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■春一(8)

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春貴が500万円を普通預金に入れたことから、渉外課の森田課長から邦生に照会がある。
 
「この人、先月も君が手続きして20万円の定期預金作ってるよね。自営業者さんか何か?」
「いえ。学校の先生ですよ」
「へー。先生か。こんなにお金があるならもう少し定期預金作ってくれないかなあ」
「じゃ連絡してみましょう」
 
それで邦生が連絡する。
「ぼくらの間には利害関係作らないようにしようと言ったばかりで申し訳ないんだけど」
「ああ、定期くらいいいよ」
と春貴は笑って答える。
 
それで結局300万円の定期を作ることにして、邦生がその手続きをした。
 
春貴としては当選金の使い道はゆっくり考えるつもりなので、定期にしておいたほうが無駄遣いしなくて済むし、というところである。
 
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8月13-14日(土日).
 
「ミュージシャンアルバム」の取材を高岡伏木の青葉邸で行なった。
 
13日はGulfstream G450 に CCDの4人と、ラピスラズリおよびケイが乗り、能登空港に飛んでくる。真珠がハイエース10人乗りに7人を乗せて伏木に連れてくる。座席は
 
助手席:ケイ
2列目:東雲はるこ・町田朱美
3列目:松井・四本
4列目:明山・初沢
 
CCDはわりと紳士的なので、ラピスたちと同じ便でも大丈夫だろうとケイや取材スタッフは判断した。ドライバーも女性の真珠を使っている。実際彼らは熊谷から能登までも、能登空港から伏木までも、ずっとケイや町田朱美と普通の会話をしていて、楽しい取材旅行になった。会話の話題は主として芸能界の話や海外のミュージシャンの話で、洋楽に詳しい町田朱美が結構突っ込んだ話をするので彼らも感心していた。
 
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道々話したことをインタビューでも話題にして盛り上がったインタビューになった。バンドなので、ミュージックルームでの演奏も本人たちに実際に楽器を弾きながら歌ってもらった。
 
「さすが大作曲家さんの御自宅は広いサンルームがありますね」
とか
「凄い広い音楽室だ」
などと彼らは感心していた。
 
取材終了後は、邦生がアルハンブラを運転して、〒〒テレビの長江ディレクターと一緒に氷見漁港に行き、お刺し身を食べ、また氷見糸うどんを食べる。そして能登空港に移動して長江さんと一緒に、Honda-Jetblackで熊谷に帰した。
 
Blackは最近能登空港に駐めていることが多い。
 
邦生はこちらに残り、能登空港IC近くに最近建てたパイロット用宿舎に泊まった。ここはコンビニのすぐ近くでとても便利が良い。
 
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翌日(8/14)はそのBlackの機体に長江さんと一緒に問題児のスリルボカンを乗せて能登空港に戻る。彼らは機内でも女性パイロットのエリッサにセクハラ発言を繰り返しエリッサから言われる。
 
「あんたたち、スカイダイビングさせてあげようか?」
「エリちゃんと抱き合ってダイビングしたいなあ」
「あんたたちはパラシュート無しでね」
「え〜?」
「ちんちんの皮を広げたらきっと安全に降下できる」
「俺のはしっかり立つから皮が余らない」
「じゃ金玉の皮で」
 
何か凄い会話になってた!
 
空港からは邦生が運転するアルハンブラで伏木に移動する。彼らが邦生にもセクハラ発言する。
 
「俺男だけど」
「うっそー!?」
「それに俺結婚してるから君たちとセックスできない」
「うーん・・・」
「でも女みたいな声だ」
「ああ、電話では女に間違えられることよくあるよ」
「へー」
 
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それで少しはおとなしくなった!
 

しかしインタビューではまたラピスラズリにセクハラ“行為”をしようとするので、朱美と彼らのバトルになる。これはサウザンズの取材の時と同じパターンだとケイは思った。
 
ケイやディレクターが止めても聞かないし、はるこがマジで悲鳴をあげるので、朱美は、はるこを守るのにスリルボカンのメンバーをマジで殴る!蹴上げる!(さすがにしばらくうめいている)乱闘しながらインタビューが進むので青葉が困っていた。でもミュージックルームではちゃんとマジメに演奏した。
 
インタビュー終了後は、邦生が運転するアルハンブラで氷見漁港に行き、お刺し身と氷見糸うどんを食べさせる。
 
「このうどん、稲庭うどんに似てる」
「同じ系統のものですね」
「でも漁港で食べるお刺し身はさすがうまい」
 
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ということで美味しいものを食べさせてると少しは静かにしていた。むろんこういう様子も撮影している。熊谷から伏木までの往路の映像はとても使えないものだった。
 
それで帰りは男性パイロット2人で操縦するG450で帰した。
 
一方、ケイとラビスラズリは真珠が運転するCX-5で直接能登空港に行き、Honda-Jetblackで一足先に熊谷に戻った。
 
スリルボカンに同行してG450に乗った長江ディレクターはBlackの帰りの便で能登空港に戻った。
 
こうして嵐のような1日が過ぎた。スリルボカンのセクハラ行為については◇◇テレビが彼らの事務所に抗議した。それで事務所社長とスリルボカンの連名で謝罪のお手紙が来ていた。
 
