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■女子中学生のビギニング(3)

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富良野というとドラマ『北の国から』のロケ地としても有名である。
 
『北の国から』は1981-1982年に連続ドラマとして放送されたものだが、その後、数年おきにスペシャル版が放送された。最近では昨年(2002年)9月に放送されているが、それが実質的に最後の放送となった(2022年現在続編は放送されていない)。主演の田中邦衛にとっては代表作であり、また、さだまさしが歌う「ああ〜ああああ、あ〜あ」というメロディを連想する人も多い。
 
ファーム富田を出た後は富良野市内に入りこの『北の国から』のロケ地を見学する。最初に行ったのは“拾ってきた家”だが
 
「もう少しまともな建て方がある気がする」
という意見多数。
「わざと変にしてるよねー」
と言っている子もあった。
 
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少し歩いて“五郎の石の家”を見るが不評である!
 

その後、バスで移動して、“北の国から資料館”を訪れた。
 
千里たちの世代ではこのドラマを見ている子はそう多くないので、ピンと来ない感じの子も多かったが“拾ってきた家”“五郎の石の家”を見た後だったので結構イメージが膨らんだし、みんなガイドさんの説明に聞き入っていた。
 
資料館の後は、近くの三日月食堂を訪れたが、そろそろお腹が空いてきた頃でラーメンが大人気であった!食べたのは希望者のみだがほとんどの子が食べた(大量人数なので最低70食(購入約束)最大90食と言って予約しておいた)。
 
「ラーメンは美味しい」
「うん。今日のコースの中で最大の収穫だ」
などと声があがっていた。
 
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(三日月食堂は2009.9で閉店した)
 

ロケ地見学の後はバスで2時間半ほど走り、夕方留萌に帰還した。学校で解散して、迎えに来ている保護者の車で帰宅したが、セナは母から
 
「あんたなんでセーラー服着てるの?」
と言われ
 
「しまった。学生服返してもらってない」
と焦っていた。
 
その場にいた数人の女子に自分の学生服を誰が持っているか尋ねていたものの誰も知らないと言うので(知ってる子も教えない)、結果的に翌日朝もセーラー服で登校するハメになった。しかしジョークの範囲と思っている父親が
 
「お前、可愛いぞ。そのまま女子中学生になるか?」
と大笑いして言っていたらしい。
 
セナは、お父ちゃんが女子になってもいいと言うのなら、本当に性転換しちゃおうかしら、と思った。手術痛そうだけど。
 
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9月13日(土).
 
バスケットの秋季大会留萌地区予選が小平町(おびらちょう)で行われた。3年生にとってはこれが最後の大会ということになる。
 
現在、留萌振興局(支庁)には19の中学校があるが、極端に生徒数の少ない学校もあり、それらの学校が近くの中学に加わる形のチームも作られて、男子14チーム、女子8チームが参加していた。
 
コート割当表
8:00〜 9:00 男1回戦 ABCDEF
9:00〜10:00 女1回戦 ABEF
10:00〜11:00 男準々決勝 ABCD
 
11:00〜12:30 女準決勝 EF
12:00〜13:30 男準決勝 AB 13:30〜15:00 女決勝 E 女3決 F
14:30〜16:00 男決勝 A 男3決 B
15:10〜15:30 女表彰式 E
16:10〜16:30 男表彰式 A
(日没17:43)
 
AB:B&G海洋センター CD:小平小学校 EF:小平中学校
 
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(コートは各会場2コートずつ取られている。ちなみにB&GはBoys and Girls ではなく、Blue Sea and Green Land 青い海と緑の大地)
 
※準々決勝以下は「スローイン等でも時計を止めない」「タイムアウト無し」の方式で行う。また決勝と3位決定戦以外では、本割で決着付かなかった場合は、延長戦は行わずフリースロー対決をして、それでも決着がつかない場合はジャンケン!ということになっていた。
 

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メンバーは保護者の車に分乗して現地に入った。女子は、節子さんのお母さんの車に節子・房江・久子、友子さんのお母さんの車に友子・数子・千里・留実子が乗っている。身体の大きな留実子は当然助手席である!後部座席には友子・数子・千里の順に座っている。身体がくっつくが、千里と接触する数子は、この子、ほんとに感触も女の子だよなあと思っていた。
 
女子は、3年生の節子と房江、2年生の久子と友子、1年生の数子と留実子という6人のチームで、千里はアシスタント・コーチとしてベンチに座る。
 
例によって試合前の練習で千里が遠くからスリーをノーミスでじゃんじゃん放り込むのを見て相手チームはかなりビビっていたようである。しかしスタメンには当然千里は出ていない(スターターは体力の無い友子以外の5人)。
 
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それで千里が出てくる前に決着を付けようという感じで向こうは攻めてきて自滅する!いつものパターンである。第1ピリオドで長身の留実子がどんどんシュートを決め、点差を付ける。第2ピリオドでは数子と交代して出た友子がスリーをどんどん決める。それで前半では15点差を付けた。
 
向こうはいつ千里が出てくるんだろう?と訝りながら対戦するが千里は最後まで出ないまま、20点差で決着した。向こうは千里は後の試合のために温存したのかなと思ったようである。
 
そういう訳で、S中女子バスケ部は春の大会に続き、1回戦を突破したのである。バスケットフェスティバルも入れたら3勝で、過去5年間1度も勝ってなかったのに今年はとても優秀である。
 
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1回戦は海洋センターで行われたのだが、準決勝以降は小平中学校の体育館で行われる。
 
そして両者は・・・ 2kmほど離れている!
 
