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■黄金の流星(24)

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語り手「人々は潮が引くようにこの島を立ち去りました。実際何も無い島に長く留まるのは意味も無いし、また不可能でもありました。9月4日の午後には軍艦を含めて全ての船が退去しました」
 
映像は、ゼフィラン、ミレイユ、セルジュの3人が並んでいる所の顔だけが映る。首から下は黒いシート?で隠されて見えない。
 
「アトランティス、夕方くらいまでには戻って来てくれるかなあ」
とミレイユ。
「裸で2晩過ごすのは辛いですね」
とセルジュ。
 
「全部流されちゃったからね」
とミレイユ。
 
「どこかに予備の服とか置いてなかったの?」
とゼフィラン。
 
「エレクトラだけじゃなくてマイアまで流されちゃったし」
とミレイユ。
 
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「爆発のエネルギーは凄まじいですね」
とセルジュ。
 
「まあ北極で濡れた服で過ごすよりは裸のほうがまだマシというので裸になっているわけだけど」
 
↑説明的な台詞!
 

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「ポンプのエンジンを動かしてるので、少しは暖かいですね」
「この燃料が無くなったらどうしよう?」
「それまでにはアトランティスが来てくれることを祈りたい」
「燃料、マイアまで持って行くの面倒くさがって、ここに置いてて良かったですね」
「概して手抜きは良い結果をもたらす」
「ただの偶然じゃないの?」
 
字幕で「3人は裸になっているという設定で、実際には着衣で演技しています。またこのシーンを撮影しているのは女性の撮影者です」と表示された。これも規律の厳しい国用の配慮である。実際には、そういう国でも「女優3人の演技だから問題無い」と言われた所が多かった。撮影したのも美高鏡子である。
 

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振袖姿の元原マミが登場し、経過を語る。
 
「隕石が海に転落してしまったことは、9月6日の夕方、高速航行が可能なアメリカの軍艦からの報せにより、アメリカ政府がグリーンランド政府のメッセージを代理で世界に発信して、知れ渡りました」
 
「世界中の全ての金鉱が操業を再開しましたが、この時点で金鉱のほとんどがルクール銀行によって株式を独占されていました。そしてルクール銀行は、そこから上がる莫大な利益をは受け取ることになりました」
 
「そもそも株で最も正しい儲け方は売買ではなく配当で儲けることである、つまりキャピタルゲインより、インカムゲインというのが、多くのまともな証券マンの意見です」
 
「結局ミレイユは天空の金(きん)は手に入れられなかったものの、地上の金(きん)を入手したのです」
 
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語り手「9月18日にモジーク号はチャールストンに帰ってきました。帰国した5人の顔をみて、ミッツもフローラもルーも、全てが解決したことを知りました」
 
モジークがチャールストンに着いて5人が降りてくる映像、彼らが列車でワストンに到着した映像が流れる。
 
語り手「9月30日、フランシスとジェニーはセント・アンドリュー教会にて、オガース牧師により結婚式を挙げました」(*104)
 
2人の結婚式の映像が流れる。
 

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タキシードを着たフランシス(鈴本信彦)が先に前方まで行き、その後、フロックコートを着たハデルスン博士(チャンネル)にエスコートされたウェディングドレス姿のジェニー(ビンゴアキ)がヴァージンロードを進む。博士がジェニーをフランシスに引き渡す。
 
オガース牧師(藤原中臣)が定型句を言う。(*106)
 
「フランシス・ゴードン。あなたはこのジェニー・ハデルスンを妻とし、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しき時も、健やかなる時も病める時も、ふたりが生きている間中、共に過ごし、慈しみ合うことを誓いますか」
 
「誓います」
とフランシスは答える。
 
「ジェニー・ハデルスン。あなたはこのフランシス・ゴードンを夫とし、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しき時も、健やかなる時も病める時も、ふたりが生きている間中、共に過ごし、慈しみ合うことを誓いますか」
 
