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■夏の日の想い出・日日是好日(25)

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山幸彦は海のすぐそばに家を建て始めました。
 
挿入歌:立山煌『家を建てましょう娘さん』
 
「そんなに海の傍に建てたら大潮(おおしお)の時には海に浸かるぞ」
「それでいいんだよ。妻は海神の娘だからそのまま海に出られるのでないと困るらしい」
「へー」
 
それで山幸彦の建てている家は階段状になっており、1階は潮が満ちると半分海に浸かる形になります。ちなみに当時はまだ畳などというものはありません。通常は階段を斜めに登って2階のほうで暮らすと山幸彦は言いました。
 
山幸彦は村長になってしまったので、次に相手が攻めてきた時の対策、また同盟・協力しようと言ってきた他の村との交渉などでも忙しかったのですが、その中でこの建築を進めました。海神の宮から豊玉姫の侍女の小岩(麻生ルミナ)来ているので彼女とも相談しながら建設を進めます。
 
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もっとも山幸彦とその奧さんのお父さんのおかげで村が救われたことで村の人たちがたくさん手伝ってくれて、1ヶ月ほどで家本体が完成します。ちょうどその頃豊玉姫が侍女たちとともにやってきました。
 
「まだ産屋(うぶや)ができてない」
「ごめーん。すぐ建てるから母屋の方で休んでて」
 

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村人たちは山幸彦(アクア)の奧さん(アクア!)が凄い美人なので騒いでいます。豊玉姫は村の女たちとも仲よくなりました。姫は山幸彦が用意してくれる地上の食事も美味しい美味しいと言って食べてくれました。
 
挿入歌:姫路スピカ『甘い生活』
 
それで山幸彦は家に隣接して産屋を建てます。2週間ほどで家自体はだいたいできたのですが、屋根を完全に葺き終えない内に豊玉姫は産気づいてしまいました。
 
「ごめーん。あと数日で完成する所だったんだけど」
「とにかく産屋へ」
 
それで山幸彦と警護役の小竹(川泉スピン)・山幸彦自身のガード小笹(月城たみよ)、更には海幸彦にも手伝ってもらい、豊玉姫を産屋に移します。海幸彦は
「お産は他人が見るもんじゃないし、必要だったら呼んでくれ」
と言って帰宅します。
 
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豊玉姫は言いました。
「夫にでもお産を見られるのは恥ずかしいです。決して覗かないでね」
「うん、分かったよ」
 
それで山幸彦は母屋(おもや)のほうで待っていました。
 

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かなりの時間が経ちます。産屋のほうから豊玉姫の苦しそうな声が聞こえてきます。大丈夫かな?と少し不安を感じながらも「決して覗かないでね」という言葉を思い出し、じっとしています。
 
しかし豊玉姫の声がひときわ大きくなり「死ぬー」などという声まであった時、山幸彦は思わず産屋に駆け寄り中を覗いて
 
「大丈夫?」
と訊いてしまいました。
 
たちまち姫の侍女・小竹(川泉スピン)に蹴り出されます(*67).
 
「覗くなと言われてたでしょう!」
「ごめーん。姫は大丈夫?」
「大丈夫です。男は離れててください」
「うん」
 

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(*67) 視聴者の声
「蹴った」
「事務所の大先輩を蹴るとかスピンすげー」
「でもこの役は同じ事務所の子にしかできん」
「たぶんスピンかリズムにしかできん」
 
「あそこを蹴ってるが」
「アクアに金玉があるわけないからきっと蹴られても平気」
「確かに、もだえたりしなかった」
「俺もスピンちゃんに蹴られたい」
「男を廃業することになるぞ」
 
ちなみに蹴られたのはMである!山幸彦はだいたいFが演じているのだがここだけMが代わった。むろんMにも睾丸は無いからあそこを蹴られても平気。
 

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しかしそれから間もなく
「おぎゃー、おぎゃー」
という産声が聞こえてきます。
 
侍女の小鴎(川泉パフェ)が顔を出し
「山幸彦様、男の子ですよ」
と教えてくれました。
 
「わあ。姫にお疲れ様と言ってあげて」
「はい」
 
この子供は海の傍で生まれたことから“波限建(なぎさたけ)”と名付けられますが、産屋の屋根がまだ葺き終える前に生まれたことから“鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)”とも呼ばれました。
 

