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■夏の日の想い出・日日是好日(32)
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目次 8
時間索引]
2月22日(水).
薬王みなみ5枚目のシングル『浜辺の白百合/サンダンカの告白』が発売された。
『浜辺の白百合』(琴沢幸穂作詞作曲)
『サンダンカの告白』(紅型明美作詞作曲)
『ミヤマキリシマ花咲く山』(水野歌絵作詞・大宮万葉作曲)
『練習練習また練習』(蜂矢仁美作詞・滝川連歌作曲)
『浪路遙かに』(Harry Tobias作詞・Percy Wenrich作曲・醍醐春海作詞)
『郵便郵便また郵便』(蜂矢仁美作詞・滝川連歌作曲)
『浜辺の白百合(波際版)』
今回伴奏者は“The Saphires”とクレジットされた。この件について薬王みなみのホームページ上で
「バックバンドが正式に発足しました。これを機会に、これまで暫定的に“浄瑠璃バンド”と称していたのを“ザ・サファイアズ”と改名しました。浄瑠璃ってサファイアのことらしいです。これを機会に薬王みなみのパーソナル・カラーもサファイアブルーに変更しました」
と花咲ロンド名で説明されていた。
これに関しては
「浄瑠璃イエローというのは変だと思ってた。浄瑠璃光って青なのに」
という意見が結構出ていた。
「まあ浄瑠璃バンドだと、三味線で伴奏しないといけない」
「あけぼのテレビでジョークで三味線・胡弓・尺八・和太鼓をバックに歌ってたね」
「あれ割りと評価高かった」
『浜辺の白百合』は2月に4回の短期連続で制作された小野寺イルザ主演のドラマの主題歌である。急に決まった企画だったのでイルザ側が
「そんな短期間にドラマの役作りしてセリフ覚えて歌まで歌えない」
と言ったのでこのドラマにチョイ役で出演した薬王みなみが主題歌の方は歌うことになった。浜辺に咲くテッポウユリは資料映像を利用したものである。
百道事件で大量の逮捕者が出て、使えなくなった番組・打ち切りになった番組が多数あり、1月に短期ドラマで乗り切った後の2月に放送した短期ドラマである。1月13日に話があり、千里が14日の1日だけで書き上げ、1月15日に薬王みなみとサファイアズを沖縄にジェット機で連れて行き、沖縄の海岸で撮影と録音を同時にした。波の音入りの野外録音だが、これがいい味を出していると評価は高かった。この映像とテッポウユリの資料映像を編集してドラマのオープニングを制作した。沖縄で撮影したのは東京近辺の浜辺で撮影するのは寒すぎるからである!
このドラマで使用された野外録音の分も『浜辺の白百合(波際版)』としてボーナストラックに収録されている。
『サンダンカの告白』は洋菓子店のCMで1月頃から8小節ほどの歌でテレビに流れていたのをフルバージョンに拡張して音源制作したものである。CM曲というのは概して8小節や16小節だけしか作られていないことが多い。歌った本人も忘れていたりする、舞音などもその手のが多い。
サンダンカというのは、沖縄では古くから見られる低木で。よく道路脇の植え込みに高さ数十cmで整備されている。沖縄から移植されて九州でもよく見られる。沖縄以外では“サンタンカ”と呼ばれる。漢字では三段花・山丹花などと書くがどちらも当て字っぽい。
赤い花が特徴的だが、黄色い花や白い花の近隣種も見られる。花は沖縄ではわりと年中咲いている。本来?は春から夏に掛けての花らしい。音源化するにあたり、みなみとサファイアズを沖縄に行かせて映像を撮ってきた。
ちなみに発売後、年配の人を中心に『サンダカンの告白』と誤読する人が大量に出た。これは山崎朋子がマレーシアのサンダカンで“からゆきさん”をしていた老女に取材して書いた『サンダカン八番娼館』(1972)を覚えていたからと思われる。
(この作品の中で男性器を“1房”“2房”(ひとふさ・ふたふさ)と数えるのが出てくる。「一晩に1房や2房じゃないから」)
『ミヤマキリシマ花咲く山』は昔話シリーズの『海幸彦・山幸彦』の挿入歌として作られたものである。資料映像からミヤマキリシマが多数咲いて山を色とりどりに染めている様子が入っている。(ミヤマキリシマ(深山霧島)は九州で見られるツツジの一種)
『練習練習また練習』『郵便郵便また郵便』も『海幸彦・山幸彦』で使用された曲だが、『The天下』で使用した『競争競争さあ競争』・『急げ急げさあ急げ』の歌詞違いバージョンである。
『浪路遙かに』も同ドラマの中で使用された曲であるが、ビリーボーン楽団の演奏などで知られるハワイアンな曲に醍醐春海が新たな歌詞を載せたものである。
この曲は元々は1937年にビング・クロスビー(Bing Crosby) がヒットさせたもので作詞はHarry Tobias(1895-1994), 作曲はPercy Wenrich(1880-1952) である。原題は "Sail Along, Silv'ry Moon" で直訳すると“銀のような月よ、ともに航海しよう”。1957年にビリーボーン(Billy Vaughn)楽団がヒットさせ、その後アンディ・ウィリアムスなど多数の歌手がカバーしている。日本では伊東ゆかりが日本語歌詞でカバーした。
2月25日(土).
東京外国語大学で個別試験が行われ、田中蘭はこれを受験した。
2月26日(日).
