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■女子中学生・夢見るセーラー服(1)

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(C) Eriko Kawaguchi 2022-01-14
 
4月18日(金)、沙苗が初登校した日の放課後、千里Rは剣道部の練習に出たが、千里Bは蓮菜と一緒に帰宅した。生徒玄関を出て、バス停に向かう。学校からバス停までは、結構長い坂を下りていく。
 
この坂は、学校の門より10mほど高い所から始まっているのだが、その坂の終点に鳥居がある。千里はずっとそれが気になっていた。

 
「そこ何神社だっけ?」
と千里は独り言のように言った。
 
「そこはQ神社の御旅所(おたびしょ)だよ」
と蓮菜は言った。
 
「おたび・・・?」
「千里、何年も巫女をしているわりには神社用語に弱いよね」
「すんませーん」
「お祭りの時に、ここまで御神輿(おみこし)を持って来て、翌日神社に戻る」
 
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「へー。じゃお祭りの時に使うだけ?」
「そそ。式年遷宮の代わりみたいなもの」
「しきねん・・・?」
「あとでゆっくり教えてあげるね」
「すんませーん」
 
「でもそれで普段は人が居ないのか」
「うん。御神輿を置く座と、倉庫や、御神輿の番をする人たちの控室だけ。だからあまり神社っぽくないよね」
「思ったー。なんか雑霊がたくさん漂ってるし」
「それは私には分からん」
 

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一方、この日剣道部の練習に出た千里Rは17時すぎに練習を終えると、玖美子と一緒に女子更衣室に戻り、一緒に道着からセーラー服に着替えた。
 
「あれ?今日は千里、腕時計してる」
「そうそう。こないだからしばしば見つからなかったんだけど、今日はちゃんと見つかった」
と言って、千里が左手首に内向きに着けているのは、カシオのペールピンクのデジタル時計である。
 
「なんか高熱の後遺症か、物がいろいろ見つからないのよねー」
と千里は言っているが、玖美子は、物が紛失するのは元からだろ?とツッコミたい気分になった。大事なものは絶対に千里には預けられないのである。
 
「教室とかには時計あるけど、バス待つ時とかは時計無いとバスまで時間があるかどうか分からないもんね」
と玖美子。
 
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「ほんとほんと。それで困ってたのよ。くみちゃんはいつも時計をポケットに入れてるね」
と千里が言うと
 
「あ?これ?」
と言ってセーラー服のポケットから取りだしてみせる。
 

(Casio C409CA "MAKKA" cdmaOne au(DDI) 2001.2 Release)
 
「これは時計ではなくて携帯だよ」
「うっそー!?」
と千里が驚くので、玖美子は“普通の”携帯の画面表示に切り替えてみせた。
 
「ほんとに携帯だ!」
「G-Shockを出しているカシオから発売された携帯だから、時計のふりをすることができる」
「へー!」
「沙苗が本当は女の子なのに、男の子のふりをしていたようなものかな」
「なるほどー!」
「ちなみに、千里の場合は、男の子のふりもしてなかった。最初から100%女の子だったね」
「あはは」
 
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「そういえば千里も携帯持ってるよね。番号教えてよ」
「ああ。時々、お父ちゃんの借りてるだけだよ」
「そうなの?」
 
(玖美子は神社で千里が携帯を使っているのをこの週2度見ている。しかし携帯を持っているのは千里Yのみで、“この”千里は持っていない)
 
「へー。でも千里、神社でかなりバイトしてて、結構バイト代もらってるんじゃない?携帯代くらい自分で払えると思うから1台買ったら?」
 
「携帯って何万かするんじゃないの?」
「私が使ってるこの携帯なんて1000円だったよ」
「嘘!?」
 
「新型は高いけど、2世代くらい前のならかなり安いんだよ。千里が携帯持ってたら、私も連絡取りやすいからさ」
「そっかー。ちょっと考えてみようかなあ」
 
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千里は、おしゃべりしながら道着や袴、汗を掻いた下着を脱ぎ、赤いスポーツバッグから新しい下着を出してそれを着た。脱いだ胴着や下着はビニール袋に入れた上でスポーツバッグに入れた。
 
「私、先月旭川に出た時にミズノの青いスポーツバッグ買った気がするけど、なぜかそれが見当たらないのよねー」
 
「そう?でも昨日体育の時間には青いスポーツバッグ使ってた」
「ほんと?全然記憶無い」
 
(青いスポーツバッグを使っていたのは千里B)
 