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映像はそのあと、豊玉姫(アクア)がお布団に寝ていて、隣の小さな布団に赤ちゃんが寝ている場面を映します(赤ちゃんは例によってロボット)。山幸彦(アクア)が豊玉姫をねぎらいます。
 
挿入歌:薬王みなみ『ミヤマキリシマ花咲く山』
 
村の女たちも訪ねてきては赤ちゃんを見せてもらい
「可愛い!」
「どちら似かな」(*68)
「でもお疲れ様」
などと言ってくれました。
 
山幸彦は村長として多忙な中も、豊玉姫のお世話をしていました。
 

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(*68) 視聴者の声
「アクアとアクアで生殖したらきっとアクアが生まれる」
「その議論は竹取物語の時もした」
 

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ところが赤ちゃんが産まれて1ヶ月ほど経ったころのことです。山幸彦はやっと産褥期間が終わり普通に起きられるようになった豊玉姫と食事をしながらお話をしていました、
 
「でもほんとにお疲れ様。子供を産むのって大変なんだね」
「私はもう少し身体を鍛えなきゃダメと言われてた。身体が弱いから今回も苦しみが激しかったのだと思う」
「うん。君があんまり苦しんでいるみたいだから、ぼく思わず産屋に駆け付けて一瞬中を覗いちゃったよ」
 
「覗いた!?」
 
侍女たちが頭を抱えています。そのことは言わないようにしていたのに。まさか本人が言ってしまうなんて・・・
 
山幸彦はまずいこと言ったかな?と思い言い訳します。
 
「でもほんの一瞬だよ。すぐ侍女に叩き出されたし」
「絶対見ないでって言ったのに」
「ごめん。君のことが心配で」
「万一の場合は侍女が呼びに行ってたわよ。酷いわ。私が苦しんでいる所を見るなんて」
「だから結果的には見てないって」
「約束したのに」
「ごめん。謝る」
「謝られたって約束を破ったのは許せない。あなたにだけは見られたくなかったのに」
「ほんとにごめん」
と言って山幸彦は手をついて謝ります。
 
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「私帰らせていただきます」
「ちょっとぉ」
「約束を守ってくれない人と一緒にいられない」
と言って姫は家の傍に待機させている大亀に乗ると(自家用・亀?)出て行ってしまいます(*70)。慌てて警護役の侍女・小竹(川泉スピン)が追いかけて亀に飛び乗りました。
 

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「どうしよう?」
と山幸彦は情けない顔で残る侍女たちに訊きます。
 
「覗いちゃったという件は姫様絶対怒るから無かったことにしようと侍女の間では話していたのですが」
「まさか山幸彦様がご自身で言ってしまうとは」
 
「取り敢えず手紙を書くから誰か届けて。ぼく自身で海の宮に行きたいけど打合せがある」
「分かりました。小岩、あんた持ってって」
と侍女の中の中心になっている小鴎(川泉パフェ)が指示します。
 
「分かりました」
と言って小岩(麻生ルミナ)が言いました。
 
それで山幸彦は村の打合せに出たあと長い手紙を書きました。それを持って小岩が海の宮へ行きます。その間に小鴎は村の女に、誰かお乳を分けてほしいと頼みました。半年前に子供を産んだナミという女(原野妃登美)(*69) が引き受けてくれて自分の子供も連れて山幸彦の家に来て、赤ちゃんにお乳をくれました。
 
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「なんで奧さん帰ったの?」
「ぼくが出産中に産屋を覗いたのに怒って」
「そりゃ奧さん怒るわ。出産してる所を男には見られたくないよ。私なら美味しい御飯でももらわなきゃ機嫌直さない」
「御飯か・・・」
 
ということで山幸彦は手紙を持って行く小岩に、姫が特に気に入っていたウサギ肉を燻製にしたものを持たせてやりました。
 

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(*69) 原野妃登美は実際にこの春に子供を産んでいる。本物の自分の子供(今度は亮平の子供)連れで出演してくれた。
 
(*70) 原作では豊玉姫は子供を産んですぐに覗き見されたことに怒って生まれたての赤ちゃんを置いて海の宮に帰ってしまう。これは実際には出産の際に母親が死亡したことを意味するのではと想像する人も多い。
 
母親が死んだわけではないのなら、子供を産んですぐに大移動をするのはさすがに無茶である。それでこのドラマでは1ヶ月くらい経ってから見られたことを知って怒って実家に帰っちゃったという設定にした。
 
