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■女子中学生・夢見るセーラー服(16)

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『小春』
と千里は呼びかける。
 
『この龍笛、どうすればいいの?』
『その龍笛は細川さんが“別の千里”にあげたものなんだよ』
『ああ、私って何人かいるよね?』
『それは自覚があるんだ?』
『子供の頃から、私は複数いるみたいと思ってたよ』
『別の千里があの男の子と親しいんだよ』
『へー!なんか凄く浮気しそうな顔してるのに。あれ絶対晋治と同じタイプだよ』
 
『まあそれで龍笛をくれたんだけど、それと似た龍笛をあげるから、その龍笛は私に渡して。細川さんが本来渡すはずだった千里に渡す』
 
『了解了解』
 
千里がAコープで買物を終えて外に出たら、小春が来て
「代わりにこの龍笛をあげるから」
と言って、別の龍笛を千里Rに渡した。瞬間的に千里は『これは同じ人の作品だ』と思った。そして千里Rが保志絵からもらった龍笛を小春は受け取る。
 
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「ついでに家まで送っていくよ」
「うん。玲羅たち、待ちくたびれてると思う」
 
それで小春は宮司のカローラに千里を乗せて運転し、C町の千里の家まで送って行った。
 

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6月30日(月)、千里Rは2組の教室に行き、映子を呼び出して言った。
 
「私、親戚からフルートをもらっちゃったんだよ。それで少し練習するから」
 
「良かったぁ!こちらは高校に進学した先輩何人かに訊いてたんだけど、なかなか貸せそうな楽器持ってる人いなくて。やはり白銅製の楽器とかは使い倒してると状態が悪くてさ。洋銀とかの高い楽器を持ってる人は高校でも吹奏楽を続けている人が多い」
 
「ああ。親としては高い楽器買ってあげて3年でやめられたら、たまらないよね」
「それそれ」
 
「でもどんなフルート?」
と訊かれるので、古いフルートケース(実は昨日の内に小春に調達してもらっていた)から YFL-714 を取り出す。
 
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「いいフルートだね!」
と映子が言う。
 
「そうなの?長く使ってなかったから、傷んでたらごめんねと言われたんだけど」
「きれいにしてるよ。保存状態いいみたい。だいたい、これ総銀フルートじゃん」
「総銀?」
「全部銀でできてるんだよ」
「へー!高そう」
「高かったと思う」
「良かったのかなあ。そんな高いのもらって」
 

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それで昼休みの練習に顔を出した。放課後は剣道部の練習があるから、昼休みの練習にだけ顔を出すという話は、部長の承認済みということだった。
 
「あれ?千里、セーラー服なんだね」
と佐奈恵(クラリネット担当)が言う。
 
「え?セーラー服着てたら変?」
「千里は学生服を着ているという噂が」
「何かの間違いでは?」
「だよねー。千里が学生服を着た姿が想像出来んと思ってた」
と佐奈恵は言っていた。
 

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そういう訳で、今年の吹奏楽部の(課題曲での)編成はこのようになっていた。
 
木管
ピッコロ1、フルート2(★千里・映子)、
クラリネット3、バスクラ1,
アルトサックス2、テナーサックス、バリトンサックス
金管
トランペット3(広瀬・海老名・★小春)、トロンボーン3、
ホルン3、ユーフォ、チューバ
その他
★スネアドラム、★バスドラム、★シンバル、★木琴
 
★:助っ人!
 

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千里は集まっているメンツの中に小春がいるのでびっくりした。
 
「小春も入ってるの?」
「トランペット吹けたよね?と海老名さんから言われて徴用された」
「なるほどー」
 
小春は海老名君が指を怪我した時に代わりにトランペットを吹いたことがあった。
 
しかし小春がここに入っているのは千里としては好都合である。
 
(でもS中の生徒なのか?)
 
