広告:メイプル戦記 (第2巻) (白泉社文庫)
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■春一(22)

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19:00 ここから祝賀会が始まり、そのまま生中継される。
 
エレクトーン係・南田容子が演奏する、瀧廉太郎『花』に合わせて新郎新婦が腕を組んで入場してきて、メインテーブルに就く。発起人代表のケイが短い挨拶をしたらウェディングケーキの入刀になる。
 
エレクトーンでメンデルスゾーン『結婚行進曲』を前奏無しで演奏する(ドッシーミ・ラソファレ、ドシドレソレミ)。
 
ここで司会者は“初めての共同作業”などという白々しいセリフは言わない。だいたい芸能人の結婚式は新婦が妊娠中というのが多い。(妊娠でもしないと結婚させてもらえないため)
 
ちなみにこのケーキと同じ物をカットしたものが、小鳩シティに泊まった人にはデリバーされている。コロナの折、会場でカットしたものを配ることはしない。
 
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なお新郎新婦と同じ部屋に居るのは、南田容子と小林アナだけである。ただし新郎新婦の前には100個のモニターが並んでおり、サイクリックに参加者が表示されている。声は全員の声が届く。
 

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お祝いのスピーチがおこなわれるが、時間が限られているので1人3分以内と指定されており、3分過ぎたら強制的に打ち切る!これも時間厳守の生放送ゆえであるが、スピーチしている本人以外は打ち切り歓迎である!
 
スピーチをしてくれたのは下記である。
 
・彪志の会社の社長
・鈴木一郎(∞∞プロ社長)
・金井瞬高(長谷川一門主座)
・山下和行(〒〒テレビ社長)
 
新郎系と新婦系のバランスが悪いがやむを得ない。4人の中でピタリと3分でまとめたのは、こういうのに慣れている鈴木社長のみであった!山下社長は話途中で打ち切られて不満そうだったが、放送局の社長なら放送時間厳守を理解してくれないと困る。
 

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ここまで済んだのが19:25で、ここから有料放送になる。ただし定額契約している人は追加料金無しでそのまま視聴することができる。
 
余興が始まる。この余興のラインナップが凄かった。それゆえにここは無料放送できなかったのである。
 
アクア(大宮万葉から楽曲を提供されてる)
常滑真音(§§ミュージック代表)
ラピスラズリ(番組をしている縁)
羽鳥セシル(桜蘭有好から楽曲を提供されてる)
薬王みなみ(説明が無かった!)
槇原愛(鈴蘭杏梨絵斗から楽曲を提供されてる)
ローズ+リリー(友人代表)
KARION(和泉と青葉がアクアプロジェクトの共同リーダー)
高崎三姉妹(先日若杉千代のアルバムを歌った)
ステラジオ(大恩人とホシとナミは言う)
ラララグーン(ソウ∽が青葉さんは恩人と言う)
ワンティス(自称?後見人)
 
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以上12組で1組5分である。例によって5分経ったら強制的に打ち切る!
 
しかしローズ+リリーとステラジオが同じステージに出るというのはめったにないことである。そもそもどちらもテレビには出ないことで有名なアーティストである。しかもステラジオがローズ+リリーに物凄い対抗心を持っていて共演したがらないという問題がある。しかし青葉という接点で出てくれた。
 
(高崎三姉妹が緩衝材となった。槇原愛はケイの従姪なので緩衝材にならない)
 
「青葉さんのおかげで私は女になれたから」
とホシは言う。
「えーっと元は男でした?」
「あの頃は性転換手術されちゃう夢を沢山見た」
 
青葉はケイ・和実と3人で“クロスロード”の中核を形成しているが、青葉自身が、様々なものの“クロスロード”である。
 
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20:25. 余興が終わり、無料放送に戻る。
 
ここで新郎新婦から、今日直接またはあけぼのテレビを通して接続してくれた人たちへの謝辞が述べられた。これは2人で書いた文章を彪志が読み上げた。
 
「私たちはひとつになりました。色々大変なこともあるかも知れませんが、何でも協力して頑張って行きます」
 
最後に、日本水連のS会長(ネット参加)の音頭で乾杯が行われた。一応無料放送に切り替わったところで、そろそろシャンパンまたはシャンメリーの栓を開けて下さいというメッセージが各参加者の所には表示されていたものの・・・
 
・え?今開けるものだったの?もう飲んじゃった!
・栓が開かなーい!
 
