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■女子中学生・冬のOOOグラス(24)

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1月20日(金).
 
この日。4時間目が数学の授業だったので千里Uが授業を受け、そのまま給食も食べた、一方、千里Rは早川ラボでUFOを食べていた。そこに如月から電話が掛かってくる。
 
「用具室にずっと誰かの竹刀と防具が置いてあるんですが、これって千里先輩のじゃないですよね」
「あっそうかも」
 
千里は元々自分の道具がどこにあるかすぐ分からなくなるので、多数買っておいてあちこちに置いている傾向が強い。
 
「じゃそっち行って見てみるね」
 
千里Rは考えた。千里Uは多分教室にいるだろうし、体育館に行くとしても女子バスケ部が練習しているサブ体育館だろう。それで千里はセーラー服に着替えてから、教室から30m以上離れることになるメイン体育館の入口にジャンプした。
 
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それで用具室に行く。如月と由紀がいる。
「お疲れお疲れ」
と声を掛ける。
「これなんですけど」
「どれでれ」
と言って見てみる。
「あ、これ玖美子のじゃん」
「玖美子先輩のでしたか!」
「持ってってあげるよ」
「すみませーん」
 
千里Rとしては多分教室にいる千里Uを消してしまうけど、そのすぐ後に自分が姿を見せれば大きな問題は無いだろうと思った。
 

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一方その頃、教室にいた千里Uは沙苗に誘われて一緒に図書館に行こうとした。図書館は本棟北側の特別教室棟1階にある。3年1組の教室は本棟3階の南端にあるので、南階段を降りてから特別教室方面に行くことになる。
 
(再掲)

(図は左が南で右が北。サブ体育館の西隣が特別教室棟)(*36)
 
千里Rと千里Uが接近することになる。モニターしていた千里GはRと同様“30mルールで千里Uが消えるけど、沙苗はすぐRを見るから大きな問題は無い”と思っていた。
 
ところが千里Uが2階付近まで降り、千里Rが体育館を出ても、千里Uが消えない。
 
「なんで?もう30m以内だと思うけど」
 
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(*36) この図で見るように更衣室の隣に保健室がある。由紀が女子更衣室に行ったので3学期に男女別更衣室を使わず保健室で着替えていたのは公世とマナの2人である。
 

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Gはハッとした。
 
「そうだ。千里Rも千里Uも“実体”を持つようになったから勝手に消えることができなくなった。だからこの2人の間では30mルールは適用されないんだ」
 
千里Gも、“ガラス激突事件”の後でも、千里Rの出現で千里Y1が消えるのを見ていたので少し頭の中が混乱していたのである。
 
「やばい。2人が遭遇する直前にUを消そう」
と思い直す。幸いにも体育館からの通路と階段ではお互いに見通しが利かないから、沙苗も如月たちも“もうひとりの千里”を見ていない。
 

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と、その時1階廊下の北側からバスケットボールが転がってきた。ボールを追いかけていた雅代は
「千里せんぱーい!すみませーん!」
と声を掛ける。
 
雅代のほうを見た千里Rは防具を如月に
「ちょっと持ってて」
と言って預けると小走りにボールに駆け寄る。
 
一方、雅代の声を聞いた千里Uも「何だろう?」と思い、階段を駆け下りた。
 
「あ、やばい」
と千里Gが声をあげる。
 

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ドン!
 
という音がして、体育館側から走って来た千里Rと階段を走り降りてきた千里Uがぶつかった。
 
千里と千里の衝突!
 
すぐにGが千里Uを図書館前の廊下に転送した。
 
「いったぁ」
と言って千里Rも千里Uも半身を起こす。
 
千里Uはキョロキョロする。
 
「あれぇ〜?私いつの間に図書館の前に来たんだろ?」
 
しかし記憶が飛ぶのは千里の場合ごく普通の出来事なので!深く考えず頭や身体をさすりながら図書館の中に入って行った。
 

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一方本棟南階段下。
 
千里が“誰か”とぶつかって倒れボールを取れなかったので、結局後方にいた由紀がボールを取り「雅代ちゃん行くよー」と言ってボールを返球してあげた。
 
「ありがとう」
と言ってから雅代は倒れた千里のそばに駆け寄る。
 
「千里先輩大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫だけど痛かった。あれ?衝突した相手は?」
「どこ行ったのかな?」
 