それで千里は大会の課題曲『ベストフレンド』(作曲:松浦伸吾)という曲と、自由曲で映画『千と千尋の神隠し』から『いつも何度でも』(作曲:木村弓)の吹奏楽版の譜面を渡された。
 
譜面はいづれもスコアのコピー+パートのみの譜である(コピーしていいんだっけ?)。
 
顔合わせの後パートグループ毎に散って練習する。千里は同じフルートの映子、ピッコロ担当の3年生・愛子さん、クラリネットの3人(佐奈恵、2年の好恵さん、3年の香住さん)、バスクラの2年生・夢花さん、の7人で集まってピアノの裏付近で合わせた。最初は『ベストフレンド』をパート譜を見ながら演奏する。
 
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「千里ちゃん、この譜面前から練習してたんだっけ?」
「今初めて見ました」
「なぜ一発で吹けるの〜?」
 
「この子は初見に無茶苦茶強いから多分一発で吹くだろうと思ったら、やはり吹けましたね」
と映子は言っている。
 
「ピアノでもたいていの曲を初見で弾きこなしちゃうね」
と佐奈恵も言っている。
 
「私が間違えた。頑張らねば」
とクラリネットの3年生・香住さんが言った。
 

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7月12日(土).
 
剣道の夏の大会が行われた。
 
今回S中女子のオーダーはこのようになっている。
 
先鋒 武智紅音
次鋒 田辺英香
中堅 沢田玖美子
副将 村山千里
大将 藤田美春
 
「え〜?私たち、先輩たちより後に出るんですか〜?」
と千里も玖美子も言ったのだが、
「強い人は後にするのが当然」
と3年の田辺さんは言った。
「村山さんが大将でいいと思うんだけど、先生が大将は私がやれと言うから」
と藤田部長。
 
そういう訳で、春と出場者は同じだが、順序が違うのである。
 

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今回女子の団体戦参加校は春より少し増えて10校であった。千里たちのS中はR中とともにシードされていて、別の山に入れられている。1回戦は、D中対F中はD中の勝ち、C中対E中はC中の勝ちだった。2回戦以降は次のようになった。
 
D中┓
K中┻K┓
T中┓ ┣S┓
S中┻S┛ ┃
R中┓   ┣
H中┻R┓ ┃
M中┓ ┣R┛
C中┻M┛
 
2回戦でS中はT中に3人だけで勝ったので千里の出番は無かった。準決勝のK中戦は、2勝1敗で千里のところに来たが、千里はK中の副将・野沢さんに快勝。これで決着が付き、大将戦まではしなかった。
 

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そしてR中との決勝戦に臨む。R中オーダーはこのようになっている。
 
先鋒 風間
次鋒 麻宮
中堅 前田
副将 木里
大将 田沼
 
向こうも春の大会の成績に基づいて順序を変えてきている。
 
木里さんがとっても嬉しそうである!副将戦で千里と対戦することになる。
 
ところが・・・である。
 

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先鋒戦、次鋒戦ともにR中が取り、中堅戦の前田−沢田の対戦となる。
 
この勝負、最初に前田さんが1本取るも玖美子も1本取り返す。その後どちらも1本が決まらないまま3分が過ぎて、2分間の延長戦に入る。しかし延長戦でもどちらも1本取れなかった。
 
判定!
 
判定は前田さんの勝ちであった。
 
それで決勝戦は何と中堅戦までで決着が付いてしまい、千里と木里さんの対戦は無くなったのである。
 
玖美子が「ごめんなさい!」と言ったが、「いや、私たちが先に負けちゃったし」と田辺さんは言っていた。
 
しかしR中では木里さんが前田さんに文句言っていた!
勝ったのに文句を言われるのは理不尽だ。
 
それで千里と木里さんの対決はお預けになったのである。
 
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S中男子では、沙苗が春の大会で大活躍だったので、中堅に据えられた。
 
男子は17チーム出ていた。
 
S中は1回戦不戦勝の後、2回戦は中堅の沙苗までで勝利する。準々決勝は先鋒が敗れたものの、次鋒・中堅・副将が勝って勝ち上がる。これでベスト4である。準決勝は、沙苗は勝ったが先鋒・次鋒・副将が負けて敗退。春の大会と同様に3位決定戦に回った。ここで先鋒・次鋒は敗れたが、その後の3人が勝って、今回3位入賞を果たした。
 
結局今回も“留萌の白き稲妻”沙苗は団体戦で全勝である。
 

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お昼休みは千里や玖美子と一緒に女子の控室に行き、上級生とも一緒に楽しくおしゃべりしながら昼食を食べた。沙苗も2度目だし、既に3ヶ月間女子中生をしているので、だいぶ慣れたようであった。トイレにも一緒に行った。
 
「沙苗も80%くらい女の子になってきたな」
「最近やっと自分が女子中学生をしてることに自信が持てるようになった」
 
「そんなこと言ったら、自分が女子中学生をしてることに自信を持ってる女子生徒なんて、ほとんど居ないぞ」
と玖美子。
 
「そうかも!」
 
「女子中学生は“する”ものではなく“である”ものなんだよ。doではなくbe」
と千里が言うので、それが千里ちゃんに性別疑惑が起きない最大の理由なのかなと沙苗は思った。
 