「でも剣道部の練習に行く時はいつも赤いスポーツバッグだよね。体育と部活で使い分けてるのかと思った」
 
「しゃ青いスポーツバッグもあるのかなあ。このバッグは安物で底が弱いし、持つ所も傷んでるのよね」
 
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「それ、かなり前から使ってる気がするし、新しいのもう1個買ったら?」
「あ。それもいいかな」
 
それでその日、千里は夕飯の買い物をする前に町のスポーツ用品店に寄り、赤いナイキのスポーツバッグが旧型処分で半額1950円になっていたのを買った。
 
(玖美子は買物するという千里と別れて勉強会に出るためP神社に行ったが、そこにも千里がいたので「うーん・・・」と悩んだ)
 
しかし取り敢えず、3人の千里は各々3種類のスポーツバッグを使うことになったのである。
 
千里B 青いミズノ
千里R 赤いナイキ
千里Y 黄色いアディダス
 

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腕時計についてはこういう事情であった。
 
小春とミミ子(A大神の眷属)は“千里たち”の行動を見ている内にひとつの仮説を立てた。
 
・千里は6種類存在し“外身”は4種類(R/B/Y/W)だが、“中身”は3種類(R/B/Y)。
これを、外身/中身という書き方をすると↓の6種類である。
R/R, B/B, Y/Y, W/R, W/B, W/Y
 
・中身が同じ個体(R/R - W/R, B/B - W/B, Y/Y - W/Y)は各々記憶が連続する。中身の違う個体は“ほぼ”記憶は独立しているが、結構混淆もしている。
 
・衣服およびその延長の靴・アクセサリーなど身体に直接着けるものは“外身”に連動する。
 
・カバン、自転車などの<持ち物>は“中身”に連動する。
 
なお、面倒なので、R/Y, B/B, Y/Y は単にR, B, Y とも書く。
 
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何と言っても小春たちが驚いたのが4月14日に学生服を着た千里W/Yが自転車に乗って印刷屋さんを出たのに、神社に辿り着いたのはセーラー服を着た千里Y/Yだったことである。そして、Y/Yは髪を黄色い玉のヘアゴムで結んでいた。
 
この黄色い玉のヘアゴムは、小春が朝登校した千里Y/Yに渡したものである。印刷屋さんに行った時のW/Yは白い玉のヘアゴムをしていた。これは小春が朝W/Rに渡したものである。つまり白い玉のヘアゴムはW/Rが受け取ったのにW/Yが使用していたので、これは“外身”に連動したことが分かる。
 
自転車走行中に男W/Yから女Y/Yに変身(運転中性転換!)したのにもびっくりしたのだが、ヘアゴムに関する観察から、ヘアゴムのように身体に直接身につけるものは、衣服同様“外身”に連動するということが推察された。
 
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そこで小春とミミ子は計画を立てたのである。
 
・4種の“外身”は暫定的に髪ゴムで識別できているが、千里の性格からして、髪ゴムなんて、すぐ無くすに決まっている。そこで、4色の腕時計を渡す。
 
・3種の“中身”の識別のために、3色のスポーツバッグを渡す。更に今偶然にも千里Yが小春が使用していた黄色い携帯(DoCoMo F210i Happy Orange)を使用しているので、千里Rに赤い携帯を持たせようと計画した。BについてはA大神が
 
「あの子には携帯は持たせない方がよい。持たせても静電気ですく壊れる」
と言ったので、持たせないことにした。どうも3人の千里の中でBがいちばん静電気が酷いようなのである(2017年に分裂した時もアースを付けられてしまったのが千里Bの後身である千里3)。
 
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現在、この黄色い携帯(千里Yが「小春の遺品」と言ったら、小春が『私は生きてるぞ』と抗議した!)は、Yが使っている時とW/Yが使っている時があるので、携帯電話は、アクセサリーではなく持ち物扱いであることが確かである。
 
(W/Yが学生服のポケットに携帯を入れた後で、Y/Yがセーラー服のポケットから取り出したりした:どういう原理で受け渡されているのかA大神も「原理が分からん」と言っていた。生徒手帳も携帯と同様“中身”に連動している)
 

