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■黄金の流星(2)

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それで2頭の馬に乗った宇菜とアクアは一緒に馬でプロス判事のところに行った、
 
呼び鈴を鳴らす、ケイトが出てくる。
 
「ぼくたち結婚式を挙げたいんですが」
とアクアが言った。
 
「どうぞお入り下さい」
と言って、ケイト(薬王みなみ)は2人を門の中に入れる。2人は乗馬のまま中に入った。
 
「ここで少しお待ちください」
と言って、ケイトが家の中に入り、プロス判事を呼んでくる。
 
判事(大林亮平)は建物の中から出てくると、2人が提出した書類を確認した。
 
「アルケイド・ウォーカーさんと、セシー・スタンフォートさん?」
「はい」
「はい」
 
「書類は整っています。おふたりを結婚させることが可能です」
「お願いします」
 
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「馬に乗ったままですか?」
「降りる必要があるのでしょうか?」
「いえ、結婚するための要件ではありません」
「ではこのままで」
「分かりました」
 

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それで判事は白い馬に乗った男性(アクア)に言った。
 
「アルケイド・ウォーカーさん、あなたは、このセシー・スタンフォートさんを妻として結婚しますか?」
「はい」
 
続いて判事は栗色の馬に乗った女性(七浜宇菜)に言った。
 
「セシー・スタンフォートさん、あなたは、このアルケイド・ウォーカーさんを夫として結婚しますか?」
「はい」
 
判事は言った。
 
「法の名において、アルケイド・ウォーカーさんとセシー・スタンフォートさんは結婚してひとつになったことを宣言します」
 
それで2人は馬上で握手した。そして各々が自分の札入れから500ドル紙幣を出して判事に差し出した。
 
判事は困惑している。
 
字幕が流れる:ふたりが各々500ドル出したので合計1000ドルになる。当時の1000ドルは2022年現在なら1300万円くらいの価値である(*10)
 
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「手数料分を取って残りは貧しい人たちのために使ってください」
と2人は言った。
 
「分かりました」
 
それで2人は馬に乗ったまま一緒に立ち去った。2人の姿が消えるとケイトが叫んだ。
 
「信じられない。あの2人絶対おかしい!」
「どうして?」
と判事は訊く。
 
「だって、馬に乗ったまま結婚式をあげるとか聞いたことないし、手数料を夫婦が別々に払うとか見たことないし、金額がまたあり得ない額だし」
とケイト(薬王みなみ)。
 
すると判事(大林亮平)は静かに言った。
 
「結婚する人って、元々おかしいんですよ」
 
ケイトは2人が払っていった紙幣を見せてもらって「目の保養、目の保養」と言っていた。(*11)
 

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(*9) キュロットスカートは19世紀後半に生まれ、積極的に乗馬を楽しみたい女性の間で普及したが、保守的な人たちからは、かなり顰蹙を買ったようである。
 
キュロットが生まれる以前、多くの女性たちはサイドサドル(Side saddle) と呼ばれる横乗り用の鞍を使用していた。男性の旗手に馬を操ってもらい、それにタンデムで乗るのが標準ではあるが、中には横乗りして自分で馬を操るという凄い女性も居たらしい。
 
現代でバイクに横乗りする女性は、古い様式の乗り方をしている!
 
横乗りスタイルが普及したのは、跨がって乗ると処女膜が破れると言われていたこともあるらしい。
 
どうでもいいが、昔、騎馬民族の男の娘は下着を着けずに荒馬に乗って睾丸を潰したらしい!更にどうでもいいが、男の娘時代の真珠はタックしたままバイクに乗ってて痛かったが、このまま潰れてくれないかなあと期待していたらしい(良い子は真似しないように)。
 
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キュロットスカートが生まれるまで女性は皆、横乗りしていたかというと、そういう訳ではない。普通のスカートのまま跨がって乗っちゃう女性も存在した。マリー・アントワネットなとが、跨がって乗るのを好んだという。またロシアのエカチェリーナ2世などは男性用の軍服を着て、跨がり騎乗をしていた。
 
19世紀初頭の風刺画に、スカートのまま跨がって馬に乗っている女性を男が嘲笑している所が描かれたものがあるので、恐らくは元気な女性は結構跨がって乗っていたものと思われる。但し保守的な人たちがそういう女性を馬鹿にしていたのだろう。
 