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「誓います」
とジェニーも答える。
 
「結婚は成立しました」
と牧師は宣言する。
 
そして
「神の恩みのあらんことを」
と言って十字を切る。
 
参列者も十字を切った。この後、オガース牧師が結婚証明書を作成し、フランシスとジェニーが署名して、法的に2人は夫婦になった。
 

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(*104) アメリカでは結婚式をおこなうことが結婚の要件であり、日本のように届けだけ出して式を挙げないということはできない。法律上有効な結婚式を挙行できるのは、裁判官および(認定された)牧師や司祭(*105)などである。
 
日本人がアメリカの教会で結婚式を挙げたいという場合、教会により、“未婚でなければ挙式をしない”教会と、海外で結婚したカップルに追認でセレモニーだけしてくれる教会がある。
 
どちらであるかによって、事前に日本国内では婚姻届けを出してはいけない場合と、予め婚姻届を出して婚姻届受理証明書をもらっておかなければならない場合があるので、注意が必要である。
 
前者では未婚の状態で渡米し、教会で法的な結婚式を挙げた上で、結婚証明書を持ち帰り、日本の役場に提出する。戸籍には「婚姻の方式:アメリカ合衆国の方式」などと記載される。また結婚式前には、ホテルで同室に泊まることを拒否される場合もある。
 
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(*105) カトリックの聖職者は司祭(Priest) であり、“神父”(Father) は、司祭への呼びかけの言葉である。“教師”に“先生”と呼びかけるようなもの。プロテスタントの多くは万人司祭の立場を取り、牧師は信者の代表のようなもの。この“牧師”は宗派により、様々な呼称がある。一般的には Pastor というのが多いが、前述のようにオガース牧師は reverend である。アメリカのルター教会などがこの名称を使用する。
 
(*106) この式の様子は宗教色を弱めている。出演者のほとんどが非キリスト教徒なので、キリスト教色を強くすると演技に抵抗を感じる人も多いということから、宗教色の強い部分を回避したもの。これはキリスト教以外の宗教が支配的である国への配慮でもある。「父なる神、イエス・キリスト、聖霊の名において」ということばを省略し、「アーメン」も発音しなかった。
 
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語り手「アトランティスは9月4日の20時(GMT)頃にウペルニヴィクに戻って来ました」
 
ダカール船長はゼフィランの土地の半分くらいが消失しているのを見て青くなったものの、こちらに向かって手を振る3人の姿を認識してホッとした。
 
すぐに近くに停泊し、セシル(津島啓太)がアルジャンで迎えに行く。
 
セシルはガウンを3枚持って来ており、3人に渡したので3人はそれを羽織った。3人が裸だったのでダカールの指示で持って来たのである。ここから3人の全身が映る。
 
「お疲れ様です。ご無事で良かった」
「いや身ぐるみ剥がされたってこういうことだね」
「なぜ裸に?」
「ずぶ濡れになったからね。北極で濡れた服を着てたら死んじゃう」
「確かに裸のほうがマシかも知れません」
「お腹も空いた」
 
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「取り敢えずスープでもお持ちします」
と言ってセシルは、ボートがアトランテススに戻るとキッチンに飛んで行った。
 
ダカール船長自身が3人の服を持って来てくれた。実はダカールだけがミレイユの部屋の鍵を持っている(理由は“後述”)。
 

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「ぼくこの服を着るの?」
とゼフィラン。
「ジルダル様の服が見当たりませんでしたので」
とダカール。
「確かにぼくは着替え全部持って島に上陸した」
「ということは女の服を着るか裸で過ごすかだね」
「え〜〜?」
「特別に私の服を貸してあげるよ」
とミレイユ。
 
「これミルの服?」
「ここは私の別荘みたいなものだからね」
「分かった。ミルの服を貸してください」
「はいはい」
「でもスカートとか恥ずかしい」
と言いながらその屈を着る。
 
「でもジルダル様、似合ってますよ」
とセルジュが言っている。
「セルジュもスカート穿いてると印象がかなり違う」
「私は男名前を付けられて男として育てられたんで、スカート穿いてると女装している気分になります」
「ぼくも女装している気分だよ」
 
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「しかし2ヶ月も留守にしたら、仕事が溜まってるだろうなあ」
とミレイユは言っている。
 