沙苗が降りて来る。
 
「沙苗、今ここに降りてきたのは誰?」
「千里だけど」
「私は体育館側から走って来た」
 
「私が見たのは千里が階段を駆け下りて誰かとぶつかった所。でも倒れたのはひとりだった」
 
「つまり体育館から走って来た千里先輩と階段から走り降りてきた千里先輩がぶつかったんですね」
と如月。
 
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沙苗は少し考えてから言った。
「きっと片方はどこか遠くに弾き飛ばされたんだよ。磁石のS極とS極が反発するみたいに」
 
「千里先輩ならありそう!」
 

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「でもきっと千里先輩と千里先輩の衝突はレアですよね」
「うん。なかなか2人以上を同時に見ることはないもんね」
「千里先輩って何人くらい居るんですか」
「私も不確かだけど多分10人くらい」
「ああ私ってそのくらいいるもんね」
と本人も言っていた。
 
ということで、この場は何となく問題解決?したかのようになり、別れる。雅代はボールを持って更衣室に入り、体操服からセーラー服に着替えた。沙苗は図書館に行き、そこに千里が居るのを見て
「なるほど図書館に行こうとしていたから、そこに飛ばされたんだな」
と思った。
 
一方千里Rは如月・由紀と別れて1人で教室に向かい、玖美子に
「これ用具室に長期間放置されてた」
と言って渡した。
 
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「あ、これ学校に置きっ放しにしてた道具だ」
「だったらきっと7月から放置されてたのかな」
「そうかも。ごめーん」
 
それで千里Rは教室を出てから“司令室”にジャンプした。
 

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「何が起きたの?」
とGに訊く。
 
「ごめーん。私の調整ミス。2人が急に走り出すから転送が間に合わなかった」
とGは謝る。
「Gのミスって凄く珍しい」
と騒ぎで起きてきたVが言う。
 
「私とUが衝突したの?」
とRが確認する。
「それはそうなんだけどねー」
とV。
 
「まあこのランプを見てみなよ」
とGは言った。
 
学校の図書館にいる千里Uの所には、これまでは青2個・黄2個のランプが点いていたのが、青2個黄1個のランプになっている。そして司令室にいる千里Rの所には赤1黄1の点灯になっている。
 

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「私の中に黄が1人入っちゃったの?」
「どうもそうみたい」
「良かったじゃん。これで高校の授業も2人で分担して受けられる」
などとVが言っている。
 
「私の中に入ったのは千里Y1?」
「試してみよう」
と言ってGは千里Y1の携帯に電話した。
 
「はい。千里です」
ととても眠そうな声。
 
この時黄のランプが南階段の2階付近に出現した。そして図書館にいる千里Uのところには、青のランプが2つになった。これは完全な千里Bである。そして司令室の千里Rのところは赤1黄1のままである。
 
Gは電話の向こうの千里Y1に言った。
「もうすぐ5時間目が始まるよ。5時間目は英語の授業だけど出席して」
「はーい」
 
それで千里Y1は階段を昇って教室に向かう。一方Gは図書館にいる千里U(実質B)を旧早川ラボに転送した。Uはキョロキョロしたものの、
「ここに来たということは次の時間は休んでいいということかな?」
と思い、お布団に入って寝ちゃった!
 
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「これでハッキリしたね。ロビン(R)の中に飛び転んだのはY2 “よりこ”ちゃんのほうだね」
とGは言った。
 
「この子起きるの?」
とR。RはY2って事実上死んでいるのではと思っていた。
 
「多分、時がくれば目覚める」
とG。
「4月21日に起きる」
とV。
 
「ほんとに?」
「どっから4月21日とか」
「あれ〜?なんで私そんなこと言ったんだろう?」
「ああ降りてきたね」
 
Gがパソコンで何か計算している。
「2006年4月21日は、Yが河洛邑で消滅した2005年7月29日の266日後」
「妊娠期間か!」
「きっと千里Y2は自分を産み直してるんだよ」
「ああ」
 
