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■黄金の流星(23)

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「何も起きないじゃん」
とミレイユは文句を言った。
 
「いや作用してる。少し待て」
とゼフィランは答える。
 

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その時、隕石の見物客は200-300人居た。彼らは隕石がかなり冷えてきているので、ゼフィランたちの居る小屋“エレクトラ”の近くまで寄ってきていた。その近くまで来ている見物客がその音を聞いた。
 
「何?今のピキッて音?」
「ピキピキと言った」
「何か起きようとしている」
 
(演じたのは、花ちゃん、原町カペラ、石川ポルカ)
 

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この音をゼフィランたちも聞いた。
「ほら動いてる」
とゼフィランは得意そう。
 
「ほんとに動いてるみたいね」
とミレイユも言った。
 
セルジュがハッとした顔をする。
「隕石が海に落ちたら凄い蒸気が出ますよね」
「火山の爆発並みの衝撃があるかもね」
 
「ここは危険です。逃げましょう」
とセルジュ。
「その方がいいかもね。ゼフ、その機械を持って私たちも退避しよう」
とミレイユ。
「いや、この機械は動かせない。今持ち去ると隕石の動きは止まってしまう」
とゼフィラン。
 
「だったら、その機械を置いて逃げるしかない」
とミレイユは即断する。
 
「でもこの機械、せっかく作ったのに!ジルダリウムのこのサイズの結晶作るのは2年掛かるのに!」
 
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「機械より、命が大事よ」
 

ゼフィランはミレイユとセルジュに連行されるようにしてエレクトラを出た。彼女たちはその近くにいる見物人に呼びかける。
 
「隕石が転落しそうです。危険なので退避してください」
とセルジュ。
「逃げないと爆発に巻き込まれますよ」
とミレイユ。
 
それで見物客たちの間に悲鳴が上がり、全員、フェンスの向こうまで逃げた。ミレイユたちは、隕石からは陰になる東岸のポンプの傍まで降りた。ポンプのエンジンも停止させる。
 

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見物客たちが遠くから見ている中、確かに隕石は動いているようだった。隕石が動くのに合わせて崖崩れなども起きているような音がする。
 
警備兵たちの傍に居たシュナク大臣(揚浜フラフラ)は悪夢でも見たかのようなふらふらと隕石のほうに行こうとして、警備兵たちに抱きとめられる。
 
「閣下、危険です。行ってはいけません」
と彼を抱き留めた小隊長(横川光照)。
 
「黄金が!我が国を豊かにしてくれるはずだった黄金が!」
と大臣は絶叫する。
 

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その場に来ていたフォーサイスとハデルスンは呆然として今にも海に転落しそうな金色の隕石を眺めていた。
 
ハデルスンが警備兵たちの列を突破して隕石の方に走り寄る。しかし彼は隕石から300mほどのところで倒れてしまった。あまりにも熱すぎるのである。
 
ジェニーが「お父さん!」と絶叫している。フランシスが助けに行こうとして警備兵に停められる。
「行っては、いけません。あなたまで死にます」
「それでも行かなきゃ。放して」
 
とフランシスは警備兵ともみ合いになる。しかしその時、フォーサイスが警備兵の列から飛び出した。彼は熱さにもめげず、ライバルの元に駆け寄った。猛烈に熱いが、彼はかつての親友のためにその熱さに耐えた。
 
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「シドニー、大丈夫か?危険だ。逃げよう」
とフォーサイス(ケンネル)。
 
「ディーン。すまん」
とハデルスン(チャンネル)。
 
それでフォーサイスがハデルスンを助け起こし、こちらに戻ってこようとするが、途中でふたりとも倒れてしまう。
 
フランシス(鈴本信彦)が警備兵を振り切って走って行く。それを見て、セス・スタンフォート(七浜宇菜)が彼の後を追った。すると、アルケイディア・ウォーカー(アクア)もそれに続いた。
 

