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■女子中学生のビギニング(1)

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(C) Eriko Kawaguchi 2022-02-12
 
2003年8月5日(火).
 
プロ野球、日本ハムファイターズ(現・球団本拠地=東京ドーム)の来年(2004年)度からの新運営会社、株式会社北海道日本ハムファイターズの設立総会が札幌市内で開かれた。
 
運営会社にはサッポロビール、北海道電力など、地元の企業も多く出資している。
 
日本ハムの札幌移転は昨年(2002年)3月20日に明らかになっていた。これまで北海道には過去にもプロ野球球団がフランチャイズしたことはなく、地元では概ね歓迎ムードであった(巨人の試合が無くなるのではと危惧する向きはあった→実際には2005年からセパ交流戦が始まり、札幌ドームに限れば、安定してセリーグ・チームが見られるようになる)。
 

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2003年8月21日(木).
 
千里たちが通うS中学校では始業式が行われ、2学期が始まった。始業式では夏休み中に行われた大会の結果報告が行われ、吹奏楽地区大会の金賞、テニスの道大会に出て5位(Best8)入賞したペア、そして同じく剣道の道大会で5位(Best8)の千里の賞状が披露された。壇上に、吹奏楽部部長、テニスのペア、そして千里が登って全校生徒から拍手をもらった。
 
沙苗は新学期早々、札幌の病院で書いてもらった、性同一性障害の診断書を学校に提出した。これで、沙苗は完全に女子として扱われることになった。沙苗は毎月1回札幌の病院に通い、つい昨日この診断書を書いてもらったらしい。
 
診断書をもらうのも大変なんだなあと千里は思った。
 
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「正式に女性ホルモン剤の処方箋書いてもらったから、これからはこれでホルモン剤を飲むことができるよ。これまでありがとう」
と沙苗は言った。
 
千里は“これまで”って何のことだろう?と首を傾げたが気にしないことにした!
 
沙苗はこの後は、半年に1回くらい通って経過観察を受けるらしい。
 

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剣道部では新しい部長が選ばれることになった。女子では2年の武智紅音さんが部長を継承した。
 
「まだ2級なのに部長というのは恥ずかしいけど。1級の沢田さんか村山さんにしてもらった方がいい気もするんだけど」
などと言っていたが、千里たちは
「順番で」
と言っておいた。男子では2年の古河さんが部長になったが、彼もまだ2級である。
 
「男女とも代表になれない部長になるかも」
などと、古河さんと武智さんは話していた。
 
なおバスケット部は秋の大会まで3年生が出るので、その後、新しい部長が選出される。
 

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ところで、S中では1学期までメインとサブの体育館をこのように使っていた。
 
(卓球部は体育館のステージの所に卓球台を置いて練習している)
 
ところが、S中のバドミントン部は、部員が全員3年生であっため、この夏の大会(7月)をもって部員が居なくなり、事実上消滅した(一応名前は残るが来年の春の新入生で誰も入らなかったら正式に廃部となる)。
 
バドミントン部はこれまでメイン体育館の北側の4割程度を使用していたのだが、無くなったので、そこにサブ体育館を使っていた体操部が移動してきた(吊り輪も8月中に移設した)。実はサブ体育館では3分の2ほどをバレー部が使っていたのだが、時々ボールが飛んできて、演技中の体操部員にぶつかる事故が発生して危険だったのである。
 
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一応フェンスを立ててはいたのだが、バレーのボールは高く上がるので防ぎきれなかった。メイン体育館でも隣でバスケットボール部が練習しているが、バスケットなら“転がってくる”程度なのでネットで防ぐことができる。
 
そして、体操部が移動した後のサブ体育館に女子バスケット部が練習場所をもらったのである。それでこのようになった。
 

 
サブ体育館は狭いので、女子バスケ部がもらったのは25m×9mほどのエリアにすぎない。スリーポイントラインがぎりぎり描ける程度で、ハーフコートどころかクォーターコートに近いが、これまでよりは練習環境が良くなった。
 
それでこれまでは男子がウォーミングアップしている間に10分間くらいだけコートで練習していたので
「女子バスケット部とかあるんだっけ?」
と(千里Rから!)言われていたのだが、一応毎日2時間程度の練習ができるようになった。
 
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「千里が練習に来ている」
「ごめんねー。何でか知らないけど、練習に行こうとしても、なぜか体育館に辿り着けなかったのよね」
「体育館はダンジョンの先にでもあるのか?」
 
実はこれまではメイン体育館に剣道部の千里Rがいるので、バスケ部の千里Bは“30mルール”により、放課後体育館に現れることができなかったのである。
 
そしてこの2学期から、女子バスケ部にもうひとりメンバーが加わった。
 
「え?花和君って生物学的にも女子なの?だったら女子バスケ部に入らない?」
 
と言って、長身の留実子に目を留めた、留実子と同じクラスの数子が勧誘したのである。数子はそれまで留実子は“女の子になりたい男の子”なので“時々”セーラー服を着ているのだと思っていたらしい。(留実子は割と学生服を着ている)
 