今年もあけぼのテレビでは“曲水の宴”を行った。今年の参加者は下記29組75名である。
品川ありさ★
高崎三姉妹(高崎ひろか・松梨詩恩・水森ビーナ)
アクア&今井葉月
西宮ネオン★
姫路スピカ
白鳥リズム★
原町カペラ
ロマン&ポルカ
ラピスラズリ(東雲はるこ・町田朱美★)
ヴァンドオ(佐藤ゆか・南田容子・山口暢香・高島瑞絵)+大崎忍
ルビー★&パール★
常滑真音withスイスイ(水谷康恵★・水谷雪花★)+坂田由里★
甲斐姉妹(波津子・絵代子)
女優組(中村昭恵・太田芳絵・斎藤恵梨香・三田雪代)
美崎ジョナ
立山煌★
薬王みなみ★
広瀬姉妹(広瀬みづほ・広瀬のぞみ)
月城姉妹(月城たみよ★・月城としみ★・月城すずみ★)
川泉姉妹(川泉パフェ・川泉スピン★)
ATG(鈴鹿あまめ★・夕波もえこ★・古屋あらた★・松島ふうか★・鹿野カリナ★・山本コリン★)
金平糖(三陸セレン★・山鹿クロム★・花園裕紀★・鈴原さくら★)
くれは西(入瀬ホルン・入瀬コルネ・麻生ルミナ・紺青セイラ)
バニショコ&ももくり(花畑バニラ・米田ショコラ・西浜ももこ・南里くりこ)
Flower Sunshine(桜井真理子・安原祥子・立花紀子・竹原比奈子・神谷祐子・山道秋乃・水端百代)
BunBun(吉沢蕾美・溝口ルカ・中町リサラ・阪口有菜)
坂出モナ★
羽鳥セシル★
桜貝(神田あきら・水野雪恵・広沢ラナ)
司会:川内みねか、判者:花咲ロンド、監修:秋風コスモス
演奏:桜野レイア with ignis-ex
★を付けた27名が狩衣姿でそれ以外は五衣唐衣裳(俗称十二単:じゅうにひとえ)である。
「十二単(じゅうにひとえ)の人が多いし、ぼくは狩衣(かりぎぬ)着ようか」
とアクアが言ったが
「いやアクアは十二単を着ることが国民の総意になってる」
と否定された。
「国民の総意なの〜?」
「私とスイスイは猫の扮装したらいけません?」
と舞音が訊いたが
「猫は参加できません」
と拒否された。
でも長身の薬王みなみは狩衣を着た。また昨年まで十二単だったセシルは今年は狩衣にした。彼女は性別について何も悩んでいないので男装平気である。
なお参加者は全員女子寮の部屋に入っており、司会者や判者は五反野のサテライトスタジオに居る。後半の歌唱では、ignix-exの伴奏は直接放送には流れず、歌唱者の部屋でピックアップした歌声と伴奏音を放送に流している。こうしないと伴奏と歌唱のタイミングが合わない。
ルールは昨年と同様で出されたお題に対して8小節で歌える詩を1つ書き、判者にOKをもらうとコーラを飲むことが出来る。複数人が入っているボックスでは誰かひとりが歌を完成させたら、全員がコーラを飲むことが出来る。
各ボックスのメンバーは女子寮の個々の部屋に入っている。2人以上の場合は原則誰かの部屋に集まっているが、都合により移動した場合もある。
コーラは“コーラお届け係”が持って行く。お届け係は各フロアで(カメラさんと一緒に)スタンバイしている。
C6(悠木恵美) 高崎 アクア ラピス 舞音
C5(海浜ひまわり) 白鳥 薬王 姫路 原町 品川 恋珠
C4(三田雪代) 立山 西宮 Vent 女優 ポルカ Flower 甲斐
C1(石条ぼたん) 広瀬 月城 川泉 くれは ATG
A8(木下宏紀) Bun モナ セシル 桜貝
A7(七石プリム) 金平糖 バニもも 美崎
番組では画面が6×5に30分割されており、先頭のフレームに司会者の花ちゃんが入っている(太く赤いフレーム)。残りの29フレーム(細く青いフレーム)に各参加者が映っている。そして詩ができたらボタンを押してOKをもらえたらコーラを飲むことができる。合格した場合、フレームは先頭に移動される。だから視聴者は赤い司会者フレームより後にあるのがまだできてない参加者のフレームと分かる。制限時間がすぎるともうコーラは飲めない。
なお昨年までは歌ができても放送禁止用語などが入っていた場合はコーラは飲めるものの、そのあと歌えないということになっていたが今回は不合格にされて再度考えることになった。
さて一昨年のお題は“バイク”、昨年は“眼鏡”だったが、今年のお題は“さくら”であった!
「なんかマトモ!」
と声があがっていた。
10分間の制限時間の中で29組の内25組が合格をもらい(合格できなかった人:ネオン・甲斐姉妹・女優組・桜貝)、そのあと合格した25組が桜野レイアとignis-exの伴奏で即興歌唱した。
最後に余った時間は特別ゲスト?の北里ナナ(かぐや姫衣裳)(*96)が歌って締めた。
(ナナちゃん、出てくるつもりでちゃんと衣裳を着てる、と言われた)
(*96) まだ十二単(じゅうにひとえ)ができる前の時代なので、中国風の服を着ていたものと思われる。
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