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■女子中学生・冬のOOOグラス(16)

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潮尾由紀は1月1日をのんびりと過ごし、小振袖を着せてもらってQ神社までお参りに行ってきた。海鮮丼のお店も元日はお休みである。由紀はそろそろ自分の進路について考え始めていた。やはりK高校に進学してどこかの国公立大学を目指そうかなと思う。それにK高校は校則が緩いから、ぼくが女子制服で通学するのも認めてくれるかも、などと思う。
 
夜は早めに自分の部屋に戻って可愛いパジャマに着替え寝た。そして由紀は夢を見ていた。
 
小学2〜3年生くらいの女の子が現れる。
 
「こんばんわ、ゆきちゃん。ぼくは男の娘の味方“魔女っ子千里ちゃん”だよ。ちなみにこれは夢だよ」
 
何度登場しても毎回名前を名乗るんだな、と思う。
 
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由紀は彼女に言った。
「ね、相談なんだけどさ。ぼく『君は女の子だろう』って言われて、女子剣道部に移籍されちゃって、新人戦は女子の部に出ないといけなくなっちゃったんだけどこれってまずいよね。ぼく男の子なのに」
と由紀は“魔女っ子千里ちゃん”に相談した。
 

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「うーん・・・ゆきちゃんは女の子だと思うけどなあ」
「でもぼくちんちん付いてるし」
「そのちんちん必要?」
「え?まさかこのちんちん取っちゃうとか」
「取っちゃうのがいいと思う。そもそもゆきちゃん女の子になりたかったでしょ?」
「それはそうだけど・・・」
「じゃちんちんとか取っちゃって、完全な女の子になろうよ」
「どうしよう・・・」
 
「ゆきちゃん、そのちんちんで“遊んだ”ことないでしょ?女の子になれたらクリちゃんで遊べるようになるよ」
 
ドキドキ・・・・・
 
「じゃタロット引いてみてごらんよ。それが君の気持ちだよ」
と言って、“魔女っ子千里ちゃん”はタロットをシャッフルし、由紀の目の前で広げた。由紀が思い切って引くと、女帝のカードである。
 
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「やはり女の子になりたいんだね」
「・・・痛い?」
「全然痛くないよ。君の身体は今中途半端に女の子になってる。これをいったん男の娘に戻す」
「え〜〜!?」
「続けて女の子に変える操作をする。そうすればゆきちゃん、完全な女の子になれるよ。お嫁さんになって赤ちゃんも産めるようになるよ」
 
「女の子に変えてもらおうかな」
 
「OKOK。寝ててね。ただ女の子に変えると少しだけ筋力とか体力も弱くなるし、身長も縮むけどけどいい?どうしても女の子の身体は筋肉が少なくて脂肪が多いんだよ」
 
「それは構わない。むしろ男の子の身体で鍛えた部分をキャンセルしないと、いくら性転換しても女子の部に出るのはアンフェアだと思ってた」
 
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「ゆきちゃんの身体は女の子になった後で鍛えた部分が大半だと思うけどね」
 
それで“魔女っ子千里ちゃん”は由紀のちんちんに触る。
「目が覚めた時はこれ無くなってるけどいいね?」
「うん。覚悟を決めた」
「それから女性ホルモンはもう飲まないで。君の卵巣が完全に目覚めるから、その卵巣が作り出す女性ホルモンだけで充分だから」
「分かった」
 
「じゃ眠ってて。目が覚めた時はもう完全な女の子だよ」
「うん」
 

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1月2日の朝、由紀は目が覚めると、自分の身体をチェックした。
 
ちんちんが無くなってる!
 
これまでは実は割れ目ちゃんの中に隠していたのである。だから女湯に入った時は絶対に“こぼれて”こないように、しっかりと“閉めて”いた。
 
割れ目ちゃんの中を指で触って確認する。クリちゃん。なんかこれ凄く敏感みたい。おしっこの出てくる穴と思われるところ。そしておなじみのヴァギナ。
 
「完全な女の子になっちゃったみたい」
 
これなら病院の先生に見られてもいいかなと思った。これまで母から何度も病院の先生に見てもらおうと言われていたのを拒否していたのは自分の身体が中途半端で、医者に診られると“変な治療”をされかねないと思っていたからである。これなら治療のされようも無い。
 
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それから下腹部奥に何か暖かいものがある気がした。これきっと卵巣だ。完全に目覚めるって言ってたな。
 
それで由紀はトイレに行ってきた。
 
すごい。これが女の子の“出方”か。なんてストレスの無い、楽な出方なんだろう。男の子ってほんとに変なおしっこの仕方してるよね。
 

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ちゃんと出て来たところを拭き、手を洗って部屋に戻る。それで着替える。ショーツを穿くときに、こぼれてくる心配が無いから凄く気楽だ。やはり女の子の身体は素敵だと思う。
 
ブラジャーを着けようとして困惑する。
 
「・・・・・」
 
おっぱいが大きくなってる!?
 