といった人たちが多数居たのは愛嬌である。
 
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エレクトーン係の南田容子が新郎新婦にシャンメリーを注ぎ、2人がグラスを合わせてから飲み、カメラに向かって手を振るところで放送は終了した。
 

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9月2日に結婚式・祝賀会が終わり、青葉と彪志はそのまま小鳩シティに来週いっぱいまで(9/11のお昼まで)滞在する。
 
高岡組は敬子に1日東京見物をさせた。東京の道になれている千里が運転して皇居、スカイツリー、浅草寺、相撲博物館、羽田空港、と見学させた。
 
彪志の両親、大介夫妻、弥生夫妻はディズニーランドに行って子供のように楽しんでいた。
 
なお桃香Bと緩菜・由美はこの機会に浦和の家に帰還した。10ヶ月ぶりの帰宅である。青葉の出産はまだ先なので、期日が迫っている千里の出産をサポートする。
 

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古賀夫妻も敬子同様、皇居とスカイツリーは行きたいと言っていたので、そこまでは敬子たちと同行し、そのあと浅草寺には行かずに熊谷まで戻り、ホテル昭和に宿泊した。
 
レトロにあふれた室内に2人とも「懐かしー」と喜んでいた。パンが焼けたら飛び出すトースターとか、“回す”チャンネルのブラウン管テレビとか
「50年くらい前に戻ったようだ」
と言っていた。
 
翌日九州に戻るが、夫妻が
 
「フルムーンで青島や鵜戸神宮見に行こうかなあ」
 
と言っていたので、千里が同乗していき、飛行機は熊谷から宮崎空港に飛んだ。そこでレンタカーを借り千里がドライバーを務めてまずは鵜戸神宮に行く。ここは公共交通機関では到達できない場所にある。(最寄りバス停から結構歩く必要があり、年寄りの足では無理)
 
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神社は海岸の崖中腹にあり、
 
「よくこんな所に神社を作ったよなあ」
と夫妻は感心していた。
 
そのあと、青島まで戻り、青島神社にお参りしたあと、ANAホリデイ・イン・リゾート宮崎(旧・青島パームビーチホテル)に泊まった。
 
翌日は、東霧島神社(つまきりしまじんじゃ:読み方注意)→霧島岑神社(きりしまみねじんじゃ)→狭野神社(さのじんじゃ)→霧島東神社(きりしまひがしじんじゃ:こちらは普通に“ひがし”と読む)と回る。この4つは霧島神宮が噴火の度にあちこち移動した結果、6つに分裂してしまった内の5つである(6つの内の1つ夷守神社は霧島岑神社と合体している)。
 
古賀夫妻は御池(みいけ)を真下に見る、霧島東神社に感動していた。
 
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「これは知ってる人に案内してもらわないととても来れなかった」
と夫妻は言っていた。
 

そのあと霧島神宮に行く。
 
普通にお参りした後、来たついでにと思い、藤野沙耶さんに声を掛けたら
 
「昇殿して。祈祷くらいしてあげるよ」
と言うので、千里は古賀夫妻を連れて昇殿した。
 
沙耶の清々しい祝詞に古賀夫妻は心が洗われて寿命が延びた思いだなどと言っていた。どうも“親切”をしてくれたようなので、千里はたくさん初穂料を納めておいた。
 
霧島市で1泊して、翌日は正八幡に行った。ここも一度来てみたいと思っていたと夫妻は言っていた。お参りしたあと、鹿児島ラーメンを食べてから千里の運転(?)で、夕方佐賀に辿り着いた。熊本ではいきなり団子も食べた。
 
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古賀夫妻が千里にたくさん感謝していた。千里はレンタカーを佐賀空港で乗り捨てて佐賀空港に回送してきていたエリッサの飛行機に乗って帰還した。
 
古賀さんが払ったのは、このレンタカー代、車のガソリン代とホテル代・食事代である。
 

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9月3日(土).
 
