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■女子中学生・夢見るセーラー服(24)

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さて、千里Rが剣道の全道大会・吹奏楽の大会としていて、千里Yが河洛邑で光辞の朗読をしていた時期、実は千里Bは伊勢の神宮に行っていた。言われたのは、呑涛まつりが終わった後の、7月28日(月)である。
 
「研修ですか?」
「うん。千里ちゃん、御近所の神社でも巫女さんのバイトはしていたということだったけど、巫女さんとして知っておくべき教養などには弱いみたいだから」
 
「すんませーん。あんた巫女さんしてる割りには知識無さ過ぎとよく言われます」
「それで、一度体系的に学んでもらうのもいいかなと思って。それにやはり、お伊勢さんは一度は見ておくべきものだよ」
「お伊勢さんって、静岡県でしたっけ?」
「三重県!」
 
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(小春が呆れたように天を仰いだ気がした)
 

ということで、8月7-11日、千里Bは巫女さんの研修に行ったのである。
 
行ったのは、留萌Q神社から、千里・寛子・細川さん、稚内Q神社から女子高生の晴子さんと麻里子さん、そして旭川Q神社から4人の新人巫女さんと斎藤徳子さんという巫女長さん、合計10名であった。これが長い付き合いになる斎藤さんとのファーストコンタクトとなった。
 
斎藤さんと細川さんが引率者である。旭川空港に集合し、お昼を食べてから、この当時1日1便だけ設定されていた、旭川−名古屋便に乗った。
 
留萌9:34-10:27深川10:40(ライラック1号)11:00旭川/旭川駅前11:30-12:05旭川空港/旭川14:55-16:50名古屋/名古屋空港17:30-17:58名古屋駅広小路/近鉄名古屋18:16-19:59伊勢市
 
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研修に参加していたのは全国から集まった若手巫女さん100人ほどであった。
 
初日(8/9)は宇治橋の所で記念写真を撮ってから、日本神話を天地開闢から八岐大蛇退治まで学ぶ。お昼を食べてから午後は三種の神器の話、神社の一般的な造り(神殿・拝殿・舞殿・参道・手洗など)を学び、神社で行われる様々な儀式の意義と次第の説明を聞した。そして最も頻繁にすることになる、通常の参拝客の昇殿祈祷の手順を、全員1度ずつ実技した。
 
2日目(8/10)は夜明け前から瀧原宮・瀧原竝宮(たきはらのみや・たきはらならびのみや)に移動し、ここで朝日を見た。これは本当にすがすがしい体験で千里も大いに感動した。これを見ただけで、わざわざ伊勢まで来た価値があると千里は思った。
 
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その日は日本神話の大国主命と因幡の白兎から地上の神と天上の神の争い、天孫降臨、山幸彦と海幸彦の話、神武天皇の東征までの話を聞く。昨日の話が純粋な神話、今日のは伝説だなと千里は思った。
 
その日の午後は大祓の祝詞の意味を説明した上で、日本国内の有名神社や主な教派神道について簡単な説明を聞く。そして実技として、結婚式での巫女さんの仕草、特に三三九度の場面を提子(ひさげ)係と銚子(ちょうし)係、新郎係・新婦係、笛係(笛の吹ける人のみ)、太鼓係と別れて全員練習した。
 
「みんな女子ばかりだからレスビアン婚になっちゃうけど」
と先生が言うと笑いが起きていた。
 
むろんお酒ではなくミネラルウォーターを使用した。
 
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千里も寛子も笛係を務めた。千里が使用したのは、合竹樺巻きの龍笛であるが、それでも「あんた凄い笛を吹く」と言われた。それで唐突に夕食後1時間ほど千里が手本役になって笛講座が開かれることになってしまう。これには神宮の笛係の人まで顔を出して指導してくれた(おかげで千里自身の笛も進化した)。
 

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講習の最後には参加者全員で神宮の境内の掃除をし、夕方で解散となる。近隣からの参加者はその日の内に帰るが、千里たちは北海道Q神社組10名その日も会館に泊まり、翌日、8月11日(月)に帰る。
 
ラッシュを避けるため朝御飯も食べずに退去し、まずは名古屋に出た。
 
伊勢市6:25-7:52近鉄名古屋/名古屋8:08-8:13栄
 
喫茶店でモーニングを食べながらラッシュをやり過ごす。そして9時過ぎにお店を出て栄のバスターミナルに向かう。千里は寛子さんと並んでおしゃべりしながら歩いていた。その時だった。
 