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(*10) 当時のドルは金(きん)本位制である。兌換率は歴史的にかなり変動しているが、1900年に1ドル=金23.22 grains (=1.5046 g)と定められているので1908年当時はこのレートが使用されていたと思われる。2022年12月現在、日本での金の価格は8700円くらいなので、それで計算すると、当時の1ドルの価値は 1.5046×8700=13,090円、つまり約1.3万円と考えて良い。すると1000ドルは1300万円程度ということになる。
 
しかし500ドル紙幣って、650万円ですよ!?これは多分蛮行や大企業の精算・決済にのみ使用される高額紙幣ではないかと思われる。一般人が普通のお店で出しても偽造を疑われて受け取ってもらえない。
 
(1grain = 0.064 798 91 gram)
 
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(*11) この紙幣は撮影のために制作した小道具で「For Movie」という文字が印刷されている。肖像画はジールマン社長である!河村監督が自分のプリンタで必要枚数だけ連番付きで印刷し、撮影後ただちに全て監督が自分で廃棄した。
 
1908年当時アメリカでは各銀行が勝手に紙幣を印刷していた。当時の紙幣はあくまで金(きん)と交換できるクーポンに過ぎないから発行した銀行の信用で流通していた。
 

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字幕:1908年3月16日(月)朝。
 
フォーサイス(ケンネル)とトム(スキ也)は、夜通し天体観測を続けていたが、そろそろ眠くなってきていた。そしてもう夜が明けて太陽も昇ってきた(*12).
 
ところがそこに突然強烈な光が目に入る。
 
フォーサイスは、天を注視すると共に、傍に居るトムの背中を叩いて
「時刻は?」
と訊いた。
 
「7時37分27秒です」
と応えたトムは、朝の空の雲の隙間に物凄く明るい天体が天空を通過し2秒後には雲の向こう消えてしまうのを見た。
 
「7時37分29秒です」
 

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字幕:1908年3月16日(月)朝。
 
明け方まで天体観測をしていたハデルスン博士(チャンネル)は朝の雲の隙間に唐突に物凄く明るい天体が走るのを見た。
 
博士は頭の中で秒数を数えた。天体は2秒後に雲の向こうに消えてしまった。時計に目を遣ると7時37分29秒であった。
 

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(*12) ヴェルヌがそこまで計算していたかどうかは不明(コンピュータの無い時代に日出時刻を計算するのは物凄く大変)だが、この日のワシントンDCの日出はアメリカ東部標準時で 6:17 である。だから2人は既に太陽が昇っている中で、この天体を視認したことになる。
 
日出から1:20経っており、この時点でのワシントン(38.9047N 77.0164W) における太陽高度は14.7度という計算になる。
 
この年代では夏時刻は行われていない。夏時刻が始まるのは第1次世界大戦が始まってエネルギー不足が起きた時以降である。従ってこの年代に行われていたのは東部標準時(EST)であり、グリニッジ標準時から5時間、日本標準時から14時間遅れている。
 

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字幕:1908年3月21日(土).
 
語り手「フォーサイス(ケンネル)とトム(スキ也)は、空を見上げて文句を言っていました。明るい天体を発見した3月16日以降、ずっと天気が悪くて空を観測できないのです」
 
「忌々しい雲め」
と2人は呟いていた。
 

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字幕:1908年3月21日(土).
 
語り手「ハデルスン博士(チャンネル)は、空を見上げて文句を言っていました。明るい天体を発見した3月16日以降、ずっと天気が悪くて空を観測できないのです」
 
「忌々しい雲め」
と彼は呟いていた。
 

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字幕:1908年3月21日(土).
 
語り手「この日は、フランシスとジェニーの結婚について、両家で話し合うことになっていました。フランシスと叔父のフォーサイスがハデルスン家を訪問して両者で話し合うのです。それで午後4時に約束していたものの、出掛ける時刻になっても叔父は観測所から降りてきません。呼びに行ったものの、追い出されてしまいます」
 
「叔父さん、少し遅れてもいいから必ず来てよね。大事な話なんだから」
と言って、フランシスは1人で出掛けた。
 
語り手「一方のハデルスン家でも、フローラは夫が時間になっても降りてこないので困っていました」
 
「あなた、ジェニーの大事な話なんだから降りてきてよ」
と何度も言うものの返事無し。
 
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それでフローラは困った表情をして
「お父ちゃん、どうしても降りてきてくれない」
と娘たちに言った。
 

