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■女子中学生・夢見るセーラー服(15)

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きーちゃんのおうちは、旭川郊外にあり、100坪ほどの土地に、45坪ほどの平屋建ての建物が建っている。家の前面に車が駐められるようになっており、カーポートが2台分作られているので、きーちゃんはトリビュートをそこに駐めた。
 

 
「きれいだね。新築?」
「そそ。でもユニット工法だから1日で建った」
「1日で家が建つの〜?」
「もっともピアノ室の防音工事に1週間掛かったけどね」
「へー。でも一週間でこれだけの家ができるって凄いね」
 
千里はリビングのテーブル周囲に置かれたソファに座っているのだが、アイランドキッチンが格好良いなあと思った。
 
きーちゃんはシチューを作っていたので、それを暖め、バゲットをスライスしてオーブントースターで焼いた。また紅茶を入れてくれたがこの紅茶が美味しかった。アッサムだと言っていた。
 
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お金を精算する。千里は「55万ももらったから全額出すよ」と言ったが、きーちゃんは「半分出すと言ったから」と言って、約半額の21万しか受け取らなかった。
 
「この家のピアノ室は防音になってるからさ、千里、ここに来てくれたらフルート少し教えてあげるよ」
「防音っていいね。じゃ、お願いします、先生」
「よしよし」
 
千里はこのきーちゃんの旭川の家で、高校3年の時まで毎月1回くらい、フルートや龍笛などの木管楽器を習うことになる。
 
千里は自分の携帯から自宅に掛けて、今晩ひとばんお友達の家に泊まると伝えたが、電話を取ったのは玲羅で「分かった。お母ちゃんに伝えておくね」と言った。
 

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玲羅が電話を切って席に戻ると“千里”が
「誰からだった?」
と訊く。
 
「お姉ちゃんからで、彼氏の家に泊まって来るって」
「ふーん。妊娠しなきゃいいけどね」
と千里は笑って言っている
「ほんとね。私、小学生の内に、おばさんにはなりたくないな」
と玲羅も言った。
 
千里が目の前にいるのに千里から電話が掛かってくる程度は昔からよくあるので玲羅はほとんど気にしていない!
 
「お姉ちゃん、前回の生理は?」
「先々週の日曜だったよ」
「だったら今日は危険日?」
「ほんとに私、妊娠しないといいね」
と千里は笑っている。
 
「あんた、妊娠するんだっけ?」
と母は不安そうに訊く。
 
「だって、女の子だもん」
と千里は答えた。
 
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なお、旭川に行っていた千里は、29日昼過ぎまで、きーちゃんにフルートの演奏法について指導を受け、夕方のJRで留萌に帰った。
 
旭川15:30(ライラック16)15:49深川16:05-17:04留萌
 
千里は小春を留萌駅まで呼び出し、CM撮影のギャラでもらった12万円と、雪山で男性を助けた御礼の残り34万円、合計46万円を渡して、預金口座に入れておいてくれるよう頼んだ。
 
「そのフルートも預かっておこうか?」
「お願い。お母ちゃんに見られたくないから」
 
それで千里は夕飯の買物をして帰ろうと思い、Aコープまで歩いて行こうとした。ところがその途中、千里は唐突に30代の女性から声を掛けられた。
 
「千里ちゃん、何してるの?乗って乗って」
「はい?」
 
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それで千里Rは訳も分からずに、保志絵の車に乗ったのであった。
 

さて、千里Bの方は6月21-22,28-29日と土日はQ神社でご奉仕したが、どの日も午後1時から4時頃まではわりと暇なので、寛子さんと2人で別館に行き龍笛の練習をした。
 
千里は元々何でも覚えるのが早いので、22日の夕方までには、Q神社で吹く龍笛の曲を全部マスターしてしまった。千里は23-24日、昼休み・放課後は別館に入って練習していたし(25-27は期末テスト)、29日の午後の段階で
 
「もうこれ以上は教えることが無い。後は自分で磨いていくだけ」
と寛子さんから言われる。
「そうですか?まだ自分ではあちこち不満なんですけど」
「その自分で不満な所を磨いていくんだよ、自分なりに」
「分かりました!」
 
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「あんたは今まで私が教えた子の中でいちばん物覚えが速い」
と寛子さんは感心していた。
 
寛子さんは龍笛の練習の合間にピアノも教えてくれた。千里がピアノを結構弾くものの、完璧な自己流なので、特に指替えなどの技術を指導してくれた。
 
「千里ちゃん、一度ピアノの基礎みたいな教本をやってみるといいよ。多分初心者用のは1冊数時間であげられると思うけど。うちに残ってなかったかどうか今度見ておくよ」
「すみませーん」
 