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午後からは個人戦になる。女子の参加者は80人くらいである。
 
千里は1回戦不戦勝の後、2回戦を30秒で2本取って勝った。3回戦ではT中大将の高橋さん(1級)と当たる。しかし2分で2本取り勝利する。
 
BEST16に残ったのは下記である。
 
村山(S1)沢田(S1)藤田(S3)前田(R1)木里(R1)田沼(R3)広島(K1)野沢(K3)曽根(K3)吉田(M1)守口(M3)井上(C1)掛川(C3)桜井(F1)松本(D1)阿部(H2)
 
春の大会のBEST16とは結構入れ替わっている。
 
4回戦からは本当に強い人同士の潰し合いである。千里は、前回準々決勝で当たったC中大将の掛川さんと当たる。掛川さんはリベンジに燃えていたが、1本ずつ取った後、時間切れ間近に千里が面を取り2本勝ちした(前回は1本勝ち)。
 
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BEST8は結局前回と割と似たメンツになった。玖美子と吉田さんが入り、掛川さんとR中の麻宮さんが落ちた(麻宮さんは3回戦でM中の吉田さんに敗れた)。
 
準々決勝は下記のような組み合わせになった。
 
田沼┓
吉田┻┓
木里┓┣┓
藤田┻┛┃
曽根┓ ┣
沢田┻┓┃
前田┓┣┛
村山┻┛
 
春夏連覇を狙う田沼さんは吉田さんに鮮やかに2本勝ち、実力派の木里さんは藤田さんに3分ギリギリに2本目を取って勝利。そして玖美子が前回準優勝の曽根さんに1本勝ちしちゃった!
 
玖美子は相手の太刀筋を読むのが上手いので、型に沿って攻めて来る相手には意外と強い。それで曽根さんがなかなか1本を決められずに次第に焦ってきた所に返し胴できれいに1本取ったのである。その後はどちらも1本取れないまま時間切れ。それで玖美子はこの強敵に勝っちゃった。本人も「まぐれ、まぐれ」と言っていたが、まぐれも実力の内だ。内容では終始圧倒していた曽根さんは悔しそう。まさに「相撲に勝って勝負に負ける」だった。
 
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そして千里は前田さんにきれいに2本で勝った。それで準決勝の組合せはこのようになった。
 
田沼┓
木里┻┓
沢田┓┣
村山┻┛
 
なんとどちらも同校決戦である。
 
最初の対戦では田沼さんが木里さんに鮮やかに勝つ。次の対戦で玖美子は
「木里さんと対戦したいからってわざと負けたりしたらお尻叩き1000発」
などと言うが、千里は別に無理して木里さんとやりたい訳ではない。
 
それで千里は2分で玖美子に勝った。玖美子は
「千里の剣には型が無いから守りきれない」
などと言っていた。
 
そういう訳で、今回は千里と木里さんの対戦は、団体戦でも個人戦でも無かったのである。木里さんが本当に残念そうだった。
 

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まずは3位決定戦。木里さんと玖美子は木里さんが鮮やかに勝って3位を獲得した。春夏連続3位である。
 
そして決勝戦では、田沼さんが千里を圧倒して勝利。千里は今回は準優勝となった。
 
今回はチームも個人も準優勝であった。
 
しかし今回の大会でBEST8以上では、玖美子と曽根さんの試合がいちばん凄い戦いだったなと千里は思った。
 
なお男子では沙苗は今回準々決勝でK中の徳永さんに敗れBEST8に留まった。徳永さんは準優勝した(優勝はR中の羽崎さんで春夏連覇)。鐘江さんと、団体には出なかった竹田君がBEST16まで行った。
 

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剣道大会があった翌日、7月13日(日)には、剣道の級位・段位審査があった。千里は現在1級で次の初段は2年生になるまで取れない。ということで千里は審査を受けないものの、玖美子や3年生の藤田さん・田辺さん・2年の武智さんなどが受験した。
 
その結果、玖美子と田辺さんは1級に認定されたが、武智さんは見送りとなった。藤田さんも二段を取れなかった。なお、R中の前田さん、M中の吉田さんなどが1級を獲得した。田沼さんは二段になった。
 
 
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