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隕石は確実に海に向かって移動する。崖崩れが多数起きている。物凄い音がする。ついに、隕石の一部が海に接触し、爆発音がして激しい蒸気が吹き上げてきた。フランシスは何とかフォーサイスとハデルスンの所に辿り着いたものの隕石転落による凄まじい水しぶきが掛かって流されそうになる。
 
セスがフランシスの手をつかみ、何とか流されるのは免れる。アルケイディアもその場に到達し、5人で助け合ってフェンスの方に行こうとする。ところがその時隕石の別の塊が海に落ちたようで、大きな爆発音がする。蒸気が吹き上げるとともに、大きな波もやってくる。
 
「流される!」
とフランシスが声をあげた時、アルケイディアは、手裏剣!?でハデルスンのフロックコートを地面に固定した。
 
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この処置で何とか全員流されずに済んだ。
 
それで5人は命からがらフェンスの所まで辿りついた。最後の50mくらいは多数の見物客が駆け寄って、自分たちの服が汚れるのも顧みずに5人を助けてくれた。全員フェンスの所まで来ると、見物客たちの中から大きな拍手が湧いた。ジェニーがフランシスに抱きついてキスをした。
 
(ビンゴアキのファンから悲鳴!鈴本君、殺されなければいいが!?)
 

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字幕:そして隕石は、全て海に転落してしまった。深さ1300mのフィヨルドの底に。
 
常滑舞音 with スイスイが歌う『愛しのクレメンタイン』が流れる。少し前に歌った時とはまた少し歌詞が変更されている。
 
In a cavern, in a canyon, excavating for a mine,
Dwelt a miner, nineteen eighter, and his pretty toy Golden ball.
 
Oh my darling, oh my darling, oh my darling, Golden ball.
You are sunk and gone forever, dreadful sorry, billion franc.
 
(大意)
洞窟の中に、谷間の奥に、鉱脈を探して
住み込んでる鉱山掘りの1908年者、そして彼の楽しいおもちゃ、金の玉
愛しの、愛しの、愛しの金の玉
君は沈んじゃって永遠に居なくなった。なんて可哀想な超フラン。
 
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こちらの歌詞のほうがオリジナルに近い。"billion franc"は“兆フラン”の意味。十億フランではない。(*103)
 

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(*103) 大きな数の数え方には昔から2つの流儀があり、欧米人たちの間でも混乱がある。日本で言う万進法と万万進法である。法律上も「こちらに統一しろ」という統一先がフラフラと改訂されて混乱に拍車を掛けている、
 
現代的な数え方はこうである。
 
"short scale"
103:thousand (mille)
106:million
109:billion
1012:trillion
1015:quadrillion
1018:quintillion
 
しかし20世紀初頭のヨーロッパでは“フランス以外”は↓の流儀だった。
 
"long scale"
103:thousand (mille)
106:million
109:milliard (thousand million)
1012:billion (thousand milliard/mille milliard)
1015:thousand billion
1018:trillion
 
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つまり103ではなく106単位でmillion, billion, trillion が使用され、その間の103単位は thousand million, thousand billion, thousand trillion と言うのである。
 
この小説もlong scale で書かれている、
 
フランスとそれに倣ったアメリカは(当時は)ショートスケールだったが、ヨーロッパ内の他の国の多くが long scale だったのでヴェルヌはフランスも近い内に他の国に合わせるのではと思っていたのかも知れない。それで billion は現代的な解釈では10億だが、昔の流儀では兆になるのである、
 
20世紀中に起きた更なる大混乱については書くと読者を混乱させるだけなので説明を割愛する。
 

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字幕:翌日9月4日(金).
 