「駿馬さん」
と声を掛けられる。
「真理さん!?」
 
それは遠駒貴子さんの孫の真理さんだった。
 
「良かったぁ。見失ったかと思った。これお土産渡し忘れちゃって」
と言って紙袋を渡される。
 
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「あ、はい」
と言って反射的に受け取る。
 
「じゃ、またよろしくね。帰り気をつけてね」
「ありがとうございます」
 
それで真理さんは帰って行ったが、千里はなぜ真理さんがここで自分をキャッチしたのだろう?と首をひねった。
 

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小春は「全くもう」と溜息をつきながら、空港のカウンターの所で人の流れを見ていた。千里Yが消えたのは“30mルール”のせいである。
 
18-19歳くらいのミニワンピース姿の女性がカウンターで新千歳行きの空席があるか尋ねていたが「申し訳ありませんが」と断られていた。
 
お盆前だもんね〜。
 
小春は彼女に近づいて行った。
「すみません」
「はい」
 
「連れが急に行けなくなって、11:40の新千歳行きのチケットが余っているんですが、もし北海道に行かれるんでしたら、これ買ってもらえません?」
 
「ほんと?助かる。買う買う。もうどうしようかと思ってた」
と女性は嬉しそうに言った。
 
「ただ年齢が15歳になってるんですけど」
「高校生の気分で乗ります。性別が違ってたら女装しないといけないけど」
 
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それで小春は、名古屋−新千歳 30,200円の所を2万円で彼女に売ったのである。彼女は感激して、せめてもの御礼と言って、ウイロウを1箱くれた。なんで性別が違ったら女装するのだろう?と思ったが気にしないことにした。
 
(この時千里は12歳だったが、チケットを取ってくれた事務の人が千里の年齢を中1ではなく高1と思い込んでしまい15歳になっていた)
 

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伊勢に行って来た千里(千里B)は、寛子たちと一緒に連絡バスで名古屋空港に来て、チェックインし、セキュリティを通ろうとしていたら、小春がこちらに歩いてくるので、びっくりした。
 
「小春、ここで何してんの?」
「悪いけど、これ持って帰って」
と言って、小春はウイロウの箱を千里に渡した。
 
「うん、いいけど」
「あ、それから私、貴司さんとデートの約束しちゃったから」
「へ?」
「20日の日だからよろしくね」
「まあいいけど」
 
「ついでに私を一緒に旭川まで連れてって」
「了解了解」
 
それで千里はキツネの髪留めを髪に付けた。
 
「今、ここに女子大生くらいの女の子がいなかった?」
と寛子が訊く。
「ああ、男の子に性転換しちゃったよ」
と千里は平然として答えた。
(小春が文句言ってる)
 
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そういう訳で、千里たちは旭川空港まで飛び、ここで一行は解散。千里・寛子と細川さんの3人は留萌に戻った。
 
名古屋12:00-13:45旭川/旭川空港14:10-14:45旭川駅前/旭川15:30(ライラック16号)15:49深川16:05-17:04留萌
 
8月上旬の3人の動き

 

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8月17-19日は、バスケット部の男女合同合宿が、留萌市郊外のお寺で行われた。この合宿に、千里(千里B)は久々にバスケット部員として参加した。
 
この合宿では、千里はドリブルの仕方が下手だと言われ、これをよくよく指導されてかなりの改善があった。他にコートの端から端まで2人で走りながらパスを交換するワンツー・パスの練習、シュート&リバウンドの練習などをした。もっとも千里のシュートは全く外れないので「リバウンドの練習にならん」と文句?を言われたが!
 

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お風呂は男子が終わった後女子が入ることになっていたのだが、千里は女子の中で最初に入ってと言われた。それで千里がお風呂に行った後しばらくして髪の長い人が部屋の前を通過した。
 
「あれ?千里もう終わったの?」
「って向こうに行っちゃった」
「トイレかな?」
「でも千里があがったのなら、入りに行こうか」
と言って、千里以外の女子部員5人がお風呂に行く。
 
すると、千里はまだ入っていた!
 
「まだ入ってたの〜?」
「ごめんなさーい。髪洗ってる内に時間経っちゃったかな?今あがりますね」
と言って、千里は浴槽を出て他の5人と入れ替わりで脱衣場に行こうとしたが
 
「ちょっと待て」
と言って停められる。
 
「その身体をよく見せなさい」
「恥ずかしいですー」
 
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「千里、おちんちんは?」
「あ、えっと。部屋に置き忘れてきたかな」
「置いとけるもの〜〜〜!?」
 
ということで千里が肉体的に女の子であることが、バスケ女子部員5人にはバレてしまったのであった。
 

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8月20日(水).
 