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やがてフランシスがハデルスン家に到着する。
 
「フランシスだけ?おじさんは?」
とジェニー(ビンゴアキ)が訊く。
 
「どうしても観測所から降りてきてくれなくて。少し遅れてもいいから必ず来てよね、と言って出て来たんだけど」
とフランシス(鈴本信彦)。
 
「うちの父も同様なのよ。本当に困った」
とジェニー。
 
「仕方ないから私たちだけで話を進めましょう」
とフローラ(万田由香里)は言った。
 

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「結婚後に僕たちが住む家ですが、素敵な所を見付けたんですよ。ぜひ後日、見に行きませんか」
「ええ。よろしくお願いします」
 
「結婚式は、セント・アンドリュー(Saint-Andrew)教会のオガース牧師(*13) にお願いすることにしています」
 
とフローラが言うと、牧師風の服を着たオガース牧師(藤原中臣)の映像が3秒ほど流れる。
 
「結婚式の日取りは5月15日(金)にしましょう。花嫁付添人(妹のルーのこと)用のドレスが縫い上がるのがその頃になりそうなのよ」
 
「私のドレスが間に合わなかったら結婚式延期?」
とルー(古屋あらた)。
 
「それは困る」
とジェニー(ビンゴアキ)。
 
「その時は、お父ちゃんのフロックコートでも着て出席してよ」
「私、男装するの〜?」
「私も男装しようかな」
「花嫁が男装してたら花婿が困るよ」
「花婿に女装させよう」
「勘弁して〜」
 
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などと4人は楽しく話している。
 
「でもフォーサイスさんもいらっしゃらないし、うちの父も降りてこないわねぇ」
 

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(*13) 原文は"reverend O’Garth,". reverend (敬虔)という単語は特にアメリカのルター派系教会の牧師を指す。牧師は一般的には pastor と呼ばれる。司祭は priest である。ワシントンのルター派教会としては、聖パウロ・ルター教会 (St. Paul's Lutheran Church) などもある。
 

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ミッツ(内野音子)は、観測台に無理矢理入ってきた。
 
「旦那様、いい加減お出かけください。フランシス様も先方もかなり待ってますよ」
とミッツが言うと、フォーサイス(ケンネル)は不快そうに答える。
 
「天体が再度現れた時にすぐ観測できるように、ここを離れられないのだ」
 
「天体も大事かも知れませんが、旦那様が息子同様に可愛がってきたフランシス様の結婚に関する大事な話し合いですよ。旦那様が行かないと話が決まりません」
 
「そうは言っても天体はいつ姿を見せるか分からないし」
 
「こんなに天気が悪いのに空が見えるわけ無いじゃないですか。話し合いはせいぜい2〜3時間です。その間に雨が止むとは思えません」
 
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ミッツが強く言うので、フォーサイスも渋々出掛けることにする。
 
「トム、ずっと観測を続けていて、もし天体を見たらしっかり記録してくれ」
「分かりました、旦那様」
 
それでフォーサイス氏はミッツが出してくれた“まともな”フロックコートに着替えて出掛けたのであった。
 
(この映画ではフォーサイスは、いつもよれよれの服を着ていて、ハデルスンは、いつもきちんとした身なりをしているという描き分けが行われている)
 

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さて、フォーサイス氏は約束の時間から1時間遅れの5時頃になってやっとハデルスン家に到着した。するとジェニーとルーはふたりで父親のところに行き、こちらも「空から目が離させない」と言っているのを強引に引っ張りおろしてきた。
 
それでフォーサイス氏とハデルスン博士は握手するが、ふたりとも天体のことが気になって気になって仕方ないので上の空(うわのそら)での握手となった。
 
フローラが2人にここまで、フランシスと話し合ったことを伝える。
 
・2人の新居にメドを付けていること。
・結婚式はセント・アンドリュー教会でおこなうこと。
・結婚式の日取りは5月15日。
 
ふたりはその話を心ここにあらずの状態で聞いていた。
 
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でも何も反対意見は述べなかったので、了承したものとみなした!!
(異議無き時は沈黙をもって答える?)
 
話し合いが終わると、2人とも急いで自分の持ち場に戻った!!
 

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