語り手「多数の見物客が、隕石の消えていった海岸を探索していました」
 
「隕石の海中転落による爆発は、半島の半分くらいを崩壊させてしまいました。元々隕石落下の際の衝撃で、かなり地盤が弱くなっていたのでしょう。ゼフィランの土地はますます狭くなりました」
 
「お、ここに少し落ちてた」
とフォーサイス。
「あ、ここにも小さなかけらが」
とハデルスン、
 
語り手「見物客たちは、黄金の隕石のかけらが残ってないか探し回っていました。しかし誰も大した量の金(きん)は見付けることができませんでした。フォーサイスとハデルスンが拾った金(きん)も、合わせてもカフスボタンにも足りない量でした。でも拾った人たちにとっては、充分良い記念になりました」
 
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字幕:取り敢えずここがゼフィランの土地であることは無視されている。
 
「しかしフォーサイス天体を失ったことはつくづく惜しかった」
とハデルスン博士。
 
「いや、ハデルスン天体を失ったことは本当に残念です」
とハデルスン。
 
ふたりが仲よさそうに話しているのを見て、フランシスとジェニーは呆れていた。
 

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「そうしいえばお前たちなんで船室を別にしてるの?夫婦なんだからひとつの船室にすればいいのに」
とハデルスンが後ろを歩く2人を振り返って言う。
 
「お父さんたちが私たちの結婚に反対するから、結婚式をあげられなかったんじゃん」
「俺がフランシス君との結婚に反対する訳が無い」
とハデルスン(チャンネル)。
「お前もさっさとジェニーさんを嫁さんにしてやれよ。ジェニーさんは本当にいい子だよ」
とフォーサイス(ケンネル)。
 
どうも2人は対立していたこと自体を忘れているようである。
 
フランシスの心の声「ミッツが正しい。きっと叔父さんも、博士も悪魔に取り憑かれていたんだ。金色の悪魔に」
 
ここで常滑舞音が歌う『悲しい悪魔』(Pobre diablo 1979年フリオ・イグレシアスのワールド・ヒット:日本では郷ひろみがカバーした)の曲が背景に流れる。金色の悪魔のコスプレをした舞音の姿も映る(このコスプレ映像は、宗教規律の厳しい国バージョンでは、金色のボールを眺める黒い服の舞音の映像に差し替えられた)。
 
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「私が許すから、ジェニー、帰りの船ではお前、フランシスの部屋で一緒に過ごしなさい」
 
「え〜〜?」
 
「お義父さん、結婚式を挙げる前なのに、まずいですよ」
とフランシスは言った。
 
(このあたりが1908年が舞台の物語)
 

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字幕:帰りのモジーク号船内
 
アルケイディア(アクア)とセス(七浜宇菜)がベッドの上に並んで身体をくっつけて腰掛けている。
 
(「離れろ!」という声多数)
 
こちらの2人は1908年でも関係ない!
 
「セス、昨日は頑張ったね」
「アルカも昨日は頑張ったね」
 
「でもフォーサイスさんとハデルスンさんは熱さで倒れたみたたいだったけど、私もセスもわりと平気だった気がする」
「着ていた服の違いだと思う」
「何か違ってた?」
「フォーサイスさんとハデルスンさんは。どちらも黒いフロックコートを着ていた。黒い服は熱を集めるんだよ」
「へー」
「ぼくもアルカも白っぽい服だった。白い服は熱さに強い」
「そういえば夏の暑い時に白いドレス着るよね」
「あれも熱さを和らげる効果があるんだよ」
「そうだったのか」
 
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2人はキスした。
 
(悲鳴多数)
 

「していいよね?」
とセス。
 
「私たち今結婚してないけど」
「後から結婚すれば問題なし」
 
「私男の身体だけど」
「そんなこと気にしないよ。君でさえあるなら、別に男とか女とか関係無い」
 
それで2人は再度キスして、一緒にベッドの中に潜り込む、
 
(アクアと宇菜のベッドシーン!多数の悲鳴!)
 
「脱がせてもいい?」
「いいよ」
 
それでセスはベッドの中でアルケイディアの服を脱がせる(という設定)。
 
「あれ?」
「どうした?」
「アルカ女の子になってる」
「嘘!?」
 
それでアルケイディアは自分の身体をチェックしている。
 
「ほんとだ!私いつの間に女の子になったんだろう」
「好都合だから、このまましちゃうね」
「うん。でもまた女の子になれてうれしーい」
 
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と言って2人はベッドの中で再度キスをした。
 
(こいつら絶対本当にキスしてる、という冷静な観覧者の声多数)
 

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黄金の流星(23)

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