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29日(日)、神社に戻ると寛子さんは細川さんに言った。
 
「この子、物凄く物覚えがいいです。もう実際の祈祷で吹かせてもいいと思います」
「そんなに?ちょっと聞かせて」
というので、千里が習った曲を吹いてみせると、周囲に居た神職さんや年上の巫女さんたちが、こちらを振り返る。
 
「なんか凄いね」
「息が凄く強く出ている」
「ええ、私より息が強いです。この子の笛の音は本当に龍が鳴いてるみたい。私のはまだ正式な龍ではない蛟(みずち)(*6)だって言われるけど」
 
と寛子さんは言っているが、循子など
 
「私の笛は龍どころか蛇未満のビニール紐らしいです」
と自分で言っている。
 
(*6) 長年生きた蛇(へび)は虺(き)となり、これが500年生きると蛟(みずち)になり、更に1000年生きると龍になるという説がある。また龍には7段階があり、最上位が龍でその下が蛟であるとも。
 
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龍の7段階説
7.龍(りゅう)
6.蛟(みずち)
5.虹と蜺 空に虹が現れる時、主虹が“虹”(♂)で副虹が“蜺”(♀)
4.應と蜃 “蜃気楼”を出すのが蜃。應は翼を持つ龍。
3.虬と虯 どちらも「きゅう」と読む。
2.螭(ち) 森に隠れている。
1.蟠(ばん) まだ飛べない。
 
但し異説では龍が500年経つと角龍に進化し、角龍が1000年経つと應龍になり、その應龍が年を経たものが黄龍であるという説もある(述異記)。つまりその説では應の方が龍より上位ということになる。
 

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「これだけ吹けるなら、祈祷の笛を吹かせるか」
と禰宜(ねぎ)の吉沢さんも腕を組んで言っている。
 
「今の笛を聞いたら、全く問題無いと思う」
と香取巫女長も言う。
 
「じゃ来週から昇殿祈祷の笛も吹いてよ」
「分かりました!」
 
「でも祈祷でプラスチックの龍笛は無いな」
「もう少し良い龍笛を渡そう」
 
すると細川保志絵が言った。
「私が未使用の龍笛を1本持ってますから、それを預けますよ」
「ああ、よろしく」
 
それで千里はその日のお務めが終わった後、セーラー服に着替え、保志絵の車ミラ・ジーノに同乗して細川家に向かった。千里は助手席に乗り、保志絵と話していたのだが、唐突に千里の反応が無くなる。それでふと横を見ると千里が居ない!?
 
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保志絵はびっくりして、取り敢えずハザードを焚いて車を脇に寄せ停める。
 
「千里ちゃんどこ行ったの〜?」
と声に出してキョロキョロしていたら、すぐ目の前の歩道をセーラー服を着た千里が歩いている。
 
嘘!?いつの間に降りたの!?
 
と思い、保志絵は車を降りて千里の傍に駆け寄る。
 
「千里ちゃん、何してるの?乗って乗って」
「はい?」
 
それで千里Rは訳も分からずに、保志絵に手を引かれて、車に乗ったのであった。
 
(千里Rの居る場所に偶然近づいて行ったので“30mルール”により、千里Yが姿を消してしまった!)
 

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「千里ちゃん、どうやって降りたのよ?」
「えーっとよく分かりませんが」
と千里Rは混乱して言う。だいたいこの人誰だっけ?などと考えている。
 
やがてL町の少し高台の家に到達する。カーポートがあるのでそこに保志絵は車を駐めた。
 
「入って入って」
と言って保志絵が千里(千里R)の手を引いて、家の中に入る。千里は表札を見て、ここが細川さんという家であることを認識した。
 
それで玄関を入ったら、目の前に素っ裸の貴司が居た!
 
「きゃっ!」
と言って千里は後を向く。
 
「わっ」
と言って貴司は家の奥の方に走り込んだ。
 
でも、ちんちん見ちゃった!!
 
しかし何とまあ、これが後に結婚する、貴司と千里R(≒千里2)のファーストコンタクトだったのである!
 
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「えっと・・・・」
「ごめんねー。変な物見せちゃって。あがって、あがって」
「はい」
 
変な物って、ちんちんのこと??
 
