ。
 
そして検査の上で、前日に採取した桃香の卵子と受精させた。
 
その受精の瞬間、千里は桃香に対する嫉妬の気持ちが起きたので、ああやはり自分は信次のことが好きなんだなと再自覚した。
 
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ふたりはその日のお昼の新幹線で東京に戻った。
 

一方桃香は3日の朝仙台に入り、入院して検査を受ける。夕方卵子の採取を行って、その日は病院で1泊する。そして朝異常がないのをチェックしてから退院になり、10時の新幹線で東京に戻った。病院の方針で千里たちとは顔を合わせていない。
 
12時前に東京に着き、朱音の所から早月を回収する。13時半に東京に戻ってきた千里・信次と合流し、一緒に遅めのお昼をたべながら、今日受精させた子供が育つことを祈った。
 
それで早月と一緒に経堂のアパートに戻ったのだが、室内に大量のゴミがあるのにギョッとする。
 
「桃香ごめん。引越のゴミをここに置かせて」
 
という千里の字(実は千里2の字)のメモがあったので、桃香は腕を組んで悩んだものの、千里の本棚とか寝具まで室内にあるのに気付き、千里はやはりこちらに時々来てくれるんだな、と解釈した。
 
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「千里〜、早く離婚して戻ってこいよ」
 
などと桃香は言いながら、日本酒を熱燗にし始めた。
 

4/2 千里3が1軍のティップオフに出る
4/2夕方 千里1が千葉へ
4/2夜 眷属たちによる“お引っ越し”開始
4/3 桃香は朝から仙台に行き入院
4/3 千里1、信次と一緒に仙台に行き代理母さんに面会
4/3 夕方 桃香の卵子採取
4/3 夕方 眷属たちによる引越・清掃完了
4/4 桃香退院して東京に戻る。10:07→11:44
4/4 AM 信次の精子採取→受精
4/4 昼 千里1・信次東京へ。11:57→13:32
4/4 西湖が用賀に引っ越してくる
4/6 受精卵を潘さんの子宮に投入
 

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2018年4月1日(日).
 
西湖は桜木ワルツに付き添ってもらい、世田谷区のS学園に行った。
 
もちろん女子制服に身を包んでいるし、下着も全て女物、胸はブレストフォームを貼り付け、股間はタックして女体偽装している。西湖はこれから3年間は身も心も女子高生として過ごすことになる。
 
この学校では昨日3月31日(土)に中等部のオリエンテーションが行われ、今日が高等部のオリエンテーションである。
 
西湖の両親はこの日が舞台の千秋楽なので来られない。それで桜木ワルツが保護者代わりに付き添ってくれたのだが、ワルツは実際問題として1月以来ほんとに西湖の保護者のような感じになっていた。
 
「私を本当のお姉さんと思っていいからね」
とワルツは言っていた。
「そう思わせてください」
「じゃ、あんたは私の可愛い妹ということで」
「そうか。私は妹なんですよね」
「うん。弟ではない」
 
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ここは中規模の学校である。定員としては中等部1学年210人、高等部1学年270人で、中等部は35人学級×6、高等部は内部進学組が進路別に6クラス(20-50人)、高校募集組が35人学級×2となっている。ただし実際には定員一杯にはなっておらず、現在中等部580人、高等部770人くらいらしい。
 
私立の中学高校では学費が払えなかったり、授業に付いていけなくなったりして退学していく子がだいたい1割ほど出ると言われるのだが、ここは私立にしては学費が安い上に親の年収による減免制度もあり、また授業の水準が低い!ので、逆に他校から転校してくる子がいて中高ともに上の学年の方が人数が多いという。
 
(芸能人や音楽家などになったOGがたくさん寄付してくれるので学費を安くすることができるらしい)
 
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西湖は「天月聖子(あまぎせいこ)」の名前で4年7組に入れられていた。7組は芸術は音楽の選択、8組が美術と書道である。西湖は音楽に入れてもらって良かったぁ!と思った。
 
今日のオリエンテーションに出てきているのは、高校募集組の70人のはずだが実際には62人という話であった。合格した後辞退した子がいて二次募集もしたらしいのだが、それでも人数を割り込んでしまったらしい。ちなみに今年は入試で落ちた子は居ない!という話であった。
 
西湖はもし自分が「女子でないから」という理由で落とされていたら、唯一の不合格者になっていたかもと考えて冷や汗を掻いた。
 

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校長先生の挨拶の後、教頭先生が色々とこの学校に関する説明をしたが、皆さんの中には中学の授業に付いていけずに苦労した人もいるかも知れないが、うちの学校は国語の古典・漢文、英語、数学、理科については学級とは独立した習熟度別に編成したクラスで授業を行うので、中学1年からやり直す気持ちで勉強して欲しいと言っていた。西湖は、それいいなあと、またこの学校が好きになった。
 
今日来ている生徒はもちろん全員女子である。
 
付いてきている保護者もお母さんが多いが、少数お父さんが来ている子もいるようだ。そのお父さんたちは全員写真入りの保護者証を首からぶらさげている。お母さんたちはそのようなものを付けていないので、男性の入構者をコントロールしているのだろうと西湖は思った。
 