「謝るくらいならセクハラしなきゃいいのに。根性ねえな」
と町田朱美が言っていた。
 
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次の取材は来月くらいにする予定である。
 

泣原戦死が書いた台本の校正をしていた地獄大佐は、泣原死亡のマンションを訪れて言った。
 
「この物語は凄く登場人物が多いよね」
「うん。結構出てくる」
「今そちら何人居るんだっけ?」
 
「極楽昇天と草場影見が離脱して境界迷子が入って5人。それにカノンとコーラスを入れて7人。場合によっては弟の有明も出して8人かな」
 
「この台本には14人の登場人物が出てくる」
「1人2役して何とかするしか無いな」
「8人の内、幸助君と有明ちゃんの2人を除く6人が全員1人2役すると、見ている人が混乱するぞ」
「でも人が居ないからやむを得ない」
 
「これ、いっそ、うちと合同公演にしないか?」
「大歓迎!」
 
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それで9月の公演『クラインの墓穴』では、墓場劇団と死国巡霊の合同公演が行われることになった。両者のメンバーを合同すると13人である。
 
★墓場劇団
泣原死亡(座長)
夜野棺桶
黒衣魔女
泣原戦死(脚本)
境界迷子(新人)
槇原歌音(カノン:本名可能)
槇原合掌(コーラス:本名幸助)
槇原安里愛(アリア:本名有明)
 
★死国巡霊
地獄大佐
成仏霊子
死神大鎌
涅槃安楽
三途川守
 
また上記の中で演技し分けが上手い成仏霊子が2役することにした。他の役の男女比は地獄大佐が脚本を調整して合わせ付ける。元の台本は男が多かったので何人か見繕って性転換させた。それでお医者さんも女医さんになった。
 
「境界迷子ちゃんは女の子?」
「はい、女の子ということでお願いしまーす」
 
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ということで彼女の役も女子大生に性転換された。
 

有明は初舞台となる。もちろん美少女役である!!
 
可能はこれまで“カノン”とクレジットしていたが、“槇原歌音”の名前が多分全国区になったと見て今回からはその名前で表記することにし、弟たちも同じ槇原の苗字にした。しかし“三姉妹”の中でコーラスだけ可哀想な名前になっているのは見た目の女性度の問題か?歌音は充分女の子に見える。合掌は女の服を着ていても男にしか見えない。安里愛は男の服を着ていても女の子にしか見えない!
 
有明が出るので合掌は今回男の子役をしてもらうことにした。
 
「男に戻れるの?嬉しーい」
と彼は喜んでいた。
 

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それで両者合同の舞台稽古を8月14日(日)に行なったのだが、それを見た、ホーライTVのプロデューサーが言った。
 
「この人数が出演するのに舞台が狭すぎる」
 
「確かに演技しながらうっかりぶつかっちゃうことがあります」
「うちの親会社の友好会社が所有している津幡アリーナを使いませんか?」
「そんな大きな会場だと借り賃が高いのでは?」
「借り賃は意外に安いです。公共施設並みです。ただ、コネが無いと貸さないんですよ。感染拡大防止の観点から使用制限しているので」
「ああ・・・」
「うちの会社から申し込めば貸してくれると思います」
「ではぜひ」
 

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使用許可はすぐ出たが死亡たちが行ってみて驚いたのが、客席に大量に並んでいるモニター群である(*17).
 
「これは何ですか?」
「親会社のあけぼのテレビが所有しているシステムなんですが、ステージを視聴している人の中でWebカメラ持っている人とつながるんですよ。モニターが1万台とスピーカーが2万台あります。だからライブだとリアルタイムで反応が返ってきて、まるでリアルの観客が1万人居る場でライブしているかのような感覚になります」
 
「凄い」
「使用料は50万円掛かりますが使います?」
「たった50万円で、そんな凄いシステムが使えるんですか!?」
 
死亡たちはシステムの概要を聞いた時は、そんな凄いシステムはてっきり300万くらい掛かるだろうと思ったのである。
 
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その50万円は死亡が個人で払うつもりだったが、地獄大佐もこのシステムに関心を持ち、半分出させてくれと言うので2人で半額ずつ負担することにした
 
なおあけぼのテレビで有名アーティストのライブをする時はつながる人をファンクラブの抽選などで決めるのだが、墓場劇団の公演ではどう考えてもWebカメラを持つ観客が1万人も居るとは思えなかったので自由接続で使うことにした。この場合
 
1万人未満なら画像はデュプリケイトされ、同じ人が複数のモニターに表示される。2番目に表示される場所は1番目の表示場所からは遠い場所になるので同じ人が再表示されているとは見た目では分からない。
 
1万人を越えた場合はランダムに選択されて表示される。ランダム選択は5分単位で再抽選される。抽選で外れた人は次回の抽選で当選確率が上がる。
 
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(*17) 津幡北体育館ができたので、こちらは当面公演専用にすることにして常時座席を並べている。1万個の座席を並べたリ撤去するのはこれまで1日掛かりであった。しかも撤去作業の度に毎回モニターを数台破損していた。その作業をしなくなったので、システム使用料も50万円に値下げした。
 
 
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