また原作では豊玉姫が「子供を産む時は本来の姿に戻るのでそれを見られたくない」と言い、実際に山幸彦が覗いた時、豊玉姫は“八尋和邇”の姿になっていたと古事記は書く。しかしワニなら爬虫類で卵生である!鮫だとしても魚類でやはり卵生。更に魚類なら体外受精でセックスできない!(*71) どっちみちワニでもサメでも“子供を1人だけお産”をするばすが無いのである。
 
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子供をお産をする以上、哺乳類のはずで、異形の者だとしてもせいぜいクジラかイルカの類いであったとしか考えられない。
 
(*71) 豊玉姫が魚類だったらきっと卵を大量に産んで山幸彦に
「さああなたの精子を振り掛けて!」
と言う。
 
ワニは体内受精でちゃんとペニスを挿入してセックスする。ワニのセックスは数時間に及ぶらしい。ワニは陸上で1度に卵を20-80個程度産み、母親は孵化するまで付いている。
 

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山幸彦は村長の仕事の傍ら、何度も豊玉姫に手紙を書きました。豊玉姫も最初はなかなか返事を書かなかったものの、1ヶ月もすると少し機嫌を直してお返事をくれます。
 
「今度は猪の肉の燻製がいいなあ」
 
それで山幸彦はリクエストされたものを用意して小岩に持たせます。そして書きました。
 
「愛しい我が妹(いも)(*72) よ。あなたと一緒に子供を育てたい。戻って来て欲しい」
と山幸彦は懇願します。
 
すると豊玉姫も悩んだようですが、結局自分の妹(いもうと)の玉依姫(坂出モナ)を送り込んで来ました。
 
「姉様の強情なのにも困ったもんだわ。私が小鴎ちゃんと2人で子育てするよ」
「助かる」
「向こうの人手が足りないから、大波と小波は姉上の所に行きなさい」
「分かりました」
と大波・小波(入瀬姉妹)は言い、海の宮に戻りました。それでこの後は豊玉姫の侍女・小鴎と玉依姫、そして玉依姫の侍女たち(安原祥子・桜井真理子・三田雪代・太田芳絵)で乳母のナミさんと一緒に波限建を育てていくことになったのです。
 
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「私なら勾珠の首飾りくらいで手を打つのに」
と玉依姫。
「それは何とかしよう」
 

(*72) “妹(いも)”とは夫から妻を呼ぶことば。妻が夫を呼ぶ場合は“背(せ)”と言う。
 

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そして小岩(麻生ルミナ)はせっせと山幸彦と豊玉姫の手紙を運んだのです。村と海の宮の間はのんびりと泳ぐ亀に乗ると、鵜戸→海宮で5時間、海宮→鵜戸で6時間かかるので(*73) 、鵜戸・海宮で各々1〜2日休んでから次の伝令をしていました。(遠距離恋愛?)
 
挿入歌:薬王みなみ『郵便郵便また郵便』
 
豊玉姫の父・海神は
 
「お前たちは何をしてるのだ?」
 
と呆れていました。
 
1年くらい経って山幸彦が頑張って勾珠の首飾りを入手して贈ると、かなり機嫌を直したようですが、それでも地上に戻るとは言いません。
 
「あなたがこちらに来てくれたら考えてもいいわ」
などと書いてやりますが、山幸彦は大きな軍事同盟の盟主という立場から動くことはできません。
 
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山幸彦が海の宮でたくさん勉強していて帰化人に近い知識を持つこと、弓の名人であること、そして何よりも優しい性格で自身はあまり欲望が無いことから、同盟のまとめ役には最適とみなされ、代われる人がいなかったのです。
 

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(*73) 山幸彦は最初籠(かご)に入れられ海に流された。黒潮に流され北上したことが想像できる。描写の感じからして海の宮に辿り着くのに何日もかかった感じはしない。仮に24時間で辿り着いたとすると黒潮の速度を5km/hとして鵜戸から100-120km程度の場所に海の宮はあると考えられる(*74).
 