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それでまずは腕時計の工作のため、小春とミミ子は千里が持っている腕時計の同型・色違いのものを買うことにした。ただこれは旧型なので、現在では店頭で入手しにくい。そこでミミ子の妹分のミヨ子をA大神に頼んで東京に転送してもらい、セカンドハンドショップを回ってもらって、何とか4種類の同型時計を入手することができた。
 
Pale Pink (original) →千里R
Pale Blue →千里B
Pale Yellow →千里Y
Pure White →千里W
 
千里Bは
「あれ?これ他の人のじゃない?私の時計は赤味掛かってた気がする」
と言ったが、
「いや、そういう色だったよ」
と小春が言ったら納得した。
 
千里Yは
「あれ〜。これこんな色合いだったっけ?勘違いかな?」
などと言いながら身につけていた。
 
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W/R, W/B, W/Y はいづれも色合いの違いには全く気付かずに真っ白な腕時計を使用していた!
 
(どうも男性体型になっている時は霊感や注意力が落ちるようである)
 

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なお、わりとどうでもいいが、ミミ子はA大神の33番目の眷属なのでミミ子である。ミヨ子は34番目の眷属である。彼女たちは、よほど信頼できる人以外には本名は明かさない。更に“真名(まことのな)”は誰にも明かさない。真名を知られると、その人の命令に逆らえなくなるからである。
 
(でも千里には後に真名を一発で見抜かれて、こき使われるはめになる)
 

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2003年4月19日(土)友引。
 
千里(千里Y)はこの日P神社で行われた結婚式に巫女として参加した。
 
かつてこの神社の巫女をしていた浅美さん(27)が、市役所に勤める杉本さん(31)と結婚するので、ここで式を挙げることになった。披露宴は市内のレストランを3時間貸し切っておこなうらしい。
 
結婚式なので、巫女が8人も入る。
 
三三九度はお酒を扱うのでおとなの巫女さん2人でおこなう。これはこの神社の巫女・最年長の梨花さん(25)、そして宮司の孫娘・花絵さん(21)がする。
 
太鼓をS高校に進学したばかりの純代が打ち、恵香に龍笛、そして巫女舞を千里に頼むと言われた。
 
他に、旭川のA神社から、女子大生の巫女さんが2人ヘルプで来ている。
 
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純代が先導して、式の参列者(双方の親族・友人20人ほど)を拝殿にあげる。千里が大幣で参列者のお祓いをしたが、参列者に変なのを憑けてる人が2人あったので、粉砕しておいた!(例によって大神様が呆れて見ている)
 
純代の太鼓、恵香の龍笛、旭川から来た美遙さん・典代さんの篳篥と笙の音に合わせ、梨花と花絵が先導して、新郎・新婦が入場してきて、着席する。小町が先導して祭主が入ってくる。
 
太鼓・龍笛・篳篥・笙の演奏が流れる中、祭主が祝詞を奏上する。
 
これがとても長い!
 
全員椅子だからいいが、これが正座だったら完璧に足がしびれる所である。
 
花絵が提子(ひさげ)を持ち、梨花が銚子(ちょうし)を持って、朱塗りの大中小の杯で三三九度がおこなわれる。これは最近多い略式ではなく、きちんと正式の作法でおこなったので、かなりの時間が掛かるし、新郎が2度ほど、ふらっと来ていた。新郎はかなりの量のお酒を飲むことになるので、お酒に弱い人だと結構辛い。なお使用した日本酒は市内の神居酒造の特上品“コタンピル”である。神居酒造の杜氏は玖美子の祖母である!
 
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梨花さんが「これ美味しいんだよ」と言っていたが、さすがに中学生は味わうことはできない(蓮菜は「うん、あれ美味しい」と言ってたけど!孫の玖美子でさえ、飲むの禁止されてるのに)
 
三三九度の後、千里の出番である。雅楽演奏の中、千里と小町が巫女舞を奉納するが、千里が長い髪で舞う姿が美しかったと後から新婦のお母さんに言われた。
 
この後、指輪交換・誓詞奏上が行われ、親族堅めの儀が行われる。親族の持つ杯にお酒を注ぐのは、梨花と花絵がおこなった。
 
最後に新郎新婦による玉串奉奠が行われ、祭主のお話があって、式は終了する。小町の先導で祭主が退場、梨花と花絵が先導して新郎新婦が退場し、最後に純代が促して参列者が拝殿から退出する。千里と恵香で参列者に撤饌を渡した。
 
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