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■女子中学生・夢見るセーラー服(19)

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それで千里(Y)は、いつも使っている龍笛(小春が使っていたもの)は巫女服の袖の中に入れ、今小春からもらった龍笛を手に持ち、宮司室前まで行く。蓮菜が宮司の出てくるのを待っている。宮司が出て来て、蓮菜の先導で拝殿に向かう。
 
木遣り歌が終わる。蓮菜が先導し、宮司、そして千里が昇殿する。
 
蓮菜が太鼓の所に座り、千里が笛を構える。宮司と蓮菜が視線を交わし、蓮菜が太鼓を打ち始める。千里の龍笛が始まるが、蓮菜も宮司もピクッとした。
 
あれ?間違った?と千里は思ったが、途中でやめることはできない。自分が覚えている通りに演奏して行く。宮司が祝詞を奏上する。宮司の祝詞が普段に増して気合が入っているような気がした。
 
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神輿は港に運ばれ、宮司とともに沖合に出て、神上(かみあげ)の儀式が行われ2日間に渡った例祭は終了する。
 
みんなが引き上げた神社では、ボランティアによる境内清掃が行われた上で21:50から宮司・梨花・乃愛・花絵・千里(千里Y)の5人だけで秘密の神事が行われる。
 
昨年までは小春がしていたが、小町はこの儀式をさせるにはまだ未熟である。本当は中学生を深夜には使いたくないのだが、今年は千里がおこなった。一応22:00に終了する。これは極めてデリケートな儀式なので、できる人が限られる。
 

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例祭の翌日、7月21日、千里Bは、ちょうど出勤してきた保志絵を社務所の入口近くでキャッチした。
 
「細川さん、ありがとうございました。素敵な笛でした」
と言って保志絵に“昨日使った”龍笛を返そうとしたが、保志絵は言った。
 
「千里ちゃんは、私が思っていた以上の子だった。その龍笛は千里ちゃんを持ち主として選んだ。その龍笛はずっと千里ちゃんが使って」
 
「さすがにこの龍笛の代金は払いきれません」
と千里は言う。
 
「だからあげると言ってるのに」
「贈与税取られます!」
「だったら、預かっててもらうだけ」
「うーん。まあいいですけど」
 

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ということで、昨日の神事で吹いたのは、小町が推定5-600万円と言った天然煤竹の龍笛“織姫”だったのである。
 
「だいたい普段も“見せ笛”と“吹き笛”を使い分けてるし」
「いえ、あの“No.224”も初心者があんな良い龍笛使ってたら何か言われそうだから、拝殿の中だけです」
と千里は言う。
 
実は社務所内でみんなに見せているのは、小春に頼んで東京の雅楽器店で調達してもらった(実際に買いに行ったのはミヨ子)8万円の安い?龍笛(合竹なのに樺巻き)なのである。
 
社務所で吹いてみせたのもそれだが、実際に拝殿で普段吹いているのが、保志絵からもらった Tes No.224 という刻印の入った手塩工房の人工煤竹・樺巻の龍笛、そして今回のお祭りで吹いたのは天然煤竹を使用した“織姫”(No.200)であった(*8)
 
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(*8)Tes No.の龍笛
 
No.200(織姫) 保志絵→B
No.214 きーちゃん
No.218 保志絵が使用
No.222 A大神→小春→Y
No.224 保志絵→R→小春→小町→B
No.228 A大神→小春→R
 
この他、Yは小春が使っていた花梨の龍笛を持つ。Bは合竹の龍笛を持つ。Rは1本だけだがフルートを持っている。
 
小春が(A大神の指示で)YとRにも龍笛を渡したのは、3人に似たような笛を持たせることで、不都合が起きにくくするためである。
 
実は梁瀬龍五が亡くなった時、笛の価値の分からない息子は「無価値な民芸品」と思い、全部廃棄しようとした。それをA大神は破壊される前に回収させた。またそれ以前にも自分の眷属を使って毎年1本くらいずつ購入させていた。それで龍五の晩年の作品30本ほどをA大神は保持している。但し、No.218だけは龍五の遺言により保志絵に贈呈され、その後、保志絵が自分で使用している。
 
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千里Bは夏休みの間は、Q神社に毎日午前中4時間ご奉仕することにした。その間の昇殿祈祷の龍笛を全部吹く。寛子はお昼頃に出て来て、千里から引き継ぎを受け、午後のお客さんの分を吹く。寛子から千里への引き継ぎはメモを残しておく方式である。
 
7月22-24日(火水木)は、蓮菜と玖美子が提案して“勉強合宿”をおこなった。普段はP神社・社務所内の部屋を借りて勉強しているが、たまには気分を変えて別の場所でやろうというのと、27日にある模試に向けて少し集中的に勉強しようというのがあった。
 