えーん。これだと今のブラジャーで入らないよぉ!全然カップが足りない。お母ちゃんに相談しなきゃ。お金無いのに負担掛けるの申し訳無いけど。
 
(これは結局姉が以前使っていたブラをもらうことになった)
 
でもぼく完全な女の子になっちゃったから、これなら女子の部に出てもいいかな、と由紀は思った。
 

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1月2日の朝、公世はまた男の子?の身体に戻っていた(ちんちんはあった:他は気にしないことにした!)。朝御飯の後「また姫路に行くね」と言って出掛ける。
 
「お正月だけど飛行機取れる?」
「大丈夫。旭川空港から神戸空港へプライベートジェットでひとっ飛びだから」
「神戸空港ってもうできたんだっけ?」
「テスト飛行だよ」
 
新早川ラボの近くでミッキーと交換で姫路に行く。そして清香と一緒にK神社で初稽古に参加した。
 
姫路の千里宅では、貴子・コリン・ミッキー・サハリン・小糸の5人でのんびりとしたお正月を過ごした。清香は1月2日の朝、お母さんの車で戻ってきて公世と一緒にK神社での初稽古に参加した。
 
(公世との交換の結果、姫路にコリンとサハリン、留萌にミッキーとなる。留萌が手薄だったことが1月8日の“事故”につながる)
 
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1月2日の夜、仮名M(←今更“仮名”も無い気がする)は夢を見ていた。
 
初夢である。
 
お正月のせいか、夢の中に七福神が出て来た。弁天様に、恵比寿様に、大黒様に、・・・・あと分かんないや!(*25).
 
そのうち、大黒様が彼に近づいてきた。
「マナブ君、君に“おとしだま”をあげよう」
「そうですか」
 
大黒様が出したのは“*ん玉”である。
 
え〜〜!?
 
「君この玉を落としたでしょ?男の子なのに*ん玉が無いのは困るよね。これ返してあげるね」
 
要らないよぉ〜〜!
 
「はい、どうぞ」
と言って大黒様は彼に*ん玉をくっつけてしまった。
 

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そこで目が覚めた。恐る恐るお股を触ってみる。
 
ちんちんの後ろに玉袋があり、立派な玉が2個入っている。
 
嫌だぁ〜〜!こんなの。
 
こんなの付いてたら、ぼく男みたいな身体になっちゃうじゃん。女子高生になることもできないし、彼にも振られちゃう。誰か取ってよぉ!
 
マナは悲しい気持ちでいっぱいだった。
 
(*25) 七福神は、恵比寿・だいこく・弁天・毘沙門・布袋・福禄寿・寿老人。こごで“寿老人”と“福禄寿”は同じ神様なので、この数え方はほんとうはおかしい。昔は吉祥天とかお多福・だるま・鍾馗(しょうき)などを入れる流儀もあった。
 

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公世の身体は1月3日の朝にはバストも消失、膣口も無くなっていた。睾丸は無かったが(実は戻し忘れ!)、その内戻るだろうと思うことにした。
 
「全くひとの身体をおもちゃにしてる人がいるなあ」
と文句を言っておいた。
 

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2006年1月3日は千里が3つ(4つ?6つ??)に分裂した2003年4月9日から1000日目である。A大神はそろそろ何か起きるかもしれない予感がしていた。
 
このところ、千里GとVは留萌の千里たちを制御しながら、深川・姫路にも新たな司令所を作るべく、毎日忙しく飛び回っていた。Gは何度も姫路に行っており、Vがひとりで留萌の司令室を見ている日も多かった。更にはVも留萌を留守にせざるを得ず、Rが千里たちの調整作業に駆り出される日もよくあった。
 
GもVも疲労が溜まっていた。
 
でもこの日はまだ“事故”は起きなかった!
 
(さんざん期待させといて)
 

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千里Rは1月2日の初稽古のあと、毎日新早川ラボで沙苗を相手に稽古をしていた。新人戦を控えた1〜2年生たちも熱心にラボに来て稽古していた。千里と沙苗は日中は1〜2年生たちに練習場を譲り、主として早朝と夕方以降に稽古をしていた。
 
結局Rが日中はあまり練習できないようなので、Vの調整で、1月4-7日については日中沙苗と2人でP神社に行かせるようにした。つまりRと沙苗は、早朝新早川ラボで練習し、星子の車でP神社に移動し、日中はP神社でご奉仕し、夕方また星子の車で新早川ラボに移動していた。
 
「沙苗は私や清香・公世と対戦する時だけ本気を出す」
「千里なら分かるよね。元男の子だった人が100%で女子と戦ってはいけないと私は思う。女子の部に出してもらえるだけで感謝すべき。千里だって全国大会の決勝でさえまだ7割も出してなかった」
 