「ミルもたまには気分転換するべきだね」
「ゼフも時々性転換するといいかもよ」
「やだ」
 

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語り手「アトランティスは9月10日・木曜日の朝ルアーブル港に帰着しました。7月6日にこの港を出て以来、2ヶ月ぶりのフランス本土でした。しかし・・・」
 
画面はベッドで熟睡しているふうのゼフィランを映す。
 
(アクアは本当に眠ってしまったので起きるまで3時間ほど放置して、その間撮影陣は他の場面を撮影していた)
 
「あれ?」
 
彼は目を覚ました。(アクアの本当の寝起き)
 
船は停泊しているようである。
 
ゼフィランがサロンに出て行くとセルジュが居る。
 
「おはようございます、ゼフィラン様」
「もしかしてフランスに着いた?」
 
「はい、ルアーブルです。ミレイユ様はもう銀行にお戻りになりました」
「忙しい子だなあ。ぼくはぐっすり寝てた。ごめーん」
「いえ。私たちは航海中は日曜もありませんが、いったん港に戻るとひたすらお休みですから」
 
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「何もすることないの?」
「普段ミレイユ様は毎週日曜にいらっしゃるんです。それで近海をクルーズして息抜きをしておられます」
「贅沢な生活だなあ」
「平日のお仕事が大変そうですから」
「あの子もよくやるよ」
 
「御自宅までお送りします」
「助かる」
 

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それでゼフィランはスカート姿のまま!やはりスカート姿のセルジュと一緒に船を下りた。駐車場に駐めた Peugeot Lion Phaeton (*107) に乗り込む。セルジュが運転して車を出す。
 
「わりとゆっくりした車だね」
「Type91は高級車ですが フェートンは普及車ですから」
「へー」
 
「パリまでは時間がかかりますから寝ててください」
とセルジュは言う。
 
「確かに時間かかりそうだね」
と言って、ゼフィランは本当に寝てしまった。
 

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(*107) プジョー・リオン・フェートンは、プジョーが路線上の対立からプジョー兄弟社とプジョー自動車に分裂していた時代に、プジョー兄弟社が出した普及型の自動車である。
 
プジョー家は鍛冶職人の家柄で、古くは貴婦人のスカートが釣り鐘型に広がる型などを作っていたが、やがて自転車でひとつの時代を作った。
 
その頃、アルマン・プジョー (Armand Peugeot 1849-1915) は、若き発明家のダイムラーと意気投合し、自動車というものに将来性を感じる。そしてダイムラーが発明したエンジンを乗せた自動車を積極的に製造販売していこうと考えた。しかし社長で従兄のユージーヌ (Eugene Peugeot 1844-1907) は自動車とか流行らないと思っており、うちの会社は自転車の製作でやっていくと言った。
 
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2人は決裂し、アルマンは 1896年4月2日“プジョー自動車”(Automobiles Peugeot) を設立した。一方、ユージーヌの息子たち3人は父親に反してやはりこれからは自動車の時代だと思っていた。それで1907年(父が亡くなった年!)に Peugeot Freres の名前で、このリオン・フェートンを製作したのである。プジョーのライオン・マークはこの時から始まる。
 
フェートンは非力だが安かったので当時としては驚異的な1000台ものセールスをあげた。785ccの1気筒エンジンで最高速度は35km/hである。フェートンとは馬車の一種の名称。
 
自動車というのは、基本的に馬無しでも走る馬車である!
 
先に出て来た Peugeot Type91 はアルマンの会社 Automobiles Peugeot から同じ1907年に発売されており、こちらは2207cc 4気筒、最高速度は70km/hであった。こちらも339台も売るヒット商品となった。
 
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この2つの会社は1910年2月に合併している。この背景にはユージーヌの息子たちが、自分が心血注いできた自動車を推してくれていたことと、アルマンには娘だけで、息子が居なかったこともあった。
 
なお、撮影に使用したLion Phaeton はレプリカであり、実は普通のミラを魔改造したものである!マニアにはエンジン音からミラであることがバレると思う。
 
 
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