場所は蓮菜の親戚がやっている民宿である。ここを3日間7食(昼夕・朝昼夕・朝昼)7000円という格安料金(事実上食事代のみ)で借りて泊まり込んだのである。出席者は、蓮菜・玖美子・恵香・美那・千里・留実子の6人である。この6人で4人部屋に無理矢理6つ布団を敷く。
 
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留実子は、この話をしていた時に、たまたま近くに居たので引き込んだ。
 
「ぼくは勉強とか分からない」
と言っていたが、留実子が質問する内容は基本的なことが多いので、みんな良い復習・基礎固めになった。
 
それでこれ以降、合宿には毎回呼ばれるようになっていく。
 

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初日、千里はバスに乗ってF町まで行き、歩いて3分ほどで民宿まで行った。その民宿に入ろうとした時、留実子がお姉さん(?)のスクーターに同乗して民宿前まで来た。
 
「遅れた遅れた」
などと留実子は言っているが
「まだ集合時間まで30分あるよ」
と千里は言う。
「あれ〜?8時集合じゃなかった?」
「9時だけど」
「勘違いしてた」
 
「でも次のバスだと微妙だったかもね」
「夏休み中はバスが少ないもんなあ」
 

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「千里ちゃんセーラー服着てるのね」
と留実子の姉(?)敏数は言う。
 
「女子中学生ですから」
「そうだ。あんたブルマ要らない?」
と敏数は千里に訊いた。
 
「何を唐突に」
「この変態妹が穿くかなと思って買ってあげたのに、穿かないと言うから」
「うちの中学の体操服は夏は男女ともハーフパンツですよ」
「冬は?」
「男女ともロングパンツです」
「じゃブルマは使わないの?」
「使いません」
 
「残念ね。でもブルマの中で熱い棒が立ってたら、凄く背徳的な気分で、いいのに。思わず金鎚で叩いちゃう」
 
金鎚で叩くのか!?
 
「立つようなものは存在しないので。それは、るみちゃんに言ってあげて下さい」
「あんたブルマ穿いて、ちんちん立てて嫌らしい気分に浸ったりしない?」
「ちんちんくらい立てて出す物は出すけど、ブルマは女の服だから穿かない」
と留実子は答えた。
 
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千里は“出す物は出す”ってどういう意味だろう?と思った。
 
(千里はセックスの仕方は知っているのに男子のオナニーを知らない)
 

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変態姉(?)は放置して、一緒に民宿に入り、案内してもらって部屋に行くと、蓮菜だけが来ていた。
 
「なぜるみちゃんは普段着なのか」
と訊かれる。
 
「あれ〜。蓮菜ちゃんもセーラー服だ」
「遊びと勉強を区分けするのに勉強する時は制服着ようと言ってたじゃん」
「でもぼくセーラー服は着たくないな」
「確かにるみちゃんはそうだろうね。じゃ、るみちゃんはその服でいいことにしよう」
「女湯に入って悲鳴あげられたりして」
「それはいつものことだから気にしない」
 
でも留実子はこの合宿中、ウィッグを外して丸刈りの頭を曝していた!
 

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ところで今回の合宿に参加した千里は、午前中はY、午後はBであった。実は合宿では朝の内はあまり頭が働かないから英語や国語をして、午後から数学や理科をしようということになっていた。
 
それで英語・国語の得意なYは午前中合宿に出て、午後からはP神社に行き、数学・理科の得意なBは、午前中Q神社でご奉仕して、午後からこの合宿に出ていた(全然合宿になってない気もする)(*9)
 
(*9) “千里たち”は、授業も数学や理科はたいていB、音楽・国語・保健などはR、英語・社会・家庭などはYが受けているようである。どうも各々の得意科目を受けている感じだ。朝の会に居るのはYが多く、昼休みはB、帰りの会はRが多い。千里の後の席の尚子は、千里が時間ごとに違う色の玉の髪ゴムを付けているのを見て、なぜ時間ごとに髪を結び直すのだろうなどと思っていた(その内気にならなくなった)。
 
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またこの頃から、W/R は滅多に見ることがなくなり、Wが出ている時はたいていW/B, 時々W/Yであるようになった。鞠古君に代わって女性ホルモンの注射を受けていたのもW/Bである(4月に渡した女性ホルモンの錠剤を飲んでいるのはW/Y or Y)。
 
また3人同時に出ていることは少なくなり、1人または2人になっている時が多くなったようであった。小春とミミ子は、千里たちが“落ち着き”始めたと感じた。
 
ただ、この合宿の時は3人稼働していた。
 

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千里Rはこの期間、実は旭川で、きーちゃんの家に泊まり込んで、フルートの手ほどきを受けていた。1日中フルートというのも疲れるので、時々気分転換に龍笛を習ったり、また
 