「だからきっと4月21日以降は2人で分担して授業を受けられるよ。それまでは1人で頑張ろう」
「ひゃー」
 
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この日はY1が五時間目の英語を受けたあと6時間目は理科なので千里Bsに受けさせることにする。Gは5時間目が終わったあと眠っている千里U(実質B)を教室に転送した。
 
「わっ」
と千里が声をあげる。
 
「君は何で床に横になってる?」
「あれ〜?私寝てたのに」
「うん。君は寝てた」
「教室内で寝ないように」
 
千里は寝ぼけた頭で起き上がり、席に着いた。千里の奇行はいつものことなので誰も気にしない。
 

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司令室。
 
教室にいる千里のランプは青2黄1である。つまり転送したU(Bs-Bw)がY1を吸収して Bs-Y1-Bw の構成になったようである。
 
「見て。時計のベルトの模様が違う」
とVが言う。
 
「ああ、同じ青2黄1でも構成が違うからね」
 
Bs-Y2-Bw

 
Bs-Y1-Bw

 
「星条旗をやめて三色旗にしたのか」
「青の色合いが左右で違うね」
「コバルトブルーとセルリアンブルーかな」
「濃いほうがBsで薄い方がBwだろうね」
 
これでまた映子が悩むことになる。
 
「この新しい千里には“千里F”の名前を付けよう」
などとVが言っている。
 
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「どっからFとか」
「三色旗といえばフランスだからフランスのF」
「へー」
「名前はフランソワーズ」
「まんまじゃん」
「それ苗字がアルヌールじゃないよね?(*37)」
「まあフュージョン (Fusion) のFかな」
「ほほお」
 

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(*37) フランソワーズ・アルヌールは『サイボーグ009』の003の本名。
 

(石巻駅前の003像 2009.09撮影)
 

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様々な千里が出て来たのでまとめ。
 
千里R:Red (Robin) 剣道をする子。体力と戦闘能力は一番。高校は姫路に行く。
 
千里B:Blue (Bloom) バスケットをする子。Q神社で土日バイト。高校は旭川に行く。
Bs : Blue Strong 強い性格の子
Bw : Blue weak 気弱な子。でも千里Fの代表人格。
 
千里Y:Yellow (Yachiyo) P神社に常駐してた子。巫女力は一番。
Y1 : (Yuki) Y2が休眠したあと出て来た。
Y2 : (Yoriko) 光辞を読んだ子。疲れ果てて今は死んだように眠っている。
 
千里W:white Q大神が作った身代わり人形。この子は男の子。魂が無く身体だけの存在。
 
千里G:Green (Grace) 全体のまとめ役。千里たちのハイバーセルフでワイルドカード。Redのミラー
千里V:Violet (Victoria) 様々な秘密工作を担当。中学時代は千里の肉体を保持していた。千里たちのハイパーエゴで千里たちの外縁を守るシェファード。Yellowのミラー
 
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千里T:Tiger, Tamago 縞模様の子。Bs+Y2.
千里S:Sky, Sparrow, Star 星模様の子。Bw+Y1.
千里U:Union (Ursula) TとSが合体した stars & stripes の子。Bs-Y2-Bw-Y1.
U-y : UからY1が抜けた状態。Bs-Y2-Bw. 星部分が青くなった星条旗。
U-b : UからBsが抜けた状態。Y1-Bw-Y2. 縞部分が黄色くなった星条旗。
 
千里F:Fusion (Françoise) 三色旗の子“第二次統合千里”。Bs-Y1-Bw.
 
千里A:Aurum 金色の千里。少なくとも3人いる。
Ae : Aurum elder Ayin-Soph-Aur (無限光) 本体より3歳くらい上の風貌。
Am : Aurum middle Ayin-Soph (無限∞)本体と同年齢。
Ay : Aurum younger Ayin (無 0)小学2年生くらいの風貌。
 
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下記の記号は中学1年4月には一時的に使ったが、もう使用しない。
 
千里A (Aqua) White on Blue のこと
千里P (Pink) White on Red のこと
千里L (Lemon) White on Yellow のこと。
 
下記の千里は想像上の存在
 
千里K:black 千里の本体を保持する謎の存在→実はVだったことが判明
千里o:Orange 千里Bのミラー。いるのかどうか不明。
 
 
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