ここで海の主な生物の速度を見てみる。
 
カジキマグロ 80km/h
シャチ 65 km/h
イルカ 45 km/h
サメ 35 km/h
赤海亀 20km/h
人間 6km/h(3.2kt)
 
黒潮(5km/h)の下流100-120kmの所にある島に、各々の速度で行き来した場合こうなる(休まず泳いだ場合)。
 
カジキマグロ 往1:24 復1:30
シャチ 往1:43 復1:50
イルカ 往2:24 復2:40
サメ 往3:00 復3:30
赤海亀 往4:48 復6:00
人間 往10:54 復 20:00
籠 往24:00 復(到達不能)
 
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ここで帰路は黒潮の本流から外れて流れの無い場所を泳いだとして計算。実際は“反流”があるはず。丸木舟は(腕力のある航海の民が交替で漕いだ場合で)人間が泳ぐ速度と同程度と考えられる。
 
現実的な乗り物は急ぎならイルカ、のんびりした往復ならカメというところか。カジキマグロは“電報”という感じだろう。
 

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(*74) 鵜戸から実際に黒潮に沿って100-120km程度下流に行くと、だいたい豊後水道の南、大分県と高知県の境目付近に到達する。だから海の宮が現実の島であったとすると、その付近の島が、海の宮であった可能性がある。以下少し候補になりそうな島をあげる。
 
●水ノ子島
豊後水道のド真ん中に浮かぶ孤島。周囲300m 面積1000坪の小島。伊予国宇和島藩と豊後国佐伯藩で領有争いがあり、一番鶏を合図に両藩で船を出して先に着いた藩の領地とするということになった。佐伯藩の鶏が宵鳴きしたため、佐伯藩が先に島に着いて、この島を領有することになったという。
 
孤島なのでいちばん海の宮っぽいが黒潮の本流からは外れるのが欠点。またただの岩塊なので植生がなく井戸を掘っても海水しか出ないと思う。
 
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ここより更に北には、豊予海峡の佐田岬・佐賀関の中間に浮かぶ高島。そして国東半島そばの姫島がある。姫島といえば伊弉諾・伊弉諾の国産みで造られた島のひとつである。しかしいづれも黒潮からは遠すぎる。
 
国産み:淡路島・四国・隠岐・九州・壱岐・対馬・佐渡島・本州(以上大八島)、
吉備児島(現児島半島)・小豆島・周防大島・姫島・五島列島・男女群島
 
●舞子島
徳島県の阿南市那賀郡の半島沖に半島と繋がるように浮かぶ島。面積0.3km2.ここには6世紀頃?の古墳群があり古くから人がいた島のようである。古墳があるのが魅力的だが遠い(鵜戸から約380km)のが難点。ここは多分近畿文化圏。
 

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●沖の島または姫島
沖の島は四国足摺岬の西方約40kmの所にある大きな島。面積10km2.古代にこの島に流れ着いた兄妹が夫婦となり、その後その子孫が島に広がったという伝説(今昔物語)があり、この伝説によりこの島は古くは“妹背島”(いもせのしま/いもせじま)と呼ばれた。
 
姫島(ひめしま)はこの沖の島から西方4kmにある島。0.48km2. 島の姿が女性が横になっているように見えることから姫島という名前が付いたといわれる。(「姫島 高知県」などで画像検索してみるとその寝姿を拝見できる)高い断崖に囲まれた要塞のような島だが東側に1つだけ上陸可能な浜辺がある。
 
●深島(ふかしま)
上記沖の島からほぼ真西60km、大分県佐伯市に所属する。1.1km2.沖の島と共に豊後水道の南端を形成する。鵜戸から黒潮をくだって約125kmの位置にある。猫が人間より多く住んでいるとして近年“猫の島”として有名になった。
 
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●島浦島(しまうらとう)
上記深島の南西11kmにある。ここは宮崎県延岡市に所属する。深島とは関わりの深い島である。深島とこの島だけに住むマイマイが居る。面積2.85km2. 鵜戸からの距離は約115km。黒潮の本流が島のそばを流れる。
 
古くから、瀬戸内海−薩摩航路の中継点になっており、江戸時代には延岡藩主が参勤交代の際、最初の寄港地としていた。海食洞が多く、変化に富む地形である。
 

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これらの多くの島は陸地の近くにあったり諸島を形成しており、孤島なのは水ノ子島のみである。でも距離的に考えると、島浦島が怪しい。海食洞の多い地形は神の里としても魅力的である。
 
また高い文化を持つ島と考えると大陸により近い島を考えたくなり、その意味では豊後水道付近というのは魅力的に感じる。
 
もっとも海の宮は現実の島ではなく海神の霊力により示現する島と考えるべきかも知れないが。
 

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夏の日の想い出・日日是好日(25)

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