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「でも僕は応援団だから」
と留実子は言ったが
 
「他の運動部でないなら、大会の時の助っ人だけでもいいから」
と言って引き込んだのである。
 
留実子としても、鞠古君がバスケットをしているので、自分もバスケットに関わってもいいかなという気分になったようだ。
 
それに留実子は千里と1on1をしたら、全く勝てなかったので、少し闘志を燃やしたようである。(数子に8勝2敗、久子にも6勝4敗だったが、千里には0勝10敗だった)
 

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留実子が“時々”バスケ部に参加するようになったので、顧問の伊藤先生は留実子に言った。
 
「万一練習中とかに怪我したような場合に、保険金が出ないとまずいし、バスケットは大会の時、バスケット連盟の会員証を確認されることがあるんだよ。それで練習には気の向いた時だけ出てくればいいけど、部員としては正式に登録させてもらえない?」
 
「いいですよ」
 
それで留実子は応援団と兼部で女子バスケット部にも“形式的”に入ることになったのである。伊藤先生は、留実子が小学生の時は男子サッカー部に入っていたと聞いたので、それで彼女の登録番号を検索して見付けた。
 
「あれ〜?男子サッカー部の部員なのに性別は女子になってる。なんでだろ?」
と混乱したものの、千里の件で変則的な処理をしたので、まあいいかと思った。
 
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それでその登録番号でS中バスケット部に登録し、スポーツ保険が適用されることになった(保険料は千里!が払った。留実子は運動能力はあっても、お金が無い)。またバスケット協会にも選手登録を申請した。これは女子で申請したので、留実子はちゃんと女子選手として、試合に出られることになった。
 

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夏休みが終わったので、千里BのQ神社でのご奉仕は、夏休み前と同様、土日祝のみとなった。ところが8月23日(土)に出て行ったら、思わぬことを聞く。
 
「え〜!?、寛子さん、辞めたんですか?」
「急に辞令が来たらしいのよ」
と困惑したような顔で香取巫女長が言った。
 
「急な欠員が出て、2学期から函館の近くの上磯町の高校に赴任したのよ。新学期始まる前日に言われて、引越の手配できないから、ほとんど身一つで向こうに行って。荷物は追って、来週お父さんに運んでもらうと言ってた」
「大変だぁ!」
 
「それで龍笛の吹き手で困ってしまって」
と細川さんが言っている。
 
「学校を卒業している吹き手が必要ですよね?」
「そうなの。できたら20代くらいで。この際、既婚でもいいから。千里ちゃん、誰か知らないよね?」
「ちょっと心当たり聞いてみますね」
「うん。よろしく」
 
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千里は映子に訊いてみた。
 
「映子ちゃんさ、一番上のお姉さん、今何してるんだっけ?」
 
映子の所は女の子ばかり4人で、中3、高2、そしてこの春に高校を出た姉がいる。
 
「それがさぁ。スーパーに勤めてたんだけど、京子姉って要領悪いからさぁ。試用期間満了で本採用拒否されちゃって。京子姉は人から指示されないと動けないタイプだから」
 
「その京子お姉さんも横笛が吹けたよね?」
 
「うん。うちはそもそも京子姉がフルート吹いてたから、その妹、その妹と全員姉の真似して吹くようになった」
 
「今お仕事してないなら、巫女さんしない?」
「へ?」
 

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それで千里(B)は映子の自宅にお邪魔して、直接京子さんと話してみたのだが、彼女はおっとりしたタイプでこういう性格ではスーパーとかコンビニみたいな所では首になるかも知れんと思った。しかし神社ではこういう性格は、むしろ優雅に見えて使える気がした。
 
笛だが、フルート・ファイフ・篠笛は吹くけど、龍笛は吹いたこと無いと言っていた。小春に頼んで、Q神社にストックされている5000円のプラスチックの龍笛を1本買ってきた。それを渡して京子さんに吹いてみてもらったのだが、さすがにすぐ“音は”出る。
 
「こんな感じで強く息を使うんですよ」
と言って、千里が自分の龍笛で吹いてみせる。
 
「なるほど」
と言って、彼女は強い息で吹いてみた。
 
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「あ、そんな感じです、そんな感じです」
 
それで千里は彼女をQ神社に連れて行った。
 

龍笛は吹いたことないけど、これまでフルートや祭りの篠笛は吹いていたと言い、龍笛は練習するのでと説明する。取り敢えず千里が渡したプラスチックの龍笛を吹いてもらうと
 
「これなら練習したら上達するよ」
と細川さんに言ってもらい、取り敢えず仮採用となった(10月連休明けから本採用)。
 
それで京子は千里から!龍笛を習うことになった。彼女が神社で使用する曲を覚えるまでは、細川さんと循子さんで平日の客には対応する。循子さんは平日にも詰めているから彼女から曲を習っても良さそうなものだが
 
「私の下手な笛を聞いて覚えたらよくない」
と循子さん本人が言っていたので、千里から習うことになった。
 
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使用する笛については、細川さんから言われて、千里が“見せ笛”として使っていた合竹の龍笛を、細川さんが適当な価格で買い取って、京子さんに貸与することにした(千里は3万円でいいと言ったが、細川さんは10万円くれた)。
 
そういう訳で、千里は“見せ笛”と“吹き笛”の使い分けをやめて、Tes No.224の龍笛をいつも使用することにした(織姫は神事や結婚式など特別な場合のみ)。
 

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