「ジョギングで行くよ」
「え〜〜〜!?」
「お母さん、車を中学校に回送しといて」
「了解了解」
 
ということで、車2台は部員は乗せずに回送され、S中女子バスケ部員(千里を含む)は2.1kmの道のりをジョギングで移動したのであった。
 
体力の無い友子は完璧にダウンしている。
 
「もう私試合に出る体力無い。千里、性転換して私の代わりに出て」
「いや千里は性転換済みだと思うんだけどね」
 

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ということで、1回戦が終わってから1時間後、小平中学校に到着してから40分後に準決勝は行われた。相手は羽幌町の中学であった。
 
相手は結構強いなと思った。そして強い所とやり慣れてると思った。
 
向こうはこちらのチームで最も警戒すべきなのが留実子であることを見抜いていた。
 
それで向こうは留実子にダブルチームを掛けて、彼女がほとんど仕事できないようにした。留実子は身体能力はあるが、バスケット自体に関しては素人に近いので、これで完全に封じられてしまう。
 
すると、他は3対4になるが、底力があるので、こちらの4人に向こうの3人で充分対抗できる。それで結局10点差で負けてしまった。
 
「うーん。残念」
「ジョギングで疲れたからでは」
「その後30分以上休んでいるから関係無いと思う」
 
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留実子が物凄く悔しそうにしていた。留実子はたぶんバスケの練習に熱心に来るのではないかと思った。
 

お弁当(例によって留実子の分は千里が用意しておいた)を食べてから30分くらい休んで3位決定戦に出る。
 
このチームも留実子にダブルチームを掛けたが、それで守備が手薄になったところに、ようやく体力を回復させてきた友子がスリーを連発する。友子に気を取られると、先の試合で少しは学習した留実子がダブルチームを振り切ってゴールにボールを叩き込む。
 
これがうまく回り、かなりの接戦をしたものの、最後に留実子のダンク気味のシュートが決まって1点差で辛勝した。
 
これでなんとS中女子バスケ部は、部創設以来初めて?地区3位になったのであった。
 
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表彰式で3位の賞状をもらったキャプテンの節子が
「最後の最後で凄くいい想い出ができた」
と泣いて喜んでいた。
 
「私たちは辞めちゃうけど、今年がS中女子バスケ部のビギニングかもね」
と、もうひとりの3年生・房江は言っていた。
 
「千里が性別変更してくれていたら優勝も夢じゃなかったね」
などと数子は言っていた。
 
なお、遅くなるので、女子部員は男子の試合は見ずに帰宅したが、S中男子も3位になり、バスケ部は男女アベック3位を達成した。
 

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女子バスケット部は部長の交代をおこない、ポイントガードの久子さんが新しいキャプテンになった。この時点で部員は下記である。
 
2年生 PG 久子 SG 友子
1年生 SF 数子 C 留実子 SG 千里
 
5人ぎりぎりだが、千里が男子として登録されているので、早々に!千里が性別変更しない限り、試合に出られないことになる。
 
「何か性別を変えられる法律ができたんでしょ?千里、性別変更を申請しなよ」
「あれ来年の夏に施行されるんだよ」
「来年かぁ!」
「それに性別変更できるのは20歳以上」
「そこは年齢誤魔化して」
 
バスケ部に入っている千里(B)は自分の戸籍が既に女になっていることを知らない。
 

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「え?専務さん、入院してるの?」
「何か貧血みたいな症状で倒れて病院に運び込まれたら癌が見つかったらしい」
とその日、久しぶりに帰って来た英世は言った。
 
現在ワンティスはアルバムの制作中で、実質リードギターを弾いている英世はなかなか帰宅できない状態が続いていたが、10日ぶりくらいに帰って来た。
 
「そういう状況で癌が見つかったって、かなり進んでいる気がする」
「うん。だから心配なんだよ。うちの事務所って、専務の顔で持ってるようなものだから」
 
事務所を実際に切り盛りしているのは、専務の夫である村飼藤四郎社長ではあるが、往年の大歌手である専務の千代さんのネームバリューあってこその事務所である。
 
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「取り敢えずお見舞いに行ってくるよ。病院はどこ?」
「それが面会謝絶らしい」
「それ、物凄くやばいんじゃない?」
「そんな気がする」
 

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1歳くらいの子供を抱いた女は、事務所の入口で
「猛獅に会わせてください」
と言い、事務所の社員で元プロレスラー!の左座浪は
「帰って下さい」
と言って絶対に中には入れず、押し問答をしていた。
 
しかし身長190cm 体重120kg の左座浪を、推定身長150cm 体重40kgほどの女は突破できず、子供も泣くので、30分ほどで諦めて帰った。
 
「お疲れ様」
「ほんと困ったもんですねー。もう3回目ですけど、マスコミとかにあることないこと言われても困るし」
と左座浪は社長に言う。
 
「どこから高岡君の愛人で、子供を産んだなんて妄想を持ったんだろうねぇ」
「グルーピーで、ツアーか何かの時に高岡さんが抱いたんでしょうかね?」
「高岡君は決して女を抱いたりしてないし、その女は見たこともないと言っているからそれを信じてるんだけどね」
 
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「DNA鑑定させろとか言い出したら?」
「高岡君の言葉を信じて応じてもいい。結果が出れば高岡君の身の潔白を証明できるし。しかし面倒だな。彼の種でないことを証明できても、セックスしたかどうかは水掛け論になりかねないし」
 
と溜息をつきながら、村飼社長は腕を組んだ、
 

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