その日は珍しく、高岡猛獅と夕香が2人揃って、志水家を訪れた。
「誕生祝いをしなくちゃと思って」
と高岡は言う。
 
それで小さなホールケーキに蝋燭を2本立てて火を点け、龍虎の代理で夕香が息を吹きかけて火を消す。ケーキを5分割し、サイダーも開けて5人でお祝いする。
 
高岡は実はワインも持ち込んでいて、開けようとしたのだが、
「高岡さん、この後、運転なさるんでしょ。ダメですよ」
と志水英世が言い、
「そうだな。上島からも先日言われたし」
と言って、それは開けないことにして、照絵に
「適当に処分しといて」
と言って渡した。
 
この1995年物のボルドーワインは照絵から後に龍虎に託され、2021年まで開けられないままになる。
 
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龍虎の誕生会は、アルコールが入らなくても充分上機嫌になった高岡が夕香とデュエットするなど楽しく盛り上がり、2時間ほどで終了した。
 
高岡夫妻はこの後、少しドライブするということだった。
 
「あ、忘れる所だった。これ龍へのプレゼント」
と高岡は別れ際、車に積んでいた紙袋を照絵に渡した。
 
2人か去った後、英世は
「俺はスタジオに行って、スコアの整理しないといけないから」
と言って、英世も出掛けたので、龍虎を抱っこひもで抱いた照絵は、紙袋を持って部屋に戻った。
 
「龍ちゃーん、パパからプレゼントだよ」
と言って紙袋から出してみたら、とっても可愛いリトルマーメイドの“ワンピース”である。溜息をつく。
 
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「龍ちゃん、可愛いワンピースをもらったよ。着てみる?」
と龍虎に訊いてみると
「うん」
と笑顔で言うので着せてみた。本人は喜んでいる。
 
「まあいいよね」
と照絵は投げ槍に呟いた。
 

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8月20日(水・大安)のお昼過ぎ、千里Bが貴司とのデートに行くのに、髪にブラシを入れていたら家電(いえでん)が鳴る。母は買物に行っているし、玲羅は図書館に行っていて、千里だけなので電話に出た。するとQ神社の香取巫女長だった。
 
「千里ちゃん、ごめん。今日の午後結婚式があって、寛子ちゃんが笛を吹く予定だったんだけど、寛子ちゃん、旭川から戻ってくる最中に高速で事故があって身動き取れない状態になってるらしくって」
 
「寛子さんの車が事故に遭ったんですか?」
「違う違う。寛子ちゃんが乗ってるバスの500mくらい前方で事故があったらしい。それで高速道路が不通になって、後続の車が動けなくなっているのよ」
「あぁ・・・」
 
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「申し訳無いけど、至急来てくれない?」
「分かりました。タクシー呼んでそちらに向かいます」
「ごめんねー」
 
それで千里はまずタクシー会社に電話して配車をお願いした。それから家電から貴司の携帯に掛けた。
 
「貴司ごめーん。神社で急用ができて。結婚式の笛を吹く人が居ないらしいのよ。悪いけど今日のデートはキャンセルさせて」
「え〜!?」
「また今度、日程を取ってデートしよっ」
「うん。仕方ないな」
 
それで貴司との電話を終えた所にタクシーが来たので、千里は戸締まりをしてタクシーに飛び乗り、Q神社に向かった。
 

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貴司はせっかく今日は千里とデートと思っていたのに、急用ができてキャンセルと言われてがっかりした。待ち合わせ場所の駅前に向かう途中だったのだが、仕方ないからマクドクルドでも食べてから市民体育館に行き、少しバスケットをしようと思った。ところが歩いている最中に向こうから千里が来るのを見る。
 
「千里!?」
「あれ〜貴司だ」
「神社の用事は良かったの?」
「神社の用事って?」
「何か結婚式に出るとかで」
「まだ私と貴司は結婚できる年齢じゃないね」
「・・・・・」
 
どうも貴司は変な妄想をしているようだ。それで敢えて訊く。
 
「どうしたの?ちんちんが性転換でもした?」
(意味不明)
 
貴司はそれには反応せずに言った。
 
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「用事がキャンセルになったのなら僕とデートしてよ」
 
千里は急いで小春と脳間通信する。
 
『私以外の千里が貴司君とデートするんじゃなかったんだっけ?』
『それがその子に急用ができて行けなくなっちゃって。千里、代わりにデートしてあげられないよね?』
『まあいいよ。元々約束したのは私だしね。それにこの人、女の子の扱い方は知ってるだろうから』
 
それで千里(千里R)は貴司に言った。
「じゃ、私まだお昼食べてないから、一緒にマックでも食べてから散歩でもする?」
「うん!」
と貴司は嬉しそうに言った。
 
 
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