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千里は沙苗と対戦しながら少し考えていた、そして彼女に面を決めてから言った。
 
「沙苗もそろそろ“元男の娘”から“女の子”に進化しなきゃ。高校進学を機会に進化しなよ」
 
沙苗はいったん開始線に戻ってから言った。
「そうかも知れない」
 
「春以降、勾陳に沙苗と対戦するように言っておくから」
「あの人相手なら、手を抜けない」
「あちらも全く手を抜かないからね」
 

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一方千里Uの方は1月1-3日は丸1日Q神社でご奉仕していたが、4日からは神社は15時であがらせてもらい、16時から19時くらいまで旧早川ラボで留実子・鞠古君と3人でバスケの練習をしていた。
 

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1月4日朝、公世の(疑似)睾丸は戻っていた。これが本物の睾丸ではないみたいというのは公世も認識している。だいたい押さえつけても痛くないし。
 
ぼくの睾丸って元々形だけのものだったのかなあと思って小学生の頃のことを思い出そうとするが、記憶は曖昧である。ただぼくのちんちんって元々小さかったよなという気はしないでもない。
 
友だちと遊んでる時も、おとなの人とかには、よく女の子と間違われていたし。そもそも結構女の子の服を着てたし。
 
でもぼく男になると決めたんだから。
 
「睾丸なんて邪魔だけどぼく男の子だから形だけでも睾丸無いといけないんだから」
と誰かさんに聞こえるように公世は言った。
 
くすくす、という声が聞こえた気がした。
 
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それから公世はゴールド千里ちゃんがいるかも知れない方角に向かって訊いた。
「ね?金色千里ちゃん、ぼく将来、父親になることできる?」
 
ゴールド千里ちゃん(Am: aurem middle) はわざわざ姿を現して言った。
「きみちゃんが男の人と結婚したらふつうに母親になれるよ。きみちゃんの身体はちゃんと赤ちゃん産めるように出来てる。でもきみちゃんが何かの間違いで女の子と結婚したら遺伝子的な父親にはなれるよ。人工受精すれば」
 
「ありがとう。でも人工受精かぁ!」
「きみちゃんのクリトリスを女の子のヴァギナに入れるのは無理」
「そっかー。ぼくのペニス(クリトリスとは認めんぞ)立たないもんね。でも昔は立ってた気もするんだけど」
「それはきみちゃんの体内で女性ホルモンが強くなってきたからだと思う」
「あぁ・・・」
「でも人工受精する手はあるから心配しなくていいよ」
「うん」
 
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つまりぼく精子は生産できるのかな?(保存精子があるのだったりして)
 
「それときみちゃん。ほぼ母親と思われるだろうけどね。親であって女性なら普通母親と人は思うから」
「それは気にしないことにする」
 

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「それとも男っぽくなりたい?プロレスラーみたいな身体とか」
「・・・・・」
 
公世は考えたがそれも違和感があると思った。
 
「微妙かも」
「それでいいんだよ。自分の性別意識と、男らしい身体になりたいか女らしい身体になりたいか、男の服を着たいか女の服を着たいか、は全部別だから」
「そういうもん?」
 
「世の中には男になりたいけど女の服を着るのが好きって人もいるから」
「性別って難しいね」
「きみちゃんも本当はスカート穿きたいでしょ。穿いていいんだよ」
「自粛する」
 
Gold千里ちゃんは笑っていた。
 

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「そうだ。きみちゃん、男の子になりたいんだったら、男の子の声を出す練習する?」
「練習したら出るもん?」
「男の人でも練習すれば女みたいな声は出る。女の子でも練習すれば男の子みたいな声は出る」
「練習したい」
 
「東京や大阪には訓練できる人いるんだけどなあ。留萌にはそんな訓練できる人いないから、本とビデオで練習しなよ」
と言って金色千里ちゃんは英語!で書かれた本とどうも英語っぽいDVDを渡した。
 
「日本語のは無いの〜?」
「こういうのまだ日本ではほとんど知られてないからね。英語頑張ろう」
「分かった頑張る。この代金は?」
「赤の千里ちゃんの口座からもらっとく。本人自分がお金いくら持ってるか、毎年いくら稼いでるかとか全然分かってないから」
「ああ」
 
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それで公世は男の子の声を出す練習を始めたのである。
 
「よけいなことを」
と言っている人がいたが、気にしないことにする。
 

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公世は取り敢えずDVDを見てみた。
 
「・・・・・・」
 
「あのぉ、これ男の人が女の子の声を出すレッスンみたいなんだけど」
「間違ったぁ。ごめん、こっちだった」
と言ってGold千里ちゃんは別の本とDVDを置いていった。
 
(絶対わざとだ)
 
 
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