「完璧に自己流だね」
と言われたピアノに関してもバイエル!からやり直して本当に基礎的な部分を再構築していた。バイエルを最初の2日で仕上げ(ほんとに基礎固め)、3日目はバーナムをやった。
 
更には「運動もした方が良い」と言われ、毎日1時間、旭川市内在住で、越智さんという剣道六段の人(きーちゃんのお友達)から、剣道の稽古を付けてもらった。
 
「君一級なの?既に二段の力量があると思うけど」
「初段も来年にならないと取れないんですぅ」
「まだ中学1年生かぁ!」
 
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留萌の勉強合宿の方は、民宿ということもあり、お風呂はあまり広くないので、できたら混雑時間帯の18:00-20:00を避けた上で、1人ずつ入ってと民宿の女将さん(蓮菜の母の又従姉妹か何かになるらしい)に言われていた。それで、各々区切りのいい所で行くことにした。実際には
 
蓮菜→玖美子→(混雑時間帯回避)→美那→恵香→千里→留実子
 
の順序で入浴した。この時、恵香の次に行った千里がお風呂に行ってからなかなか戻ってこない。蓮菜は、きっとあの長い髪を洗うのに時間が掛かっているのだろうと思っていたのだが、千里がお風呂に行ってしばらくした所で美那が言い出した。
 
「あれ?考えてみたら、るみちゃんは千里を待たなくてもいいんじゃない?だって、千里は男湯に行ってるよね?るみちゃんは女湯だから時間が重なっても平気だよ」
 
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これに対して蓮菜と玖美子が視線を交わす。2人とも考えたことは同じである。
 
“千里は当然女湯に入っている。しかし留実子は男湯に入るのではないか?だったら、重なっても平気だ!”
 
「まあどっちみち、人も少なくなってるだろうから行っていいんじゃない?」
と蓮菜は言い、留実子も
「じゃ行ってくる」
と言って、タオルだけ持ってお風呂に行った(蓮菜の強い勧めでウィッグは付けていった)。
 

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留実子は浴場棟まで行くと、階段を降りる。降りた真正面に男湯の暖簾、右手の通路先に女湯の暖簾があるのを見た。
 
周囲に人の気配が無いのを確認してから、男湯の暖簾の前で耳を澄ます。
 
男性数人の声がしている。それで、ふっと溜息をついて首を振り、右手女湯に向かった。暖簾をくぐり、脱衣籠を取って服を脱ぎ、脱いだ服を入れた。タオルだけ持って、浴室の引き戸を開け、中に入る。静かだったので誰も居ないかと思ったら、女性が1人、浴槽に入っている。留実子は「先客がいたのか。悲鳴あげられたら面倒だな」と思った。
 
その人物は留実子が入ってきた音に振り返った。
 
「こんばんは・・・って、何だ、るみちゃんか?あれ?ここ男湯だっけ?」
「千里、ぼくが居たら男湯だと思うの?」
「一瞬、私間違って男湯に入っちゃったかと思った」
「おっぱいあるから男湯は無理」
 
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「そっかー。でも、小さい頃は、るみちゃん結構男湯に入ってたよね」
「たぶん4年生の5月に入ったのが、男湯に入った最後」
と留実子。
「私が男湯に入った最後はいつだろう?覚えてないや」
と千里(多分千里は男湯に入ったことがない)。
 
留実子はワイルドに?頭と身体を洗い、浴槽に入ってきた。
 
「千里少し胸が膨らんできている」
「そうだね。鞠古君の代わりにたくさん女性ホルモンの注射してもらったからそのお陰かな」
「あれ、悪かったな」
「ううん。こちらは助かった」
 
なお、ここに居るのは午後参加しているBだが、W/Bの状態になっている。つまり男性体だが、千里は意識が女なので、たとえ男性体でも男湯に行く気は毛頭無い。千里Yの方は小春が誘導して、早朝、お風呂に入れている。
 
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2人が浴槽内で話していたら、20代の女性2人が入ってきた。関西方面からの観光客らしい。結構道内の観光地のことでおしゃべりした。
 
「君たちは姉妹だっけ?」
「ええ。私は中2でこの子は小6です」
と留実子が言った。
 
「なるほどねー。妹さんは身体のある部分の成長がこれからね」
「しかもこの子、早生まれなんですよ」
「だったら5年生みたいなものか」
「それなら、これからきっと急速に発達するよ」
などと言われた。
 
むろん留実子が、千里の未発達の胸を不審がられないように、6年生だと言ってあげたのである。
 
結局一緒にあがったが、留実子は男物の下着を着けていることを指摘される。
 
「楽でいいですよ」
「でも中学生ではまだ女を捨てたらだめよ」
「おばちゃんたちには時々居るけどね」
などと留実子が言われていた。
 
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