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生徒はほぼ全員が標準服の冬服を着ている。私服の子が何人かいるが、製作が間に合わなかったのか、あるいは私服通学の予定なのか。
 
教務主任からカリキュラムの説明、生徒指導主事から校則の説明などがあり、生徒会長から生徒会活動と部活動についての説明もあった。入学担当の先生からこの後、会場で購入してもらいたいものの説明があった。
 
一通りの説明が終わった後、順番に生徒手帳用の写真撮影をした。その後、教科書購入の所に並んでいたのだが、いくつか人だまりができている。見ると、アイドル歌手の田川元菜、FireFly20の酒井水希、ドラマで活躍中の女優・稲川奈那である。
 
「すごーい!サインが欲しい」
などと西湖が言うので
「あんた、自分が芸能人であることを忘れている」
とワルツから言われた。
 
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むろん学校ではサイン禁止である。
 

教科書は重いのでワルツが車に持っていってくれた。それで西湖がひとりで体操服購入の所に並んでいた時、トントンと肩を叩かれる。
 
「おはようございまーす」
「おはようございまーす」
とつい業界習慣の挨拶を交わす。
 
あまり売れているとはいえないグループアイドル“Flower Lights”の立花紀子ちゃんである。
 
「知ってる顔があって嬉しい」
と紀子。
「覚えて頂いていて光栄です」
と西湖。
 
「だってリハーサルの時はたいてい葉月(はづき)ちゃんが来てるし」
「Flower Lightsとは随分遭遇したね〜」
 
「でもやはり葉月ちゃんって女の子だったのね」
「なんで〜?」
「男の子みたいな声出してるときもあるから、女の子に見えるけどアクアちゃんと同様の男の娘ではという疑惑もあったんだけどね」
「そうなの?」
と言って西湖は笑っている。
 
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もうこのあたりは開き直るしかない。
 
「女子校にいる以上女の子だよね?」
「まあ普通そうだね」
 
「でもアクアちゃんは男の子なのに女子校のC学園に通っているんでしょ?凄いね。やはり心は女の子だから?」
「違うよ。C学園は去年から男子も1学年3人だけ入れることになったんだよ」
「そうだったんだ!みんなアクアちゃんなら女子高に入れるかもねなんて言ってた」
「本当に入れそうで怖い」
 
「この苗字は何て読むの?」
と紀子は西湖のネームプレートを見ている。「天月」はなかなか読みにくい。
 
「あまぎ。本名はあまぎせいこ、なんだよ」
と言って自分のフルネームをスマホのメモ帳に天月聖子と書いてみせる。
 
「なんか本名の方がよほど芸名っぽくない?」
「それはローズ+リリーのマリさんからも指摘された」
「紀子ちゃんは本名?」
「そうそう。うちのユニットは全員本名で活動している。悪いことしても改名できない」
と言って紀子は笑っていた。
 
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この日はほかに、電子辞書、内履き、体育用の運動靴(屋外用・屋内用)、水泳用水着、通学用リュック、通学用ローファー、を購入した。水着はサイズを計られて「Sでいいかと思ったけど、あなたはバストが大きいからMでないときついね」と言われてMを購入した。リュックや通学用靴は指定のものでなくても、ありあわせのものでもいいと言われたが、西湖はお金には余裕があるので買うことにした。ついでに校名ロゴの入ったスポーツバッグも購入した。
 
「スポーツ系の部活とかしない限り特に使わなくてもリュックに体操服くらいは入っちゃうけどね」
「まあ持っていても悪くない」
 
「でもこのローファー凄く可愛い」
「さすが女子校の指定靴だね」
と西湖はワルツと話していた。
 
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西湖はこの日は桶川の自宅から出てきたのだが、4月4日に引越をすることにしていた。それで2日と3日の2日間掛けて荷造りをして4日の午前中に父が劇団の2tトラックを借りてきて、荷物を運んでくれた(実際には荷物は軽トラでも乗る程度である)。
 
運んだのは基本的には衣類と書籍類、CD/DVDにテレビとラジオである。衣類の中には仕事で使う衣装類が大量にある。また書籍の中には中学時代の教科書や参考書などもある。これを全部勉強し直すつもりである。進研ゼミの中学講座にも申し込んでいる。
 
西湖の実家はマンションだが、エレベータがあるので問題無い。用賀の新居は1階だから問題無い。
 
いったん荷物を入れた所で、ホームセンターに行き、勉強机と本棚、それに炊飯器とホットプレート、スピードカッター、電動泡立て器を買った。ついでに父はドレッサーを買う。更に母に言って、生理用品とトイレの汚物入れまで買った。
 
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「女の子には必要なもの」
と父は言った。
「生理用品はこの生理用品入れに入れていつも持っておきなさい」
と母も言った。
 
生理用品入れはピンク基調の花柄の折りたためるもので、中にナプキン2枚とパンティライナー2枚が収納できる。
 
「うーん。意識革命が必要だなあ」
と西湖は言った。
 
「28日周期で自分の生理の日を決めてカレンダーか手帳に印を付けておいて、その日はナプキンをつけておくといいんだよ」
「なるほどー」
 

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