ホーライTVで墓場劇団・死国巡礼の特別合同公演『クラインの墓穴』が生中継された。いつもは小学校の体育館からの中継なのだが、今回は火牛アリーナからの中継で、火牛アリーナのリアルタイム・フィードバック・システムを利用しているので実際の観客の笑い声や拍手が入り、それがまた放送にも流れるという臨場感あふれる公演となった。
 
視聴率もかなり高くなり、再放送の希望があったので、翌週9月10日にも再度生中継することが決定した。
 
再放送ではなく、再中継にするのは、喜劇は“生物(なまもの)”なので再放送はしてもらいたくない、という泣原死亡のポリシーをホーライTVも理解してくれるからである。「だってスポーツ中継の再放送とかつまらないじゃん」と死亡は言う。ただしタイムシフト視聴は許容する。
 
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今回合同公演だったこともあり出演者が多かったこと、新人で高校生女優の境界迷子が初登場して良い演技を見せたこと、美少女だという噂の高かった、歌音の“妹”安里愛(ありあ)が初登場して本当に凄い美少女だったこと、台本が矛盾だらけで、それがまた独特の雰囲気を醸し出していたことも話題になった。
 
(アリアを歌音の“弟”と認識している人は少ない)
 
フィードバックによって出演者が乗りに乗ってアドリブも随分出たし、いきなりムチャ振りして、能力の高い成仏霊子や歌音、境界迷子などがきちんと返す場面もあり、爆笑や拍手もたくさん起きていた。
 
出演者たちも気持ち良く公演ができた。
「このフィードバックシステム、いいね〜」
とみんな言っていた。
 
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2022年9月3日、バスケット女子日本代表の第5次合宿が終わった。この日、千里は代表落ちを通告された。さすがにショックだったが、
 
「練習に励んでまた呼んでもらえるよう頑張ります」
と言った。
 
しかし監督は言った。
 
「君はね、チームの方針にあれこれ口出ししすぎるんだよ。もっとこちらの言う通りにしなさい」
「申し訳ありません」
「ベテランだと思って偉そうなこと言いすぎだよ。その癖を直さないと誰も使ってくれないよ」
と監督は言っていた。
 
代表に残った寺島奈々美が千里に言った。
「私が落とされると思ったのに」
「これでシューターは奈々美ちゃんだけだから頑張ってね」
「私不安です。美希さんも王子さんも千里さんも居ないチームでオーストラリアやカナダに勝てる気がしません」
 
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千里は笑顔で言った。
「そこを奈々美ちゃんが頑張るんだよ」
 
「無理です〜!」
と奈々美は弱音を吐いていた。
 

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9月11日(日).
 
結婚に伴う休暇が終わるので、青葉と彪志はホテルをチェックアウトし、いったん浦和に戻った。
「明日からまたひとりって寂しい」
と彪志。
「しょうがないね。じゃまた来月」
と青葉。
 
10月8-10日の連休に彪志が伏木に来てくれることになっている。
 
来週9月17-19日の連休は青葉がお仕事である。また9月24-25日の土日だと、9月26日が千里姉(2番と青葉は思っているが正確には本当は2A)の出産予定日なので、あまり浦和を離れたくない。それで10月最初の連休に来ることにしている。10月8日なら千里姉の出産ももう終わっているだろう。
 
それで青葉は千里姉(3と青葉は思ったが実際は1(*44))の運転するアテンザに乗って浦和の家を出発した。でも千里は「ほんとに車で移動したら青葉が疲れるから」と言って、いきなり射水市内に転送してしまい、ほんの30分ほど走って伏木の家に到着した。
 
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楽でいいけど、実は手抜きじゃないのか?と青葉は思った。
 
(*44) 青葉はこう思っている。
グラナダに居るのが1、妊娠しているのが2、日本代表してたのが3。実際はグラナダにいるのは2B。妊娠中なのは2A。日本代表してたのは3。
 

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青葉は9月12日、彪志がそばに居ないので「さびしいよー」という思いで1日過ごした。
 
9月13日(火)、千里姉が来て言った。
「気分転換に真白ちゃんちを見に行かない?」
「行く」
 
表に出ると、千里姉のCX-5に、明恵と真珠も乗っている。それで青葉は運転手の後ろの席に乗り、助手席には真珠が乗って、4人でN町の真白の家まで行った。真白が担当する番組は、水木の平日昼間と金曜日の夕方、土日の午前中で、月火はお休みである。(そのほか金土日はニュースも読む。CMも読むがこれは録音)
 
「なんか凄い場所ですね」
と明恵・真珠は言っている。
 
「基本的には近寄りたくないよね」
と青葉も言う。明恵も真珠も自分の身は自分で守れるだろうが、念のため、小紫と笹竹を2人に付けている。
 
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4人は車で坂道を上って行っているのであるが、車の窓は閉めているし、空気も車内循環にしている。
 

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