それで千里は「これは誰なのだ?」と思いながら、家に上がり、リビングのテーブル(家具調コタツ)の所に座った。
 
保志絵は紅茶を入れてくれた。
 
「美味しい。凄く香りが深いです」
 
きーちゃんの所で飲んだアッサムと似た系統の味のような気がした。
 
「これはウバという品種。紅茶はよく飲む?」
「粉を溶いたらミルクティーになるようなのしかうちには無いです」
「まあ、あれも便利だけどね」
と言って保志絵は笑っている。
 
ところでさっきの男の子は誰だろう?見たことある気がするけど。S中の子だっけ??と考えている内に、彼がバスケ部員であったことに気付く。千里が剣道部の練習をしている時、彼はバスケ部で練習していた。名前は・・・そうだ「タカシ」君だった。バスケ部でみんなからそう呼ばれていた。
 
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つまり、今目の前に居る人は、その細川タカシ君のお母さんなのだろう。私を知っているみたいだけど私とはどういう関係なのだろうか。私って関わり合いのある人のことを、きれいに忘れてることあるからなあ。
 

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「それで素敵な龍笛があるのよ」
と保志絵は言って、神棚に載っている桐の箱を2つ下ろした。
 
↓間取り再掲

(お風呂から貴司の部屋に行くにはリビングを横切る。でも妹もいるんだし、貴司は服を着てからリビングに来るべき。神棚はリビングにある)
 
保志絵がその桐の箱を2つとも開けると、千里は2本の龍笛の内の1本を
「失礼します」
と言って手に取って両掌に乗せ眺めた。
 
「美しい龍笛ですね」
「分かる?」
 
「もうひとつの龍笛もかなり良いものと思いますけど、これは凄いです」
「その龍笛をあげるよ」
 
千里はびっくりした。千里がこの龍笛から感じる波動は、とても美しい。これは名人級の人の力作だと思った。
 
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千里は苦笑した。
 
「それはさすがにNo Kidding(からかわないで)です。こんな名品、私が持ってたら、豚に真珠ですよ」
 
「あらら、可愛い子豚さんね。でもこの龍笛の良さが分かるのね」
「これは凄い名人さんの作品です。もうひとつの龍笛もですが」
 
「だったら、こちらの方をあげるよ」
と保志絵はもうひとつの方の龍笛を差し出して言った。
 
千里はなぜ細川君のお母さんは唐突に自分にこんな高価そうな龍笛をくれるというのだろう?と千里Rは疑問を感じた。しかしその時、小春から脳間通信が入った。
 
『千里、その龍笛はもらって』
『了解』
 
「分かりました。頂きます。でもこれも結構なお値段のものだと思います。私、代金払いますよ。分割でないと払えないけど。これは80万円くらい?」
 
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保志絵は千里がこういう高価な品の値段が分かるのが凄いと思った。
 
「まあ40万円かな」
「だったら済みません。5年ローンくらいにさせて下さい」
「むしろ出世払いで。あなたがおとなになってお金ができた時にもらえばいいから」
「分かりました」
 

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それで高価な龍笛を保志絵に戻し、安い方の龍笛(といっても、千里の感覚で80万円くらいと思ったが保志絵は40万円と言った)を受け取る。
 
「ちょっと吹いてみて」
と言われるが“この”千里は、龍笛なんて吹いたことがない。でもここは何か吹かないといけない気がした。
 
たぶんフルートと似た要領だろうと思い、両手で持って息を吹く。それで曲を演奏したら、保志絵は
 
「あなたってお茶目ね」
と楽しそうに言った。千里が吹いたのはSMAPの『世界に一つだけの花』である。
 
ところがそこに(服を着た)貴司が出て来て言った。
「その歌は気に入らない。Only Oneは無価値だ。No.1でなければダメだ」
 
「それは割と賛成かも知れない」
と千里は言う。
 
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「でもTシャツを裏返しに着て女の子の前に出てくるのはOnly Oneかも」
「え?」
と言って、貴司は
「これ裏返しだっけ?」
などと母に訊いている。
 
「私にも裏返しに見える」
と保志絵。
 
「しまったぁ」
と言うと、彼はその場でTシャツを脱ぎ、脱いで裏返ったのをそのまま着た。
 

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「すみませんねー。ユニークな息子で」
と保志絵。
「No.1を目指すなら、例えば」
と言って千里はテーブルの上に載っている消しゴムを手に取る。
 
「この位置から、あそこの本棚の上にこの消しゴムをうまく乗せられたらNo.1になれるかもね」
と千里は言った。
 
「それ千里はできるの?」
と貴司が言う。
 
千里は、なんで私の名前を呼び捨てにする?とは思ったものの、黙ってその消しゴムを放る。すると消しゴムは回転しながら飛んで行き、きれいに本棚の棚に載った。
 
「すげー」
 
千里はその消しゴムを取ってきた。
「はい、どうぞ」
 
「よし」
それで貴司は消しゴムを放るが、消しゴムは本棚には当たったものの、跳ね返って下に落ちた。
 
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「うーん。失敗」
 
「それができるようになったら、デートくらいしてあげてもいいよ」
と貴司に言い、保志絵には
「今日はありがとうございました」
と言って、席を立った。
 
「あ、送るよ」
と保志絵は言い、千里が買物があるというと、Aコープまで送ったくれた。それで千里は御礼を言って降りて、スーパーの中に入った。
 

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